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しもさんの「気になる一言」
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2016年11月27日(日)
「富士山」を見せても「それで?」と言われる

あるまちづくりの会議で、こんなコメントもあった。
それが、世界を舞台にしてきた人の発言だから興味深い。
「『富士山』を見せても『それで?』と言われる。
『そこで何ができるの?』と訊かれる」と。
ここに大きなヒントが隠されている気がした。
今まで「観光」といえば「その土地の光を観る」とばかり、
他の土地では観ることが出来ない「景色(絶景)」を見つけ、
それをPR(売り出)していく手法が取られてきた。
しかし、先ほどのコメントは違う。
これくらいの景色は、世界的にはどこでも見つかる。
大切なのは「その土地に行って、私は何ができるの?」、
言い換えれば「体験型」というか「自己満足」でもいいから、
その場で何かをしたい、という欲求に変わってきたということ。
それは「〇〇教室」「ワークショップ」に限らず、
「自然保護活動」とか「ボランティア活動」でもいい。
そこに足を運ぶからには、何かをしたい、
そんな欲求に対応したメニューが受け入れられる気がするな。



2016年11月26日(土)
答えは、その時に分かる

映画「クリード チャンプを継ぐ男」
(ライアン・クーグラー監督)から。
名作「ロッキー」の続編、という紹介もあるが、
それにこだわらず、一つの作品としても筋道がわかる。
(もちろん、知っていた方がよりわかりやすいが・・)
どのジャンルでも、父親が偉大な功績を遺した場合、
二世には、私たちのわからないプレッシャーがあり、
その重圧に負けていった人たちを多く知っている。
そういう意味では、父親(アポロ)のライバルであった
盟友(ロッキー)をトレーナーに頼むのは面白い視点。
練習が過酷なのは言うまでもない。
それに耐えられると言い切れるのならば・・が大前提で
ロッキーが、二世の主人公の要請を受ける前に呟く。
「お前の親父は、特別だ。お前も特別か?
やってみなきゃ分からん。
何度も殴られ、倒され、そして立ち上がる。
答えは、その時に分かる」
特別ならば、何度でも立ち上がってくるはずだと。
その瞬間、お前は特別な存在だと証明できるはず。
父親の血が流れてる「二世」としての評価ではなく、
自分自身の伝説ができる、と言うことだろう。
道具を使わず、自分の拳だけで殴りあうボクシングが
感動しやすいのは私だけだろうか。



2016年11月25日(金)
行政が民間を「本気」で応援している

あるまちづくりの会議で、こんなコメントがあった。
全国のまちづくりを見てきて、気になったことだろうか、
成功している事例から感じたことかもしれない。
「民間が頑張って、行政が応援する形がBest」という発言は、
ビジネスという視点がない行政が頑張るよりも、
勢いのある民間の頑張りを支援している形の方が、
うまくいっていることを物語っていた。
さらに言えば、全国的に注目を浴びるところは、
「行政が民間を『本気』で応援している」ようだ。
形だけの「官民連携」ではなく「本気」であることが大切で、
その心意気を、民間は肌で感じるのだろう。
そんな意味で「行政の本気度」が試されていると言ってもいい。
それだけ、民間は必死なんだ、ということが伝わってきた。
辛口で言えば「行政の言葉遊びに付き合っている暇はない」、
そんなことなんだろうなぁ。



2016年11月24日(木)
ハンカチは貸すためにある

映画「マイ・インターン」(ナンシー・マイヤーズ監督)から。
高齢者は歳を重ねた分、経験から得た知恵が増えてくる。
そんなことを感じながら観ていたら、面白いシーンにぶつかった。
私たちからすれば、出かける時には必ず、ハンカチを持つ。
それは小さい頃から、母親に「ハンカチ持った?」と、
何度も何度も口酸っぱく確認されたからかもしれないが、
どうして必要なのか?と問われれば、トイレで手を洗ったあと、
ズボンなどで手を拭かないため、という理由しか浮かばなかった。
作品中、若者が「ハンカチって意味ある?・・分かんない」と、
高齢者に訊ねるシーンがある。
動揺もせず、高齢者はサラッと答える。
「必需品だ。知らないのは罪だぞ。ハンカチは貸すためにある」、
そして、こう付け加えた。
「女性が泣いた時のため。紳士のたしなみだ」と。
いいねぇ、そんな答えが欲しかったんだ、とメモをした。
「濡れた手を拭くため」よりも「女性が泣いた時に貸すため」、
だからハンカチは、必要なんだという発想がいい。
こんなことは誰も教えてくれないことだからこそ素敵だな。
でも・・・女性に泣かれることの方が、少ない気がする。(笑)



2016年11月23日(水)
伯父さんが、一番わかりやすかったです

甥っ子(妹の息子)が先日結婚し、身内の顔合わせと称して、
沼津市のフランス料理「ヌーヴォサンス」食事会に招かれた。
ほんの10人ほどの小さな小さな祝宴であったが、
和やかな雰囲気と、美味しい料理に囲まれて、
とても素敵な、そして贅沢な時間を流れた宴てある。
若い2人の意向もあって、披露宴をせずに、
これから一番繋がっていく人たちとの食事会を選んだようだ。
終始、温かい雰囲気がテーブルを包んでいたが、
特筆すべきは、2人が選んだ、私たち身内へのプレゼント。
「お世話になりました。これからも宜しくお願いします」の
想いが伝わり、涙腺が緩んだ。
たぶん、一人ひとりの生活を思い浮べながら、
今、何に夢中なんだろう?、何を欲しがっているかな?、
何をプレゼントされたら喜んでもらえるかな?、など、
考えて選んでくれたに違いない。
ウォーキングをしている人には靴、ワイン好きの人にはワイン、
疲れているな、と感じたから、マッサージ器具、
いつまでも元気でいてほしいから、温かい電気ブランケット、
前から欲しがったいたから、ダイソンの掃除機など、
選んだ理由が披露され、皆がその場で包み紙を開けて喜んだ。
さて、私は・・というと「吸引式万年筆」と「インク」。
どうして欲しいものがわかったのかな?と感じていたら、
甥っ子が「伯父さんが、一番わかりやすかったです」と苦笑いした。
好奇心旺盛の私の欲しいものを選ぶのは苦労しただろうな、と
心の中で呟きながら、帰宅後、さっそく使ってみた。
なぜか文豪になった気分を味わい、原稿用紙を探してしまった私。
若い2人の気持ちに応えて、いろいろ書き始めようかな。



2016年11月22日(火)
地域のことを地域の人が、地域の言葉で伝える

「第2回清水町泉頭(いずみがしら)歴史フォーラム」
「2部 パネルディスカッション」のテーマ
「歴史情報をどう活かすか」
(都市ブランドの形成に向けて)から。
それぞれの立場を背景に持つパネラーから、
大所高所から、多くの提言、ヒントをいただいた。
「選ばれる都市になるために必要なこと」については、
「地域にも個性があり、歴史という要素がある。
だから、歴史を紐解くと、地域の特性がわかる」。
まさしく「温故知新」なのだと理解した。
「歴史的価値を高める手段」については、
「マスメディア・ソーシャルメディア」に加えて、
「オウンドメディア」と呼ばれるメディアを知った。
「オウンドメディア」とは、自分のことを自分で発信。
「地域のことを地域の人が、地域の言葉で伝える」が
最近の流れという視点は新鮮だった。
さらに「清水町の『顔』づくりの提言」については、
「都市ブランド」と言葉を言い換えて「情報の鮮度」、
「地元の生の声」の大切さを再認識させていただいた。
まずは、自分の出来るところから始めたい。
「オウンドメディア」の活用だなぁ。



2016年11月21日(月)
年上の天使が11歳はいい年だと言う。

映画「Re:LIFE リライフ」(マーク・ローレンス監督)から。
アメリカで最優秀脚本賞を獲った主人公が、
脚本家を目指す若者に講義する場面、私のメモが増えた。
特に、客員として働いていた、大学のルールを破り、
退職させられる最後の授業で、こんな話が飛び出した。
「昔書いた映画の中で・・」と前置きをした後、
「(ある天使に)年上の天使が11歳はいい年だと言う。
11歳の時は、好きも嫌いも本気の感情だから。
ただ長く生きていると・・いろんな妥協を強いられる。
書くことも同じだと思う。
11歳の自分はハッキリ『面白い』とか『バカだ』と言う」
いつまでも、子どもの気持ちでいて欲しい。
もう何年も前から使われている手垢のついたフレーズや、
誰から異論反論を受けるかもしれない、と考えるあまり、
ありふれた表現になりがちだけれど、
そんなことを意識しなかった11歳の頃の気持ちに戻って、
作品を書いて欲しい、そう伝えていた気がする。
美しいものは美しい、汚いものは汚い、ズルいものはズルい、
その心の揺れを素直に文字にすることが、読者の胸を打つ。
そういうことなのだろう、なるほどなぁ・・とメモをした。

P.S.
原題は「The Rewrite リライト」なのに、
どうして邦題は「Re:LIFE リライ」なんだろう。(?)



2016年11月20日(日)
届けたいのは「特別映像」ではなく「普段の柿田川」

昨年の冬、一番の楽しみにしていた「鮎の産卵」が、
「柿田川公園、舟付き場」で見ることが出来なかった。
(実は、今年もまだ判らない。鮎の数が少ないから・・(汗))
ただ、もしも運良く「鮎の産卵シーン」に遭遇できても、
水中にカメラをつけて「産卵シーン」の撮影はするつもりはない。
私が近づくことで、鮎が怯えたり逃げたりしては、
せっかくの生態系を崩すことになりかねないと考えているから。
私の役割は、柿田川の生態系を壊すことなく、
最新の情報を、観光客の目線でお裾分け、と決めている。
だから、鮎の遡上も産卵シーンも、展望台や遊歩道から、
誰もが目にすることが出来る角度から撮影しているつもり。
(水中の画像は、外来種駆除活動後のサービス撮影タイム(笑))
水中からの「産卵シーン」を期待している人たちにとっては、
鮎の様子を上から撮っても、黒い背びれが動くシーンだけで、
つまらないかもしれない。
絵にならないことは、百も承知で撮影している。
日々の柿田川の様子を、目の前で観察できる私の役割は、
実物を観に訪れてもらえるように、最新情報を伝えることにある。
届けたいのは「特別映像」ではなく「普段の柿田川」だから。

P.S.
今、最上流部には、メスを待つオスの鮎が遡上しています。
ここでしか、そして今しか見られない景色、是非、第1展望台へ。



2016年11月19日(土)
ピアノって、こんなに大きな音が出るんだね

先月下旬、ロシアの天才ピアニスト「デミトリー・シシキン」、
ピアノリサイタルを聴きに三島文化センターへ足を運んだ。
5年前、わが町で演奏していただいた時は、19歳。
2011年6月5日(日)の「気になる一言」に
「音が強いけれど、乱暴じゃないよね」という感想を
驚きとともに、言葉として残していた。
今回は「あれから5年、容姿も音も成熟したよなぁ」と
ちょっと丸みを帯びた、柔らかい雰囲気に絶賛であった。
(専門家ではないので「そんな感じに聴こえた」程度ですが)
私が一番驚いたのは、ピアノの音量。
最近、静かなクラシック中心のピアノ曲や、
ジャズなどのBGMとしてのピアノの音、
または、合唱の伴奏としてのピアノの音を耳にしていたので、
彼が弾くピアノから溢れ出てくる、ピアノの音量に、
5年前以上に驚かされた。
横で気持ち良く聴いていた妻に、思わずこう呟いた。
「ピアノって、こんなに大きな音が出るんだね」
その楽器の最大の音量って、あまり聴いたことないものなぁ。



2016年11月18日(金)
アフリカに殺人事件などありません。

映画「ナイロビの蜂」(フェルナンド・メイレレス監督)から。
(10年ほど前の)アフリカで暮らす、
英国外務省一等書記官ジャスティンと妻テッサ。
彼らは、文明社会がアフリカ人をモルモットして、
新薬の研究をしていることを知り、大きな敵に立ち向かう。
物語の最後に、そんな悲惨なアフリカの状況と、
先進国の残酷さを伝えるメッセージが語られるシーンがある。
「アフリカに殺人事件などありません。
『痛ましい死』があるのみ。
そのような死を超え、文明社会は利益を得ます。
利益はたやすく得られます。
彼らの命は、あまりにも安いからです」
「世界中がアフリカを食い物に・・」というフレーズで、
胸が痛くなるのを感じた。
彼らの犠牲の上に、私たち先進国の人たちが生きていることを、
どれだけの人が意識しているだろうか。
これは想像の話ではなく、現実なのかもしれない。
外交官の夫が寝ている様子を、妻がビデオで映しながら、
こんなメッセージを添えている。
「(夫は)理想の世界を夢見て眠ってる。
彼の理想の世界とは・・雑草のない世界よ」と。
そして彼女は、ガーデニングを趣味と言いながら、
「雑草を抜かなくちゃ」と、大きな権力に戦いを挑み亡くなる。
この結末に、やるせない気持ちで観終わった。
まさか、エイズの治療薬も「アフリカ」で試してないよね。(汗)