今日は大晦日。今年の出産数は576人でした。 今年も多くのこどもたちを迎えることができました。 一人ひとりのこどもが、この世界での幕開けをここで迎えてくれました。
出産は祈りの場でもあります。 お母さんは赤ちゃんの無事と幸せを、お父さんはお母さんと赤ちゃんの無事と幸せを、家族は赤ちゃんの無事と家族の幸せを祈ります。
その時誰も自分の幸せを祈ることはありません。 自然に、赤ちゃん(新しい生命)を中心に愛する家族のために祈ります。
そして私たちスタッフは、サン・クリニックがその祈りを包む器であるようにと祈ります。
奈良の朝は、ホテルの裏手にある荒池が氷を張っている風景から始まりました。 今年は比較的暖かいとはいえ、朝夕の冷え込みはきついようです。 朝食でいただいた奈良名物の茶粥は絶品でした。ほのかに香るお茶とお粥の微妙なバランスは、とても味わい深いものでした。
ゆったりとした時間をすごし、10時頃帰路に着きました。 興福寺五重塔で少し時間をすごし、奈良町といわれる古い昔をしのばせる町並みを1時間ほどかけて歩き、JR奈良駅から神戸に着いたのは12時少し前でした。
神戸の目的は「中国酒家」の広東料理です。 懐かしい女主人の威勢のいい語り口を楽しみながら昼食を美味しくいただき、早い時間に岡山へ帰ってきました。
年末旅行は1年のしめのようです。
年末の旅行で奈良にやってきました。 年越しの準備で忙しい町の表情はなかなかいいものです。
近鉄奈良駅について、昼食に目当てのお蕎麦屋さんに電話をしますと、休みのようでつながりません。それでも蕎麦が食べたくて、妻がバス停におられた土地の方に、美味しいお蕎麦屋さんを尋ねました。運がいいことにその方の親戚がお蕎麦屋さんで、場所を教えてくれました。
近鉄奈良駅とJR奈良駅を結ぶ地域にいくつもの商店街があります。そのひとつ、「もちいど商店街」裏手に広がる町屋の一角に、のれんに「ふく屋」とだけ書いてある民家風たたずまいのお店でした。近づくと蕎麦湯の美味しい香りがしましたので、期待感いっぱいになり、引き戸を開けて中に入りました。お座敷に上がって食べるお店のようで、ますますいい感じです。お帰りになる客の満足そうな笑顔の向こうに向かって、おねがいします!と声をかけると、「ごめんなさい!お蕎麦がなくなりましたので、今日は終わりです。またおこしください」とさりげなく言われるではありませんか!ええっ!まだ午後1時前ですよ! 残念でしたが、奈良に来る楽しみがひとつ増えました。さらによかったのは、その一角の町並みでした。古い町屋がつづれ折のように連なり、とても風情のある風景を味わいました。
息子の選択にまかせ、近くの老舗の奈良漬屋さんに併設されたお店で、美味しい弁当を食べたあと東大寺へ向かいました。 奈良公園内は初詣客を迎える準備に、露天商の人たちが忙しく働いていました。観光客はさすがかなりまばらです。東大寺境内にはそこそこの人たちで賑わっていましたが、驚いたことに半数以上が外国人でした。さまざまな言語が飛び交っていたのが印象的でした。
宿泊はやはり奈良ホテルです。 まるでふるさとに帰ってきたような心地よい出迎えを受けました。開業96年の歴史的木造建築は、堂々とした美しさを保っています。夕食に舌鼓を打ったあと、バーでくつろいでいると、すぐ傍を狸の親子が普通に通って行きました。
午後8時過ぎ、外来が終わり、残りの仕事をかたずけ、帰宅するとき、夜勤をしていた看護師長さんが「先生!一年間ご苦労様でした!よく働かれました」とねぎらいの言葉をかけてくれました。
今日は仕事納めです。 当直医も来てくれているので、31日まで骨休みさせてもらいます。
待合いロビーの壁の一部に、9月に開かれた3歳児のお母さんの会「ニコニコサンクラブ」のスナップ写真とお母さん方のメッセージが貼ってあります。
健診に来られたお母さんが後ろ手に手を組んで、熱心にそれを見ていました。ふと横を見ると3才くらいの女の子が、お母さんと全く同じ格好で後ろ手を組み、壁の下の方に貼ってある写真をやはりじっと眺めていました。
まさにお母さんのミニチュア版でした。 いすに座って待っていた方と目があい、ほほえましい光景に笑顔でうなずくと、くすっと漏れた笑い声にお母さんとこどもが同時に振り向きました。それがまた絵になる光景でした。
| 2005年12月26日(月) |
コミュニケーションの境界線 |
産み月に近いお母さんが健診に来られました。 1歳半になるお兄ちゃんを相手にしていると、よくおなかが張ってくると言われます。 1歳半の男の子ですからもうすぐ自己形成期(第一反抗期)に入ります。もちろんお母さんのおなかの中に赤ちゃんがいることはよくわかっていますから、当然赤ちゃん帰りが衝動としておこっています。何が何でもお母さんを独り占めしたい欲求にかられます。
「お母さん、2歳までの上の子は、双子だと思って育てるといいですよ」と語りかけると、「ええ?双子って?」と怪訝そうな顔をされました。 「双子で生まれたお兄ちゃんのように扱うと、上の子は落ち着くんです。おっぱいも飲ませてみたらいいです。自分が十分受け入れられていると思うと、安心して自立の準備するようになりますよ」 「なんとなくわかるような気がします。それでよくすねるんですね。気持ちを切り替えて世話をしてみます」
2才はコミュニケーションの境界線です。
年末ともなると日曜日はなかなか忙しい。 めったにない、日中の予定が入っていない休日なので、妻がいつもしている仕事の少しを分担することができました。
久しぶりにホームセンターへ行きました。行くたびに感動を覚えるのですが、何でもありますね!今日の目的は風呂周りと庭の手入れ用品ですが、あれこれ手に取っているうちにどんどん時間が経ってしまいました。実に楽しい空間です。
クリスマスイブになりました。 クリスマスといえばプレゼントと、12月に入るとデパートや商店街はツリーや電飾でムードを盛り上げます。今やお正月よりも華やいだ印象がありますね。
北海道から電話がありました。当時通っていたキリスト教会・教会学校の中学・高校時代の恩師です。当時のクリスマスイベントを思い出し、クリスマスキャロルで、凍てつく雪を踏みしめて信者さんの家々を回った話をしました。
驚くことに最近はそうしたくとも出来ないというのです。車の騒音で、歌声が消されてしまうことや、騒音防止条例にかかるため、外で歌ったりできないようです。いつの間にか40年が経っていたのには驚きです。長く離れていると、時代が変わっていることに意識がついていっていませんでした。
私の中の素朴なクリスマスの原風景はもはや風化しつつあるようです。
プレゼントの習慣はどこからきたのでしょうか? サンタクロースの発祥と関係するかもしれませんし、 キリスト生誕のとき星に導かれて祝いに駆けつけた、東方の三人の博士たちが献上した、黄ゴン、没薬(もつやく)、乳香(にゅうこう)が形を変えたものかもしれません。
キリスト教では、神から人間に与えられた最も大きなプレゼントがイエス・キリストそのものです。神が人間を愛している証として、人間の原罪をあがなうものとして神の一人子であるキリストをこの世に送ったというのです。
日本では今絆や愛情の証としての役割があるようですね。
天皇誕生日 今日は天皇誕生日です。 朝のテレビで天皇陛下の一年の主なお働きとメッセージを放送していました。
阪神淡路大震災記念式典、サイパンへの戦没者慰霊の旅でのばんざいクリフ、北欧ご訪問などそれぞれにお見せになった表情を見ながら、皇室をこれほど開かれた陛下のご人徳に、いまさらながら敬服しました。
妻は「これほどの天皇はもう出ないかもしれない」とふと漏らしていました。
ニュースで各地の大雪を映していました。 岡山市も昨日何年かぶりで雪が積もりました。私の住んでいる祇園周辺でも朝7時から8時の1時間で10cmほど積もりました。 この程度の雪でも、めったに経験しないので、かなり多くのスリップ事故があったようです。
北海道生まれの私は雪がむしろ懐かしく、心弾む気分になるのです。 退院のお見送りに玄関に出たスタッフたちが寒がるので、「暖かい空気のベールを一枚かぶっている気分になるとあまり寒く感じないよ!雪っていいね!」と言ってひんしゅくをかいました。
| 2005年12月22日(木) |
「いのち」はいただきもの |
嬉しいことがありました。
予防注射に子どもを連れてきたお母さんが、私にぜひ子どもを見せたいというのです。「お久しぶりです!この子が命拾いした子です。あの時無理に紹介状を書いてもらったのですが、考え直して産みました。こんなにいい子ができました。産んで本当によかった!!」
いつの間にかお友達が傍によって来ました。口々に「本当によかったね!今ここにこの子がいて私たちも嬉しい!!」と喜んでいました。
自分の健康上の問題があり、子供を生み育てることに自信が持てなかった彼女は、何度も友人に相談し、悩みを分かち合って、産む勇気をもらいました。
そしてこの子はこの世界で人生を送る「いのち」をもらいました。
待合ロビーでこの光景を目の当たりにしていた人たちは感動をもらいました。
そして私は、この仕事を続けているご褒美をもらいました。
今年最後のサン・クリニック共に育つ会(スタッフ研修会)がありました。この会は全職員が参加するもので、当院の活動の中枢です。
医療情報、研究発表、全体討議、プロジェクトチーム一年の成果、など盛りだくさんでした。「赤ちゃんにやさしい病院」認定の意味を再確認し、さらに進化していくことの決意とプロジェクトチームの再編をし、年末にふさわしい友に育つ会になりました。
夜、忘年会をしました。とても楽しく、いい時間をすごしました。スタッフの人間力の向上を十分感じ、嬉しい限りでした。
今話題の「マグリット」というイベントホールを利用したのですが、いくつかの感動がありました。建物にはさまざまな演出が加えられ、結婚披露宴はじめ、さまざまなパーティーを演出する空間に、スタッフの思いがこもっているように感じました。 スタッフの対応も心のこもったものでした。
食事は洋風懐石でしたが、材料もかなり吟味され、味もよかったと思います。パンがなく、そのわけを尋ねたとき、ご飯が出ますとスタッフが答えました。その言葉通り、新鮮な魚介を使った小さな祭り寿司がました。美味しく食べていると、すっと傍ににじり寄った先ほどのスタッフが、「お味はいかがですか?」と聞いてくれました。 あ、気にしてくれている!という感動を感じさせるものでした。
急に寒くなるといろいろな病気が多くなります。 幸い大流行が予想されていたインフルエンザは、まだ流行の兆しが見えませんがこれからでしょう。 今多いのは嘔吐下痢症(冬季下痢症)、いわばおなかの風邪です。多くはロタウイルスが原因ですが、夏に話題になるノロウイルスや、カンピロバクターなども原因になります。 もともと幼児に多く見られる病気です。激しい嘔吐と下痢を繰り返し、脱水症がすすむと、ときに命に関わることさえあります。 近年大人にも感染するようになりました。激しい嘔吐が急に起こる、頻繁な下痢、発熱、など不安になるような症状です。おおくは2〜3日の経過ですが、注意が必要です。 もちろん、普通の風邪が多くなるのはいうまでもありません。 インフルエンザに対する準備はワクチンがあげられますね。しかしワクチンに頼るのはあまり賢明ではありません。日々の生活の中でウイルスに対する防御法を励行していくことが大切です。 防御:手洗いとうがいの習慣。手にはさまざまな病原菌がつきますので、流 水で洗うことがコツ。 そのままついでにうがいをします。口をすすぐだけでなく、のどに水 を送ってガラガラと、肺の中の空気を水で洗う気分でうがいをしす。 のどは感染防御の第一関門です。病原菌がそこに留まっているうち に、うがいで外へ出すことです。 日ごろから身体をよく動かし、気力を高めていきます。寒いからとい ってちぢこまっていては免疫力が下がって病原菌に負けてしまいす。 とくに年齢が上の方はできるだけ外に出て身体を動かしましょう。散 歩するだけでも随分違います。 深呼吸しましょう。呼吸のコツは息を十分吐くことです。はききるこ とで新鮮な空気を肺の隅々まで送ることができます。 食べるものに気をつけて、身体を温める食べ物をおくとることです。 甘いものをひかえ、根菜類、穀物を積極的に食べましょう。 対策:薬はお白湯とおかゆです。 お白湯は積極的に飲みましょう。吐き気が強くても、不思議とお白湯 は体が受け付けます。白湯は漢方では薬です。 お白湯は沸騰する前に火を止めたお湯を、ふうふうと冷ましながら飲 みます。 米から炊いたおかゆは身体を温めます。5分がゆ位がいいでしょう。 風呂は入ってはいけません。暖かくしてできるだけじっと休むといい でしょう。 果物、生野菜、などは身体を冷やし、ビールスの味方になります。 無理に栄養を摂らないほうが早く回復します。体が自然治癒力で、細 胞から元気になってくると、おなかがすいてきます。それから柔らか いものから順々に、身体をいたわるように食べるといいでしょう。 高齢な人ほど早く病院を受診してください。輸液が必要なことがしば しばあります。
妊娠の診断で受診された方が面白いことを教えてくれました。
お話が終わって席を立つ前、 「お姉ちゃんがおなかをなぜて、赤ちゃんが来た、赤ちゃんが来た、というものですから今日診察を受けてみました。わかるんでしょうか?」
「それに先日、遊んでいた、近くの女の子がすっとよってきて、“おばちゃんのおなかの赤ちゃん、女の子?”て、いきなり言うんです。お姉ちゃんも女の子って言っていたので、こどもって、わかるんでしょうか?」
不思議発見ですね。
「はがき道」の提唱者、坂田道信先生による“読書会”がアイナリーホールで開催されました。教本は森信三(のぶぞう)先生著「女人開眼抄」です。
163ページから始まったのですが、いきなり「女は太陽である」と声高らかに読み上げました。先生の独特の節回しに毒気を抜かれた参加者が、次第に純粋な気持ちになっていく様子を肌で感じることができました。
坂田先生は師と仰ぐ森信三先生の病床で、読書会の大切さを教えられ、読書会をするように勧められたそうです。
森信三先生は実践哲学、教育学の先哲です。その教えの中に「人間は師を持たねばならぬ。人生の方向を見失うからである」といった意味の言葉があります。
「すべて我が師」という悟りの境地にまで行かなくても、確かに私の人生の中に、一生の師と仰げる人との出会いに恵まれた幸いを感じます。
| 2005年12月11日(日) |
NHK「新シルクロード」 |
NHKテレビ特別番組「新シルクロード」が始まりました。バックミュージックは“ヨー・ヨーマ”のチェロ、語り、松平アナで、第1回の今日は西安の特集です。シルクロードは西安(唐の都、長安)から始まり西安に終わるので、当然なのですが、映し出されたのは近代都市そのものでした。
そのあと12時前から、1980年放送の元祖「シルクロード」を撮影の苦労話などをまじえ、松平アナ解説で、NHKアーカイブズで特集してくれました。このときの音楽は“喜多郎”のシンセサイザー、語りは石坂浩二です。25年前大ブームを巻き起こした番組です。数々の名場面が今でも脳裏に焼きついています。喜多郎のシンセサイザー“シルクロードシリーズ”も随分聴きました。
25年前の西安は古都長安を忍ばせる町並みが続いていました。その悠久の時間の流れを映像の中に感じ、作家陳舜臣さんの案内で中国の繁栄のあとをたどったものでした。 実に懐かしい映像でした。
昨日、今日と2日間ガラス教室の講座生による作品展がありました。その打ち上げを兼ねて忘年会がありました。場所は岡山駅西口、国際交流センター裏手の「リョウテイ」という和食のお店です。映画館を改造したという、広い空間を迷路のように区切って遊び心を演出しており、満員の客でにぎわっていました。
45oo円のコース料理で、ビール、日本酒、などかなりの種類の飲み物が飲み放題でした。料金にしては料理の内容もまずまずでした。サービスもまずまずでした。出来たばかりで予約がいっぱいのようです。
その後知人との約束があり、立ち寄ったお店の水槽に、直径30cmをこえる巨大な2枚貝がおりました。平べったいその姿に見覚えはあるのですが、記憶が定かではありません。ご主人に説明を求めますと、「タイラガイ」だと教えてくれました。
これから2月いっぱいが旬で、このお店のものは下津井付近でとれたもので、漁法は潜水だそうです。潜水服を着て潜り、小舟の上から酸素を送る、昔ながらの懐かしい風景が目に浮かんできます。
和名は「タイラギ」ですが、通称の「タイラガイ」の方がぴったりするようでした。
産後1か月健診に来られたお母さんに「お兄ちゃんはどうしてますか?」とたずねますと、「ふふ!あかちゃんしてます!」と笑顔で答えました。
聞けば第1子であるお兄ちゃんの赤ちゃん返りが強く、第2子である2才のお姉ちゃんが、かいがいしく赤ちゃんの世話をしているという。
「時々勝手に抱っこしていて怖い思いをしますが、楽しくやっています。お兄ちゃんが自分で食べようとしないので、この子が食べさせてあげたりするんですよ」と、ほほえましい光景を話してくれました。
さすが女の子ですね。それにしても、2回目の赤ちゃん返りとは受容の欲求の原点をみるようですね。
柔道整復師専門学校での、今年の最終講義をしました。 今年の総復習をしたのですが、そのなかでアイデンティティ(わたしらしさ、存在証明)のことに話題が及んでいきました。
「わたしらしさ」を日常の生活でなんとなく感じることはごく普通のことです。「わたしらしく」生きようとみんな努力しています。学校でも、家庭でも、「わたしらしく」いきるために勉強することを勧めます。しかし、この「わたしらしさ」というのは何でしょう。
「わたしらしさ」を感じる条件は「自己受容」です。「自己受容」とはありのままの自分を受け入れることでしょう。しかしほとんどの人は「嫌いな自分」を持っていますから、これは至難の業です。
究極の自己受容を表した詩があります。
祈り
大きなことを成し遂げるために 力を与えてほしいと神に求めたのに 謙遜を学ぶようにと 弱さを授かった
偉大なことができるように 健康を求めたのに よりよきことをするようにと 病気を賜わった
幸せになろうとして 富を求めたのに 賢明であるようにと 貧困を授かった
世の人々の賞賛を得ようとして 成功を求めたのに 得意にならないようにと 失敗を授かった
求めたものは一つとして与えられなかったが 願いはすべて聞きとどけられた 神の意に添わぬものであるにもかかわらず 心の中の言い表せない祈りは すべて叶えられた
私は 最も豊に祝福されたのだ
(ニューヨーク大学にあるリハビリテーション研究所の壁に、一人の患者が残した詩の一部)
この詩にうたわれている「自己受容」は「許し」そのものです。力がなくてもいい、健康でなくてもいい、富がなくてもいい、世の成功者にならなくてもいい、「おまえ」はそのままでいいと、心の底からわかったときはじめて、深い満足感と感謝にあふれた「わたしらしさ」を確信したことを表しています。
この境地はまさに「悟り」ですね。
早朝4時、凍てつく空気の中外に出ると、このところ寒波襲来で雨や曇り空が多かった空は見事に晴れ渡り、満天の星空が広がっています。 夏は少し光の薄い北極星も、冬の真夜中には光を増すようで、北斗七星のひしゃくの先にくっきりと輝いています。
今日1ヶ月検診に来られたお母さんの質問です。4500gを超えて大きくなった赤ちゃんをお風呂を入れるのに、ベビーバスが小さくなったので、普通の浴槽に入れていいかというものです。 基本的には2ヶ月までベビーバスが望ましいとしているのですが、こんなに大きくなって、片手で赤ちゃんの身体を支えるのが難しくなった状態ではやむを得ません。
30年ほど前、岡山国立病院で小児科研修をしていた頃、赤ちゃんの寒冷障害について調査したことがありました。乳児の寒冷障害とは赤ちゃんが35℃以下の低体温が原因で、肺炎や、敗血症、髄膜炎などの重篤な病気にかかることをいいます。
低体温は雪山など寒さ(低温)にさらされれば誰にでもおこりますが、赤ちゃんに特徴的なのはお風呂のあと、特に寒い夜に起こります。3年分の症例を同時期の岡山県の気温の変動に合わせて見ましたら、予想通り気温の低いときにほとんど一致していました。その子どもたちの半数あまりが入浴後の体温低下が推測されました。
3ヶ月未満の子どもを入浴させるコツは、暖めないということです。入浴係の大人が普通どおりお風呂を使います。上がるばかりになったところで赤ちゃんを受け取り、少しぬるいお湯で何度かかけ湯をしたあと、全身をさっと洗います。さらにかけ湯をして石鹸を十分流した後、一緒に湯船につかります。5〜10数えるくらいで上がります。
上がったあと、バスタオルで湿り気がなくなるくらい、ゆっくり身体を拭いてから服を着せます。湿り気が残ったまま服を着せると、体が冷えてしまい、低体温になりやすいのです。いかがでしょうか。
| 2005年12月02日(金) |
「甘え」と「甘やかし」 |
今年もついに12月に入った昨日から、院内の飾り付けがクリスマスモードに変わりました。なぜか急に寒さも増してきたようで、受診される皆さんの服装もまさに冬の装いです。
朝一番にアトピーの漢方治療をしている4歳のお子さんがやってきました。とってもチャーミングな女の子です。いつも、かわいい2歳の妹と一緒にお母さんと来ます。 妹を抱いているお母さんの膝が空くとすぐ、「抱っこ!」といって膝に登っていきます。診察室での主役はおねえちゃんなので、お母さんは普段抱いてやれない分、それを受け入れています。
「甘える」というのはこの時期とても大事なことです。「甘やかす」というのは子どもの要求ではなく親の勝手で、「猫かわいがり」、つまり子どもの心身の発達の芽を摘んでいくような、ペットを愛するようなかわいがり方をいいます。「甘える」のを受け入れることは、子どもがつらかったり、さびしかったりしている気持ちに感情移入し、共感することです。受け入れられることによって、子どものこころに「愛されている」という自信や確信が積み重ねられ、将来の自立への勇気となっていきます。
逆に甘えたい気持ちを拒否されることが積み重なると、例えばお母さんへの恨みの種をまいていくことになります。
幼児期のこの体験は、成長してからの性格と行動に深く関わることがエゴグラムなどの心理検査でも確認されています。子育てや、仕事、家事などに追われ、こころのゆとりはなかなかもてないかもしれませんが、子どものこころに共感するときを少しでも持ちたいものですね。
今回はお酒のお話はいかがでしょうか。 お酒につきものは飲みすぎ、二日酔いです。私にとっても他人事ではありませんがね。酔いすぎ、二日酔いを防ぐ、あるいは最小限にする手立てはいくつかあります。
ビール以外のお酒は必ず水をよく飲むことです。アルコールを薄めるだけではなく、排泄を促し、アルコール分を早く外に出します。どこかのことわざで、「酒一升、水八升」というのがあります。それだけ水を飲むと酔わないというわけです。もっとも私にそれを教えてくれた酒好きの友人は、水をほとんどのまず「酒も水のうち」などといって酔いを楽しんでいました。
のんだあと果物をできるだけ食べること。とくに今の季節は柿がおすすめです。アルコールは糖分の補給が分解を助けてくれます。ですから、甘いものも効果があります。
他にも民間療法的なものがいろいろありますが、ほとんど間違いなく効果があるのは漢方です。 酔いの予防には、飲む前、のんだ後に「黄連解毒湯」、酔いすぎで気分が悪くなったり、頭痛や吐き気がひどければ「五苓散」、普段から酔いにくい体質を作るには「八味地黄丸」があります。 いずれにしても、たくさん飲まなければいいわけですが、なかなか節度が難しいものです。 なにはともあれ、楽しい酒にしたいですね。
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