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しもさんの「気になる一言」
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2017年02月15日(水)
お前のせいで、奴らは苦しむのだ。

映画「沈黙 サイレンス」(マーティン・スコセッシ監督)から。
原作は、遠藤周作さんの小説「沈黙」。
若い頃、一度読んだが、覚えているのは「踏み絵」の場面など、
「信仰」するという、静かだけど力強い人間の心の動きであり、
それを映像で、どう表現するのか、とても興味があった。
しかし、58歳で鑑賞した映画作品は、原作にほぼ忠実だけれど、
私の引っかかった個所は、歴史としての「宗教弾圧」ではなく、
また「他人事」としての物語ではなかった。
心を大きく揺さぶられたのは、イッセー尾形さん演ずる
「井上筑後守」が「宣教師」に言い放った台詞
「お前のせいで、奴らは苦しむのだ」だった。
(「お前が転ばぬ限り、犠牲が出る」というフレーズも・・)
「自分の存在」が「周りの人達を苦しめている」という事実を、
目の前で見るにつけ、心が揺さぶられ、心が心を裏切りそうになる。
それは、私たちの仕事や、日常生活でも同じことが起きていると、
観賞後に、ふっと気付いたとき「自分事」に変わった。
「信じる道を貫く、目の前の命を救う、どちらを選べば良いのか」
たぶん、どちらが正しいと言うことではなく、
そのことに悩み苦しみながらも、常に自分の存在を意識することが
大切なのではないか、と考えてみたりもしている。
作品のラストに、こんなナレーションが入る。
「私は沈黙したのではない。おまえとともに苦しんでいたんだ。
沈黙の中で、私はあなたの声を聞いていた」
もう1度、原作を丁寧に読んでみようかな。



2017年02月14日(火)
男の人は1000円、3000円、5000円、10000円の違いが判らない

静岡経済同友会 東部協議会「公開セミナー」のセッション
「女性起業家と考える 世界を見据えた地域産業の成長戦略」から。
「両口屋是清・大島千世子さん」「エムスクエアラボ・加藤百合子さん」
「玉の湯(由布院温泉)・桑野和泉さん」「CREA FARM・西村やす子さん」
彼女らから発せられる言葉には、男性だけのセッションとは違う、
聴きやすさと、へぇ〜、なるほどなぁ、が溢れていた。
今回は「オリーブオイル」の産地化を目指している、西村さんの話。
「マーケットって面白い」と、私たちに向けて呟いたかと思うと、 
「ターゲットにより、売り方も違うことをショップで分かった」と言う。
例え話で出たのは「5000円のキャンドル」を作ってみた。
女性は自分では買わない、だけど、プレゼントされれば嬉しい。
女性が喜ぶなら、男性は5000円でも買う」という視点。
そのあと、彼女の(性別)分析では、
「男の人は1000円、3000円、5000円、10000円の違いが判らない」
これには、会場内がどっと沸いた。湧いたのは、
聴講している多くの男性が、痛いところをついたな、と思ったから。
マーケットは「こんなもの高くて売れっこない」ではなく、
「どうしたら売れるか」を考えることなんだな、と再認識した。
女性だけのセッション(パネルディスカッション)って、
「井戸端会議」を想像させるけれど、ヒントが溢れていたなぁ。



2017年02月13日(月)
噛みません、躾のできた良い子です

映画「植物図鑑 〜運命の恋、ひろいました」
(三木康一郎監督)から。
「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?」
主人公、ふたりの出会いは、この台詞から始まった。
「運命の恋」だから、劇的に出会うシーンを想像するが、
実は「こんな出会い方もあるんだ」とメモをした。
突然言われて、戸惑った彼女は「へっ?」と返す。
それを受けて、若い男性はこう続ける。
「噛みません、躾のできた良い子です」
このワンフレーズで、彼女の緊張が緩んだ気がする。
寒い夜空の下「拾う」のは「犬」のイメージだし、
その犬が、躾ができていなく、所構わず、
飼い主に噛みつくようなら、返事は「No」だから、
「拾ってくれませんか?」と「噛みません」は、
対となって、安心感を与えたようだ。
ただあまりにも「躾ができている」(楚々をしない)と、
飼い主はつまらないのも事実。
この辺のバランスが、男女の関係と似ていて可笑しい。
「ペットを飼うと、恋人ができない」と言われるが、
あながち、嘘でもない気がするな。
原作は「有川浩さん」の同名作品。(幻冬舎文庫刊)
時間ができたら、読んでみようかなぁ・・



2017年02月12日(日)
おはよう・・よく寝たなぁ〜

昨日の忘れ物といい、最近、ボケが始まっている。(かもしれない)
なんと今回は、曜日を間違えた。(笑)
この勘違いは、昨晩、寝る時から起きていたかもしれない。
寝る前に、愛用の手帳で翌日のスケジュールを確認し、
なんとなくであるが、明日はこうやって過ごそう、と考えながら
床につくのを日課としているが、昨晩は来週1週間の予定が気になり、
ちょっと1日早く手帳のページをめくったのだろう。
明日からまたハードだなぁ、などと思いながら寝たからだろうか、
平日としてはやや遅く、休日としてはとても早く目覚めた。
いつもなら起きてくるはずの母に対しても、疲れているのかな、
そっとしておこう、途中でおむすびでも買って食べればいいや、と感じ、
いつものように、洗顔、歯磨き、身支度を済ませ、出勤の準備完了。
最後のトイレで「あれっ、昨日、大河ドラマみたっけ?」と自問自答し、
やっと、曜日を間違えたことに気がついた。(汗)
その後は、家族に気付かれないように、そお〜っと、パシャマに着替え、
ベットに潜り込み、ずっと寝ていて、今起きたようなフリをした。
いつもよりちょっと遅く起きてきた母や妻に対しても、
「おはよう・・よく寝たなぁ〜」と呟き、間違っていたことを隠したが、
私の性格上、我慢できず、妻に明かして大笑いとなった。
今までも、間違いや、ど忘れはあるけれど、こう頻繁に続くと、
自信喪失になるなぁ。退職前に「脳ドック」受けようっと。(笑)



2017年02月11日(土)
取りに来ると思ってとっといたよ

金曜日、沼津で講演会・バネルディスカッションを聴き、
忘れないうちに、大切なメモを打ち直そうとしたら、
その資料の入った封筒が、どこを探しても見当たらない。(汗)
焦って、金曜日の夜、飲み歩いたお店に電話したが、
「白い封筒ですか?、残念ながらありませんね」の答えに、
記憶を遡ったら、午後6時前、時間調整に入った、
三島広小路駅の立ち飲み屋が気になり、電話番号もわからないから、
寒空の中、広小路まで足を運ぶことにした。
そこで、お店を覗いた途端「あっ!」と言いながら、
「取りに来ると思ってとっといたよ」の台詞とともに封筒が現れた。
昨日もいた常連さんが、私の顔を見てこう言った。
「忘れ物に気がついて、追っかけたんだけど見失って・・」と
昨晩の様子を思い出しながら、「きっと大事な書類だろうから、
近いうちにとりにくるよ」とふたりで話していたようだ。
書類自体はチラシが多くて必要ないかもしれないけれど、
私にとっては、約3時間走り書きしたメモが何よりも大事であり、
それが手元に戻ってきたことも嬉しかったが、
単なる酔っ払いの忘れ物だから、捨てられても文句がいえないのに、
大切にとっておいてくれてお店の主人の気持ちが、とても嬉しかった。
こんなことがきっかけだけど、少しだけ顔馴染みになれたから、
三島で飲み会の時は、ちょっと一杯、立ち寄ろう、と思う。
久しぶりに、心が温かくなった出来事だから、ご紹介。(笑)



2017年02月10日(金)
馬鹿な親鳥だよ

映画「乱」(黒澤明監督)から。
作品のラストシーン、こんな台詞がある。
「神や仏は、泣いているのだ!何時の世にも繰り返す、
この人間の悪行。殺し合わねば生きていけぬ。
この人間の愚かさは、神や仏も救う術はないのだ!
泣くな、これが人の世だ。人間は幸せよりも悲しみを、
安らぎよりも苦しみを、追い求めているのだ!」
たぶん、監督が伝えたかったことの一つだろう。
しかし私のアンテナには、途中、ピーター演じる「狂阿弥」の
こんな台詞が妙に引っかかった。
「蛇の卵は白くて綺麗だ。小鳥の卵は、シミがあって汚ない。
鳥は汚ない卵を捨てて、白い卵を抱いた。
孵った卵から蛇が出て来た。鳥は蛇を育てて、蛇に呑まれた」
我が子を信じ、捨てられ、殺されそうになった父親(秀虎)が、
狂った挙句に「ここはどこだ? 俺は誰だ?」と叫ぶと、
「狂阿弥」は「馬鹿な親鳥だよ」の言葉を投げ捨てる。
この例え話が、私は気に入った。
世の中には「うちの子に限って・・」と声高に叫ぶ親がいるが、
親バカも甚だしいケースを良くみかける。
子どもを育てるということは、楽しいことであるが、
非常に難しいということも、理解しておいて欲しい。
一番信じていた者に裏切られることほど、辛いことはない。
いつの世も、親子の関係は、切っても切れない課題なんだろうなぁ。


P.S (おまけの話題)
黒澤明監督の「メイクを取ろうね」
http://www.enpitu.ne.jp/usr4/bin/day?id=40832&pg=20030306



2017年02月09日(木)
水の清らかさは、日本人の美意識の基本です

小冊子「静岡県総合情報誌 ふじのくに」(vol.27)から。
「県知事鼎談」の特集記事は、
「これからの日本がなすべき 美的な文化の涵養と発信」
(大橋良介氏×東郷和彦氏×川勝平太県知事)
知事がこんなことを述べていた。
「日本における美の根源は、自然であると思います。
水がきれいなので『みずみずしい』とか
『水際立った』などの表現が生まれました。
水の清らかさは、日本人の美意識の基本です。
美意識自体は多様ですが、日本では、
水が物的基準になっているのではないでしょうか」と。
大橋氏もそれに呼応するかのように、
「中国で美しいとされるものは、玉、宝玉です。
それに対して、日本は水。
つまり、宝玉という永劫的なものではなく、
さっと流れる透明な水に日本人は美を感じていました」。
ということは、水のきれいなまちは、日本の美の聖地?と
ひとりで空想が膨らみ、ニヤけてしまった。(笑)



2017年02月08日(水)
判断基準を満たさない企業活動は行わない

内外情勢調査会主催(2月全国懇談会)
講師「小林喜光」氏(経済同友会・代表幹事)
演題「Japan2.0 最適化社会に向けて」から。
講演中、何度も口にした「最適化」。
以前のような「集中・分散」の繰り返しでは、
今の日本の課題解決できず、これからは「最適化」と強調した。
辞書によれば「最適化」とは「実行環境に応じて、
最大の処理性能を発揮できるようにプログラムやデータの形式を
調整すること。(効率的にアクセスできるようにする)
無駄を省いて最高の結果を出せるように調整すること」であり、
代表取締会長を務める「三菱ケミカルホールディングス」は、
「3つの判断基準(criteria)を制定」したことを紹介していた。
・Sustainability(環境・資源)・Health(健康)・Comfort(快適性)
私が注目したのは、この判断基準よりも、
「判断基準を満たさない企業活動は行わない」ということ。
その判断に迷いはなく、徹底した「断捨離」が行われただろう。
新規の事業も、既存の事業も、基準を順守し、ぶれない判断力。
それが、企業イメージを作り、ブランド化されていくに違いない。
「お付き合いで・・」とか「仕方なく・・」ではなく、
戦略として「判断基準を満たさない企業活動は行わない」は、
インパクトがあった。今後の判断基準の参考にしたい。



2017年02月07日(火)
貴族と罪人には共通点がある。

映画「レジェンド 狂気の美学」
(ブライアン・ヘルゲランド監督)から。
1960年代のロンドンが舞台のこの作品でありながら、
今でも、通じるところがあるなぁ、とメモしたのは、
主人公のひとりが「有名人が気に入る店は成功する」とばかり
「ナイトクラブ」を経営するシーン。
「貴族と罪人には共通点がある。彼らはわがままで飽き性で・・
ろくに働きもせず金を欲しがる。
ひいては中産階級の規律や倫理観は無視して・・
己の欲に従い、人生のルーレットを回すのだ」と。
金持ちと犯罪者は、紙一重だとも言えるこの例えは面白かった。
自分の常識が社会の常識とかけ離れていてもお構いなし、
違うところは、お金持ちはルーレットで負けても平常心だが、
罪人は行き場をなくし、犯罪に手を染めるしかなくなること。
この「狂気」とも思える行動こそ、貧富の差が激しい今日、
予想もつかない行動が大きな事件を起こす要因となっている。
ところで、主人公となっている「ギャング」のクレオ兄弟、
実在していたことに驚く。(「ギャング」は死語?)
しかし、もっと驚いたことは、まだ50年ほど前の話であり、
フィクションではなく、ノンフィクションであったこと。
いや、裏の世界、闇の世界は、今でもあるんだろうなぁ。



2017年02月06日(月)
目指すのは「観光地」ではなく「感幸地」

書籍「観光立国の正体」
(藻谷浩介・山田桂一郎共著・新潮新書刊・265頁)から。
「観光立国」を旗印に、全国で「観光」にスポットが当たる。
さらに「東京オリンピック2020」を追い風にして、
猫も杓子も「観光」「観光」の大合唱であるが、
著者の藻谷氏は、あえてこんなフレーズを残している。
「これからは、ただの『観光地』ではなく、
旅行者と住民にとって幸せを感じられる地域としての
『感幸地』を目指すべきではないでしょうか」と。
観光を生業にしている人がほとんどいない我が町にとって、
この、住んでいて幸せに感じる「感幸地」を目指す、のは、
とても参考になった。
まずは、どんなターゲットが、どんなことに幸せを感じるか、
それを調べるところから始めなくちゃなぁ。
「産業感幸課」としては・・(笑)