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| 2013年11月07日(木) ■ |
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| 風習ってのは、そういうもんじゃねぇか。 |
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書籍「フィシュストーリー」(伊坂幸太郎著・新潮文庫刊・338頁)から。 「動物園のエンジン」「サクリファイス」「フィッシュストーリー」「ポテチ」 大好きな作家・伊坂幸太郎さんの中短篇集であるが、どの作品も面白く、 文字が鮮明な映像となって浮かぶところに、その凄さを感じるとともに、 何気ない台詞にも、ウィットが含まれていて、当然私のメモは増えた。 「フィッシュストーリー」「ポテチ」は、映画化されているので、 今回は「サクリファイス」から選んだ一言。 「サクリファイス」(sacrifice)とは「生け贄・犠牲」という意味だが、 そこには、その土地に長く守られている「風習」というテーマがあり、 こんなフレーズが私のアンテナに引っ掛かった。 「風習ってのは、そういうもんじゃねぇか。 何かを隠すために、それらしい理屈をこじつけるってわけだ。 恐怖とか、罪悪感とかよ。あとは欲望とかよ。そういうのだよ。 そういうものをごまかすために、風習とか言い伝えとかができるだろう」 確かに「昔からの風習」という言葉で全てを片付けてしまうことの裏には、 恐怖・罪悪感・欲望など、その土地で生きていくには困る(邪魔になる)事が、 存在している気さえしてきた。 もしかしたら、部落民といった差別なども、風習の1つかもしれない。 しかし、その風習を守ることで、その地域が一体となってまとまることも事実。 改めて、私の住む土地の「風習」に目を向けてみたい。
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| 2013年11月06日(水) ■ |
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| 人を通して本を知る・本を通して人を知る |
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今、巷でジワジワ広がりをみせている「ビブリオバトル」。 簡単に説明すれば「自分の好きな本を5分間で紹介し、 誰が紹介してくれた本が読みたくなったか」を投票で決める。 京都大学で始まったらしい「本の紹介コミュニケーションゲーム」。 紹介の仕方(プレゼンテーション)が、上手い・下手ではなく、 「自分がこの本を選んだ理由を、熱く語る」ところが面白い。 静岡県図書館大会で紹介されたかと思ったら、 すぐに地元紙でも「書評合戦じわり浸透」の見出しで掲載された。 気になる一言は、その「ビブリオバトル」のキャッチコピー。 「人を通して本を知る・本を通して人を知る」 あの人が推薦する本だから読んでみようかな、と思うもよし、 あの本を紹介してくれたあの人に興味が出てきた、でもよし。 そんな出会いが生まれるから、図書館活動は生涯学習の拠点、と 言い切れるのだろう。 へぇ〜、あの人ってあんな本も読むんだぁ、という驚きが、 また、人間味溢れた面を引き出してくれる。 「バトル」と言っても「競争」ではない。 「交流」を目的とした「おすすめ本の紹介」と思えばいい。 「とても興味深い本でした。是非、読んでみてください」 こんな紹介ができる本を選べばいいんだよなぁ。
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| 2013年11月05日(火) ■ |
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| Tous cobayes? (みんな、モルモット?) |
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映画「世界が食べられなくなる日」(ジャン=ポール・ジョー監督)から。 「食の安全」とか「食育」など、食べ物に関する記事は、 毎日のように、新聞紙上を賑わせているが、どれだけ理解しているのか、 自分でもはっきりわからない。 「遺伝子組み換え作物」や「原発放射能を浴びた食べ物」は、 体によくないと、一般常識としては知っているが、 では何か行動しているか?と訊かれたら、答えは「ノー」なのである。 と言うことは・・冒頭に飛び込んできた強烈なメッセージ(フランス語) 「Tous cobayes?」 (みんな、モルモット?) に対して、 「イエス」と答えたことになるかもしれない。 「良いか、悪いか」「正しいか、正しくないか」「安全か、安全ではないか」 私たちの体を使って、長い食生活の期間を、科学者が実験している。 作品中、福島で農業を営んでいる高齢者も、やる気が出ないと本音を語った。 そして「なんかモルモット扱いされているような気がします」と呟く。 根本的な解決方法が見つからないので、いろいろな方法で実験してみて、 最適の手段を選んでいる感じがするから、我々を「モルモット」と例えた。 今回の作品は、反対派の一方的な主張であり、メッセージ性が強い。 だから、その点を考慮して鑑賞する必要がありそうだ。 しかし、このメッセージも参考にして、自分のしっかりとした意見を持ち、 それが明日からの行動へ繋がればいいな、と思う。
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| 2013年11月04日(月) ■ |
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| 3.11(悲愴)から11.3(歓喜)へ |
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注目のプロ野球日本シリーズ第7戦は、 「東北楽天ゴールデンイーグルス」の優勝で幕を閉じた。 楽天の勝因・巨人の敗因を、解説者のように、 つらつら書き連ねるつもりは毛頭ない。 どうしても勝ちたいと思う気持ちは、どちらが強かったか、 「田中投手の目力VS阿部捕手の目力」 記憶に残すために、そんなフレーズを残しておこうと思う。 今回の気になる一言は、単なる「偶然」では片付けられない、 運命的な数字に注目してみた。 東日本大震災が襲ったのは「3月11日」、 私たちは、ニューヨークの爆破テロ「9.11」と同じく、 衝撃的な日にちとして「3.11」と呼び、 誰もが「3.11」と口にすれば「東日本大震災」のことと理解する。 その「3.11」をひっくり返した「11.3」に、楽天が優勝した。 もちろん、今でも「3.11」の爪痕は残っているだろうが、 その悲愴感漂う数字が、歓喜の数字に変わった、と思う。 文字にすると「3.11から11.3へ」。 ちょっと注釈すれば「3.11(悲愴)から11.3(歓喜)へ」 これだけで、楽天が初優勝した日を思い出せることになる。 第7戦まで熱戦を繰り広げ、国民の気持ちが最高潮に達して、 決着した日本シリーズだった気がする。 これも「神の計らい」だろうか、素晴らしい筋書きであった。
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| 2013年11月03日(日) ■ |
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| 字面(じづら)では見えてなかったものが見えてきた |
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大岡信ことば館の企画展「聞くことはさわること?展」 オープニングセレモニーに、わが課のスタッフと足を運んだ。 館長が「詩の朗読現場に立ち会って感動した」と口を開き、 「記憶と現在〜展」を同時開催している、大築勇吏仁氏、 また先月、なんでも鑑定団の鑑定士としてお世話になった、 永井龍之介氏の挨拶が続いた。 特に「絵画が観るものになったのは印象派以降で、それまでは 絵画は読むものだった」という視点に興味を持った。 しかしそれ以上に強烈だったのは、地元の高校生の朗読の後、 詩人・大岡信氏の作品を、独特のトーンで朗読してくれた、 声優・斎賀みつきさんのコメントであった。 朗読後「声優でも、詩の朗読という仕事はあまりないんですよ」と 照れながらも、文字を音にする楽しさを味わっていたようだ。 「字面(じづら)では見えてなかったものが見えてきた」と感想を語り、 「詩って、意外となぞ解きかな?」と、詩全体を紐解いていく様子を 彼女なりの表現でまとめてくれた。 静まり返った会場で、彼女の朗読に引き込まれていく感覚は、 味わったことにないものである。 声優の朗読って、こんなにも心が震えるんだ、と知った体験。 「耳で楽しむ展覧会」・・その意味がわかった気がした。
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| 2013年11月02日(土) ■ |
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| 「ふるさと」(合唱)は、全国共通の譜面を |
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芸術の秋、合唱に参加する機会が多いことは、以前に書いた。 多くの方に参加して欲しい、という気持ちと、 「次代の残したい歌」という日本人の心を反映してか、 「兎追いし かの山・・」で始まる「ふるさと」は、 合唱曲の定番中の定番となっている。 しかし、曲が簡単であればあるほど、アレンジ・編曲も多い。 と言うことは、同じパート(私の場合・テノール)でも、 数多くの歌い方があり、それがかえってジャマをしてしまう。 以前覚えた「ふるさと」の楽譜が頭から離れず、 新しい楽譜が、一向に記憶に残っていかない、というわけだ。 日本全国共通で覚える混声4部合唱「ふるさと」の楽譜を決め、 「基本バージョン」として広めたらどうだろう。 日本全国の老若男女が「ふるさと」を練習し、 7年後に迎える「東京オリンピック」の開会式で歌う。 開会式会場にいる人をはじめ、テレビやラジオの前にいる 北海道から沖縄までの国民が、一斉に「ふるさと」をハモる。 想像しただけでも、震えてくるような光景が浮かぶ。 その後は、街のあちこちで「ふるさと」を口ずさむ人が増え、 つられて、自然にハモっていくことにでもなったら、 「笑顔が溢れ、ここちよく住み続けたくなる国・日本」が誕生する。 選択肢が多いことが「豊か」とは限らない。 大切なものをじっくり育て、大きな花一輪を咲かせることだって 「豊か」といえるのではないだろうか。
P.S. しかし・・最近では「ふるさと」と言えば「嵐」らしい。(汗)
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| 2013年11月01日(金) ■ |
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| このままでは女性が潰れちゃうから |
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「男女共同参画社会の実現」について、 私は大きな誤解をしていたことに気付いた。(汗) 講演会ではなく、職員の勉強会での話なので、 講師の名は伏せるが、今までの疑問が少し解決したから。 なぜ「男女共同参画社会」を目指さなければならないの? という単純な疑問は、理解できた。 その答えが「このままでは女性が潰れちゃうから」 男性は「仕事」、女性は「家事・子育て」の時代から、 男性は「仕事」、女性は「仕事・家事・子育て」となった。 もちろん、その考え方も「社会が作り出した性差」であるが、 性別で役割を分業してきた社会は、 戦後高度経済成長期の消滅により、その形態を保てなくなった。 それなのに「男女の性別分業」を進めていると、 女性の負担が増え続け「このままでは女性が潰れちゃう」、 だから、男性が女性の役割とされてきた「家事・子育て」を 少しでも手伝い、負担を減らしていこう。 それが、少子高齢・人口減少社会の到来に直面している 「崖っぷちの日本社会」を救う特効薬だから・・という説明は、 不思議と納得できた。 そんな社会の実現こそ、男性も「仕事一筋」の負担が減り、 楽になることに違いないのだから。 男性も「仕事・家事・子育て」、女性も「仕事・家事・子育て」。 どちらも負担が減り、充実した生活が送れたらいいな。
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