| 2010年04月25日(日) |
アデル、にくめハレルヤ、4匹の蠅、小さな命が呼ぶとき、レギオン、サバイバル・オブ・ザ・デッド、華麗なるアリバイ+製作ニュース |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※ ※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※ ※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『アデル/ファラオと復活の秘薬』 “Les aventures extraordinaires d'Adele Blanc-Sec” フランスの漫画作家タルディが1976年にスタートさせた女性 冒険家アデルの活躍を描いたコミックスシリーズからの映画 化。『アーサーとミニモイ』の3部作で監督から引退すると 宣言していたフランスの映画監督リュック・ベッソンが監督 している作品。 因にオリジナルのコミックスは、第1次世界大戦前後のヨー ロッパを背景に、超常現象やオカルトを題材にした物語が毎 回展開されているとのこと。また、2007年に単行本の9巻目 が出ているなど、かなり息の長い人気シリーズのようだ。 そしてベッソンはこの原作の映画化を以前から希望していた が、最初は別の監督が映画化を進めていて断念。その計画が 頓挫した後は、今度は原作者が映画化を渋るなどしたために 実現まで10年を費やしたとのことだ。 従って本作は、ベッソンにとって念願の企画の実現となるも ので、それが先の引退宣言を翻させた理由でもありそうだ。 その辺のことを、試写会の後に開催予定だった記者会見で聞 きたかったのだが、火山の噴火の影響で監督の来日が取り止 めになってしまったのは残念。 映画の物語の発端は、1911年パリ。そこで行われていた何や ら怪しげな実験で博物館に展示されていた太古の化石の卵が 孵化、その影響で死亡事故が起きてしまう。一方、人気作家 のアデルは次作の取材のためペルーに向かうはずが、何故か エジプトでミイラの発掘をしていて… 内容は、正しく女性版インディ・ジョーンズという感じで、 仕掛け一杯のピラミッドや怪しげなオカルト実験が、映画の 全編に亙ってVFXも満載で描かれる。しかもそのヒロイン が、目的のためには多少の悪事は意に解さないという辺りも インディさながらという感じだ。 ただ、その彼女を動かす原動力みたいなものが多少重い感じ なのは、ハリウッドではないヨーロッパ映画の感触とも言え そうだ。その他にも、一緒に観た知人は「倫理観の違い」と 表現していたが、そんなシーンが観られたりもした。 でもまた、映画の中にはユーモアも大量に仕込まれていて、 その辺のバランス感覚は特に後半に絶妙に活かされている。 従って映画を鑑賞後の感じは悪いものではなく、むしろカタ ルシスもあって良い感じになっていた。 出演は、テレビ番組の気象キャスター出身で、すでに2008年 のセザール賞有望若手女優にもノミネートされたルイーズ・ ブルゴワン。飛び切りの美人という訳ではないが、親しみの 湧きそうなニューヒロインの誕生だ。 他に、2005年『ミュンヘン』などに出演のマチュー・アマル リック、2007年7月紹介『ナルコ』の脚本・監督で注目した ジル・ルルーシュらが共演している。
『にくめ、ハレルヤ!』 1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震(通称:阪神淡路 大震災)の10年後の神戸を舞台にしたドラマ。 主人公は、大震災を題材にした映像に音響を付ける作業をし ている。そんな主人公はある日、痴呆の祖母が家を抜け出し たという連絡を受ける。そしていち早く祖母を見付けた主人 公は、祖母の口からサキという妹の名前を聞かされる。 ところがそんな妹の記憶など無い主人公。しかしその直後に 「サキ」と呼ばれる少女と出会う。その少女は10歳ぐらい、 震災の頃に生まれていたら丁度の年格好だった。そして継母 から虐待を受けているという少女の言葉に、主人公は少女を 連れて逃亡を開始する。 主人公は震災で父母を亡くしており、少女も同じ境遇のよう だ。そんな2人の逃亡の過程で、震災の直後にNPOを立上 げたという青年の話や廃虚のままの施設、その一方で神戸ル ミナリエの華やかなイルミネーションなどが綴られる。 脚本監督の板倉善之は、1981年大阪生まれ、震災の時は中学 生で、部活の朝練で早朝登校の準備をしている時に揺れを感 じたそうだ。しかし、朝のニュースではまだ神戸中心の様子 は報道されず、そのまま学校に行き帰宅後に事態の深刻さを 知ることになったという。 その状況は東京にいた自分も似たようなものだったが、その 後が大阪在住では違うものだったのだろう。本作の発想も神 戸出身の女友達の言葉が切っ掛けになっているのだそうだ。 しかもその淡々と語られた言葉が、監督の心に突き刺さった のだそうだ。 その淡々とした口調の言葉が本当に伝えたかったのは何か、 それに対する想いが本作を作り上げているようだ。しかし監 督自身これが正解だとは思えていないようで、そんなもやも やした感じが本作にも色濃く漂っている。 確かに、本作を観ることで監督の想いは理解できる。しかし それはそこまでであって、監督が本当に描きたかったこと、 つまり神戸出身の彼女の伝えたかったことは理解できない。 それは監督も模索中なのだし仕方の無い面はあるが、やはり 間怠っこしい感じは残った。 出演は、イッセー尾形の舞台などに参加している苧坂淳と、 2008年1月紹介『奈緒子』で主人公の子供時代を演じていた 藤本七海。因に2006年製作の本作は藤本のデビュー作だそう だ。他に、絵沢萠子らが共演している。
『4匹の蠅』“4 mosche di velluto grigio” 昨年2月に新作『サスペリア・テルザ』を紹介したイタリア の恐怖映画監督ダリオ・アルジェントによる1971年の作品。 アルジェントというと1977年日本公開された『サスペリア』 の印象が鮮烈だが、本作はそれ以前。ただし本作も当時日本 公開はされていたようで、僕は未見のつもりだったが、最後 の種明かしには見覚えもあり、もしかするとテレビ鑑賞して いたのかも知れない。 物語は、ロックバンドのミュージシャンが主人公。日々スタ ジオで練習を続ける主人公には金持ちの妻がいて、生活は安 定しているようだった。ところがある日のこと、彼は自分を 尾行する男の存在に気付く。 そこで主人公は男に逆襲。閉鎖された劇場に追い詰めた主人 公は揉み合ってその男を刺してしまう。その模様を撮影する 不審な人影。そして翌日の新聞には、身元不明の刺殺体が発 見されたという記事が掲載されていた。 こうして主人公は、何時警察の手が伸びてくるかという恐怖 に曝されるが、警察が現れることは無く時は過ぎて行く。と ころが、そんな主人公の周囲に彼の犯行を裏付ける写真など が置かれるようになる。果たしてその目的は… アルジェントは1940年の生まれとあるから当時は30歳前後。 徐々に恐怖を際立たせて行く演出にはヒッチコックの影響も 見え、正に若さが発揮されている作品とも言えそうだ。物語 の後半にはちょっと意外な展開も用意されていて、その辺も 面白かった。 脚本は、アルジェントと1978年“Starcrash”(A・E・ヴ ァン・ヴォート『宇宙嵐のかなた』の映画化)などの監督の ルイジ・コッツィらによる原案から、アルジェントが執筆し ている。 主演は、最近でもテレビなどで活躍しているアメリカ人俳優 のマイクル・ブランドンと、60年代のアメリカテレビで活躍 したミムジー・ファーマー。ファーマーは後にヨーロッパ映 画で活躍する初期の作品でもあるようだ。 他に、ジャン・ピエール・マリエル、フランシーヌ・ラセッ ト、バッド・スペンサーらが共演している。また、音楽をエ ンニオ・モリコーネが担当していた。
『小さな命が呼ぶとき』“Extraodinary Measures” 糖源病2型(通称:ポンペ病)4万人に1人と言われる難病 に罹った我が子を救うため、大企業での約束された地位を擲 ち、治療薬を開発するヴェンチャー企業を作り上げた父親の 実話に基づく作品。 大手製薬会社に勤めるジョン・クラウリーは2人の我が子の 病の進行に心を痛めていた。病名は糖源病2型、発見者の名 前からポンペ病とも呼ばれるその病気は、幼児期に発症した 場合の生存期間が最長9年と言われ、上の子メーガンはすで に8歳になっていた。 だが、体内に蓄積されたグリコーゲンを分解してエネルギー に変えるための酵素を先天的に持たないことによって生じる その病気の治療法は、治療薬の開発以外にないと言われなが らも患者の希少性から企業の利益が見込めず、開発もままな らなかったのだ。 そんなある日、メーガンが3度の心停止を引き起こす。しか しその状態から奇跡的に回復したメーガンの目は、笑顔を作 ることもままならない身体で父親に生きる意志を強く訴えか けていた。 その姿を目の当りにした父親は、文献調査の中で見付けた大 学の研究者の許を訪ねる。その発表はポンペ病に対する最先 端の治療法を示していたが、理論だけで臨床にも至っていな かった。 しかも先端的な研究には大学の予算も付かず、研究は理論考 察より先には進めなかったのだ。そんな状況に学者は、50万 ドル用意できたら開発のためのヴェンチャー企業を立上げら れると提案するが… この提案に対して父親は、まず基金を立上げ、ついでヴェン チャー企業の立上げ、さらに企業買収など、ビジネスマンと して培ってきた全てのノウハウを駆使して、我が子を救う新 薬の開発へと邁進して行く。 出演は、父親役にブレンダン・フレイザー、学者役に製作総 指揮も兼ねているハリスン・フォード。他に、『ベンジャミ ン・バトン』などのジャレット・ハリス、『奇跡のシンフォ ニー』などのケリー・ラッセルらが共演している。 実話の物語はこれほどにはドラマティックではなかったよう だが、父親としての愛情が新薬の開発を推し進めたことは事 実な訳だし、映画化する上でこの程度の創作は許容されると ころだろう。因に一家の名前は実話通りだが、博士の名前は 変えられていたようだ。
『レギオン』“Legion” 神の意志に逆らい続ける人類に、遂に神は怒りの鉄槌を下す ことを決定。しかしその時、人間の心に残る愛を信じる大天 使ミカエルは神の意志に逆らい、人類救済に立ち上がる…と いう究極の物語を描いたアクション作品。 天使が最初に舞い降りたのは大都市の下町。そこで自らの翼 を切除した天使は、銃器店で大量の武器を入手する。そして 武器を手にした天使が向かった先は、車通りもまばらな荒野 を走る街道沿いにぽつんと建つダイナー。 そこは父親と息子によって営業されていたが、父親はそこに 店を持ったことを後悔しているようだ。さらにそこには誰の 子とも知れない胎児を宿して臨月を迎えたウエイトレスがい て、息子はウエイトレスと自分の子でもないその胎児を守ろ うと決意していた。 他にも、年頃の娘を連れた夫婦や道に迷った黒人の青年らが そのダイナーを訪れ、そこに天使が到着すると、やがて神が 遣わした脅威がそのダイナーを襲い始める。果たして大天使 は神の意志に逆らって人類を守り通すことができるのか… 英語の台詞ではマイクルが字幕はミカエル。これではネタバ レになりそうだが、欧米人ならマイクルでも気が付くはずだ から、これはおあいこと言うところだろう。それで誰の子と も知れない胎児とくれば、それがクリスマス・イヴでなくて も話は決まりだ。 人類全てがクリスチャンではないのにとも思えるが、物語の 中でも他宗教に対するそれなりにフォローの台詞はあったか ら、宗教の問題は脇に置くことにしよう。ただし展開は聖書 の黙示録の情景を準えているから、キリスト教的な作品であ ることは間違いない。 でもまあ、昆虫の群れが襲ってきたり、心を失った人々の群 れが襲ってくるなどの情景がVFXで描かれたシーンの連続 は、宗教問題は抜きにしてそれなりに迫力のあるアクション を描いていた。 出演は『ダ・ヴィンチ・コード』などのポール・ベタニー、 『バンテージ・ポイント』などのデニス・クウェイド、『ワ イルド・スピード×3』などのルーカス・ブラック、それに 2004年ジョン・ウー監督がリメイクした“Lost in Space” でジュディ・ロビンソン役を演じたというエイドリアン・パ リッキー。 脚本と監督は、ILM出身で1999年に独立してVFX製作会 社Orphanageを設立、韓国映画『グエムル』や中国映画『レ ッド・クリフ』なども手掛けたスコット・スチュアート。 因に、Orphanage社は昨年閉鎖の情報もあったが、本作を観 ると存続しているようだ。
『サバイバル・オブ・ザ・デッド』 “Survival of the Dead” 1968年の“The Night of the Living Dead”でスタートした ジョージ・A・ロメロ監督によるゾンビシリーズの最新作。 2008年8月に紹介した『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』に 続く作品。 物語は、いつもの通り死者が甦り始めた後の世界を生き抜く 生き残りの人間たちを描くもの。そして今回は、本土から離 れた孤島を巡って、その島に暮らす2組の人々の対立が人類 全体の縮図のように描かれている。なお、お話は前作からは 独立しているが、ちょっとだけ繋がりも付けられていた。 今回の主人公となるのは、州兵として活動していた一団。彼 らは混乱が始まると早々に軍隊を離脱し、強力な武器と熟練 の戦法を使って他の生き残りの人々を襲っては金品を略奪し て生き抜いていた。 ところが同様の盗賊集団を襲った際に、捕われていた若者を 救出してしまう。そしてその若者がインターネットから得た 情報で、安全に管理されているという島の存在を知り、そこ に向かってみることにするが… その島には対立する2組の人々がいたが、現在はその一方が 全体を支配していた。そこで島から追い出された連中に主人 公たちが合流し、島の支配権の奪還を目指すことになる。し かし再上陸を果たした彼らの前には、ゾンビと共存する奇妙 な世界が展開していた。 ゾンビと共存する世界については、ロメロ自身が1985年に発 表した“Day of the Dead”(死霊のえじき)でも描いてい るが、2005年の『ランド・オブ・ザ・デッド』から始まった 今回のシリーズでも3作目で同じ結論に達したようだ。 こうしてみると新シリーズは、『ランド』が1978年の『ゾン ビ』(Dawn of the Dead)、『ダイアリー』が1968年の『ナ イト』に対応するようにも見えてきた。旧シリーズのリメイ クも盛んに行われているが、こちらもロメロ流のリメイクだ ったのかも知れない。 出演は、シリーズ前2作にも出演のアラン・ヴァン・スプラ ング、2005年12月紹介『エミリー・ローズ』などに出演のケ ネス・ウォルシュ、カナダのテレビで活躍しているキャスリ ーン・マンロー。他に『ソウ4』『ソウ6』に捜査官役で出 ていたアテナ・カーカニスらが共演している。 なお公表されているロメロの予定では、ゾンビ・シリーズは これで一旦休止のようだが、新シリーズの開始前からあった “Diamond Dead”という計画はまだ生きているようだし、早 期にシリーズが復活することを願いたいものだ。
『華麗なるアリバイ』“Le grand alibi” 今年生誕120年を迎えている「ミステリーの女王」アガサ・ クリスティーが、1946年に発表した小説「ホロー荘の殺人」 の映画化。 フランスの片田舎にある上院議員の邸宅。そこには毎週末に 議員の妻による招待客が集められていた。そしてその週末に 招待されたのは、精神分析医とその妻、議員の彫像を作った 女流彫刻家と小説家の男性、そして女優。 ところがそこで惨劇が起こる。突然邸内に銃声が響き、駆け 付けた人々が目にしたのは、射殺された精神分析医とその側 に銃を握って立つ妻の姿だった。しかもその精神分析医は、 招待客の彫刻家と女優とも関係を持ち、妻は長年その状況に 耐えいていたのだという。 この状況に、駆け付けた警察はただちにその妻を逮捕するの だが… 因にクリスティの原作は、名探偵ポアロ物の1篇とされてい るものだが、今回の映画化ではその存在は削除されている。 ただしクリスティー自身が原作を舞台劇に脚色した際にもポ アロは削除されているそうで、今回はそれを踏襲しているも のだ。 そして今回の映画化では、携帯電話が使われるなど一応は現 代的にされているが、映像や演出などには往年の名作という 雰囲気が漂っており、正にクリスティーの世界が展開されて いるという感じの作品になっている。 脚本と監督は、ジャック・リヴェット監督が1991年に映画化 した『美しき諍い女』の脚本なども手掛けているパスカル・ ポニゼール。本作ではコメディとドラマの中間という目標を 立てて、脚色から配役までを行ったとのことだ。 出演は、2005年7月紹介『ふたりの5つの分かれ路』などの ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ、2007年11月紹介『潜水服 は蝶の夢を見る』などのアンヌ・コンシニ、今年の2月紹介 『オーケストラ!』などのミュウ=ミュウ。 他に、『マトリックス・リローデッド』などのランペール・ ウィルソン、『007/カジノ・ロヤイヤル』に出演のカテ リーナ・ムリーノ、2009年7月紹介『アニエスの浜辺』など のマチュー・ドゥミらが共演している。 * * 今回の製作ニュースの続編の話題を纏めておこう。 まずは残念な情報で、今月初め4月4日付で報告したばか りの“Bond 23”の計画が無期限延期になってしまった。こ れは3月21日付でも報告したMGMの一括売却に絡むものだ が、結局この売却が順調に行かず、製作母体が不安定では映 画製作に踏み切れないと判断されたようだ。このため先に報 告したレイチェル・ワイズの女敵役も、サム・メンデスの監 督も全てキャンセルとのことだが、公開すればヒット間違い なしのシリーズではあるし、早期の製作再開を期待したいも のだ。それにMGMでは“The Hobbit”の製作準備も進めら れている訳で、そちらの情勢も心配になるところだ。 次は待望の続報で、3月28日付で報告した“Men in Black 3”に関してウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズの 再登場が確認されたとのことだ。これは製作を務めるバリー ・ソネンフェルドが語ったもので、ただしジョーンズの出番 はあまり長くはないとのこと。つまり以前にも紹介した今回 エージェントJが過去に遡という展開は間違いなさそうだ。 なおサッシャ・バロン・コーエンの新登場も決定のようだ。 また製作は3Dで行われるとのことで、全米公開は2011年の 5月30日が目標とされている。 ここからは新情報で、1本目はディズニー=ピクサーが、 2002年のヒット作“Monsters,Inc.”の続編を2012年11月に 公開すると発表した。因にこの年度には、すでに“Brave” という作品が6月公開で予定されており、ピクサーは年間2 本の製作体制を整えたようだ。この他にもディズニーでは、 同年にティム・バートン監督による“Frankenweenie”や、 アンドリュー・スタントン監督の実写による“John Carter of Mars”なども予定されているが、ディズニー全体では年 間14−15本の公開を計画しているとのことだ。 そして最後は正にありそうな計画で、“Avatar”の続編に ついてジェームズ・キャメロン監督が語っている。その発言 によると、続編はパンドラ星の海洋を巡る冒険になるとのこ とで、ジェイクやナイテリがアルファ・ケンタウリの星で新 たな冒険を繰り広げるそうだ。さらにキャメロンは、「今度 の撮影は前より楽になる」とも語っており、動き出せば公開 は早そうだ。
| 2010年04月18日(日) |
ブライト・スター、パリより愛…、BEAUTIFUL ISLANDS、書道ガールズ、プリンス・オブ・ペルシャ、トイレット、BECK+製作ニュース |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※ ※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※ ※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『ブライト・スター/いちばん美しい恋の詩』 “Bright Star” 1993年の『ピアノ・レッスン』で、女性監督初のカンヌ国際 映画祭パルム・ドールを獲得したニュージーランド出身ジェ ーン・カンピオン監督の最新作。25歳で夭逝した英国詩人ジ ョン・キーツの晩年を、婚約者だったフランシス・ブーロン の目を通して描く。 カンピオン監督の作品では、2003年5月に『ホーリー・スモ ーク』と、2004年2月に『イン・ザ・カット』を紹介してい るが、彼女自身、長編の監督作品はその後者以来となる作品 のようだ。 物語は1818年、キースが23歳でロンドン郊外ハムステッドに あった友人チャールズの家に転居した頃から始まる。その近 所に住むブローン家の長女フランシス“ファニー”ブーロン はまだ売れない詩人だったキースに心を惹かれ、徐々に2人 の恋心を育んで行く。 しかし、結核で病弱の弟の看病もしながら詩作を行うキース には財力もなく、母子家庭のブーロン家としても、長女をそ のような男に嫁がせることは出来なかった。それでも2人の 恋心は燃えつきることはなかった。 ところが弟が病死した後、キースにも同じ病魔が襲い、友人 たちは南国イタリアへの転地療養を勧めるのだったが… 今でこそ愛の詩人として謳われるジョン・キースだが、その 生前は恵まれていなかったようだ。しかしそんな中で育まれ る一途な愛が詩人に最高の愛の詩を書かせる。そんな悲しく も美しい愛が描かれて行く。 カンピオンの作品では、以前に紹介した2作などもかなり激 しい描写があったように記憶しているが、本作では実に静か に若い2人の愛が描かれている。全体の描写はどちらかと言 うと淡々とした感じだが、それが終盤で一気に盛り上がる演 出は見事だった。 出演は、2007年7月に紹介した『プロヴァンスの贈り物』に 出演のアビー・コーニッシュと、同年1月に紹介した『パフ ューム』に主演のベン・ウィンショー。他に、2003年12月紹 介『ギャザリング』のケリー・フォックス、2007年12月紹介 『ジェシー・ジェイムズの暗殺』のポール・シュナイダーら が共演している。 なお、撮影はイギリス・ベッドフォードシャーに建つ2軒の 家を使って四季に亙って行われており、その周囲の美しい自 然の描写も見事だった。さらに室内の撮影でもライティング などに細心の注意が払われていたようだ。 また、主人公が裁縫上手という設定で、その衣裳には素朴な がらも見事に時代と美しさが表わされており、アメリカアカ デミー賞の衣裳デザイン賞にノミネートされたことも納得で きる作品だった。
『パリより愛をこめて』“From Paris with Love” 昨年6月紹介『96時間』のピエール・モレル監督の新作。 前作同様リュック・ベッソンの原案から、向かう所敵無しの 強烈なアクションが展開される。 主人公はフランス駐在アメリカ大使館で大使の補佐官を務め る男性。典型的な文官だが、陰では使用する車のナンバープ レートを偽装したり、そのトランクには暗証で開くケースに 銃器が隠されていたり…そして自宅のアパルトマンには恋人 も同棲している。 そんな主人公に新たな指令が下る。それは空港の税関で足止 めされているエージェントの入国を援助すること。そして税 関を訪れた主人公が目にしたのは、ドリンク缶の持ち込みで 揉めているスキンヘッドで大柄な態度の男だった。 その場を外交官特権で切り抜けた主人公は、その男の指示す るままに中華街のレストランにその男を連れて行くが…。そ こでいきなり銃撃戦が始まり、男はそのレストランの従業員 を殲滅、麻薬組織を壊滅するために来たと称して次の行動を 開始する。 出演は、大使館員役に昨年12月紹介『シェルター』などのジ ョナサン・リース・マイヤーズ、エージェント役にジョン・ トラヴォルタ。他に、ポーランド出身のカシア・スムトゥニ アク、イギリスのリチャード・ダーデンらが共演している。 『96時間』同様、兎にも角にも滅法強い男が大暴れする話 で、次から次に敵が倒されて行く。ただし、今回の主人公は その男に随行する方の人間で、あれよあれよという間に危険 に巻き込まれて行く、という展開の作品。 痛快という言葉が見事に填る作品と言えるが、そこにいろい ろな国際情勢などが影を落としているのはさすがと言うとこ ろだ。また、物語の進展に従って中華街やエッフェル塔など の観光地からちょっと危ない感じの地区まで、パリ観光も楽 しめる仕組みにもなっている。 しかも、衛星からのモニターなど最新のスパイ技術が駆使さ れたり、その一方で謎が謎を呼ぶ展開にも破綻が無く、正に エンターテインメントをとことん追求した作品と言える。毒 にも薬にもならないかも知れないが、95分の上映時間は一時 のお楽しみには最高だ。 なお、映画には007から『スター・トレック』まで、いろ いろな作品へのオマージュも描かれていた。
『BEAUTIFUL ISLANDS』 海面上昇で最初に海に沈む国と言われるツバル、高潮の被害 が顕著になってきたイタリアの水の都ベニス、そして永久凍 土の融解で土地が消えて行くアラスカ州のシシマレフ島。地 球温暖化の脅威に晒されている地球上の3カ所に取材された ドキュメンタリー。 それぞれの土地で起きている事柄に関しては、情報としては 知っていたが、それを映像で目の当りにすると改めて脅威を 感じるものだ。特に美しい自然が一杯のツバルの風景には、 これが失われて行くことへの哀しさも感じた。 僕自身、地球の温暖化に関しては温室ガス云々という考えに は与しないもので、海面の上昇は避けられないと思っている が、ここに描かれているいろいろな事物が失われることには 哀しみを感じる。 それにしても、ツバルの民衆が「神を信じているから、この 国は沈まない」と主張する姿には驚きも感じてしまったが、 監督も海面の上昇は避けられないと思っているのか、それを 淡々と撮っている映像には哀しみも感じられた。 一方、ベニスでは人類が作り上げた文化遺産が失われようと している。それはツバルの自然とは別の意味で失ってはなら ないものと言える。映画では水浸しのサン・マルコ広場や、 ホテルのロビーに高床の回廊を仮設して凌いでいる様子が写 し出される。 因に、映画の中では「市長が水門を閉じない」と言う発言が 出ていたが、これには近隣の干潟への影響を考慮して市長が 反対の立場を取っている事情があるのだそうで、それも意味 のある考えのようだ。 そしてアラスカでは、人間はそこから立ち去るしかない現実 が突きつけられる。ここでは数10年前からの浸食で海辺の家 屋が倒壊し、脅威は現実のものとなっている。それに対して 人間はなす術もないのだ。 南国のツバル、極寒のアラスカ、そして人類の歴史を物語る ベニス。それぞれにその美しさがあり、それを失いたくない と感じさせる。そんな見事な映像が綴られている。その美し さを感じて、それが失われることへの哀しさが心に刻まれる 作品だった。
『書道ガールズ!!わたしたちの甲子園』 愛媛県四国中央市が主催する「四国中央紙まつり」、そのメ インイヴェントとして2008年に第1回が開催された「全国高 校書道パフォーマンス選手権大会」の実施までを描いた実話 に基づくドラマ作品。 元々は地元の三島高校書道部が商店街で行っていた活動が評 判になり、行政主催の「紙まつり」のイヴェントに昇格。さ らにその模様が全国ネットでテレビ放送されて、全国に書道 ブームを巻き起こしたという実話がドラマ化されている。 主人公は地元の書道家の1人娘。高校書道部の部長も務め書 道展での優勝経験も持つが、日々紙に向き合うだけの鍛練に は疑問も感じ始めている。そんな自身の迷いのせいか他の部 員に辛く当ってしまう部長の態度に、部員の数も徐々に減り 続けている。 そしてその書道部には、主人公が叶わないと思った奔放な書 を書く部員がいたが、少し前に退部しているようだ。 そんな書道部に、産休の顧問の替りとして1人の男性がやっ てくるところから物語は始まる。ところがその出会いは最悪 の事態に…。そのため互いに意地を張り合う部長と代理顧問 は、事あるごとに対立してしまうことになるが… ところが、その代理顧問が校庭で行ったパフォーマンスに部 員の1人が感動し、その真似事を始めてしまう。しかし日々 紙に向き合うだけの鍛練が書道と教え込まれている主人公に はその行動が理解できなかった。 こんな部長と部員たちが、行政をも巻き込んだ書道パフォー マンスを実現するまでが描かれる。もちろん映画にはフィク ションの部分も多く含まれるのだろうが、商店街でのデモン ストレーションなどは実話に基づくエピソードが巧みに融合 されているようだ。 出演は、前々回紹介『シーサイド・モーテル』の成海璃子、 2月紹介『ねこタクシー』の山下リオ、昨年7月紹介『サマ ー・ウォーズ』でヒロインの声優を務めた桜庭ななみ、舞台 で8代目ピーター・パンを演じている高畑充希、NHK『と めはねっ!』にも出演の小島藤子。 同様の書道パフォーマンスを描いたNHKのドラマは、書道 の奥深さなども時間を掛けて描いていたが、本作では地方の 過疎化や地場産業の衰弱など、現在の日本が抱えるいろいろ な問題も背景に置いて、それに立ち向かって行く若者の姿を 爽やかに描いている。 その中にはこのような題材を描く上で欠かせない書道の基本 に立ち返るシーンも在るが、そこはNHKのドラマを観てい ると判る程度に押さえており、その点での見極めはしっかり とされていたようだ。 そして本作では、大会に出場した4校のパフォーマンスがそ れぞれ相応の時間を掛けて写されていて、そのシーンはかな り見応えのあるものに仕上がっていた。 この大会のシーンには、物語の基となった愛媛県立三島高校 と、埼玉県立松山女子高校、川口高校の書道部がそれぞれ別 の学校名で、主人公たちの対抗馬として登場するが、そのパ フォーマンスには大画面で観る価値も感じられたものだ。 なお、本作に関しては先にラッシュでの試写も観せて貰った が、その時は合成や画質調整も未了だったもので、その時と はかなり印象が変ったことに驚かされた。特に画質の調整が ここまで有効とは思わなかったもので、その威力を感じた。 それに合成も、ラッシュを観ていなかったらそうとは全く気 付かなかっただろう。それらの出来映えにも感心した。
『プリンス・オブ・ペルシャ:時間の砂』 “Prince of Persia: The Sands of Time” 『パイレーツ・オブ・カリビアン』ではディズニーランドの 人気アトラクションを見事に映画化してみせた映画製作者の ジェリー・ブラッカイマーが、今度は1989年から続く人気ヴ ィデオゲームの映画化に挑戦した。 物語の舞台は古代のペルシャ。アジアからヨーロッパに跨が る広大な領土を持つ帝国は2人の兄弟によって治められてい た。その兄王には2人の息子がいたが、ある日に立ち寄った 市場で目にした、場内を駆け抜ける孤児の姿が気に入り宮廷 に王子として招き入れる。 それから15年が経ち、成長した3人の王子は互いに協力しな がら聖地とされる都を攻め落とす。その都は聖地の名に隠れ て強力な武器を密造し敵方に売り渡していたという疑い持た れていたのだが…その都には美しい王女がいるだけだった。 しかも、その戦地を訪れた兄王が謀略で命を落とす。そして 血の繋がらない3男に疑いの目が向けられる。そこでその3 男は居合わせた都の王女と共にその場を逃れ、砂漠に逃亡す るのだが、その都には想像を絶する秘密が隠されていた。 その秘密とは、題名にもある通りの「時間の砂」。時の流れ を司るその神秘を巡って、人類の存亡を掛けた大冒険が開幕 する。 オリジナルのゲームは仕掛けが一杯のアクションRPGのよ うで、市場でのアクションや崩れ落ちる神殿からの脱出劇な ど、そんなゲームも髣髴とさせるシーンが連続のアクション ムーヴィが展開される。 主演は、2005年『ブローバック・マウンテン』でオスカーに ノミネートされたジェイク・ギレンホール。最近では2006年 『ゾディアック』などで演技派とも称されるギレンホールだ が、本作では実に楽しそうにアクションを演じていた。 実際に今回の撮影ではアクションもほとんどスタントマン無 しで演じているそうだ。そう言えば『スパイダーマン2』の 準備中には、負傷した俳優に替って一時その主演に決まって いたこともあったから、今回はその思いが叶ったという感じ かも知れない。 他には『タイタンの戦い』に出演のジェマ・アータートン、 1982年『ガンジー』でオスカー受賞のベン・キングズレー、 『ダ・ヴィンチ・コード』などのアルフレッド・モリーナら が共演。監督は、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』な どのマイク・ニューウェル。 CGIを駆使した砂漠の都の景観やそこで繰り広げられる戦 闘シーンのアクションなども見事で、エキゾチックな気分を 堪能できる作品に仕上げられていた。
『トイレット』 2006年1月紹介『カモメ食堂』と2007年9月紹介『めがね』 の荻上直子監督による3年ぶりの新作。06年作品でフィンラ ンドを舞台に日本人の姿を描いた荻上監督が、今回は自身が 映画留学で6年間を過ごしたという北米大陸を舞台に、1組 の家族の姿を描く。 物語は、一家の母親の葬式のシーンから始まる。父親はすで に居ないらしく、残されたのは、何かの研究所で働いている らしい次男とパニック障害を持つ長男、大学生の妹と、それ に「ばーちゃん」と呼ばれる女性。あとセンセーという名の 猫もいる。 その「ばーちゃん」は日本人で母親が日本から探して連れて きたのだが、血の繋がりが在るのか否かは不明。しかも英語 が通じているかどうかも判らない。そして「ばーちゃん」は 毎朝の忙しい時間に長くトイレを独占し、出てくると深い溜 め息を吐く。 恐らくその家庭は以前は母親の存在によって纏まっていたの だろう。しかしその存在がなくなって家庭は一気に崩壊の危 機に立たされる。でもそこには家族の絆が在り、それによっ て危機は回避されるはずなのだが。 物語の中心は、一番しっかりしていそうな次男になるが、そ の次男は何かというと家族からの電話で引っ張り出され、い ろいろな雑用に追い回される。そんな観ているだけで苛々の 募りそうな家族関係が、ある切っ掛けで纏まりを取り戻して 行く。 兄弟は他人の始まりという言葉も在るようだが、親がいる内 は兄弟であっても、親がいなくなったら…。骨肉の争いとい う言葉もよく耳にするものだ。でも本作はそんな殺伐とした ものではなく、あくまで荻上監督らしい暖かなムードで兄弟 の危機が描かれる。 出演は、デイヴィッド・レンドル、アレックス・ハウス、タ チアナ・マズラニー、それにもたいまさこ。兄弟を演じる3 人はいずれもカナダで活躍する若手俳優で、特にタチアナは 今年のサンダンス映画祭でブレイクスルー賞を受賞した有望 株のようだ。 一方、「ばーちゃん」役のもたいは英語が理解できるのかも 不明という役柄で、全編ほぼせりふ無しという難役をひょう ひょうと演じている。他に、2008年3月紹介『西の魔女が死 んだ』のサチ・パーカーも出演している。
『BECK』 1999年から2008年まで月刊少年マガジンに連載され、2002年 講談社漫画賞を受賞したハロルド作石原作による少年漫画の 映画化。 自らこのまま平凡な人生を送るだろうと思っていた少年が、 1人のミュージシャンとの偶然の出会いによってバンドのメ ムバーとなり、失敗や挫折を経験しながらも一歩一歩音楽の 道を進んで行く姿が描かれる。 主人公のコユキは、横須賀らしい軍港のある町の私立校に通 っていたが、学園生活では番長グループのぱしりのような役 割で、直接の苛めにはあっていないものの自分の生活に不満 を持っていた。しかし、自分ではどうにもならないことも心 得ていたようだ。 しかしある日、米兵に苛められている犬を目にし、その犬を 助けようとしたことから、その飼い主であるミュージシャン の男(竜介)と知り合いになる。その男はアメリカからの帰 国子女で、日本語も英語も話せるが漢字は苦手だった。 そんな男と知り合いになった主人公は、やがてその男のバン ドのメムバーとなり、大規模なロックフェスティヴァルにも 出演し、音楽の世界で頂点を夢見るようになるのだが… そこに男が所有する弾痕の付いたギターや犬の元の飼い主の 話。さらにニューヨーク時代の仲間との約束、バンドメムバ ー内での確執、男の妹の存在などが絡んで、主人公の周囲で さまざまな青春ドラマが繰り広げられる。 出演は、コユキ役に『仮面ライダー電王』の佐藤健、竜介役 に『仮面ライダーカブト』の水嶋ヒロ。他に1月紹介『ソラ ニン』でもバンドメムバー役の桐谷健太、ジュノンボーイグ ランプリの中村蒼、NHK『ゲゲゲの女房』に出演の向井理 らがメムバーを演じる。 また、同じく帰国子女の妹役で昨年12月紹介『半分の月がの ぼる空』の忽那汐里。因に、彼女はオーストラリア・シドニ ー生まれだそうだ。その他、カンニグ竹山、松下由樹、倉内 沙莉、中村獅童らが脇を固めている。 主人公たちがあるの種の天才の集まりという感じで、厳しい 練習や努力などのシーンはほとんど無ないが、その辺は最近 の漫画の傾向のようだ。ただしそれを映像で現わすとなると …その点では出演者たちは良くやっており、頑張った作品と 言えそうだ。 監督は『20世紀少年』などの堤幸彦。主人公たちの演奏シ ーンやロックフェスのシーンなどが見事な迫力で演出されて いた。 * * 製作ニュースは新情報を一つだけ。 ジェームズ・A・オーエンという作家の“The Chronicles of the Imaginarium Geographica”というヤング・アダルト 向けファンタシーシリーズの映画化権が、ワーナーと契約さ れ、その脚色に2008年10月紹介『イーグル・アイ』を手掛け たトラヴィス・ライトの起用が発表されている。 内容は、海外の報道では「ファンタシー・ドリームチーム が『ヤング・インディ・ジョーンズ』に出会う」と紹介され ていたが、そのドリームチームというのが、JRR・トーキ ンにC・S・ルイス、チャールズ・ウィリアムズら、オック スフォード・インクリングズのメムバーたち。さらにH・G ・ウェルズやジェームズ・バリも登場するとのことだ。 そしてこの物語に登場する神秘の生物たちが、彼らの作品 にヒントを与えたとするもので、2006年にスタートしたシリ ーズでは、第1巻の“Here, There Be Dragons”に続いて、 2008年に“The Searchfor the Red Dragon”と“The Indigo King”、2009年に“The Shadow Dragon”が出版され、今年 も10月に“The Doragon's Apprentice”という作品の刊行が 予定されている。 ワーナーとしては、『ハリー・ポッター』の後釜となる新 シリーズを期待しているもので、取り敢えず最初の2巻の映 画化が、2011年、12年の公開を目指して進められるようだ。
| 2010年04月11日(日) |
ユニバーサル・ソルジャー、タイタンの戦い、ボーダー、アルゼンチンタンゴ、ザ・ウォーカー、ハングオーバー+製作ニュース |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※ ※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※ ※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション』 “Universal Soldier: Regeneration” 1992年にドイツ出身ローランド・エメリッヒ監督のハリウッ ド進出第1作として製作され、1999年には続編も製作されて いるジャン=クロード・ヴァン・ダム主演によるアクション シリーズの第3作。 優秀な兵士が戦死したときに、その兵士の身体を蘇生して感 覚や感情を持たない冷酷非常な究極の兵士(ユニバーサル・ ソルジャー=ユニソル)を製造する…というのが第1作。し かし蘇生時に消去されたはずの記憶が一体の兵士に甦ってし まった。 そして第2作では、アメリカ軍が密かに続けていた研究が、 成果であるはずの蘇生兵士の暴走によって危機に瀕し、その 危機は一体の旧型兵士の活躍で回避されるのだが…。その後 の研究は凍結されていたようだ。 それから10年の歳月が流れて第3作の舞台はロシア。チェチ ェンの武装勢力がロシア首相の家族を拉致し、チェルノブイ リの崩壊した元原子力発電所を占拠して政治犯の釈放を要求 する事件が発生する。 しかもその事件には、アメリカ軍から盗み出された最新型の ユニソルが関与していることが判明する。この事態に軍部は 残されたユニソルを再起動して対抗しようとするのだが、最 新型の威力の前に敗退。残るは旧型の1体だけとなる。 ヴァン・ダムが演じる旧型ユニソルのリュックは、第1作以 降は甦った人間性の研究に協力していたようで、それなりに 老けた姿で登場するのはご愛嬌と言ったところだろう。しか しアクションは健在で、究極の人間兵器をしっかりと演じて みせてくれる。 共演は、総合格闘技UFCの元世界王者アンドレイ“ザ・ピ ットブル”アルロフスキー。映画出演2作目のベラルーシ出 身格闘家が、ロシアを舞台のアクションムーヴィを盛立てて いる。また第1作で共演したドルフ・ラングレンが再登場す るのも話題になりそうだ。 監督は、『カプリコン・ワン』などのピーター・ハイアムズ 監督の息子で、独立系の映画作品や格闘技ドキュメンタリー なども手掛けているジョン・ハイアムズ。今回は父親を撮影 監督に起用して初の大型作品に挑んでいる。 なお原題は、試写会のフィルム上では“Universal Soldier: A New Beginning”となっていたが、データベースでは邦題 と同じ上記のものの方が採用されているようだ。
『タイタンの戦い』“Clash of the Titans” 1981年にレイ・ハリーハウゼンの製作及びダイナメーション (人形アニメーションを駆使した合成特撮)で完成された神 話ファンタシー映画のリメイク。オリンポスの神ゼウスと人 間の女性との間に生まれた若者ペルセウスの大冒険が3Dの 画面で再現される。 オリジナルはハリーハウゼンの最後の作品とされ、名作『ア ルゴ探検隊の大冒険』で描いた神話の世界に再び挑戦してい るものだが、僕自身は『アルゴ…』の骸骨戦士のような緻密 さに欠け、ゼウスを演じたローレンス・オリヴィエを始めク レア・ブルームやマギー・スミスなど著名な俳優ばかりが目 立つ、何となく大味な作品だったという印象がある。 しかし、今回リメイクを行ったルイ・ルティリエ監督には、 「子供時代の最高の思い出だった」とのことで、正に誠心誠 意という感じで見事な作品に仕上げられていた。 物語は、ペルセウスがペガサスを駆りメデューサと戦って、 最後は人間界に襲いかかる巨大怪獣クラーケンを倒すまでを 描いており、この粗筋はオリジナルと同じもの。 しかし、オリジナルでは半分人間であるペルセウスが、見方 を変えれば他の神々に馬鹿にされてその対抗心で始める冒険 が、本作では神と人間の対立と、神々同士の確執という構図 の中で、家族への愛や仲間へ信頼を謳い上げる物語に昇華さ れていた。 そのためこのリメイクでは、ペルセウスの人間としての姿を 描くことにも重点が置かれ、彼の育ての親への思いなどが丁 寧に描かれる。そしてそこに、今回はCGIを駆使して描か れた神話の怪獣たちが大暴れを繰り広げるものだ。 その怪獣の中では、特にクライマックスのクラーケンは、人 形アニメーションでは到底不可能だったと思われる大迫力で 描かれる。その一方で、ペガサスやメデューサなどは正しく ハリーハウゼンの感触で、それも見事に再現されていた。 出演は、ペルセウス役に『T4』『アバター』のサム・ウォ ーシントン、ゼウス役にニーアム・リースン、冥界の王ハデ ス役にレイフ・ファインズ。他に、2009年8月紹介『パイレ ーツ・ロック』に出演のジェマ・アータートン、2004年7月 紹介『リディック』などのアレクサ・ダヴァロスらが共演し ている。 なお試写会の翌日には、監督ルティリエと主演ウォーシント ンの来日記者会見が行われ、そこでは上記の子供時代の思い 出なども聞けたものだが、さらに僕は、本作にちょっとだけ 登場するブーボーがオリジナルに登場したのと同じ物かどう か訊いてみた。 その答えは、「同じではなくダブル(替玉)だ。その理由は サムが壊してやると言ったのでそれは困ると思ったから」と 言うもの。それを受けて俳優からは「監督が、俳優より大き な控室を用意していてしゃくに障った」とのことだった。 つまり、オリジナルはそれほど大切に扱われているものだっ たようで、いろいろな危険を考慮して映画には替玉が登場し ているようだ。 なおハリーハウゼンとコンタクトしたかとも訊いてみたが、 監督は待ってましたとばかりに、「2回も面会した。彼はそ の席で『好きなように作ってくれて良い』と言ってくれた。 『何かやり残したことはないか』と訊いてみたが、『すべて やり尽くして満足している』との答えだった」と話してくれ た。 因に唯一貰った実効的なアドヴァイスは、「出演者は最高の 人を選びなさい」だったそうで、その結果がサム・ウォーシ ントンなのだそうだ。ルティリエ自身もハリーハウゼンに会 えたことが相当に嬉しかったようで、そのことを訊けて僕も 満足だった。
『ボーダー』“Righteous Kill” アカデミー賞に6回ノミネート中2回受賞のロバート・デ・ ニーロと、8回ノミネート中1回受賞のアル・パチーノ共演 による警官バディ・ムーヴィ。 1974年『ゴッドファーザーPart 2』と1995年『ヒート』での 共演はあるものの、74年作では一緒に写ることはなく、95年 作でも同時登場はほんの数分だけだったという名優2人が、 初めて本格的にほぼ全編に渡って共演した。 物語の中心は、ニューヨーク市警に勤めるデニーロ扮するタ ークとパチーノ扮するルースターの警官コンビ。どちらかと 言うと熱血型のタークといつも沈着冷静なルースターは長き に渡って絶妙のコンビネーションを発揮してきた。 そのタークが、映画の中では監視カメラでの撮影と思われる ヴィデオ映像で14件にも及ぶ殺人の記録を述べている。それ は、警察が罰し切れない犯罪者を自らの手で罰してきたとい う犯行の告白だった。 その発端は、幼女レイプ犯として捕えた男に対する裁判での 無罪判決。その判決にいきり立ったタークは、警察に保管し てあった証拠品の拳銃をその男の部屋に隠して罪に陥れる。 しかしその行為は正義との境界(ボーダー)を破壊し、14件 にも及ぶ犯罪の引き金となる。 物語では、当初からタークに疑いの目が向けられている。し かしデニーロがそんな役する訳ないよな…というのが大方の 観客の思いだろう。だからこの映画の結末にはあまり意外性 はないようにも感じる。 でも、この2人の共演の前ではそんなことは正にどうでも良 い話。2人が同じスクリーンに居るだけで、ファンには目の 離せない作品となっているものだ。特に終盤での対決シーン はわくわくする感じだった。 共演は、2007年12月紹介『勇者たちの戦場』などに出演ラッ パーの50¢ことカーティス・ジャクソンと、『スパイ・キッ ズ』シリーズなどのカーラ・グギーノ、1993年『スーパー・ マリオ』のルイジ役が懐かしいジョン・レグイザモ。どちら かと言うと僕のお気に入りの脇役陣も楽しめた。 他に、2008年1月紹介『デッド・サイレンス』などのドニー ・ウォルバーグ、1979年『テン』や1982年『ランボー』のブ ライアン・デネーらも共演している。 2006年の『インサイド・マン』などのラッセル・ジェウィル スの脚本から、1997年『アンカー・ウーマン』などのジョン ・アヴネットが監督した。
『アルゼンチンタンゴ〜伝説のマエストロたち』 “Café de los maestros” 2006年のラテン・グラミー賞を受賞した同名のアルバムの製 作の模様に、参加したベテラン音楽家(マエストロ)たちの 思い出話や近況。さらにそのアルバムを記念して行われたブ エノスアイレス・コロン劇場でのコンサートの模様が納めら れたドキュメンタリー。 同様のベテラン音楽家たちのドキュメンタリーでは、2000年 に日本でも公開されたキューバ音楽の『ブエナ・ビスタ・ソ シアル・クラブ』が思い浮かぶが、先にバンドが存在してい たキューバの場合と異なり、この作品では一からメムバーを 呼び集めたようだ。 そして1940年代から50年代に活躍し、アルゼンチンタンゴの 黄金時代を築いたマエストロたちが集まってくる。彼らはそ れぞれに自分が音楽を始めたきっかけ(幼少時に興味を持ち 親が無けなしの金でバンドネオンを買ってくれたなど)や、 亡き師への思いなどを語る。 またパラグアイから招かれた女性歌手が今回のイヴェントへ の参加の経緯を語る姿や、さらに競馬場通いが日課というマ エストロのそこでの様子なども写し出される。いずれにして も悠々自適という感じのマエストロたちの姿だ。 それに重ねてレコーディングの様子が写し出される。そこで は今回のアルバム作成に向けた楽譜の採録などの様子も紹介 される。実際に楽譜が散逸して今回改めて採録された楽曲も あるようだ。そしてマエストロたちの華麗な演奏や魅力的な 歌声が紹介される。 さらに後半は、ブエノスアイレス・コロン劇場で行われた記 念コンサートの模様。因にこの劇場は、パリ・オペラ座、ミ ラノ・スカラ座と並び称せられる世界3大劇場の一つだそう で、その華麗な場内の様子も観ることが出来る。 ただしこのコンサートの模様はかなりダイジェストされたも ので、各楽曲を存分に楽しめないのは残念だが、アルバムや 恐らくは別にDVDなども出ているのであればそれも仕方な いところだろう。 なお、出演者などは僕には馴染みの無い人ばかりでここで紹 介は出来ないが、このドキュメンタリーは2006年に製作され ており、それ以降に出演者の内の7人が他界されているとの こと。正にラストチャンスのものだったようだ。
『ザ・ウォーカー』“The Book of Eli” 2001年にジョニー・デップが主演した『フロム・ヘル』のア ルバート&アレン・ヒューズ兄弟監督による同作以来の長編 映画作品。 恐らくは核戦争によってアメリカ合衆国が崩壊し、その後の 一面が荒野のようになった世界での物語。その荒野を1人男 が徒歩で旅を続けている。その旅の目的は1冊の本を西に届 けること。そこには幾多の妨害もあるが、彼はそれを切り抜 けて行く。 ポスト・アポカリプス物と呼ばれるジャンルの中で、今回は 2度のオスカー受賞者でもあるデンゼル・ワシントンが孤高 の男を演じて観せる。対するは『バットマン・ビギンズ』な どのゲイリー・オールドマン。正に男同士の対決という感じ の作品だ。 共演は、2008年11月紹介『寝取られ男のラブ♂バカンス』な どのミラ・クニス、2月紹介『ダレン・シャン』などのレイ ・スティーヴンスン、3月紹介『アリス・イン・ワンダーラ ンド』などのフランシス・デ・ラ・トゥーア、『ハリー・ポ ッター』などのマイクル・ガンボン、そして1983年『フラッ シュ・ダンス』などのジェニファー・ビールス。 製作は、アクション映画を数多く手掛けるジョール・シルヴ ァ。元ゲーム雑誌の編集者というゲイリー・ウィッタの脚本 をヒューズ兄弟が映像化。そこには文明の崩壊した世界が見 事に描き出されている。 物語のテーマが本ということでは、活字世代の人間にとって は興味を引かれるところだろう。その本の内容に関しては多 少の論議も呼ぶかも知れないが、まあ現実的にはこれはこれ で仕方がないところだ。 ただし映画はその点だけで描かれたものではなく、特に主人 公を演じたワシントンのアクションには感心させられた。こ れがもっと若い俳優ならまだしも、オスカーを受賞した演技 派がこのようなアクションを見事に演じるのも素晴らしいこ とだ。 もっともヒューズ兄弟にもアクション映画の監督という認識 はなかったからその意外性も楽しめた。因に兄弟監督の次回 作には、ウィッタの脚本で“Akira”の実写化の計画が進ん でいるようだ。
『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』 “The Hangover” 昨年6月7日に全米公開され、公開2週目の『カールじいさ んの空飛ぶ家』を追い落として全米興行第1位に輝き、今年 1月発表のゴールデン・グローブ賞で見事作品賞にも輝いた コメディ作品。 結婚式を2日後に控えた花婿とその友人、そして花嫁の弟の 4人組がラス・ヴェガスにバチェラー・パーティ旅行に向か うが…翌朝起きてみると花婿が行方不明。しかも残された3 人の記憶が、二日酔い(hangover)で完全に飛んでいた。 その状況下で3人は、昨日の出来事を少しずつ辿って何とか 花婿の所在を探し求めるが、そこでは次々に彼らの悪行が明 らかにされて行く。しかも結婚式の時間が刻一刻と迫ってく る。果たして彼らは花婿を見つけ出し、昨夜の悪行を精算で きるのか… アメリカで大ヒットしたコメディといっても、それが海外で もヒットを記録するのは難しい。それは特に日本では顕著と も言われているものだが、本作はアメリカ以外の国でもすで に27カ国で興行1位を記録しているとのことで、果たして日 本では…というところだ。 その世界中でヒットしている理由としては、テーマが二日酔 いという世界共通のものだからとも言われているが、こんな 破目の外し方は日本人はしないだろうと思いつつも、何とな く理解は出来る展開にはなっている。 しかも、作品の内容としては消えた花婿の捜索という1本筋 が通っていることも、この作品がアメリカ以外でも受け入れ られた理由にはありそうだ。その過程でいろいろな出来事が 起きて行くという展開も上手く描かれている。 出演は、2009年1月紹介『イエスマン』に出演のブラッドリ ー・クーパー、2008年6月紹介『俺たちダンクシューター』 に出演のエド・ヘルムズ、2009年12月紹介『スパイアニマル Gフォース』に出演のザック・ガリフィアナキス。 そして花婿役に『ナショナル・トレジャー』シリーズなどの バスティン・バーサ。さらに『オースティン・パワーズ』な どのヘザー・グラハムが共演している。他にプロボクサーの マイク・タイソンが本人役で登場している。 脚本は、2009年“Ghost of Girlfriends Past”などのスコ ット・モーアとジョン・ルーカスが手掛けたもので、監督は 2004年“Starsky & Hutch”などのトッド・フィリップスが 担当。いずれも過去の作品は日本未公開のようだ。 * * 今回の製作ニュースは新たなシリーズの情報から。 昨年11月紹介『Disney's クリスマス・キャロル』などの ロバート・ゼメキス監督と優先契約を結んでいるディズニー が、カット・フォールズという作家が5月に刊行予定してい る“Dark Life”と題されたヤングアダルト向け冒険小説の オプション契約を獲得し、ゼメキス監督の手で映画化するこ とを発表した。 この作品は、海面の上昇で世界中のほとんどの大都市が海 面下に沈んでしまった近未来を舞台に、人類の多くが海上生 活者となった状況の中で、子供たちの一部に超自然の力が備 わり始める…というもの。そして物語は、海面下で暮らす少 年と海上生活者の少女を中心に、政府が密かに進める陰謀に 彼らが気付くことから展開するということだ。 そしてこの作品に関しては、出版前から絶賛のプレビュー が次々発表されるなど、すでに出版界からの力強い後押しが 行われており、さらに物語には当初の段階で2部作の構成が 予定されているとのことで、ハリウッドが欲しがるシリーズ 化の要件も満たしている作品とされている。 ということで、この冒険物語の映画化がゼメキス監督の手 で行われることになるものだが、実はゼメキス監督とディズ ニーの関係では、先に監督がディズニーに移籍した際に同道 したVFX制作会社のイメージ・ムーヴァース・ディジタル を年内に閉鎖するとの発表がされていたもので、その流れで はゼメキスの去就も気になっていた。しかし今回の発表でゼ メキスとディズニーの関係は継続されているようで、今後も 監督の新作は同社の配給で行うことになるようだ。 因に、ゼメキスがディズニーに本拠を移した映画製作会社 のイメージ・ムーヴァースで進行中の計画では、2002年7月 紹介の『タイムマシン』を手掛けたサイモン・ウェルズ監督 による“Mars Needs Moms!”という作品が来年3月11日全米 公開を目指してポストプロダクション中になっており、また 昨年8月30日付で紹介した往年のアニメーションをリメイク する“The Yellow Submarine”、2008年10月1日付第168回 で紹介したオーエン・コルファー原作の“Airman”、さらに 2008年8月に紹介したイギリス映画『ミーン・マシーン』な どの脚本家チャーリー・フレッチャーが作家に転身、2006年 から発表しているヤングアダルト向けファンタシー・シリー ズ“The Stoneheart Trilogy”の映画化もディズニーで進め られるとのことだ。 * * もう1本ディズニーの話題で、2004年と2007年に公開され たジェリー・ブラッカイマー製作、ニコラス・ケイジ主演の 謎解きアドヴェンチャー“National Treasure”に第3作の 計画が進められているとの情報が報告された。 その情報によると、脚本が同じくブラッカイマー製作『プ リンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』も手掛けているカルロ ・バーナードとダグ・マイロに発注されたとのこと。因にこ の脚本家コンビは、ケイジが出演している“The Sorcerer's Apprentice”にも関っているとのことで、ケイジとの連携も 良さそうだ。本格的な作業はこれからになりそうだが、じっ くり面白い脚本を作り上げてもらいたいものだ。 * * 最後に、2008年『ウォンテッド』などの監督で、2月紹介 『9』の製作も務めたロシア出身のティムール・ベクマンベ トフが製作を担当する計画で、“The Darkest Hour”という 作品が報告されている。 物語は、アメリカ人旅行者のグループがモスクワを訪問中 に地球がエイリアンの侵略を受け、そこからのサヴァイヴァ ルなどが描かれるというもの。2002年『マイノリティ・リポ ート』などの美術監督を務めたクリス・ゴラックが脚本と監 督を手掛け、『ジュノ』などに出演のオリヴィア・シルビー が主演、今年の夏にモスクワで撮影の予定だそうだ。
| 2010年04月04日(日) |
殺人犯、ウィンター・ソルジャー、大人になった夏、シーサイド・モーテル、ジョニー・マッド・ドッグ、ACACIA+製作ニュース |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※ ※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※ ※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『殺人犯』“殺人犯” 香港芸能界で四大天王の1人とも言われる『風雲/ストーム ライダー』などのアーロン・クォック主演によるサイコサス ペンス。 主人公は香港警察の刑事。そこで彼が属するAチームは猟奇 的な連続殺人事件を追っていた。そんなある日、同僚の刑事 がアパートの中庭に転落して意識不明の重体となる。その背 中にはドリルで開けられた無数の穴があり、それは彼らが追 う事件と同じ手口だった。 ところが捜査が進むと、その刑事は実はその直前にその日は 非番だった主人公の電話で呼び出されており、さらに過去の 事件の犯行日がいずれも主人公が非番の日であったことが判 明する。だが主人公にはそれらの日の記憶が全くない。 その後も彼の不利になる証拠が次々に現れ、主人公は徐々に 追いつめられて行く。そして周囲で信じてくれるのは、もは やもう1人の同僚刑事と妻と幼い養子の息子だけとなってく るが…。その刑事と主人公の家族にも危険が迫る。 このような物語が、ほぼ全編が主人公の1人称の形で描かれ て行く。しかも観客にも真犯人が全く判らないように作られ た作品で、主人公がどんどん追い詰められて行く恐怖が実感 できる構成になっている。 このような作品も過去に色々あったとは思うが、特に本作の 場合は猟奇的な犯行の内容でも強烈な印象も残すものになっ ている。実際、これ程の犯行を繰り返す目的には一体どのよ うな事情があるのか…、と考えてしまうくらいのものが描か れる。 その全ての側面が、映画の後半で一気に説明されるのだが… それがまた何とも言えない展開になって行く作品だった。 共演は、妻役に2008年8月紹介『ビバ!監督人生!!』などの チャン・チュンニン、息子役に香港で天才的子役と呼ばれる タム・チュンヤッ。同僚の刑事役に『冷たい雨に撃て、約束 の弾丸を』にも出演のチョン・シウファイ、2007年2月紹介 『かちこみ!〜ドラゴン・タイガー・ゲート』に出演のチェ ン・クアンタイ。 監督は、アン・リー監督の『英雄HERO』の撮影現場など に参加した後、本作でデビューを飾るロイ・チョウ。脚本は 2005年9月紹介『ベルベット・レイン』などのトー・チーロ ン。脚本家は女性だそうだが、かなり強烈な作品だ。 因に本作は、昨年夏に香港で公開されるや賛否両論を呼んだ もので、中国本土での公開時には題名が『罪与罰』に変えら れた上に、結末も差し替えられたそうだ。
『ウィンター・ソルジャー』“Winter Soldier” 前々回に紹介した『ハーツ&マインズ』と併映で6月に日本 公開されるヴェトナム戦争の反戦ドキュメンタリー。 1971年1月31日にデトロイトで行われた反戦ヴェトナム帰還 兵「ウィンター・ソルジャーズ」に対する公聴会の模様と、 それに関連する現地の映像や写真、さらにその舞台裏での帰 還兵同士のやりとりなどで構成されている。 その公聴会では、アメリカ軍がヴェトナムで行った不法行為 が次々に告発されて行くが、当然それを示す映像などは僅か で、それもその行為を示唆する程度のものしかない。 従って、その告発がアメリカ国民に与えた衝撃は理解できる が、今この作品を僕らが観て受ける衝撃は、『ハーツ&マイ ンズ』程のものではないように感じた。だからこの2作品が 併映されることに意味が生じる感じもするものだ。 つまり、『ハーツ&マインズ』と本作を一緒に観ることで、 この証言が真実であることを知ることができるし、その行為 の悪辣さや、証言を行っている帰還兵たちの行動の重みも感 じることができるのだ。 それにしても、ここで証言される内容の中には、2008年2月 紹介『告発のとき』で描かれたイラク戦争での出来事とほぼ 同じものが含まれるし、結局アメリカ軍というのは全く過去 に学ばず、同じことを繰り返しているのだと言うことも理解 できた。 ただしその内容は、本作ではまだ「アメリカは絶対正しい」 と信じていた世代のものだから、それはそれで仕方ないか… と思うところもあるが、それが今も繰り返されているという 現実は、さらに恐ろしいものであるとも言えそうだ。 この作品やその他の反戦作品を観る限り、アメリカ軍という のは世界に犯罪をまき散らしてそれを正義と言い張る我儘で 最悪の存在であることがよく判る。しかもそれは、アメリカ 国民自身が認めていることなのだ。 しかしそんなアメリカ軍に対して、政権政党が変わっても合 いも変わらずに尻尾を振りながら、国民の不利益も考えず、 一所懸命に軍事基地の用地を探している日本という国家は、 一体何なのだろうかとも思ってしまったところだ。
『大人になった夏』 3人の女子中学生が夏休みに、その内の1人の祖母が経営す る民宿の手伝いに行き、色々な経験の末にちょっと成長した かな…と思う物語。 学校では陸上部に所属して中距離で秋の新人戦を目指してい るが、今一つ記録が伸びていない藍は、同級生の桃子から夏 休みに祖母の手伝いに行くことを誘われる。それには桃子の 母親の考えで幼馴染みのさくらも同行するが、最近はあまり 付き合いがなかった。 そんな3人が、それでも仲良く民宿にやってくる。そこは昨 年亡くなった祖父が始めたもので、今年はすでに予約の入っ ていた泊まり客だけのために開いており、客の数もさほど多 くはなかったが、それでも部屋の掃除や蒲団の上げ下ろしな ど、馴れない3人にはきつい労働だった。 そんな中で少女たちは互いにぶつかりあったり、近所の若者 に仄かな思いを寄せたり、それが互いの確執を生んだり…。 さらに新しいことに挑戦する日々が、彼女たちを成長させて 行く。しかしその先にはさらなる試練が待っていた。 出演は、TBS愛の劇場「ラブレター」に出演の山谷花純、 映画『女の子ものがたり』などに出演の江野沢愛美、2008年 にavex主催キッズオーディションでグランプリを受賞しその 副賞として出演の小嶺燦羅。いずれも実年齢12〜13歳の女優 たちだ。 他に、CM「クレアラシル」などに出演の岸田タツヤ、映画 『チルソクの夏』などの松本じゅん、映画『MW』などの半 海一晃。それに、元キャンディーズの伊藤蘭が母親役で友情 出演している。 監督は、日本ではテレビのスペシャル番組や海外ではドキュ メンタリー作品などを手掛け、昨年5月紹介『愛と青春の宝 塚』を担当した長嶋永知。前作の監督がどういう立場のもの かは判らないが、今回は脚本も手掛けているものだ。 まあお話は有り勝ちなものだし、特にどうという作品ではな いが、若い女の子たちが一生懸命頑張っている(物語上も、 恐らくは実際の撮影でも)というのは、観ていて親心も働い て、それなりの評価をしてしまう。 ただ、これは他の人も言っていたが、僕らの世代だと若い女 性の顔の判別が付き難くなるもので、本作でも主演の3人が 時々区別できずに混乱したところもあった。それはこちらの 問題ではあるが、容貌や台詞などでもう少し区別し易くして 欲しかった気もした。 それに、物語の中心が藍なのか桃子なのかも、もう少し明確 にした方が良かったのではないかとも思えるところで、上映 時間85分の作品ではそのどちらもが充分には描き切れておら ず、物足りなく感じられた。もっと長ければそれなりに描け たのだろうが。 なお本作は、一昨年11月、12月に5本を紹介したavexニュー スター・シネマ・コレクションのvol.2とされるもの。今回 は1本だけの紹介だが、他には篠原哲雄監督の『ラムネ』、 深作健太監督の『クロネズミ』、林雅貴監督の『カスタード プリン』という作品が上映されるようだ。
『シーサイド・モーテル』 岡田ユキオ原作コミックスの映画化で、2005年公開『スクー ルデイズ』という作品で評価の高い守屋健太郎監督と柿本流 脚本のコンビによる劇場用映画は第2作となる新作。 シーサイドとは名ばかりの山奥に建つ古びたモーテル(エン ドクレジットには、撮影協力:御殿場市とあったから間違い なく山間部だ)を舞台に、色々な思惑で宿泊する男女が織り なすちょっと切ないアンサンブルドラマが描かれる。 このアンサンブル劇に、『人間失格』で映画初出演=初主演 を飾ったばかりのジャニーズJr.の生田斗真を始め、山田孝 之、玉山鉄二、成海璃子、古田新太、温水洋一、小島聖、麻 生久美子らが参集した。 その1つ目の部屋に泊まるのはインチキ化粧品を売るセール スマン。その部屋に三十路目前の娼婦がやってくる。2つ目 の部屋に泊まるのはカップル。そこにやくざ風の2人組が借 金の取り立てにやってきて… 3つ目の部屋に泊まるのは小企業の社長とその夫人。社長は 夫人にエマニュエル夫人の格好をさせたりしているが、ED の社長に夫人は欲求不満気味だ。そして4つ目の部屋には軽 薄そうな男とケバイ化粧の女が泊まっているが… この4つの部屋でそれぞれ独立した話が進み始め、それらが 巧妙に絡み合って行く。しかもその絡み合いが、時間軸を前 後して描かれるのにも関わらず、見事に調和して描かれてい たのには感心した。さすが評判の監督の作品という感じだ。 ただまあ、物語の中で登場人物が何人か死ぬのはちょっと退 いてしまう部分もあるもので、現実的にそう簡単に人は死な ないと思うのだが、最近の若い人の作品では人の死を簡単に 描いてしまうのが気になるところだ。この作品もその傾向を 否めないものになっていた。 でもまあ、それなりのフォローはされているし、それがまた ほろりとさせる物にもなっているから、その点ではこの監督 の手腕を認めなくてはならないところだろう。特にEDの社 長のエピソードは在来りだが良い感じだった。 後は、三十路前の娼婦のせりふが最後に活きてくるのも上手 く描かれていた。
『ジョニー・マッド・ドッグ』“Johnny Mad Dog” ちょうど1年前にフランス映画祭関連で試写を観せて貰った 作品が一般公開されることになり、改めて試写が行われた。 なお作品の紹介は、2009年3月8日付をご覧ください。
『ACACIA』 昨年の東京国際映画祭でコンペティション部門に出品された 作品が一般公開されることになり、改めて試写が行われた。 なお作品の紹介は、2009年10月16日付をご覧ください。 * * 今回の製作ニュースは、ちょっと驚いたこの情報から。 ワーナー傘下で『ダークナイト』や『300』などの大作 アクション映画の製作を手掛けるプロダクションのレジェン ダリー・ピクチャーズが、東宝怪獣映画の代表作『ゴジラ』 の再映画化権を獲得し、2012年の公開を目指して製作準備を 進めていることが発表された。 この計画では、レジェンダリーがワーナーとの共同製作で リメイクを行うとしているもので、東宝との交渉は昨年の夏 ごろから進められていたとのことだ。監督は未定だが、近日 中の決定されるとのこと。また公開は3D及びIMAX-3Dで行 う計画との情報もある。 “Godzilla”のハリウッド・リメイクというと、1998年に 公開されたソニー製作、ローランド・エメリッヒ監督による 作品が先にあるが、日本のマニアの間では「あれはゴジラで はない」という意見もあるもの。しかし以前にも書いたよう にこの作品は、アメリカの国内だけで1億3630万ドル、アメ リカを除く海外では2億4270万ドルの合計3億8900万ドルを 稼ぎ出す大ヒットを記録しているものなのだ。 という作品にハリウッドから再度の挑戦となるものだが、 製作発表と同時に報告されたレジェンダリー首脳のコメント では、「この世界で最もパワフルな怪獣をレジェンダリーで 製作できることに興奮している。長年に渡ってファンを楽し ませてきたこの怪獣を、我々自身がファンとして観たかった 姿に描きたい」とのことで、ファンの期待を裏切らない作品 の完成を祈りたいものだ。 それに今回のリメイクでは3D上映が目論まれているもの だが、3D画面でゴジラの巨大さがどこまで表現できるか、 『アバター』で観客を驚異の世界に引き摺り込んだ奥行き感 以上に難しくなりそうなこの挑戦にも、新たな驚異の映像を 期待したい。 因に『ゴジラ』の3Dでは、東宝でも2005年頃に1971年の 『ゴジラ対ヘドラ』を撮った坂野義光監督による計画があっ たようだ。しかし、40分のIMAX-3Dで計画されたこの作品に 公開の記録はない。しかも当時の情報によると、撮影は真面 に70mmで行われたとのことで、カメラ撮影では巨大感は覚束 なかったとも想像される。今回はその3Dへの再挑戦となる が、巨大感の設計にはCGIで描くしかないと思われ、その 巨大さを3D映像で存分に表現してもらいたいものだ。 * * 次も3D映画の話題で、昨年12月13日付で紹介したジェー ムズ・キャメロン製作による“Fantastic Voyage”(ミクロ の決死圏)のリメイク計画に、2月に紹介した『グリーン・ ゾーン』のポール・グリーングラス監督が興味を示している との情報が報道された。 その報道によると、「この特殊効果主導の作品が、現在監 督が進めようとしている企画の中では最も有力なもの」との ことだ。イラク戦争を背景にした前作からはかなり方向性の 異なる作品になるが、元々監督は『ジェイソン・ボーン』シ リーズなど娯楽性の強いアクション映画を得意としているも ので、その線で考えれば特に変ではない。 ただし、グリーングラス監督と言えば手持ちカメラを駆使 した躍動的な映像が特徴で、その特徴をCGIの背景でどう 発揮できるかにも問題がある。しかし1月25日付第182回で 紹介した『アバター』のメイキングヴィデオ“Creating the World of Pandora”を観ると、そこに登場するヴァーチャル カメラは、正に手持ちで操作されており、これをグリーング ラス監督が使いこなしたら、これは正しくCGI映画製作の 新時代が開かれることにもなる。 脚本は、2007年『AVP2』などのシェーン・サレルノが 執筆中となっており、それが完成されれば製作準備は本格的 に開始となりそうだ。 * * もう1本3D映画の話題で、2004年から毎年1本ずつ公開 されてすでに第7作を迎えた“Saw �察匹�3Dで製作されて いるとのことだ。 脚本は、シリーズ第4作から担当している『フィースト』 のパトリック・メルトンとマーカス・ダンスタン。監督は、 前作から監督に抜擢された元編集のケヴィン・グルタート。 出演は、ジグソウ役のトービン・ベル以下、前作からのメ ムバーが多いが、新たに『AVP2』に出演していたジーナ ・ホールデンという女優がジョイスという役名で参加してい る。因にこの新参加の女優はカナダ生まれだが、日本を第2 に故郷と言うほど日本の文化を愛していて、日本語の会話や 読み書きもできるそうだ(映画には関係ないが)。 と言うことで映画のお話の方は、前作で2つ目の3部作が 終了して、本作からは新たな展開になることも期待されてい るものだが、とは言っても基本の手を替え品を替えの殺しの オンパレードは変わらないはずで、それがさらに3Dでどの ように描かれるか。元々登場する小道具には立体的な造形が 多かったから、それを3Dで観られるだけでも面白いことに なりそうだ。 それに折角3Dにするなら、第1作からの過去の小道具も 観てみたい気もするし、それらを再現するシーンなんて言う のもあるのかな。本作の全米公開は10月22日に予定されてい る。なお同日には“Paranormal Activity 2”の全米公開も 予定されているが、そちらは3Dではないとのことだ。 * * 続いては続報を3つほど短く紹介しよう。 まずは1月25日付第182回で紹介した『眠れる森の美女』 の物語を魔女の側から描く“Maleficent”の計画に関して、 その脚本を、『アリス・イン・ワンダーランド』を手掛けた リンダ・ウルヴァートンが担当することが公表された。また 主人公にはアンジェリーナ・ジョリーが扮するという情報も あるようで、オリジナルで魔女は最後にドラゴンに変身する が、それをどのように描くかも注目されている。なおティム ・バートンは製作に専念し監督は未定だが、ディズニーでは 最速で製作準備を進めているとのことだ。 お次はちょっと残念な情報で、前々回に紹介したイアン・ マッケランが自分のウェブ・サイトで“The Hobbit”の撮影 を7月に開始と記述したことに関して、撮影は年末まで開始 されないとの情報が報告されている。まあ今回はガンダルフ も情勢を読み違えたようだが、当初予定されていた第1作を 2011年に公開するには製作スケジュールがかなり厳しくなっ ていることは事実で、ピーター・ジャクスン、もしくはギレ ルモ・デルトロからの正式の発表が待たれている。 もう1本は、2006年2月15日付第105回で紹介した“Power of the Dark Crystal”の計画に関して、1982年オリジナル の『ダーク・クリスタル』や1986年の『ラビリンス』などの デザインを担当し、今回もコンセプトアートを手掛けるブラ イアン・フラウドの発言が報告されている。それによると、 「監督との話し合いも行われており、計画は少しずつだが進 展している」とのこと。因に監督は、以前紹介したジンディ ・タータコフスキーから変わりはないようだ。この作品も早 く正式発表が欲しいところだ。 * * 最後にシリーズの情報を2つ(3本)。 まずは007シリーズで、その第23作となる次回作“Bond 23”(仮題)のボンドの相手役に、『ハムナプトラ1・2』 や2005年『ナイロビの蜂』ではアメリカアカデミー賞も受賞 したレイチェル・ワイズがオファーされているとのことだ。 しかもこの役柄はボンドガールではなく、ボンドの敵役との こと。女性の敵役となれば1999年『ワールド・イズ・ノット ・イナフ』でのソフィー・マルソー以来となるとのことで、 その面からも注目が集まっているようだ。主演はダニエル・ クレイグ、脚本は『フロスト/ニクソン』などのピーター・ モーガンが執筆し、1999年の『アメリカン・ビューティー』 でアメリカアカデミー賞を受賞したサム・メンデスが監督す る計画となっている。 オーラスは“Fast and Furious”(ワイルド・スピード) シリーズに関して、ヴィン・ディーゼルのFacebookによると シリーズの続きは1本ではなく2本計画されているそうだ。 そして“Fast Five”と呼ばれている第5作には、ポール・ ウォーカーを始め多くの前作までのキャラクターが登場し、 物語の舞台はブラジルのリオとカリブ海のプエルトリコ、そ れにLAとオースティンでもちょっとだけ撮影されるとのこ とだ。監督は前2作を手掛けたジャスティン・リン、脚本も 前2作のクリス・モーガンが担当している。なお撮影は3D で行いたいという希望もあるようだが、狭い車内での撮影は 困難という状況もあり、いまだ検討中のようだ。 そしてさらに第6作は仮に“Speedy Six”と呼ばれている ものだが、連続した物語になるものではなく“Five”の結末 もクリフハンガーにはしないとのこと。しかも監督のリンに はその間に昨年9月27日付で報告した“Highlander”の計画 も進行中で、少し時間を置いての製作となるようだ。と言う ことは“Five”の製作は“Highlander”の前となる訳で、こ れは近々に観られることになりそうだ。
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