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しもさんの「気になる一言」
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2013年05月30日(木)
彼は私に同情していない

映画「最強のふたり」(エリック・トレダノ監督)から。
鑑賞している私たちは、客観的に観ているからか、
首から下が麻痺してしまった富豪の男が、
なぜ刑務所を出たばかりの黒人青年を気に入ったのか、
とてもわかりやすいのだが、映画の中では誰もわからない。
富豪の親戚の人たちは、財産目当てで近づいたとか、
「注意したまえ、ああいう輩は容赦ない」と助言するシーン。
それに耳にした、富豪の主人公はこう言い返す。
「そこがいい、容赦ないところがね。私の状況を忘れて、
電話を差し出す。彼は私に同情していない。
ただ体が大きく健康で脳みそもある、彼の素性や過去など、
今の私にはどうでもいいことだ」
周りは、お金持ちの障害者として、距離を置いて接する。
その点、黒人青年の彼は、1人の人間として認め、
今まで自分が経験したことのないことも、
健常者と同じように体験させ、なんでも臆病になっていた
富豪の好奇心を見事に満足させていく姿は、爽快である。
私も大好きな、ヴィバルディ作曲の「四季」。
特に「夏」は、効果的に使われていたなぁ。
感情が激しく揺さぶられるBGMだった気がする。



2013年05月29日(水)
恐竜センターに行ってきたよ

先月から今月の初め、私たちの職場、地域交流センターで、
絵本作家・宮西達也さんの原画展が開催されていた。
地元の幼稚園児たちも、散歩しながら大勢訪れてくれ、
展示会場が、元気な声と賑やかな雰囲気に包まれた。
宮西さんの作品と言えば「おまえうまそうだな」に代表される
テラノザウルスなどの恐竜が登場するが、わが課の職員が、
機転を利かせて、テラノザウルスの着ぐるみに入り、
子供たちの前に登場したから、もう大喜び・大騒ぎ。
全国の「ゆるキャラ」をはじめとした、着ぐるみの威力は、
こういったところで実感することが出来た。
しばらくしてから、幼稚園の先生に聞いた感想は、
「おかげさまで、楽しい時間が過ごせました」。
「それはよかったね、子ども達の反応はどうだった?」
と訊いたところ「実は・・」とちょっと笑いながら、
「子どもたちに今日はどこへ行ってきましたか?と質問したら、
恐竜センターに行ってきたよ、でした」。(汗)
子ども達は、私たちの予想を面白いように裏切ってくれるから、
私の日記のネタになる。これからも楽しみしよっと。
それにしても・・恐竜センターねぇ、
さっそく、宮西さんに報告しよ〜っと。(笑)



2013年05月28日(火)
私も、本の背表紙を揃えていいですか?

世の中には、面白い人がいる。(笑)
そんなことを言ったら申し訳ないが、とにかく嬉しい。
昼休み時間、館長を務める図書館内を見渡していたら、
本の並びがずれていることに気付き、整頓をはじめた。
ところが、そんな私を見て声を掛けてくれた人がいる。
「すみませ〜ん、図書館の方ですか?」「はい」
「私もその作業、手伝わせていただいてもいいですか?」
「えっ・・」と訊き直して、合点がいった。
「私も、本の背表紙を揃えていいですか?」ということのようだ。
「実は、家の本棚もそうですが、本がきっちり並んでいると
とっても気持ちがいいんです」と話始めたと思ったら、
「本屋さんや図書館でも、揃えたくなるのですが、
さすがに失礼かな、と思って・・」と続けた。
私が、スタッフエプロンもせず、本の整理整頓をしていたので、
思い切って声を掛けてくれたらしい。(汗)
「いえいえ、私も同じですよ。大好きな本が、
きれいにピシッと並んでいると、気持ちがいいですよね」。
そんな話をして、しばらく一緒に作業を続けた。
「ボランティア」って、そんな気持ちから始まるんだな、
図書館を気持ちよく使ってもらうお手伝いって、嬉しいなぁ。



2013年05月27日(月)
人とはこんなものなのか

映画「のぼうの城」(犬童一心・樋口真嗣監督)から。

数年前に原作・同名の小説を読み、映画化を楽しみにしていた。

当時は「のぼう様(成田長親)」に関心が向いていたが、

今回は、なぜか、攻め落とせなかった敵将、石田三成に

私の好奇心が興味を示した。

こちらの兵の数を聞いただけで、
相手方は開城するとの噂を
耳にした石田三成が、大谷吉継に嘆く。

「大谷吉継よ、人とはこんなものなのか。

銭と武力で圧倒すれば、これほど簡単に性根を失うものなのか」

「性根」とは「根本的な心の持ち方・根性」とか

「1つのことを長くやり続ける気力」のこと。

もっと人間としての誇りみたいなものはないのか?と、

石田三成は、自分の戦のことより、人間に興味を示した。

大谷は「勝利者のみが抱ける甘美な感傷だなぁ」と答える。

その後、20,000対500(小説では20,000対2,000だった?)でも、

戦うと決めた相手方の動きに、また嬉しそうに反応する。

「わしは、人と言うものに高を括ってしまうところだったぞ」

「高を括る」とは「せいぜいそんな程度だろうときめてかかる」

「みくびる・あなどる」などの意味だから、

「人間、まだまだ捨てたものじゃないな」という、

石田三成の心の叫びが聞こえてくるようだ。



P.S.

先日他界した「夏八木勲さん」が、お坊さんの役で出演していた。

ナレーションは「TBSアナウンサー・安住紳一郎さん」



2013年05月26日(日)
観光による地域振興か・地域振興による観光か

音楽会と並んで、わが町自慢の「第158回泉のまちカレッジ」
講師「三島市観光協会専務理事・小松繁生さん」

演題「「定年後の生甲斐を求めて」
(長年、想い描いていた夢を実現する時が来た)」から。
前半、伊豆半島の観光にスポットを当てたお話があり、
近隣市町の開発(企画も含め)が、自分の住む町、働く町に、
どのような影響を及ぼすかを改めて知り、大変参考になった。
その小松氏が、最後にまとめたのは、定年後の過ごし方。
私は、この地域で、こんなことをしたい、あんなことをしたい、
という、ちっちゃな提案。
退職後に、自分の住んでいる地域振興に役に立ちたい、と
大上段に構えずとも、実は昔からこんなこと考えていたんだ、と
話す彼の顔は、子どものようにウキウキしていた。
「住民として、与えられたエサを食べるのではなく、
自分でエサを探し、(活動)生きていくことが大切」
これこそ、定年後の生き方だな、と拍手をしたくなった。
その地域に住む人たちが、イキイキと生活し過ごす姿は、
他地域の方々にとって、とても魅力的に感じられるからこそ、
知りたい、見たい、体験したい、と集まってくると言う。
それこそが、現代風の観光誘客なんだな、と理解できた。
「観光による地域振興か・地域振興による観光か」
わが町は「地域振興による観光」なんだろうなぁ、きっと。



2013年05月25日(土)
いつも、ああやって言葉集めしてるの?

映画「舟を編む」(石井裕也監督)から。
「三浦しをん」さん原作の小説と今回の映画、
共通している部分とオリジナル部分の比較は、
書籍と映画、両方を楽しむ私のライフスタイルには
ピッタリの題材であった気がする。
読書後のメモと、鑑賞後のメモを比べると、映画の方が、
宮崎あおいさん演じる「林香具矢」さんが輝いていた。
松田龍平さん演じる主人公・馬締光也さんが、下宿で
可愛がっている猫に「迎えにきたよ」と声を掛けたら、
香具矢さんが「迎えにきてくれたんだ」と登場するシーン、
昔話「かぐや姫」で月からのお迎えがくる場面とダブった。
また2人が出会った頃、料理人として修行をしていた
「梅の実」から彼女が独立したお店の名前が「月の裏」。(笑)
彼女が「みっちゃん」と呼ぶ「光也」という名前も、
「月の光」に関係しているのかな、なんて想像してみたり。
(「満月」をもじって「満也」も面白かったけれど・・)
こんなことをメモして楽しんでいるなんて私くらいかな。
ところで、どんな場面でも「用例採集カード」を欠かさない
馬締に、香具矢さんが笑いながら問いかける。
「みっちゃんて、いつも、ああやって言葉集めしてるの?」
私も宮崎あおいさんに言われてみたいな。
「しもさんって、いつも、ああやって言葉集めしてるの?」



2013年05月24日(金)
天下のNHKではなく、みなさんのNHKです

ある方が誉めたつもりで口にした「天下のNHK」というフレーズは、
御法度なのか、訂正を入れることになっているのか、
「ちょっと訂正させてください、みなさんのNHKです」と、
フォローされた光景が可笑しくて、メモをした。
帰宅後、ネットで検索したら、こういうケースは
Twitter等でも書き込まれているし、珍しいことではないらしい。
辞書によると「天下」とは、多くの使い方があるが、中でも
「かかあ天下」に代表される、
「権力をにぎって思うままに振る舞うこと」という意味や
「天下の大泥棒」「天下の横綱」などに使われる、
「比類ないこと。この上ないこと」という意味を含んだ
「上から目線」的な表現を避けているところが、面白い。
NHKファンの私としては、唯一の国営放送であるし、
「天下のNHK」という表現に、あまり違和感がなかったが、
そこまで意識して対策しているんだな、とそのことに感心した。
たぶん、どんな立場の方の挨拶でも
「天下のNHK」というフレーズに対して、間髪入れずに
「みなさんのNHKです」と言い直すよう徹底されているのかも。
「天下に名を知られる」という使い方の、
「世の中。世間」という意味に解釈すれば、いいのに・・・。
私は「天下のNHK」というフレーズ、好きなんだけどなぁ。