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しもさんの「気になる一言」
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2016年10月28日(金)
ここでは必要以上に親密になっては、だめ

書籍「炎上する君」(西加奈子著・角川書店刊・198頁)から。
書き出しの「あなたは太陽の上に住んでいる。空で活躍している、
あの太陽ではない。『太陽』という名の、中華料理屋である」
伊坂幸太郎さんの「重力ピエロ」の書き出し
(春が空から降ってきた)を、彷彿とさせた。
短編のひとつ「ある風船の落下」は、面白かった。
地上の生活で「人間関係」などのストレスに耐えかねた人々の体に、
ストレスに代わり空気が入り込み、浮いていくという設定。
地上を飛び抜けた彼らは、誰かと特別な関係を持たない限り、
一定の距離感を保つ限りで、安定された環境が約束されている。
「人を信じたり、心を寄り添わせようとすると、重力が発生するの。
だから、ここでは必要以上に親密になっては、だめ」と、
先輩の「風船病患者」から、助言を受けるのたが・・。
疲れ、痛めつけられたはずの「地上」の人間関係が、恋しくなる。
やはり「誰かと心を寄せ合って生きていきたい」という想いが、
ひしひしと伝わってきて、いい話だった気がする。
西加奈子さんって、とても可能性を感じる素敵な作家だなぁ。



2016年10月27日(木)
(情報は)近くに落とさず、とにかく遠くへ投げる

講師「高野誠鮮」氏
(日蓮宗僧侶・地方創生アドバイザー・立正大学客員教授)
演題「限界集落を救った『スーパー公務員』のチャレンジ」から。
テレビや新聞、その他多くのメディアで紹介されている方の
講演を聴くチャンスに恵まれた。
「ローマ法王に献上された神子原米の誕生秘話と奮闘記」だが、
私たち地方公務員の枠を超えた仕事ぶりは、羨ましい反面、
このやり方では組織も何もないな、と心配にもなった。
いくつかのメモから、私が参考になったのは、情報発信の方法。
「日本人は近い存在を過小評価する傾向にある」として、
「AP・AFP・ロイター等、16か国に配信」したこと。
言い換えれば「外堀作戦」。(情報の逆輸入ってことかな?)
「情報は外から内側に、出来るだけ遠方に投げる」という視点は、
とても参考になった。
「情報発信力がない!」と悩んでいるのならば、
「(情報は)近くに落とさず、とにかく遠くへ投げる」
最初から、世界に向けて発信する・・これだな。

P.S.
実は、与えられたチラシに書かれていた演題が気になった。
自分で自分のことを「スーパー公務員」なんて言わないだろうから。



2016年10月26日(水)
ナチは、人間より絵を大事に扱っている

映画「ミケランジェロ・プロジェクト」
(ジョージ・クルーニー監督)から。
監督本人が、「監督・製作・脚本・主演」を務めて
伝えたかったことはなんだったのだろうか?
「第2次世界大戦中の実話を映画化したサスペンス」、
そんな紹介に、やや疑問を持ちながらの鑑賞となってしまった。
「歴史的財産が消え去ろうとしています。
我々は戦争に勝つでしょう。しかし美術品や文化財が破壊されたら、
取り返しがつきません」
「上層部の考えは、戦争で大勢死ぬ。美術品なんか知るか」
「でも、それは違う。我々が戦っているのは、
文化や生き方を守るためだ」
「偉大な芸術品は個人が所有すべきではない、人々のものだ」
「美術品は歴史であり、歴史は『命の蓄積』だ」など。
だからこそ、戦争やテロはいけないことなんだ、
そんなメッセージなのかもしれない。
しかし、私の心に残ったのは、
「ナチは、人間より絵を大事に扱っている」のフレーズ。
あれだけ残酷な戦争をしたナチス・ドイツのヒトラーが、
その「命の蓄積」を大事に扱っていたことのほうが、
インパクトが強い。
今、私たちがヨーロッパ絵画を始め美術品を堪能できるのは、
ヒトラーが大切に扱っていたから・・と知ってしまった。
「ネロ指令」で、ヒトラーが死んだら、橋、鉄道、公文書、
美術品を破壊せよ」ということになっていたとしても。



2016年10月25日(火)
子どもにとって、とっておきの読書の場所

先月家族で出かけた、京都旅行には目的地があった。
期間限定の特別公開「大徳寺」を拝観したあと、
さらに、私の希望の1つだった「京都御苑」へ。
以前、読んだ書籍「京都図書館紀行」で見つけた「森の文庫」。
メモした紹介文は「豊かな森の中にひっそりとたたずむ、
とっておきの読書の場所」だった。
今年のG.W(5月4日〜5日)に企画・運営した
「柿田川公園ブックフェス」で目指したのは、この雰囲気。
新緑と紅葉の季節が素晴らしいのは、誰もが認めているから、
敢えて、それを除く季節の雰囲気が知りたかったし、
シンボルとなっている「森の文庫」も、じっくり観察できた。
地元金融機関の寄付によって設置されたという本棚は、
4月から11月の午前9時から午後4時まで、開館していて、
なんと4面に設置された「本棚」は、全て「シャッター」付き。
雨や湿気を嫌う本のため、雨の日は「シャッターガラガラ」、
その心遣いが嬉しかった。
配架されている書籍名まではメモできなかったけれど、
「森の文庫」にふさわしく「植物」や「昆虫」の図鑑もあり、
今、捕まえてきた「虫」を調べたりするのだろう。
やはり、そういった自然学習が楽しいよなぁ、子どもにとって。
あらためて「柿田川公園を読書スポットに・・」という想いが、
強くなったことを記しておきたい。



2016年10月24日(月)
沼津港へはどうやって行けばいいですか?

ローカルネタで申し訳ない。
柿田川公園に訪れていた人たちに、写真撮影を頼まれ、
シャッターを切ったあと、ちょっびり公園内の案内をした。
東京から訪れた観光客で、三島駅から源平川のせせらぎを歩き、
柿田川公園まで歩いてきたという。
このあと、沼津港へ行って美味しい魚料理を堪能する計画らしい。
やはり、第一・第二展望台からの湧き間には、大いに感激し、
国道1号の真下から・・という説明には、不思議がっていた。
さて・・と一息ついたあと、一番答えにくい質問を受けた。(汗)
「沼津港へはどうやって行けばいいですか?」
旅慣れた人たちにとって、名所から名所を繋ぐルートは、
あるものだと思っていたのか、
三島駅か沼津駅まで戻っていただいて・・の説明に
「わかりました」と言いながらも、実は「え〜」って顔をしていた。
この辺りが、観光という視点での広域連携の未熟さを感じた。
行政単位で制作される観光パンフレットは、
税金を使っているという観点から、近隣市町の情報を載せにくい。
訪れる観光客の立場から言えば、せっかくだから、
三島も、沼津も、長泉にも足を伸ばしたい、というのが本音だろう。
すべて自分のまちで完結することはありえないから、
観光客を少しでも長く引き止める策を考えるよりも、
お互いの名所を紹介しあう方が、結果的に喜ばれるんだろうな。
観光客にとっては、長泉のクレマチスの丘も、三大清流の柿田川も、
「三島」そう思っている人が多いに違いない。
それでも、来てもらえるだけでありがたい、そう感じる今日この頃。



2016年10月23日(日)
相手は宇宙だ。協力的じゃない。

映画「オデッセイ」(リドリー・スコット監督)から。
宇宙を題材にした映画は、けっこう好きで飽きない。
任務遂行の途中、トラブル・アクシデント・ハプニングが起き、
想像もつかない方法でその危機を乗り切るパターンは、
結果が判っていても、ハラハラドキドキの連続で夢中になる。
今回は「火星」に取り残された主人公が、科学・植物学を駆使し、
生き残って、仲間と再開し地球へ帰還する設定。
だからこそ、帰還後、どんなメッセージを私たちに届けてくれるか、
その主人公の体験談が、私のメモの対象となった。
「よく聞かれるのが、1人置き去りにされて死ぬと思ったか?、
ああ、もちろんだ。覚悟しとけ。君らにも起きる。
相手は宇宙だ。協力的じゃない。ある時点で、人間を見放す。
君は言う。『もう終わりだ』『僕は死ぬ』と。
それを受け入れるのか、闘うのか。そこが肝心だ。
まずは、始めるんだ。問題を1つ解決したら、次の問題に取り組む。
そうして解決していけば、帰れる。」と講義をする。
一度に多くの問題を同時に解決しようとするな、と諭してくれた。
とにかく目の前に起きている問題の解決に集中することが、
生き残る秘訣だ、と彼は言い切った気がする。
「相手は宇宙だ」のフレーズ、ちょっとカッコいいなぁ。



2016年10月22日(土)
「急いで、早くやって」「もっとペースを上げて」

映画「ルーム」(レニー・アブラハムソン監督)から。
生まれてから5年間、一度も監禁された「へや」(Room)から
出たことがない男の子が、なんとか脱出し外の世界に触れた。
その驚きは、私たちが何気なく生活をしている世界を、
とても冷静に観ている気がした。
「へや」はとても狭く「自由」という言葉は知らずに育ったが、
その分、いろいろ考える時間がたっぷりあったのだろう。
彼は、初めて目にした、外の「世界」をこう表現している。
「いろいろなことがドンドン起きて止まらない。
『世界』は、明るさや暑さがずっと同じじゃなくて・・
目に見えない菌が、フワフワしてる。」と。
さらに「『世界』はとても広いところだ。だから、時間が少ない。
バターみたいに薄くのびてるから、みんなこう言う。
『急いで、早くやって』『もっとペースを上げて』」。
私たちが、何の疑いもなく生活している「世界」は、
本当に「忙しい」。
のんびり過ごそうものなら、何を言われるかわからないけど、
せっかく、この作品の彼の台詞で気付いたのだから、
たまには「時間って長いな」と感じることをしたいな。



2016年10月21日(金)
姉妹町交流、復活の予感がするね

昭和54年、全国に「清水町」という名前をもつ4つの自治体
(北海道清水町・福井県清水町・和歌山県清水町・静岡県清水町)が、
姉妹縁組を結び、行政だけでなく、数多くの民間交流を続けていた。
その後、平成の大合併で、福井県と和歌山県の清水町が、近隣と合併し、
「清水町」という自治体がなくなり、縁組解消となった。
しかし、今年の「台風10号」が、北海道清水町を襲い、
予想以上の壊滅的な被害を被ったのは記憶に新しい。
私のところへも、今でも北海道清水町民と交流を続けている多くの方々から、
「義援金以外でも、なにか復興支援をしたい」という声が寄せられ、
これからしばらく、わが町のイベントで「災害支援コーナー」を設け、
北海道清水町の特産品、農作物などを販売することに決まった。
購入することで、少しでも復興支援に繋がれば・・という、
北海道清水町好きの町民が、ボランティアで手伝ってくれることになった。
以前、わが町の姉妹町担当で、何度も北海道を訪れた役場OBとか、
町民ツアーで「北海道清水町」を訪れたことのある人たち、
さらには、文化交流・スポーツ交流・経済交流・小中学生交流などで、
想い出がある人たちは、気持ちよく引き受けてくれた。
彼らが口を揃えて私に言った台詞「姉妹町交流、復活の予感がするね」は
これからの「民間交流」を期待させてくれる一言になった。
それが、大きな輪になっていく手伝いをすることがしたいな。
静岡県清水町のふるさと納税返礼品が、北海道清水町の特産品でもいい。



2016年10月20日(木)
ツイッターで呟くこと、やっと見つけました

ネットで自分の気持ちを書き始めて、20年近くになる。
その間に、メルマガやSNSなど、発信方法は変わってきたが、
文字だけの日記にこだわっている。
時には、誤解を受けたり、異論・反論を受けたりもしたが、
それはそれで、自分と違った意見の人がいることを受け入れ、
こうして今でも書き続けていられることに、感謝したい。
ただし「ネット社会」と簡単に言っても、その役割や表現方法、
公開範囲により、使い分けが難しいのも事実である。
私が困っていたのは「ツィッター」での呟き。
いろいろなことを試してみたが、全国、全世界に向けて、
わざわざ呟くことが見つからず、諦めていたら、
ある方から、こんなアドバイスをいただいた。
「しもさんの場合は「気になる一言」から外れたメモとか
台詞とか、フレーズなんて、こんなネタから選んで書いています、
というのを、呟いたらどうですか?」と。
確かに、それなら呟けそうだな、と数日前から試しているが、
気負うこともなく、毎日書かなければ、というプレッシャーもなく、
そのネタいただき、という「メモ代わり」に呟くのには向いている。
だから、アドバイスいただいた方に、お礼のメールをした。
「おかげ様で、ツイッターで呟くこと、やっと見つけました」と。
へぇ〜、こうしてネタを拾い、あの「気になる一言」になるのか、と
その過程を面白がってくれると嬉しいな。



2016年10月19日(水)
3人のうちの誰かのご主人と駆け落ちします

映画「三人の妻への手紙」
(ジョセフ・L・マンキウィッツ監督)から。
「手紙・Letter」というキーワードだけで選んだから
1949年製作、劇場公開日1950年5月9日と知って驚いた。
3人の若妻に届いた、親友アディからの手紙の一部。
「3人のうちの誰かのご主人と駆け落ちします」
この意味深な手紙は、思い当たることがある3人にとって、
不安と焦燥が入りまじる。
相手が自分の夫ではないか、という疑心暗鬼で帰宅して、
夫の姿を確認したところで、ほっと一息をつくのだが・・。
私の推理は、親友・アディの一人芝居、というもの。
最近、親友3人の夫婦仲がうまくいってないのを知って、
自分が街を去りながら、この強烈なメッセージを出すことで、
彼女たちが、心配することもお見通し。
そのうえで、駆け落ち相手が自分の夫でなかったことを知り、
彼女らが、自分の夫に対して、愛情を取り戻し、
以前のように、夫婦仲が良くなるのを望んでいた。
それは、ナレーションにしか登場しない魅力的な女性「アディ」が、
この事件後、仲良くなった3組の夫婦を眺めながら、ラストで
「やれやれ おやすみ 皆さん」と呟くシーンが印象的だったから。
もう一度、観たいと思わせてくれた60年以上前の作品である。