ぶつぶつ日記
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2004年03月24日(水) 藁をもすがる気持ち

イスラエル国内では、ヤシン師の暗殺に関して、
容認派が6割という。
パレスチナ問題では、こういう場合、すぐにパレスチナ側への
自制が求められるが、
車椅子の人物(ヤシン師はその人生の大半を車椅子で過ごした。半身不随だったのだ)を
軍を動員して狙い撃ちする(しかも銃等ではなく、アパッチヘリで)のが許されて、
そしてどうしてそんな武器を持たないパレスチナ人が自制しなくてはならないのか。
普通に考えると解せないが、
こういうことを書くと世論では「テロ容認派」ということにされるらしい。

6割。
その6割の人たちだって、このことによる報復で自分の家族や友だちが殺されたら、
悲しいだろうし、怒り狂うだろう。
でも、その原因は、全てパレスチナにあるのだろうか?
妥協が必要なのはわかっている。
しかし、妥協するのは弱いものばかりなんだろうか?
強い立場にいるものは、なんら妥協をしなくても良いと?
教室でいじめられている子供に、ただ我慢しなさいなんて、
今の世論では言わないでしょう?
そういうことの拡大版なんだと思う。
まず、妥協するべきは、イスラエルなのだ。

4割。
その人たちがどういう立場にあるのかわからない。
でも、その4割の人々に、藁をもすがるような気持ちで期待する。
世論を変えていくのは、いつもマジョリティーの人たちじゃない。
最初は少数の、マジョリティーから見ればばかげた意見。
でも、そのマイノリティーの意見こそが、
今までずっと、世界を変えてきた。
兵役拒否をする若者や予備役の人たち。
パレスチナと共存したいと思う夢見がちな人たち。
そして、イスラエルとなんとか共存しなければならないと思っている、
テロは状況を悪くするだけと考えている
ほんのわずかなパレスチナ人達。
彼らをサポートしよう。
彼らしか、この現状を変えられる人たちはいないのだ。


2004年03月22日(月) 火と水

昨日、珍しくニュースでイラクの劣化ウランの特集をしていた。
イラクで死んだ20歳の米兵の死因は「保留」、
つまり死因を明確にはしたくない、ということか。
病院で横たわる子供達の姿は、私達の想像をはるかに超えている。
やせ衰えた姿は想像できる。
けれども、なんだかよくわからない腫瘍に全身を覆われ、
その女の子には1年前の面影どころか、「人」としての面影もほとんどなかった。
人間は、ここまで変えられてしまうのか、
「何か」によって・・・。

日本にも劣化ウランがある。
それは核の廃棄物としてのもの。
地下深く厳重に管理されているそれには、
取材クルーも数メートル先までしか近づくことが出来なかった。
「念のため、これ以上は近づかないでください。」
でも、日本政府は劣化ウラン弾について、
「アメリカから安全と聞いている。」と言っていなかったか。
その言葉と現実のギャップ。

イスラエル軍はハマスの指導者ヤシン師を暗殺。
報復活動が激しくなることは必死であろう。

風の谷のナウシカで、長老が言っていた言葉を思いだす。
火は一日で森を燃やし尽くす。
水と空気は100年かけて森を育てる。
失うことはたやすく、取り戻すことは難しい。
破壊することは、あまりにも容易だが、
その代償は、現在の私達には計り知れない。


2004年03月21日(日) スローライフはスローワーク

カイロ、シリアで暮らしていたことのある友達が、
だんなの転勤でデンマークに行った。
送られてくるメールを読むたびに、
「恐るべし、デンマーク(というか北欧)」と言う言葉が頭に浮かぶ。
何せ、今日送られてきたメールには、
「シリア人のほうがよっぽど働くよ。」という、
意外(でもなかったりするけど、実は)なことまで書かれていた!

北欧と言えば、現在結構注目度の高い国々。

必要なもの意外は買わない。
自転車を乗りこなすエコライフ。
自分達の身の回りのことは自分達で・・・。

こう聞くと確かに素敵な生活、
自分達のスタンスを大事にしているようなイメージがするが・・・。
実は、

・バスの初乗りが380円近くする。
・全て物がとにかく高い(卵だって一ダース400円以上)。
・なんでもかんでも税金がかかる(医療費はそうでもないみたいだけど)。

だから、自転車でどこまでも行くし、
自分達で作れるものは自分達で作らないと、
いくらお金がかかるかわからないということの、
裏返しだったしするわけだ。

幸い、友達とだんなの出会いの場はシリアだったので、
マーレーシュとインシャアッラーを合言葉に(なぜだ、北欧なのに・・・)、
乗り切って行くだろう。
住めば都、きっと楽しいこともたくさんあると思うが、
現在は、スローワークな状況に、
毎日インシャアッラーを連発している日々(苦笑)。
海外赴任ってのも、本当に大変です。


2004年03月18日(木) ヘジャーブにあこがれる心ーヘジャーブ考3−

テロ騒ぎですっかり間があいてしまいました・・・。

私の知っているボーンムスリマの中にも、
ヘジャーブをしている人、していない人、色々います。
派手な仕事をしていても、ヘジャーブをしている人。
主婦でもしていない人、若いけどしている人。
人それぞれ。
かぶっていない人が、かぶっている人よりも宗教心が篤いか。
実は、これも一概には言えないと思います。

何人か話をしていて思ったのが、
形から入るか、そうじゃなくて精神的な部分を強くしたいか。
どちらに重きをおくかで、
ヘジャーブをするかしないかを、決めている人も多い気がしました。
例えば、私の知っている日エジハーフの女性、
日本人であるお母さんは、ヘジャーブのヘの字でもありません。
スパッツはいて表歩いてるくらい。
でも、娘さんはまだ20代前半なのに、ヘジャーブ姿でした。
どうして?と聞いてみると・・・。
数年前、エジプトでは大きな地震があり(それでも震度5くらいでしたが)、
何十人という人が亡くなりました。
それを見て、怖くなったと。
今死んだら、天国にいけるかな?
行けないかも・・・。
というわけで、ヘジャーブをしてみた。

それから、日本でもコンサバ女性の方が男性には受けがいい・・・
みたいな感覚ありますよね。
男性に受ける髪形!とか、よくファッション誌にも載っていますし、
ミニスカートいけいけは遊ぶには良いけど、
結婚するにはやっぱりちょっとね・・・・みたいな(笑)。
それと同じように、ヘジャーブ=コンサバ=女性っぽい=よき伴侶
みたいなイメージもあるようです。

こちらは割りとインテリ層の女性に多いみたいですけれど、
「ヘジャーブ=人間性の完成」みたいに捉えている人。
トルコ=パキスタンのハーフで、アメリカ生まれアメリカ育ちの女性は、
一見するとわからなかったのですが、
実はものすごく敬虔なムスリマで・・・。
そういわれてみれば、スカートはいつもフルレングス、
ただ、お洒落な印象だったので、ムスリマコードにしたがっていると、
気がつかなかったんですよね。
彼女いわく、
「ヘジャーブをするには、まだ私の内面が出来上がっていないと思うの。
母のような立派なムスリマになったと思ったら、ヘジャーブをしたいわ。」
彼女の中では、自分自身がヘジャーブにそぐわない・・・と
受け止めているようでした。
同じようなことを、エジプト人のキャリアウーマンからも
聞いたことがあります。

髪を見せないことが社会一般的になっていたり、
法律でヘジャーブ着用が決められている国々と
イスラム国でもヘジャーブをかぶってもかぶらなくても良しと
一般的にされている国(エジプトなど)、
そして欧米に暮らすムスリマでは、
それぞれ、また、ヘジャーブに対する感覚は違うと思います。
実際、クルアーンでもヘジャーブという風に明言されているわけではないので、
それぞれ、結構色んな解釈ができるのです。
だから、かぶる人もいればかぶらない人もいる。
容認する人もいれば否定する人もいる。
本来、なんらする必要がない(と思われる)
欧米に住んでいるムスリマたちはどうしてヘジャーブにこだわるのか。
その辺も考えてみる必要がありそうです。


2004年03月16日(火) 奪わないで

スペインに住んでいる友人は、出勤に車を使っているからと、
列車テロの話は、比較的身に染みていなかったのだけれど、
午後から出張がある時とか、
少なくとも、爆破された列車の時間帯近くに、
アトーチャ駅の中を、のこのこと歩いていることも
皆無ではないと、昨日電話で聞いた。

奪わないで、と思う。
私の大事な人を、勝手に奪わないで、と思う。
しかも、国の末端で極普通に生きている人を、
国と国、思想と思想の戦いで、
勝手に奪わないで、と思う。

でも、大切な人を突然奪われて、
涙を流している人が、
いつも地球のどこかにいる。
自分が死ぬよりも、もっと辛いこと。
愛している人の、喪失。


2004年03月15日(月) スイーツ

お使い物を買いに銀座のデパートの地下に行ったら、
あまりにもよりどりみどりで、くらくらしてしまった。
すばらしい、スイーツの品々。
世の中、甘く出来ているのはお菓子くらいなもので、
その他のものは、ますます世知辛い。
そして、そのスイーツもあまりに多すぎると、
見ているうちにだんだん胸焼けしてくる。

スペインに住む友達の会社の同僚の人も、
テロに巻き込まれて入院したというのを聞いていたので、
死傷者も増えているし、会った事もない人だがなんだか気になっていた。
昨日電話で聞いてみたら、もう仕事に出てきているとのこと。
でも、同じ車両に乗っていたその人の近所の女性は、
即死だったそうだ・・・・。
職場の前で、デモがあったから参加してきたと友達は言っていた。
犯人がどうこう、というよりも、
国民はアスナール率いる政府が、自分たちのために
うそをついたことを責めていたそうである。
うそ、というのは、政府があくまでETAのせいにしていたことを指す。
最初から、今までのETAのやり方とは違っていると誰もが思っていたし、
ETAの高官が関与を否定していたにも関わらず、
政府はETAの関与といい続けた。
日本のNHKに当るような1チャンネルなんて、ETAと明言していたそうである。
なぜなら、イスラム勢力であるよりも、
この場合はETAの方が、日曜日に行われる総選挙にとって、
影響が少ないから。

でも、残念ながら、国民は昔ほど無知蒙昧じゃない。
情報操作をしようとしても、自分たちの国、「正規の」報道以外からも、
どんどん情報を得られる。
インターネットというのは、弱者の武器になりえるものだ。
今回も、スペイン国民はネットで情報を集め、
自国政府とマスコミに、疑いの目を向けた。

こういうのを見ると、良識とか良心とか、
そんなものを信じるのがちゃんちゃら甘いことなんだと、
思わざるを得ない。
テロの規模が大きかろうが小さかろうが、
いや、むしろ大きかったからこそ、
スペイン政府は、自分たちの立場を守るために、
やっきとなって、事実を捻じ曲げようとした。
今回は、それがうまく行かなかったけれど、
一体いくつの「真実」が、捻じ曲げられた事実なのか考える時、
薄ら寒さを覚える。
誰が死のうが傷つこうが、何人死のうが、
一般人の死なんかよりも、国の、いや自分の立場の方が、
全然重い。
そして、そういう人たちが、普通に国のトップに立っている。
私たち国民は、政治家の「良心」や「良識」を鵜呑みにしてはいけない。
常に、斜めの視線を持つ訓練が必要であると思う。


2004年03月14日(日) 置いてけぼり(^^;)

今日は大学の「同級生」の卒業式でした。
去年一年、毎月一回会って、
一緒に卒論を書いてきた仲間です。
私以外の3人は無事卒業。
私だけ、凡ミスなので、卒業できませんでした。
なんとも言っているけど、単位が足りなくて(^^;)。
やっぱり、一緒に卒業したかったな〜。
でも、誰とも一緒じゃなく、
中途半端な時期に卒業になるのも、
なんだか自分っぽい気もします。
なんかね、大事なところが抜けてるから(爆)。

一人、置いてけぼりの春なのですが、
めげずにがんばろう。


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