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しもさんの「気になる一言」
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2016年07月20日(水)
夫と別れた女性とデートなんて初めてだ

映画「夫たち、妻たち」(ウディ・アレン監督)から。
紹介は「2組の夫婦の愛の崩壊と再生を描く」とあるが、
途中、出演者のインタビューなどがあり、ドラマなのか、
ドキュメンタリーなのか、迷ってしまう展開であった。
夫婦とは、所詮、他人の男と女、そんなことを感じる会話が
私のメモとなって溢れた。
「別れる、前向きに生きるためのステップだよ、
言っておくが、誰も傷ついちゃいない」
「夫の裏切りで、プライドを傷つけられたわ」
「女は性的な魅力があるうちに、出直すべきよ」
「夫と別れた女性とデートなんて初めてだ」
「夫婦に問題が生じたら、無視するのも手ね。
妙な解決法だが、これも1つの知恵だ」・・
そんな中、選んだのは、私が未経験で感覚がわからない台詞。
バツ1の女性と2人でデートなんて、
どんな感覚なんだろうなぁ、と興味深々ではあるが、
たぶんこれからも・・。(汗)
ウッディ・アレンらしい作品といえば、作品だな。



2016年07月19日(火)
赦しには大きな苦しみが伴うのよ

映画「あなたを抱きしめる日まで」
(スティーブン・フリアーズ監督)から。
「驚きのある結末は面白い」「最高の結末だわ。100万年に一度よ」
などの台詞が繰り返されて使われていたので
ラストに向かう展開に期待し過ぎたのか、意外とあっけない結末、
邦題とストーリーがかけ離れていて、ちょっと戸惑った、
そんな気がして、メモ帳を閉じた。
実話だということも含め、この物語が伝えたかったのは、
50年前、イギリスの修道院で引き離された息子が、
アメリカで立派に活躍していたという「驚きの結末」ではなく、
人身売買していた修道院などの関係者に対して、
主人公の女性・フィロメナが、その悪意・行為を含めて
「赦す」(ゆるす)としたことであったと思う。
「赦しには大きな苦しみが伴うのよ。私は人を憎みたくない」と
言い切り、憤慨するジャーナリストに対して
「あなたと違うの」と鼻で笑うシーンは、圧巻だった。
「ひどい顔よ」「怒っているんだ」「さぞ疲れるでしょうね」
という会話が物語るように、今更、過去について怒っても、
何も解決しないことを理解したうえで呟いた、
「赦しには大きな苦しみが伴うのよ」が、心に残った。
その判断や考え方こそ「最高の結末」であり、
赦されたことで、皆の心が動いた瞬間であろう。



2016年07月18日(月)
弔辞は「人生最高のラブレター」

「ゆめこさん 出発のつどい」に関わり、全体の進行役を任された。
タイトルだけでは、よくわからないと思うが、
本人の希望で、67歳の誕生日に「生前葬」をやりたい、と
相談を受けたのは、数ヶ月前のこと。
それから何度か打合せをし、今日の日を迎えた。
簡単に表現すると「生前葬を兼ねたお誕生会」である。
1部で、本人が、生まれてからの人生を、自分史のごとく語り、
2部で、知人友人が、彼女の誕生日を祝い、(仮の)死を悲しみ、
彼女のためだけに集中し、楽器の演奏や踊りの舞いを披露する。
そして3部は、代表7人による「弔辞」(贈る言葉)へと続いた。
しかし、今回の企画のポイントは、参加者(参列者)は、
全員、彼女に向けた「弔辞」をもって参加することが条件であり、
彼女への想いを文字にして、90人近い人たちが持ち寄った。
付き合いの長い人、短い人、深い人、浅い人、
それぞれが、それぞれの想いの中で綴られる「弔辞」を、
彼女は「人生最高のラブレター」と表現している。
「そんな素敵なラブレターなのに、実は、死ななきゃ聴けないなんて、
(正確には、死んでいるから耳にすることはできないなんて)
もったいないと思わない?、しもさん」と投げ掛けられたのがきっかけだ。
彼女は、自分の存在が、こんなに多くの人に役に立っている事を知り、
さらに、これからも多くの人のために役に立ちたい、と挨拶した。
きっと、帰宅してから多くの方の「弔辞」を丁寧に丁寧に読みはじめ、
自然とニコココ顔になって、嬉し涙が溢れてくる様子が目に浮かぶ。
「生前葬」というと、なんだか変わった人だね、と思われがちだが、
「幸せを求めるのではなく、今が幸せだ、と気付くセレモニー」
として行なう「節目のお誕生会」と考えれば、悪くないかもなぁ。



2016年07月17日(日)
消費が一番盛り上がるのは家庭を築き始めた30代

平成28年度日大国際関係学部主催(上期市民公開講座)
共通テーマ「グローバル化時代を考える」
講師「筧正治」氏(日大国際関係学部 准教授)
演題「急増するASEAN向け投資とその背景」から。
実は、日本の企業(特に製造業)が、ASEANを中心にした
アジアに移転するのは「労働力」(人件費)が安いから、
そんな薄っぺらな知識だけで臨んだ講義であったが、
大間違い、勘違いも甚だしいことを教えられた。
簡単に言えば、購買需要のある場所に進出、ということだ。
言い換えると、世界の先進国と呼ばれる国々は、
平均年齢が高いから、買うもの・買いたいものが少ない。
逆にアジアの新興国は、平均年齢が低いから購買意欲も旺盛。
それは、需要はいくらでもあることを示している。
「消費が一番盛り上がるのは、家庭を築き始めた30代」と、
解説した後、世界共通なのだろうか、
「30代は、住宅、車、家電製品などを購入したくなる年齢」と
位置づけた。
だから「製品は日本で作らず、需要のある国で作ろう」、
それが、急増するASEAN向け投資とその背景だな、と思う。
経済の仕組みを知らずに、浅知恵で語らなくてよかったなぁ。



2016年07月16日(土)
文化財を観る時は、リュックを前に抱えるんだよ

三島市民の憩いの場である「楽寿園」。
その中に「県指定文化財・楽寿館」があり、
定期的な時間で中を拝観できるが、多くの人が集まると、
荷物があちこちにぶつかり、傷が心配になる。
特に、リュックサックの人は、背負っているので、
まさか自分の荷物がぶつかっているとは気がつかない。
そんな時、一緒に観ていた人が、皆に聞こえるように
こうアドバイスをした。
「文化財を観る時は、リュックを前に抱えるんだよ」
なるほど、子どもを抱えるように、リュックを抱える。
そうすることで、荷物が文化財にぶつかり壊すこともない。
本人の動きではなく、不意な他人の動きにも対応できる。
たったそれだけの行動で、文化財が守られるのならば、
どんどん広めたいマナーである。
「拝観のルール」ではないけれど「拝観のマナー」として、
インバウンドで訪れる外国人にも伝えたい。
まずは、日本人が率先して示そう。
それを目にした外国人が真似をして、マナーは広がる。
そんな心遣いに、彼らは驚き、日本を好きになる気がするので。



2016年07月15日(金)
長生きすると、同じ目をいくつもみるもんさ

映画「スター・ウォーズ フォースの覚醒」
(J・J・エイブラムス監督)から。
「遠い昔、はるかかなたの銀河系で・・」で始まるプロローグを、
いつものように、ワクワクしながら眺め、すっと設定シーンへ
入っていくのだが、今回は正直、難しかった。(汗)
振り返っても、あまり印象に残る台詞もなかった気がする。
強いて言えば、ハン・ソロたちが、惑星タコダナへ行き、
カンティーナの主人「マズ・カナタ」に助けを求めた場面かな。
彼女は、眼鏡をいじりながら「目」の話をする。
「長生きすると、同じ目をいくつもみるもんさ。
あんたのは、逃げたがってる男の目だ」と、スパッと指摘したり、
「お前の目をみれば分かる。真実に気付いている」と励ます。
そして「目を閉じて。感じなさい」と静かに自分も目を閉じて
「光は常にそこにある。導いてくれる。」と諭す。
「目は口ほどにものを言う」のフレーズが表わすように、
確かに、歳を重ねてくると、同じ目に出会うときがある。
顔の表情とは別に、嘘をついて落ち着かない目や、
ぼ〜っとして、焦点が合わない目、怒りに満ちあふれた目など。
人間って意外と正直だから、隠そうと思ってもバレてしまう。
その筆頭が「目」なんだよなぁ。



2016年07月14日(木)
私だけの宝物にするには、もったいない言葉たちばかり

2年に一回のペースで冊子にしてきた
「しもさんの『今日の気になる一言』(縮刷版)」が、
目標だった10巻目の印刷を終え、手元に届いた。
1995年(平成7年)に自費出版した
「公務員パパの生活コラム150」(新風舎刊)は、
36歳(年男)、何かを残したくて悩んでいた頃だった。
あれから20年以上、ほぼ毎日、書き続けてきたが、
どうしてそんなに長く続いているのか?と訊かれても、
実は、明確な答えは見つからない。
ただ10巻とも、表紙を捲ると印刷されているフレーズは、
私の根底に流れている考え方かな?と思うので、
今回は、冊子を手にしていない方にもご紹介したい。
「お金では買えないもの。それは『時間』。
そしてその瞬間の『喜怒哀楽』。私の『記憶』に残った素敵な言葉を
『記録』として残すことにしました。
でも、私だけの宝物にするには、もったいない言葉たちばかり。
ほんの少しですが、あなたに『お裾分け』をしたくなりました。
ひとつでも、気に入っていただけると私はとっても嬉しいのですが・・。」
「お裾分け」・・今風に言えば「シェア」。
「挨拶のヒント」から「雑談のネタ」まで、私が選んだ言葉たちが、
全国、どこかで活躍していたら嬉しいな、と思う。
「気になる一言、使わせていただきました」のメールが、
私にとっては、一番のエネルギー源かな。

P.S.
恒例の冊子ですが、ご希望の方、声を掛けてください。
この配布する作業も、私の楽しみの1つなので、遠慮せずにどうぞ。



2016年07月13日(水)
足の指を舐めるシーンに負けた台詞たち

映画「娚(おとこ)の一生」(廣木隆一監督)から。 
いつものように、メモ帳を片手に観はじめて、
「君、そこそこきれいなのに、手入れしてへんな。
そうだ、練習やと思うて、僕と恋愛してみなさい」と書いた。
「女というものは、たとえ親友の秘密でも黙ってられへん。
そういう生き物や、最低や」や
「いつの時代にも、おっさんが好きな子っておるんやな」
「いわゆる『枯れ專』ですね」で、思わず笑った。
「君は自分を大事にしなさすぎや、腹立つ」
「祖母と付き合っていた人となんて無理です」
「君の過去なんてどうでもいいわ。
過去には戻れへんのに、どうして目の前の僕を見いへんのや」
「僕は君を一人にせぇへんで」
「通りすがりのおっちゃんやと思うて、僕の胸で泣いてもええよ」
これ使える、とメモはしたけれど、豊川悦司さん演じる「海江田」が、
榮倉奈々さん演ずる「つぐみ」の「足の指を舐めるシーン」の
インパクトの強さで全て吹き飛んだ。(汗)
中途半端なセックスシーンより、興奮してしまったから、
「足の指を舐めるシーンに負けた台詞たち」とメモしておこうっと。



2016年07月12日(火)
「なぜ山に登る?」「登らないのは罪だ」

映画「エベレスト 3D」(バルタザール・コルマウクル監督)から。
何度なく繰り返される「なぜ山(エベレスト)に登る?」の問い。
手垢のついた答え「そこに山があるからさ」ではつまらないな、と
感じていたところ、新しい定義が見つかった。
どんなにお金を持っていても、誰でも登れるというわけではないし、
それに見合う体力、精神力を持ちつつ、最後には「運」も必要だ。
それくらい「エベレスト」に登るということは、意味がある。
だから「なぜ山に登る?」の問いに「山に登れるからだ」という
シンプルな答えが心に残った。
しかし、それでは万人を納得させる定義ではないな、と思っていたら、
「あれほどの高みで、途方もない美しさを目撃できる」と呟いたあと、
「登らないのは罪だ」と言い切った登山家がいた。
「40年間、プロ登山家だけが挑み、4人に1人が死亡」という事実、
「人間の体はボーイング747の巡航高度では機能できない」という試練、
そして「決定権はいつも山が握っている」という条件などを考えても、
挑戦するに値する山なのだろう。
それを、神が与えてくれたチャンスと捉え「登らないのは罪だ」と
考えることが出来るほど、エベレストは神聖な山に違いない。
それにしても、登山家のプロたちって、意外と我侭だな、
決断の甘さが、他人を死に追いやることを知ってるはずなのに。



2016年07月11日(月)
「投票」に出かけ「白票」を投じるのも意思表示

この「気になる一言」では、あまり選挙・政治の話は触れないが、
歳を重ねてきて感じたことだけは、記録として残しておこうと思う。
たった1人の意見が、Twitter、FacebookなどのSNSを中心に、
もの凄い勢いで拡散されて、ひとつの潮流となってしまうことに、
私は危機感を覚えながら、今回の選挙を眺めていた。
当日の投票記載台で「支持政党なし」という政党があるのに知り、
笑うに笑うなかったり、若い世代に投票を促すためには、
各地であらゆる方法が展開された、そんな感じだ。
選挙の本来の目的である、
「首長や議員、団体の代表者や役員を選び出すこと」よりも、
投票率を上げることが目的となったり、
人気投票と変わらない動きに対して、私は違和感を覚えた。
もう何十年も真面目に続けてきた「投票」という行為が、
虚しくなるほど、様変わりした、と言っても過言ではない。
どう考えたって実現不可能な「公約」(マニフェスト)を掲げ、
理想論・雰囲気だけで、国民たちを洗脳しているようにもみえる。
各政党・各候補者の争点がみえないということは、
誰を選んでよいのか、判断する材料が少ないことに他ならない。
「選択肢が少ない」ということは「豊かでない」ということだ。
それでも誰か選ばなければならないから、と悩むのならば、
私たちのするべき行為は「投票」に出かけ「白票」を投じること。
それも、大切な意思表示と理解するべきだろう。
棄権や無効票とは違う「白票」という選択をした投票の重さは、
政権を任された政党、候補者が、感じてくれればいい。
ただ、今の開票結果では「白票」は「無効票」なんだよなぁ。