| 2007年12月30日(日) |
プライスレス、スルース、ジェシー・ジェームズ…、いつか眠りにつく前に、つぐない、ぼくたちと駐在さんの700日戦争、フランチェスコ |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『プライスレス/素敵な恋の見つけ方』“Hors de prix” オドレイ・トトゥ、ガド・エルマレ共演によるロマンティッ ク・コメディ。 エルマレが演じるのは、リゾートホテルのしがないウエイタ ーのジャン。ところがある日、トトゥが演じる素敵な女性客 イレーヌに目を留め、ふとした偶然から金持ちを装って一夜 を共にしてしまう。 そのイレーヌは、金持ちの独身男性を狙って、あわよくば玉 の輿に乗ろうと企む女ジゴロ(ジゴレット)。そのとき彼女 は、ある老人に取り入って近々結婚と言うところまで漕ぎ着 けていたのだが、ジャンの登場で計画が狂い始める。 ジャンの正体はすぐにばれて、イレーヌは立ち去るが、ジャ ンには彼女のことが忘れられない。こうして、10秒1ユーロ の高級な女性とウエイターの職も失った男との恋の攻防戦が 始まる。 トトゥは、このような一種の悪女の役柄を演じるのは初めて だったそうだ。そして本人は、もっと若い頃にこういう役柄 に回り逢っていたら…とも話しているそうだが、今年29歳、 ジゴレットとしては少し焦り気味のイレーヌの役柄には、今 がピッタリの感じがした。 一方のエルマレは、舞台を中心に活躍している俳優のようだ が、コメディの演技もしっかりしているし、イレーヌに振り 回されながらもちゃんと目的は達成して行くジャンのキャラ クターは見事に演じられていた。 他に、1960年代の“Dr.Who”や“The Avengers”にも出演記 録が見られるという大ベテランのヴァーノン・ドブチェフ。 さらに、ジャック・スピエセル、マリー=クリスティーヌ・ アダムら、こちらも大ベテランたちが脇を固めている。 脚本監督は、コメディ専門のピエール・サルヴァドーリ。主 演の2人と組むのは初めてだが、しっかり自分の世界を構築 しているようだ。 何しろトトゥはジゴレットの役だから、素敵なファッション も取っ替え引っ替えで、彼女のファンはその辺も楽しめる。 会話も洒落ているし、ロマンティック・コメディとしては上 質の作品と言えそうだ。
『スルース』“Sleuth” 1972年にローレンス・オリヴィエ、マイクル・ケインの共演 で映画化されたアンソニー・シェーファー原作の戯曲の再映 画化。 前回は、シェーファー自身の脚色により、ハリウッドの名匠 ジョセフ・L・マンキウィッツ監督によって映画化されたも のだが、今回はノーベル賞受賞作家のハロルド・ピンターが 脚色を担当し、イギリス映画・演劇界の重鎮ケネス・ブラナ ーが監督した。 そして配役は、前作でオリヴィエが演じた老作家役をケイン が演じ、作家の妻の愛人役には、本作のプロデューサーも務 めるジュウド・ロウが扮している。 1972年の映画化は日本公開時に観ているが、当時はあまり理 解できなかった。ただ印象に残っているのは、部屋に5000ピ ースぐらいはありそうな白のジグソウパズルがあって、それ が徐々に完成して行くのだが、最後に一気にばらばらにされ てしまうというシーンだ。 当時は僕もジグソウに填っていて、5000ピースの風景画のパ ズルも完成していたもので、その展開に唖然とした記憶があ る。今回はジグソウは出てこなかったが、途中で天窓のガラ スが粉々にされるシーンには、そのオマージュかなとも思っ てしまったものだ。 物語は、老作家と作家の妻の愛人の若い男との対決と、その 駆け引きを描いたもの。その部分は前作と同じだが、前作で は美容師という愛人の設定が俳優になっているなど、いろい ろな改変も加えられている。 ところが、映画の中で作家が愛人に向かって「美容師か」と 訊く台詞があり、さらに後半では作家の思い込みでほとんど 美容師だということにされてしまう。この辺のオリジナルに 対するオマージュの捧げ方も心地よいものがあった。 また前作では、邸内にいろいろなからくり人形が置かれてい たようだが、今回は屋敷自体がハイテク化されていて、その 遊びもいろいろと面白かった。 もちろん主演2人の演技も存分に楽しめるところで、特にロ ウの最初はおどおどした様子から時に傲慢になったり、さら には色香を漂うわせるなどの変化ぶりは、ブラナーの演出も あるのだろうが、見事なものだった。 なお台詞の中にhalf-breedという言葉が出てきて、これはい わゆる混血ということだが、辞書で引くと蔑称ということに なっている。これは以前に『コンスタンティン』の字幕でも 話題にしたが、通常の混血はhalf-bloodedとされるもので、 これを蔑称とすると日本語でもズバリの言葉はあるが、多少 使い難いものだ。 このため『コンスタンティン』では、片仮名のままの字幕で 意味不明にしてしまっていたものだが…今回の字幕は、「雑 種」これなら差別用語でもないし、なるほどと思えた。
『ジェシー・ジェームズの暗殺』 “The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford” ブラッド・ピットの主演で、西部劇で有名な強盗犯の最後を 描いた作品。ピットは本作が出品されたヴェネチア映画祭で 主演男優賞も受賞している。 1881年9月7日、最後の列車強盗を実行したフランク&ジェ シー・ジェームズ兄弟と強盗団一味は、その後はばらばらに なり、各地に身を潜めて暮らすようになる。ジェシーもそれ 以前から偽名で地方名士の顔を持ち、家族と共に静かに暮ら す計画だった。 その最後の犯行現場に現れた1人の若者、彼は以前からの一 味のメムバー=チャーリー・フォードの弟だったが、その場 でジェシーに受け入れられた若者ロバートは、一味が解散し た後もジェシーの傍で世話係を務めることになる。 南北戦争当時、南軍のゲリラだったジェームズ兄弟は、敗戦 後に仲間と共に強盗団を結成したが、一部に彼らの行動を義 賊のように扱う新聞もあり、また大衆小説の主人公にされる などして、民衆の人気を勝ち得ていた。 そんなジェームズ兄弟に憧れる若者は多く、ロバートもその 1人だった。それが思いもよらずジェシーの傍に居られるこ とになる。そして彼の憧れのジェシーは、彼の思い通りの人 物だったのだが…それが、暗殺してしまうまでになる葛藤が 描かれる。 ヴェネチアでの主演賞はピットだったが、映画で注目される のはこのロバート・フォードを演じたケイシー・アフレック の方だろう。『ハリウッドランド』などのベン・アフレック を兄に持つケイシーだが、本作での弟という立場や、臆病者 と呼ばれる雰囲気は見事に演じられていたものだ。 この他、フランク役に『ライトスタッフ』のサム・シェパー ド、チャーリー役に『チャーリーズ・エンジェル』などのサ ム・ロックウェル、さらに踊り子/歌手役で、『テラビシア にかける橋』にも出ていたズーイー・デシャネルらが共演し ている。 撮影はカナダで行われているが、舞台となる風景は忠実に再 現され、また登場人物が使用する銃器なども、記録に残るか ぎり実物と同じものが使用されているそうだ。特に、ジェシ ーの銃は骨董品的な当時のものを現在のスミス&ウェッソン 社が修理して、本物と同じシリアルナンバーまで打ち込まれ ているとのことだ。 映画では暗殺後のちょっと異様なロバート・フォードの行動 なども史実に則して描かれ、当時の雰囲気が良く伝わってく る感じの作品。2時間40分の上映時間が正に堪能できる作品 だ。
『いつか眠りにつく前に』“Evening” 老境の女性が思い出す結ばれなかった恋の物語。 『マディソン郡の橋』も同じような設定の物語だったと感じ るが、1995年の作品が流れ者の男との不倫関係で、別れが必 然であったのに対して、本作は別れる理由もないと思われる 2人が、別れざるを得ない運命に晒される。それはもちろん フィクションではあるけれど、よりドラマティックに描かれ た物語だ。 この老境の女性をヴァネッサ・レッドグレイヴが演じ、その 若き日の姿にクレア・デインズが扮する。 また、デインズの親友役をメリル・ストリープの実の娘のメ イミー・ガマーが演じ、その後日の姿をストリープが演じて いる。さらに主人公の娘役で、レッドグレイヴの実の娘のナ ターシャ・リチャードソンが出演するなど、親子が2組も共 演している作品。 原作は、1996年公開の『魅せられて』などのスーザン・マイ ノット。本作では、2002年の『めぐりあう時間たち』の原作 者のマイクル・カニンガムと共に脚色を手掛け、さらに製作 総指揮も担当している。 そして監督は、ジョゼッペ・トルナトーレ監督の『海の上の ピアニスト』や『マレーナ』で撮影監督を務めたラホス・コ ルタイ。すでに、ベルリン映画祭での上映作品の監督経験も あるということだが、今回はスター女優が共演する本格的な 作品だ。 その監督が、試写会に来場してQ&Aも行われた。そこで、 デインズを主演に起用した理由を訊いてみた。実はコルタイ 監督は、1995年のジョディ・フォスター監督作品“Home for the Holidays”の撮影監督として彼女を撮っており、その印 象からかと訊いてみたものだ。 それに対する監督の答えは、「その頃の彼女はまだ10代で、 彼女の方が忘れていたくらいだったが、実際、最近の彼女は 役に恵まれていないと感じていて、今回はロンドンで自分の 監督作品を見せて、出演を依頼した」とのことだ。 一方、プレス資料によると、脚本を担当したカニンガムが、 自原作の『めぐりあう…』に出ていたデインズを見ていて、 今回は彼女を想定して脚本を書いたとしている。 SF映画ファンにとってデインズの印象は『T3』で固まっ ていると思うが、『もののけ姫』のアメリカ版で声優を務め るなど、以前から気にもなっていた女優で、今回こんな風に 周囲に認められて、代表作と呼べるものができたことは嬉し いところだ。 なお、デインズは今回クラブ歌手という設定の役柄で、劇中 歌も聴かせてくれる。彼女の歌声は1994年の「若草物語」で も披露されているようだが、今回は歌手という設定の本格的 なもので、しかもしっかりと歌っていたのには驚いた。これ は監督も嬉しい誤算だったようだ。 それから撮影が本業の監督は、映像に相当こだわりがあった ようで、今回の撮影監督は別の人が担当しているが、特に巻 頭の海岸のシーンは、CGIを使わずに全部実写で撮ったも のだと自慢げに語っていた。そして、確かにその映像は素晴 らしものだった。
『つぐない』“Atonement” 1人の少女のついた嘘が、愛し合う男女の仲を引き裂いて行 く…今年度のアメリカでの賞レースで、トップランナーにな るかも知れないイギリス映画。 発端は1935年。そのとある1日に起きた事件は、少女の誤解 に基づく証言によって、彼女の姉の恋人でもあった若者を犯 罪者にしてしまう。そしてその若者は、刑務所か戦場かの選 択を迫られ、ヨーロッパ戦線へと出陣する。しかしそれはフ ランスの敗色濃厚な時期のこと、ダンケルクに追いつめられ たイギリス軍は多大な犠牲を払って帰国するが… この少女の役を、第1部ではこれから出演作が目白押しにな りそうな新人のシーアシャ・ローナンが演じ、聡明だが繊細 な少女の思いを見事に描いて行く。そしてこの役は、第2部 では10月に紹介した『エンジェル』でも作家の役を演じてい たモローラ・ガライに引き継がれる。 一方、姉の役はキーラ・ナイトレイ。第1部では奔放な女性 の役を、また第2部では、恋人を犯罪者にされ、さらに戦場 に取られた苦悩に満ちた女性の役を見事に演じている。そし て若者の役には、『ナルニア国物語』でタムナスさんを演じ ていたジェームズ・マカヴォイが扮しているものだ。 基本的にはミステリーではないのだけれど、長年に渡る謎が あるときに解き明かされる。その瞬間の重みは信じられない くらいのものになっている。そんな見事な作劇に満ちた物語 だ。特に、同じ事象をそれぞれの視点から写して、思い込み と真実とを対比させる演出は見事に決まっていた。 監督は、『プライドと偏見』でもキーラと組んだジョー・ラ イト。本作が2作目だが見事な演出ぶりだ。 また、物語の第2部ではダンケルク撤退作戦が出てくるが、 ここでは1964年製作ジャン=ポール・ベルモンド主演のフラ ンス映画を思い出した。同作では主人公が1個のジッポに油 を入れるためにドラム缶に穴を開けるシーンが印象深いが、 本作でもジッポへの言及があるのは気に入ったところだ。 そして映画の最後では、ヴァネッサ・レッドグレイヴが登場 して物語を締め括ってくれる。実は同じ日に『いつか眠りに つく前に』と続けて観て、その演技を堪能させてもらった。 因に、このシーンでインタヴュアーを演じているのは映画監 督のアンソニー・ミンゲラだそうだ。 サウンドトラックにはタイプライターを叩く音が執拗に挿入 されて、観る側にも緊張感を与え続ける。そしてその緊張感 の中で、見事なドラマの展開する作品だった。
『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』 最近流行りのブログ小説からの映画化。 ケータイ小説というのは、映画化された作品を観てもあまり 感心できないものが多いが、ブログというのはそれなりに文 章を綴っている訳だから、面白いものも出てきてもおかしく はない。そんな訳で期待も半分で観に行った作品だったが、 これが期待以上に面白かった。 物語の背景は1979年。インベーダーゲームが大流行の時代。 田園広がるとある町の交番に、1人の駐在が赴任してくる。 その駐在は早速下り坂の道に計速機を設置してスピード違反 の取り締まりを開始する。そして、そこをバイクで通り掛か った高校生が引っ掛かり停学処分を受けてしまう。 でも本来、下り坂でスピード違反の取り締まるというのもず るい話。そんな訳で主人公の仲間たちが駐在の取り締まりの 妨害作戦を開始する。それは、例えば自転車でスピード違反 をしてみせたり、大きな金物を持って練り歩き計速を妨害し たりと言うもの。この事態に駐在は、取り締まりを一層強化 するのだが… この他にもいろいろ行われる高校生たちの妨害作戦というの が結構良い線を行っていて、違和感がないというか単純に楽 しめる。それに対して、駐在が取る対抗策もそれなりに理に 叶っている感じで、全体的なバランスも悪くなかった。 そしてこの物語に、駐在の美人妻やその大学生の妹、さらに 難病の少女なども加わっていろいろ話が進んで行くのだが… それらも取って付けたような感じもなく、無理なく展開され ていて、観ていて気持ちの良い作品だった。 脚本は「ココリコ」のヴァラエティ番組などを手掛ける福田 雄一、監督は『時効警察』の塚本連平という顔ぶれだが、テ レビ関係者の作品にしては珍しく、真面目に「映画」が作ら れている感じがした。 出演は、高校生側が『チェケラッチョ!!』などの市原隼人を 中心に、石田卓也、賀来賢人らの面々。一方、駐在役に佐々 木蔵之介、その妻役に麻生久美子など、最近の日本映画では 安定した顔触れが揃っている。また、石野真子、竹中直人ら のゲスト出演者も良い感じで納まっていた。 さらに、時代背景に合わせた交番、主人公たちの部屋のポス ターや、挿入される当時のヒット曲(石野真子もある)も楽 しめた。 原作は読んでいないが、原作の良さが素直に活かされたとい う感じの作品。これができる監督たちには、さらなる映画づ くりを期待したいものだ。なお、今回映画化されたのは発端 から150日分だそうで、あと550日分の物語はあるようだ。
『フランチェスコ』“Francesco” 『愛の嵐』などのリリアーナ・カヴァーニ監督が、12世紀の イタリアの聖人「アッシジのフランチェスコ」の生涯を描い た作品。 本作は、1989年のカンヌ映画祭のコンペティションに出品さ れ、日本では翌1990年7月に一度公開されているが、その時 は上映時間135分の短縮版での上映だった。今回は、157分の ノーカット版で公開される。 因に、映画のデータベースによるとイタリア公開版の上映時 間は150分とされているが、当時のVariety紙のレビューでは 155分となっているもので、これはカンヌ映画祭で上映され た記録に基づくようだ。恐らく今回の日本公開は、このカン ヌ・ヴァージョンで公開されるものだ。 フランチェスコは、アッシジの織物商人の家に生まれ、青年 期は裕福な家庭で放蕩生活を送っていた。ところがあるとき 騎士になることを思い立ち、向かった戦場で捕虜となってし まう。そして、その捕虜生活の間に病気に罹るなど苦労をし たことから宗教に目覚める。 そしてハンセン氏病患者への奉仕や、荒れ果てた聖堂の修復 などの活動を行い、その間に彼の行動に賛同する弟子が集ま り始める。そして福音書の記述を厳格に守り、財産を全て放 棄するなどの戒律のもと各地を放浪して説教を続ける。 その教義は他の宗教家たちの反感も買うが、当時のローマ教 皇の承認を得て修道会を開き教義を広めて行く。因にフラン チェスコ(フランシスコ)修道会は、分派も含めると現在最 大規模の修道会と言われ、マザー・テレサもこの修道会の所 属だったというものだ。 そのフランチェスコの生涯を描いた作品だが、最初は高価な 織物などを女性に勧める商人の息子だった若者が、やがて宗 教活動家になって行く姿は、周囲の状況などから納得できる 部分も多く、なるほどと思わせる物語だった。 そしてこのフランチェスコ役を、ボクサーになる直前のミッ キー・ロークが演じ、何となく彼自身の迷いというかいろい ろな思いも伝わってくるような感じになっている。 また、フランチェスコを愛し、彼の後に随って行くキアラの 役を、当時23歳のヘレナ・ボナム・カーターが演じていて、 若いというより幼い感じもする少女の役を巧みに演じている のも注目されるところだ。 なお、今回の公開版では全員イタリア語の台詞になっていた が、ロークの口元はよく判らないものの、ボナム・カーター の口元はどうやら英語を喋っていたようだ。因に巻末のクレ ジットでは、la vociとしてフランチェスコとキアラの役名 に声優の名前も記載されていたものだ。 2時間37分はかなりの長丁場だが、観ている間は飽きさせる こともなく、満足の行く作品だった。
最後に、今年は僕のベスト8本を掲載します。なお、対象は 今年公開の作品で、SF/ファンタシー映画には日本映画を 含めました。 ☆SF/ファンタシー映画 ☆一般映画 � .僖鵐此Ε薀咼螢鵐后 ´ .螢肇襯船襯疋譽� �◆.妊献礇堯 ´◆.哨妊�アック �� 墨攻 �� 4分間のピアニスト �ぁ.廛譽好董璽検 ´ぁ,△覆燭砲覆藐世┐襦� �ァ,�みにしか聞こえない �ァ〔損劼侶抻_山畋� �Α.愁Γ粥 ´Α.�フサイドガールズ �А.▲ぁΕ▲燹Ε譽献Д鵐鼻 ´А,海錣譴罎�世界の中で �─.船磧璽蝓爾肇僖僂糧�行機 �─.轡奪�
| 2007年12月20日(木) |
明日への遺言、Mr.ビーン、テラビシア、アメリカン・ギャングスター、勇者たちの戦場、そして春風にささやいて、トリコン、黒い土の少女 |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『明日への遺言』 B級戦犯として1949年9月17日に処刑された元東海軍司令官 ・岡田資中将の裁判での闘いを描いた大岡昇平の原作「なが い旅」を、『雨あがる』『博士の愛した数式』などの小泉堯 史監督・脚本で映画化した作品。 1945年5月14日、名古屋市に対する絨毯爆撃が行われ、その 際に撃墜されたB29の搭乗員が6月28日に斬首処刑された。 岡田中将ら東海軍の兵士たちはその罪に問われ、1948年3月 8日から横浜法廷において裁判が行われた。 しかし、米軍による都市部への無差別爆撃は国際法に違反し たものではなかったか。その争点に立って、岡田は搭乗員の 処刑がジュネーブ条約に違反する捕虜の殺害ではなく、戦争 犯罪者への正当な処刑であったことを主張する。 僕は戦後の生まれだが、僕が生まれ育った神奈川県平塚市も 終戦間際の爆撃で市街地の大半が焼失したようだ。実は、当 時の平塚市は市街地の後背部に海軍火薬厰が置かれており、 子供の頃には米軍のスパイが作った地図で火薬厰と市街地が 逆に書かれていたために市街地が誤って爆撃されたと聞かさ れていた。しかし今回の映画を観て、それが無差別攻撃の結 果であったことが理解できた。 映画は最初にピカソの「ゲルニカ」を映出して、この物語が 無差別攻撃に関わるものであることを明白にする。そして無 差別攻撃の違法性についての説明もされる。 だからと言って、戦時中のこととは言え、岡田らの採った行 為の正当性が何処まで主張できるものかは判らない。しかし この映画は、敢えてそこには深く踏み込まず、米軍の行った 無差別攻撃が、国際法上で違法な行為であったことを明白に 描いているものだ。 今回、共同脚本を担当した日本在住の劇作家ロジャー・パル バースは、3年前のアメリカだったらこの物語は受け入れら れなかっただろうと語っている。でも、今のアメリカならこ の物語は共感を得られるかも知れないとのことだ。 米軍は、日本でもヴェトナムでも、イラクでも市民を巻き込 む無差別攻撃を繰り返しているものだが、それが罪に問われ たことはない。そんなアメリカ国民に、この映画が一石を投 じたら面白いところだ。 出演者は、岡田役の藤田まこと、その妻役の富司純子の他、 弁護人役ロバート・レッサー、検事役フレッド・マックィー ン、判事役リチャード・ニール。また、蒼井優、田中好子ら が証人役として出演している。
『Mr.ビーン/カンヌで大迷惑?!』“Mr.Bean's Holiday” ローワン・アトキンスンが演じる大迷惑男Mr.ビーン久々の 登場。 テレビの人気者だったMr.ビーンが、前回映画館に飛び出し たのは1997年、もう10年も経ってしまったものだ。前作の時 は、確か渋谷パンテオンで日本での披露試写が行われ、僕は いろいろあって、芸能人の座る2階席で「王様」の少し後ろ で観た記憶がある。 前作は、ロンドンの美術館の監視員だったMr.ビーンが、カ リフォルニアの美術館に展示される絵画のお披露目の席に誤 って派遣され、滞在中そのカリフォルニアの美術館の職員の 家や美術館で大迷惑を繰り広げるというもの。 当時のMr.ビーンの人気をそのまま映画に持ってきたような 作品だったが、Mr.ビーンが一所懸命になって頑張れば頑張 るほどド壺に填っていく姿が、哀愁を込めて描かれていた。 しかもこの哀愁が何とも良い感じで、唯のお笑いではないな と感じさせてくれたものだ。 そして今回のMr.ビーンは、教会の屋根の修繕か何かのため の募金くじが行われ、そこで特賞のカンヌ旅行を当ててしま うことから始まる。それにはヴィデオカメラも副賞に付いて いて、彼はカメラ片手に旅立つが… イギリス人は英語しか話さず、フランス人はフランス語しか 話さない、という考えが根底にあるようで、Mr.ビーンは、 「ウイ」「ノン」と、何故か「グラシアス」しか話さない。 そして、早速パリで道に迷ったMr.ビーンはすったもんだを 開始する。 これにロシア人の少年やフランス人の女優の卵、さらにアメ リカ人の映画監督らも巻き込んで、折しも国際映画祭開催中 のカンヌが最後の舞台となる。そしてその記録は、ヴィデオ カメラにバッチリ撮られていた…というものだ。 僕は前作もお気に入りの作品だが、正直、前作の展開にはか なり無理があって、その辺は当時のテレビの人気で誤魔化さ れていた感じもあった。 しかし今回は、物語にさほどの無理もなく、10年も経てばも はや過去の人気は吹っ切らなくてはいけないということなの か、しっかり映画を作ろうという意志が見える作品になって いた。それが海外では前作を上回るヒットになったとも思わ れるところだ。 アトキンスンは、その後ハリウッドのコメディ映画などにも 出演しているが、Mr.ビーンの復活で新たな路線が開けそう だ。「クルーゾー警部」の対抗馬になったら面白い。 なお、フランス人女優の役で『恋愛睡眠のすすめ』のエマ・ ドゥ・コーヌ、ロシア人少年の役で『ポーラー・エクスプレ ス』に「出演」していたマックス・ポリドリーが共演。そし てアメリカ人監督役をウィレム・デフォー、ロシア人監督役 をハリウッドでは悪役で知られるチェコ人俳優のカレル・ロ ーデンが演じている。
『テラビシアにかける橋』“Bridge to Terabithia” ニューベリー賞など、世界の名だたる児童文学賞を受賞した キャサリン・パタースン原作の映画化。 いろいろな事情で学校では爪弾きになっている少年が、近所 に引っ越してきた少女と共にファンタシー世界を冒険する。 それは、近くの森の小川をロープで渡った先に広がる世界だ った。 僕も、幼い頃に自分だけのファンタシー世界を持っていた。 テラビシアのような壮大な世界ではないし、大人になってか らそこに行くことは最早できないが、何時でも思い出して、 何かしら自分の支えになってくれるそんな世界だ。 そんなことを思い出しながら、この映画の世界に引き込まれ て行った。少年は活発な少女の後押しでその世界に入って行 くが…そこには悲劇も起きる。けれどそれらの全てが少年の 成長を促して行く。 原作者は、自分と自分の息子に訪れたある出来事を基にこの 物語を書き上げたということだが、その現実的な背景が物語 に厚みを加えていることは間違いない。そしてその物語は、 全ての人の心に染みる感動を与えてくれる。 今回の映画化の脚本は原作者の息子が執筆してる。1977年に 出版されたオリジナルの物語を現代化することは、この映画 化では欠かせないことだったが、それを当事者の一人でもあ る息子が担当したことも、この映画化では重要なことだった ように思える。 これによって、親と子の両方の側面からの物語が完成してい るようにも感じられた。 出演は、少年役を『ザスーラ』のジョッシュ・ハッチャーソ ン、少女役を『チャーリーとチョコレート工場』のアナソフ ィア・ロブ。他に少年の父親の役でロバート・パトリック、 教師役でズーイー・デシャネルが共演している。 監督は、『ザ・シンプソンズ』や『ラグラッツ』などを最初 に手掛けたガボア・クスポ。実写作品は初監督だが、少年少 女の視点に立った映画作りと見事な映像感覚で、この作品を 成功に導いた。またVFXをWETAが担当、見事なテラビ シアの世界とクリーチャーたちを描き出している。
『アメリカン・ギャングスター』“American Gangster” リドリー・スコット監督、デンゼル・ワシントン、ラッセル ・クロウの共演で、1970年前後のニューヨークを舞台に、麻 薬の取り引きで伸し上がった男と、その麻薬取り引きに絡ん で腐敗し切った警察の浄化を目指した男との対決を描いた作 品。 物語の発端は1968年、ハーレム仕切っていたボスが死去し、 その跡目をボスの長年の右腕だったルーカスが引き継ぐ。そ の亡くなったボスは、生前にニューヨークにも進出した家電 量販店に目を付け、生産者から直接仕入れる流通革命の話を ルーカスにしていた。 時はヴェトナム戦争の最中。街にはアジアで良質なヘロイン を味わってきた若者たちが溢れていた。しかしニューヨーク に流れるヘロインは純粋からは程遠く、しかも警察が一度押 収した麻薬が還流しているものもあった。 そんな中、ルーカスは、ヴェトナムいる仲間に連絡を取り、 自らも現地に飛んで、純粋なヘロインを調達する。そして、 米軍の物資に紛れさせる方法で、本土への密輸ルートの形成 に成功する。 一方、ニュージャージーの刑事ロバーツは、押収した現金を そのまま本部に届けるような実直な男。彼のやり方は、周囲 の汚職警官たちから煙たがられ、昇進もままならなかった。 そんな彼に、地方検事直属の麻薬捜査官チーフの仕事が与え られる。そしてそれは、麻薬捜査に留まらず、警察組織全体 を揺るがす捜査へと発展する。 なお、物語は実話に基づいており、特にワシントンは、役を 演るに当ってルーカス本人にも面会して役作りをしたという ことだ。 ヴェトナム戦争の状況や、最後はサイゴン陥落など、僕らも 知っている歴史的な出来事が背景に置かれ、第2次大戦ベビ ーブーマー世代にはいろいろな面で興味深い作品となってい る。その戦争を利用して甘い汁を吸った奴がいて、さらにそ れを利用して警察組織の浄化に成功した男がいる。これも、 アメリカンドリームなのだろう。 共演は、キウェテル・イジョフォー、キューバ・グッディン グJr.など。また、劇中のボクシング、ジョー・フレイジャ ー対モハメド・アリ戦のシーンでは数多くのセレブのそっく りさんも登場する。 なお、映画の最初の量販店のシーンで、店頭のテレビを指さ してソニーの次に、トウシバとわざわざ言うシーンがあり、 さすが次世代ヴィデオの企画争いで、東芝HD-DVD陣営の旗手 ユニヴァーサル作品という感じで可笑しかった。
『勇者たちの戦場』“Home of the Brave” アメリカ軍によるイラク占領を背景に、そこで人道的な活動 に従事していた軍医と、同じ出身地から従軍していた兵士た ちの物語。 彼らは、本国帰還を間近にしたある日、要請でとある村に赴 き、そこで反米勢力の待ち伏せに逢う。そして、死傷者を出 しながらも何とか脱出し、本国への帰還を果たすのだが…そ こで彼らを待ち受けていたのは、戦場以上に過酷な現実だっ た。 その戦争が勝ち戦であったら、祖国は彼らを暖かく迎えたの だろうか。サミュエル・L・ジャクスンが演じる主人公は、 戦地から戻ったその日に開かれたホームパーティでバーベキ ューを焼いている。そして、食卓で交わされる会話には戦争 の話は出てこない。 それは、戦地での悲惨な体験を思い出させたくないという配 慮のようにも取れるが、実際に交わされている会話は極めて 他愛ないもので、そんな配慮でないことも如実にされる。そ して、そんな周囲の対応が主人公を徐々に追いつめて行く。 一方、『ステルス』などのジェシカ・ビールが扮するのは、 体育教師だった女性。しかし戦闘で片手を手首から失い、職 場復帰はするがボール1個を扱うのもままならない。この女 性教師のシーンでは、義手はちょっと変な感じだったが、義 手を外したときのVFXは見事だった。 この他、同じ戦闘で親友を失った兵士の役でラッパーの50¢ としても知られるカーティス・ジャクスンが本名で出演して いる。 原案、製作、監督は、1970年代に『いちご白書』などを製作 し、1990年以降、監督に転身してヘイデン・クリステンセン が出演した『海辺の家』なども手掛けているアーウィン・ウ ィンクラー。社会的な題材にも手腕を示す監督の渾身の作品 と言うところだ。 なお本作は、ブレット・ラトナー製作、キューバ・グディン グJr.主演による『エンド・ゲーム/大統領最後の日』とい う作品とセットで公開される。実は、スケジュールの都合で そちらの方は観ることができなかったが、セット作は題名か ら察すると政治の中枢での陰謀劇という感じのようだ。 つまりこの2本は、一方は政治中枢での闘い、他方は市井の 闘いということで、見事に対比される作品となりそうだが、 いずれも今のアメリカが抱える問題を描いたものになってい るようだ。 製作は2作ともミレニアム。今までどちらかと言うとアクシ ョン専科のインディーズ系という認識の映画会社だったが、 認識を改めることになりそうだ。
『そして春風にささやいて』 角川ルビー文庫から発行、ごとうしのぶ原作による映画化。 原作はコミック化などもされているようだが、いわゆるイケ メンキャラクターばかりの物語ということで、そのキャステ ィングから大変だったということだ。 物語は、全寮制の男子学園を舞台にしたゲイものといってし まうと身も蓋もないが、そんな学園に迷い込んだ主人公が、 先輩の庇護の元、徐々にその環境の中に溶け込んでゆく様子 が描かれる。 主人公は、音楽の天才だったらしいが、家庭内の問題でその 志を封印し、その学園に来ている。そして1年目は、比較的 目立たないルームメイトと大過なく過ごしたようだが、2年 目になって、校内のあこがれの的の先輩が同室者となる。 これによって主人公は、他の学友たちの反感を買うことにな るのだが… 僕は基本的に男性であるし、性癖も男性より女性の方が好き な方なので、イケメンの評価も良くは判らないし、まして男 同士の恋愛シーンというのが女性にどのように評価されるの かも判らない。 でもまあ、この映画に描かれている世界というのは、青春も のとして単純に評価もできるし、その線では、他愛ないもの ではあるが、若い女性に評価されるのだろうなあという感じ はしてくるものだ。 脚本は、金杉弘子。去年評価した『スキトモ』も、一部にゲ イを描いてはいたが、本作はさらに一歩進んでいる。とは言 え、僕は、この脚本家には『君にしか聞こえない』のような 作品を、もっと見せてもらいたいとも思っているが。 その出演者は、柳下大、加藤慶祐、齊藤ヤスカ、滝口幸広、 牧田哲也、坂口りょう、相葉弘樹、羽多野渉。これだけで判 る人には判ってしまうのだろうな。 公開は22日から渋谷のイメージフォーラムで、連夜21時から のレイトショウ。その後全国に展開されるようだ。
『トリコン!!!』 横浜を舞台に、3人の若者が集まる探偵事務所を巡る物語。 横浜が舞台の探偵物、刑事物というのは、映画やテレビでも いろいろあったと思うが、東京とは違ったエキゾチックな雰 囲気があって良いものだ。東京は捜査何課のような組織で動 く物語が合っているが、横浜が舞台だと、刑事物でも小規模 なグループで、ちょっと規格外れの刑事などがよく似合う。 そんな横浜を舞台にしたこの作品では、主人公は孤児院で育 った3人の若者。それぞれ過去は捨てて、お互いもエース、 ジャック、キングと呼び合っている。そんな彼らが開業した 探偵事務所だったが、探偵の仕事の依頼はまだなく、来るの は便利屋のような仕事ばかり、しかも宅配ピザの間違い電話 もしょっちゅうという有様。 それでもバラ色の将来を夢見ている彼らの許に、ある日幼い 少女が紛れ込んでくる。その少女は彼らをパパと呼び、3人 はお互いに隠し子ではないかと疑ったりもするのだが、やが てその子が仕事の依頼第1号をもたらすことになる。しかし それは、彼らの過去にもつながるものだった。 とまあここまで書いて「そんな大げさな話ではないよ」とい う声がどこからか聞こえてきそうだ。実際、話はここから、 放浪の画家や彼の描いた絵の行方の捜査などに進み、そこに 地元の顔役らしい人物が登場したりもするのだが、全体的に は軽いし、どうってことのないところに終始してしまう。 でもそれは、多分この映画の作者たちの狙いなのだろうし、 そういうことを理解してやれば、それほど気にもならない物 だった。 監督は、2006年『ケータイ刑事 THE MOVIE』の佐々木浩久。 正直に言って前作は、僕は評価しなかったもので、本作もそ の流れを汲むものではある。しかし、前作のような悪趣味な ギャグはなかったし、それなりに観られる作品にはなってい た。それだけの進歩の後は見えるものだ。 主演は、進藤学、南圭介、八神蓮。 この主人公たちが名告るときに一々ポーズを取るのだが、主 演の3人がそれなりに真剣にやっているのは好感が持てた。 もっとも、これが最近の若者の乗りなのかなという感じでも あったが。なお主演の3人は、この作品の主題歌も歌ってお り、CDも出ているようだ。 共演者には、根岸徹と長内美那子がいて、特に長内は、存在 感もあって良い感じだった。
『黒い土の少女』“검은 땅의 소녀와” 日本と同様、韓国でも斜陽の代名詞のような炭坑の街を背景 にした物語。 主人公の少女の父親は、じん肺で炭坑夫の仕事を辞めさせら れるが、合併症がないと以後の治療費の保障はないと言われ る。それには労組も動いてはくれているが、規則の壁はぶ厚 いようだ。 退職した父親は行商の仕事を始めるが、そこでは詐欺まがい の手口にあってなけなしの資金も失ってしまう。ここでの展 開は本当にありそうで、身につまされる。そして父親は徐々 に酒浸りになって行く。 少女の家に母親の姿はないが、その経緯などは語られない。 ただ画面には何度か思わせぶりな女性の姿が写し出される。 しかし、それについて監督は「それは観客の目を代表した存 在だ」として明言は避けているものだ。 そして少女には知恵遅れの兄がいて、彼女はいつもその世話 を焼いているが、いたいけな少女のその姿は、『おしん』な どにも通じる感動を呼ぶシーンと言えそうだ。多分映画の評 価もそうなるだろう。 この少女の役は、1999年生まれのユ・ヨンミが演じている。 すでに韓国テレビでも人気のある子役とのことで、その実力 は確かなものだ。特に、兄と一緒にバスに乗っているシーン でのかなり長い一人芝居には驚かされた。 父親役は、『大統領の理髪師』で大統領を演じていたチョ・ ヨンジン。そして謎の女性役で韓国の国民的女優と言われる カン・スヨンが特別出演している。 監督のチョン・スイルは、ソウルに拠点を置かず、釜山を中 心にした映画作りをしているようだ。そんな監督の視点が見 事に活きた作品といえる。そしてその視点は、日本にも共通 するようにも感じられた。 なお、映画の舞台は韓国江原道の某街となっていて正確な場 所は特定されていないものだが、2005年12月に紹介した『春 が来れば』の舞台となっていたトゲ(道渓)に似ている感じ がした。もちろん炭坑町の風景など、どこも同じなのかもし れないが、途中で映る大きく湾曲した鉄道線路の風景はよく 似ている感じがしたものだ。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※ ※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※ ※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ まずは記者会見の報告から。 『ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記』の 主演者3人及び製作者、監督の来日記者会見が、何故か試写 会の2日前に行われ、まだ本編を観ていない状況では内容に ついては聞き難いので、前作の中国プレミアの際に報告され た「続編はアジアで撮る」という発言について監督に質問し てみた。 これに対して監督からは、最初に「君らが文句ばかり言う から、日本に来れなくなった」という、ちょっと笑い難いギ ャグを飛ばされた後、「脚本を進めて行くうちに、この展開 なら舞台はヨーロッパの方が良いという判断になった」との 回答が出された。最初のギャグは冷や汗だったが、回答につ いては、まあそういうことなのだろう。 因に、本作で初めて続編に出演したというニコラス・ケイ ジは、アメリカで行われたインタヴューで、「シリーズはイ ンターナショナルなものになって行く。第3作ではアジアも 舞台にしたい」との発言もしており、第3作が実現したら、 中国での約束も叶うかも知れない。それを期待しておくこと にしよう。 以下は、いつもの製作ニュースを紹介する。 * * 前回“Shantaram”の製作延期を報告したジョニー・デッ プに、次なる計画の情報が流されている。 計画は、ブライアン・バロー原作によるノンフィクション “Public Enemies:America's Greatest Crime Wave and the Birth of the FBI,1933-34”を映画化するもので、この計画 は、元々はマイケル・マン監督が、レオナルド・ディカプリ オの出演で進めようとしていたものだ。ところが前回紹介し たように、マン監督はトム・クルーズ主演で進めていたスパ イスリラー“Edwin A. Salt”の撮影が脚本家ストの影響で 延期となり、そこで本作を進めようとしたら、今度はディカ プリオが、第146回で紹介したマーチン・スコセッシ監督の “Shutter Island”に出演のため参加できなかった。 この状況下で、マン監督とデップの話し合いが行われたと のことで、デップ主演による映画化が濃厚だとされる。なお 物語は、銀行強盗犯ジョン・デリンジャーとFBIとの対決 を描くもので、デップはデリンジャーを演じる。 因にデリンジャーは、題名の通り「社会の敵」と呼ばれる ほどの悪人とされているが、実はこの言葉は、その逮捕に向 かった当時創設されたばかりのFBIが、誤って一般市民を 射殺したことがあり、その失態を隠すためにフーバー初代長 官が言い出したものとのことだ。 確かに銀行強盗を繰り返し、警官1人を射殺(彼が生涯に 殺人を犯したのはこのときだけとも言われている)したりも しているが、銀行に押し入った際に、居合わせた客からは一 銭も奪わなかったなど、義賊的なイメージもあるとされる。 また、何度逮捕されても見事に脱獄してみせるなどヒーロー 的な要素もあるようだ。この辺は、“Shantaram”の主人公 にも似ているものだ。 なお、この原作の映画化権はロバート・デニーロが保有し ている。このためデニーロはこの計画に製作総指揮としては 関わっているが、出演は未定。撮影は順調に行けば3月から シカゴで行われることになる。 またデップは、第115回で紹介した“The Rum Diaries”が 一時“Shantaram”に続けて春以降の撮影で予定されていた が、現状ではそれも延期になっているようだ。 * * 『スター・ウォーズ』『トリプルX』などのシリーズの脇 役でも怪優ぶりを発揮しているサミュエル・L・ジャクソン に、2本の主演作品の計画が発表されている。 その1本目は、バーニー・マック共演のコメディで“Soul Men”。仲違いして以来、20年以上も口を聞いたことのない 2人のミュージシャンが、昔し世話になったバンドリーダー のトリビュートのため一緒に旅をするというお話で、2人は 歌や踊りのパフォーマンスも披露するとのことだ。マルコム ・リーの監督で、撮影は1月21日に開始される。製作はディ メンション。 そしてもう1本は、“Man That Rocks the Cradle”とい う作品。この作品は、ジャクソンが先にニューラインと結ん だ製作契約の第1号となるもので、本作で彼が演じるのは超 多忙な父親に雇われた伝説のナニー、つまり子供の世話をす る乳母役ということだが…あの風貌を想像するとかなり大変 なことになりそうだ。 なお、ジャクソンは、第109回で紹介したダグ・リーマン 監督によるSF作品の“Jumper”、ジョン・ファヴロー監督 の“Iron Man”、『ウィカーマン』のニール・ラビュート監 督による“Lakeview Terrace”が撮影完了しており、現在は フランク・ミラー監督の“The Spirit”が撮影中のようだ。 それに続いて“Soul Men”の撮影となる。 * * 国連軍の係官としてアフリカやヨーロッパ、東南アジア、 そして中央アメリカなどの各地で、武器輸送やテロとの戦い に従事してきたキャシー・リン・オースティンという女性の 半生を描く権利をパラマウントが獲得し、アンジェリーナ・ ジョリーの主演作として進める計画が発表された。 この計画は、実はオースティン側から先に提案があったも ので、それは『ジェイソン・ボーン』のような展開で彼女の 活躍をフィクション化したいというもの。その提案を受け取 ったパラマウントが直ちに契約に踏み切ったというものだ。 因にフィクション化された物語では、ロシアンマフィアの ヴィクトル・ボウトからインスパイアされた武器商人が登場 して、彼女と対決することになるようだ。またパラマウント では、シリーズ化も考慮した展開を目指すとしており、新た な剛腕ヒロインの誕生になりそうだ。 パラマウントでは、脚本家ストが解決しだい脚本家を決定 して、早期の映画化を目指すとしている。また、オースティ ン本人の実話の回想録は、来年出版の予定になっている。 * * 『ボルベール』などのペドロ・アルモドヴァル監督が、次 回作でも再びペネロペ・クルスと組むことを発表した。 計画されているのは、“Los abrazos rotos”と題された 作品で、映画界を舞台にした4通りの恋物語とのことだ。そ して、物語の背景は1990年代から現代までとなっているが、 撮影のスタイルは1950年代のアメリカン・フィルムノアール で、ハードボイルドなタッチを目指すとしている。 恋物語でハードボイルドというのも面白そうだが、主人公 の女性は精神的にも厳しい状況になるとのことで、その展開 には興味を引かれる。脚本はすでに完成しており、新年にな ったら製作準備を開始し、撮影は春から、主にマドリッドで 季節の光線を取り入れた撮影が行うとされている。製作費は 1500万ドルで、『ボルベール』にも出演のブランカ・ポルテ ィロらが共演する。 アルモドバル監督の作品は、何時も何処か不可思議な雰囲 気が漂うものだが、この作品にもそんな雰囲気を期待したい ところだ。 * * ここからは、SF/ファンタシー系の情報を紹介しよう。 まずは、第1作は1910年発行という長大シリーズで、発行 総数は2000万部を超えると言われる冒険小説“Tom Swift” の映像化権を、元ニケロディオンのトップで、先頃独立して ワールドワイド・ビッギーズというディジタルスタジオを開 設したアルビー・ヘクトが獲得、まずは長編映画の製作を目 指すこと発表した。 Tom Swiftに関しては、2004年10月13日付の『スカイキャ プテン−ワールド・オブ・トゥモロー−』の紹介文でもその 名前に言及したが、今回調べ直したところによると、元々は ナンシー・ドルーなどでも知られるエドワード・ストラスマ イヤーが生み出したキャラクターで、巨大飛行船やジェット 潜水艦など、主に交通機関の新発明を生み出す発明家。そし て、それらの発明品を使って数々の冒険が繰り広げられると いうものだった。 そしてその作品は、いろいろなゴーストライターによって 執筆されたが、発表はハウスネームのヴィクター・アップル トンの名の下で、100冊以上が刊行されたものだ。なお、僕 が子供の頃に読んだのは、講談社刊の「少年少女世界科学冒 険全集」に収録された『空中列車地球号』(Tom Swift and his Sky Train)という作品だが、その空中列車の構造や、 いろいろな仕掛けのアイデアの描写には、子供ながらに興奮 した記憶がある。 また翻訳は、講談社と同じ頃に石泉社からも3冊が出版さ れていたようだが、さらに1980年代にサンリオ文庫から6冊 のシリーズも翻訳されていた。ただしこのサンリオから発行 されたのは宇宙冒険シリーズとのことで、1981−84年にSF 作家のウィリアム・ロッツラーらによって執筆された第3シ リーズの作品ようだ。一方、オリジナルは、1910−41年に発 表された第1シリーズ40冊。1954−71年に発表された第2シ リーズ33冊。1981−84年の第3シリーズ11冊。そして1991− 93年には舞台を再び地球に戻して第4シリーズ14冊も発表さ れた。さらに2006年からは新シリーズが発表されて、すでに 6冊が出ているとのことだ。 ところで、今回の映画化に乗り出すアルビー・ヘクトは、 「子供の頃にはこのシリーズを読むのに忙しかった」という ことだが、一体どのシリーズを基本として映画化を進めるの かは明らかではない。しかし発表での本人の言葉によると、 「ジュール・ヴェルヌのような感覚」という発言もされてお り、ちょっとレトロな雰囲気の感じられる作品も期待できそ うだ。 なお、Tom Swiftの名前は、小惑星の命名にも登場してい るとのことだが、さらに全米数100の警察署や、カナダの一 部の警察にも配備されているというワイヤーを使った電極式 スタンガンの名称Taser Gunの最初の3文字TAEは、彼のフル ネームのThomas A. Swiftに由来しているそうだ。 今回発表された映画の製作の時期等は未定だが、映画化は 実写とCGIの合成、もしくはモーション・キャプチャーに よって行われ、同時にテレビシリーズやゲームにも展開する 計画のようだ。 * * 次はストライキの影響ではないようだが、ジェームズ・キ ャメロン監督の新作“Avatar 3-D”の公開日が、当初予定さ れていた2009年5月22日から12月18日に変更されるとフォッ クスから発表になった。 その理由は、技術的な問題で劇場公開までにはもう少し時 間が欲しいという監督からの申し入れがあったとのことだ。 また同時にこの公開日は、現状でのキャメロンの最後の作品 『タイタニック』と同じ週末になるということで、いまだに 破られていない史上最高興行記録の同作品に対する験担ぎの 意味もあるようだ。それならついでに、前作と同じく東京国 際映画祭でのワールドプレミアも期待したいところだが、そ れはどうなるだろうか。 一方、この変更で空いた2009年5月のスケジュールには、 ベン・スティラー主演のヒット作『ナイト・ミュージアム』 の続編の登板が発表された。この続編の題名は、“Night at the Museum 2: Escape from the Smithsonian”とされてい るもので、今回の舞台はワシントンDCのスミソニアン博物 館。アポロ計画で持ち帰られた「月の石」から、『宇宙大作 戦』のエンタープライズ号まで、人類科学技術の粋が展示さ れるこの博物館で、一体どのような騒動が繰り広げられるか 楽しみだ。 脚本は、第1作と同じくロバート・ベン・グラントとトー マス・レノンが執筆し、監督も同じくショウン・レヴィ。主 演もベン・スティラーの再登場で、何人かの登場人物は前作 から継続するが、スミソニアン独自の人物も登場、そこには 女性パイロットのアメリア・イアハートもいるとのことだ。 因に、ハリウッドの劇映画の撮影がこの場所で行われるのは 初めてのことだそうで、映画絡みの展示物もいろいろあるは ずの場所で、その辺の扱いも面白そうだ。 また今回は、その他の2009年のフォックス作品の公開予定 も紹介され、それによるとスピンオフシリーズ第1弾の“X- Men Origins: Wolverine”が5月1日、第3作でディジタル 3D公開となる“Ice Age 3”は7月1日とされている。 なお、“Avatar 3-D”の公開が最初に予定されていた5月 22日は、実はドリームワークスアニメーションが3D作品の “Monsters vs.Aliens”の公開を当初5月15日に計画してい たのと時期が重なり、まだ充分ではない3D上映館をどう分 けるかでも話題になっていた。そして、先にドリームワーク ス側が3月27日への公開日の変更を発表していたものだが、 今回のフォックスの発表では、ドリームワークスが公開日の 変更を元に戻すのか、その動向も気になるところだ。 * * リメイクの話題で、オリヴァ・ストーン監督の『アレキサ ンダー』などを手掛けた製作者のトーマス・シュエリーが、 『T2』のマリオ・カサールと組んで、1927年のフリッツ・ ラング監督作品“Metropolis”のリメイク権を獲得したこと が発表された。 オリジナルは、製作時から100年後の2026年の世界を予測 したもので、その世界では人々は支配階級と労働階級に2分 され、支配階級は高層ビルで優雅に暮らし、労働階級は地下 深くで、生涯逃れられない過酷な労働を強いられているとい うもの。その労働階級に反乱の動きが見え始め、支配階級は それを攪乱するために、労働者たちのシンボルでもあった女 教師マリアに似せたロボットを製作して、地下世界へと送り 込むが…というお話だ。 そしてこのオリジナルは、2001年にユネスコによって制定 された世界遺産の映画部門の第1号に選ばれるなど、極めて 高い評価を受けているものだが、さてその作品をリメイクす るというのは、どのような思想で行われることになるか、そ の仕上がりが楽しみだ。 因に、オリジナルは1927年のドイツでプレミア上映された 時には、上映時間が210分あったとされるが、その作品が同 年アメリカで上映されたときには114分に再編集されていた など、その時々の状況で再編集が行われ、一時はオリジナル フィルムの4分の1が失われたともされていた。しかしその 後にフィルムの発見などもあって、現存する最長版は2001年 にドイツでディジタルリストアされた147分版のようだ。こ れでも、当時ドイツで一般公開されたときの153分より短い ものだが、このような努力が繰り返されるほど大事にされた 作品であるとも言える。 なお、製作者のシュエリーは、1922年のF・W・ムルナウ 作品を、1978年にヴェルナー・ヘルツォークがリメイクした 『ノスフェラトゥ』にも絡んでいたということで、そのやり 方は心得ていそうだ。またこの製作者は、1986年の『薔薇の 名前』や、1988年テリー・ギリアム監督の『バロン』なども 手掛けており、手腕は期待できるものだ。 監督や脚本家なども未定だが、オリジナルは都市の景観や セットなどの美術面でも当時を抜きんでた描写がされていた 作品で、これらをどのように現代の映画に再現するかも期待 される。 * * 11月15日付の第147回で紹介したテリー・ギリアム監督の 新作“The Imaginarium of Doctor Parnassus”の撮影が、 12月中旬にロンドンで開始されている。 物語は、前々回に紹介した通り、人々を想像の世界に導く 魔法の鏡を持つDoctor Parnassusと、彼の旅芸人一座を巡る お話とのことだが、前回報告した出演者の中でトム・ウェイ ツが演じているのは、賭けでParnassusに鏡を奪われる悪魔 の役だそうだ。 そしてこの作品は、ギリアムにとっては、1985年『未来世 紀ブラジル』以来の完全オリジナル脚本の映画化となるもの で、監督自身が「これは自伝みたいなものだ」とも言ってい るようだ。確かに人々を想像の世界に導くというのはギリア ム自身が監督としてやっていることにも似ている。なお脚本 は、『ブラジル』と1989年の『バロン』にも協力したチャー ルズ・マッケオンとの共同で執筆された。 また撮影は、ロンドン周辺のバタシー発電所、タワー・ブ リッジ、セントポール寺院などで行った後、カナダに移動し て監督自身の指揮の許、VFXの作業などが進められること になっている。そして製作費は総額3000万ドル。これは2億 5000万ドルと言われる『ライラの冒険』の10分の1程度の金 額だが、ギリアムにとっては「これで充分、これ以上あって もコントロールができなくなるだけだ」とのことだ。 一方、俳優に関しては、今回はヒース・レッジャーと2度 目のコラボレーションとなっているものだが、「お金で俳優 を呼ぶことはない。キーになるのは、レッジャーやジョニー ・デップのような俳優と組めるかどうかだ。もっと著名な俳 優が金額の点で組みたくないと言うのなら、そんな俳優を使 うつもりはない」と明言していた。 そんなギリアム監督には、実は先に行われた作家へのアン ケートで、『ライラの冒険』の原作者フィリップ・プルマン や『ハリー・ポッター』のJ・K・ローリングからも、自作 がもう一度映画化されるなら担当してもらいたい監督のNo.1 に選ばれているとのことで、彼への信頼は本当に高いものに なっているようだ。 新作は撮影が開始されたばかりで、完成にはまだ少し時間 が掛かりそうだが、ギリアムの自伝的な作品は、早くこの目 で観てみたいものだ。 * * 2005年3月1日付の第82回で紹介したアレックス・プロイ アス監督“Knowing”の映画化にニコラス・ケイジの主演が 発表された。 この作品は、以前に紹介したように、作家のライアン・ピ アソンが執筆したオリジナル脚本を映画化するもので、ケイ ジが演じるのは、自分の小学生の息子が通う学校で発見され たタイムカプセルを検証することになった教師の役。そのカ プセルの中には、地球の未来を決める恐ろしいものが入って いた…というお話になるようだ。 そして脚本は、『ブギーマン』のスタイルズ・ホワイトと ジュリエット・スノーデンによるリライトの後、さらにプロ イアスと、2003年にテレビ化された“Riverworld”の脚色な どを手掛けたスチュアート・ヘイセルダインによる改訂が行 われて、3月17日からメルボルンで開始される撮影が準備さ れている。 製作はエスケイプ・アーチスツ。なお同社では、第144回 で紹介したトニー・スコット監督、デンゼル・ワシントン、 ジョン・トラヴォルタの共演による“The Taking of Pelham 1.2.3.”と、第143回で紹介のジェイムズ・ラシター監督、 ウィル・スミス主演“Seven Pounds”と共に、本作の製作を ストライキ前に進める計画になっているもので、先行2本の 配給はソニーに決まっているようだ。 * * 最後に、ジェイムズ・ワンの監督で、日本の人気アニメを 実写映画化する“Dragonball”に関して、キャスティングが 進められている。 それによると、まず悟空役には、『宇宙戦争』に出ていた ジャスティン・チャトウィンが起用され、ピッコロはテレビ の“Buffy the Vampire Slayer”などのジェイムズ・マース ターズ、チチは韓国系のジェイミー・チャン、ヤムチャを韓 国ポップグループGODのパク・チュンヒョン、マイ(ピラ フの手下?)を『ヒーローズ』に出ている日本人女優の田村 英里子が演じる。そしてブルマ役には、何と『オペラ座の怪 人』のエイミー・ロッサムの出演が決まったとのことだ。 『少林サッカー』のチャウ・シンチーが製作を担当し、全 米公開は2008年8月15日に予定されている。
| 2007年12月10日(月) |
シナモン+、東京少女、ちーちゃんは…、アドリブナイト、はじらい、4ヶ月3週と2日、ジプシー・キャラバン、アイ・アム・レジェンド |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『シナモン the movie』『ねずみ物語』 サンリオ製作によるアニメーションで、『シナモン…』は商 品キャラクターの映画化、『ねずみ…』は辻信太郎著の絵本 の映画化となっている。 どちらもお子様向けの他愛ない作品ではあるけれど、大人の 目で見ると、いろいろ考えさせられるものも持っている。そ れに、特に『ねずみ…』に関しては、短い時間の中で冒険の 旅がバランス良く描かれていた。 上映時間は、それぞれ45分と53分。幼い子供の興味を引き付 けられるのはこの辺が限度というところだろう。その短い時 間の中で良く纏まりのある物語を展開しているものだ。 まず、『シナモン…』は、発表5周年を迎えるキャラクター だそうで、基本は小犬のようだが、物語では雲から生まれて 地上に落ちてくることになっている。そこで人間の女性アン ナに拾われ、彼女が開いているカフェで仲間たちと出会う。 ところがアンナの後を着けている奴がいて、そいつは生半可 な魔法でシナモンとアンナの間を邪魔しようとするのだが… この悪役チャウダーの存在がストーカーのように描かれてい て、その感情のエスカレートぶりなどが、それなりに現代的 な物語になっている。 監督は杉井ギサブロー。実は評判の『あらしのよるに』は、 物語的にあまり気に入らなかったものだが、今回は物語も納 得できた。また声の出演は、シナモンとその仲間達は声優が 担当し、アンナを石原さとみ、そしてチャウダーその他を陣 内智則が演じている。 一方の『ねずみ…』は、山奥の古い屋敷に暮らすネズミ一族 の物語。そこではもちろん人間やその他の動物と闘いながら の生活が続いているが、一族をまとめる長老が高齢となり、 2匹の若いネズミにその跡目を継ぐための試練が課せられる ことになる。 その2匹は、思慮深く仲間思いだが行動が伴わないジョージ と、行動力はあるがちょっと横暴なジェラルド。そして2匹 に課せられた試練は、遠くの月の谷に赴いて、そこに棲む光 の竜を捕らえてくることだったが… この2匹に、それぞれの相棒や勝ち気な雌ネズミなども加わ って、冒険の旅が繰り広げられる。物語全体は、良くある冒 険ファンタシーという感じだが、これもお子様向けというと ころでは、良い感じのハラハラドキドキになっていた。監督 は波多正美。 なおアニメーションは、『シナモン…』を韓国のスタッフ、 『ねずみ…』は中国のスタッフが担当しており、特に『ねず み…』では要所に3DCGIまで使われていた。 また主題歌を、『シナモン…』が東方神起と、『ねずみ…』 はやはり韓国のMAYが担当している。因に、MAYは「日 本音響研究所」の調査で、「癒しの声」と証明された歌声の 持ち主だそうだ。
『東京少女』 毎年この時期になるとBS−i製作の『ケータイ刑事』シリ ーズというのを観せられて、何と言うかアイドル偏重の学芸 会映画には、正直困ったものだと思っていたものだ。 ところが今回、その同じスタッフと、今年の1月に紹介した シリーズの第2作に主演していた夏帆の主人公役で作られた 本作は、例年のシリーズを離れ、僕にも納得のできる見事な SFファンタシーになっていた。 主人公は、「ファンタジーノベル大賞」を目指しているSF 少女。そんな彼女がある日、母親と訪れた都心のビルの非常 階段の手摺から誤って携帯電話を落とし、それが空中に消え るのを目撃する。 その携帯電話は時空間を飛び抜け、約100年前の1人の青年 の頭上に落下した。彼は夏目漱石の門下生で、その日はその 場所に建っていた出版社の編集部を訪ねていたのだが、その 日も彼の作品には自分が描けてないと批評を受けていた。 こうして100年前の青年の手に渡った携帯電話は、月が上空 に出ているときだけ現代と交信できることが判明し、主人公 は100年前の青年と話を交わすようになるが… 物語の設定は、過去にも幾らでも類例を挙げることのできる ものだが、そんな物語が、現代の女子高生を主人公に見事に 再構築されている。そして展開も、ある種定石通りのもので はあるが、そこでの道具立てが期待以上に決まっていた。 特に2人が新月の日に銀座で行うデートのシーンは、明治村 に残された当時の建造物と現代の建物が対比されて、銀座の 歴史も感じさせてくれる見事な展開になっている。 そこに描かれた銀座に100年の伝統が息づいているという事 実は、試写会場を出て海外ブランドショップの並ぶ銀座方面 を眺めたときに、最高の皮肉にも思えたものだ。 監督の小中和哉は、2004年『ULTRAMAN』などでSF 特撮の第1人者と呼ばれているようだが、彼の監督デビュー 作の『星空のむこうの国』は、当時NHK少年ドラマシリー ズの再来を目指すともされていたもので、その趣旨は本作で も充分に感じられた。 3月に紹介した『きみにしか聞こえない』といい、この作品 といい、このままではSF界からも無視されかねない作品だ が、何とかこのような作品が無視されないよう、ちゃんと評 価される形にしたいものだ。
『ちーちゃんは悠久の向こう』 日日日と書いて「あきら」と読むらしいライトノヴェル作家 のデビュー作の映画化。原作はいろいろな賞も受賞している ようだ。 幼いときからずっと一緒だったちーちゃんとモンちゃん。高 校生になっても同じクラスで学ぶ2人はいつも一緒。でも部 活は別で、モンちゃんは弓道部、ちーちゃんはオカルト研究 会に入っている。 そして、部室で古いガリ版刷りの「学園七不思議」を見つけ てちーちゃんは、モンちゃんを誘ってその探索を始めるが… それは全部を指示通りに巡り終えたとき、願いが叶うと言い 伝えられているものだった。 映画を見続けていると、ある種の隠された設定には気が付き 易くなる。この作品の設定は、ある過去の話題作と同じもの で、原作の発表時期から見ると、作者もその映画を観てこの 作品を発想したものだと思われる。 ただしそれはいわゆるパクリとかではなく、同じシチュエー ションを使って自分ならどんな物語を作れるかという部分に 立つもので、その部分では本作は見事に新たな物語を構築し ているものだ。 とは言え、やはり気付いてしまうのは仕方ないもので、この 映画化ではかなり早い部分でその示唆があって、それからは その設定が生じさせるはずの問題を如何にうまく演出処理し ているかに興味を引かれて映画を観ることになった。 まあ簡単に言えば、気が付かなければもう一度観て確認しな ければならないことを、最初から確認しながら観ていた訳だ が、逆に初めて観ながらの確認(?)というのもこの上なく 新鮮なもので、それだけでも結構楽しめたものだ。 ただ結末は、これでは甘いと感じられたが、これは原作に書 かれたものなのだろうか? 主演は、進研ゼミなどのCFに出演の後、アニメ版『時をか ける少女』の主人公の声優で映画デビューした仲里依紗と、 映画『バッテリー』で3000人のオーディションから選ばれた 林遣都。他にモデル出身の高橋由真。また、堀部圭亮と西田 尚美が脇を固めている。
『アドリブナイト』(韓国映画) 第79回オール読物新人賞を受賞した平安寿子による同名の短 編小説を、韓国で映画化した作品。 物語は、末期ガンで死期の迫った老人の隣人たちが、10年前 に家出した老人の1人娘を捜そうとするもの。ところが捜す 人たちにも娘は幼い頃の印象しかない。そんな隣人たちがソ ウルの繁華街で面影のある女性を見つけるが、彼女は人違い だと言い張る。 しかし事情を聞かされ、嘘でも良いから老人を看取ってくれ と頼まれた彼女は… 前回紹介した『カンナさん大成功です!』は、整形美容が日 常化している韓国の方が理解されやすかったと書いたが、本 作の場合も家族関係が希薄になった日本より韓国の方が似合 っている感じがする。 映画の中では、「家族が看取らないと死者があの世で迷って しまう」というような台詞が出てきたと思ったが、日本では それも叶わぬ独居老人が多いはずだ。その点、この映画に描 かれた韓国では、まだしっかりと家族関係が残されているよ うだ。 その一方で、昏睡状態とはいえ、まだ息のある老人のそばで 大喧嘩が始まる様子などは、日本でもありそうだなと思って しまうところだ。もちろん原作は日本の小説なのだから当然 だが、映画で違和感なく描かれているということは、韓国で も同様なのだろう。 なお映画後半では、韓国の通夜の様子も描かれるが、焼肉を 食べながらの夜明かしというのは、日本の雰囲気とはかなり 違って面白かった。 主演は韓国テレビドラマの四季シリーズで『春のワルツ』に 主演したハン・ヒョンジュ。他に『春夏秋冬そして春』に出 演のキム・ヨンミンが、繁華街で彼女に声を掛ける娘の幼馴 染みの役を演じている。 監督は、その巧みな描写力などで第2のキム・ギドクと呼ば れるイ・ユンギ。本作が第3作だが、いずれも若い女性の心 理を深く洞察したものだそうで、その流れの中での最新作と いうことだ。 また本作では、監督自身が韓国語に翻訳された原作を見つけ て映画化に漕ぎ着けたということだが、次回作にも平原作の 『素晴らしい一日』の映画化を予定しているそうだ。
『はじらい』“Les Anges Exterminateurs” 2002年に発表された『ひめごと』で、カイエ・デュ・シネマ の年間ベスト1やフランス文化賞を受賞したジャン・クロー ド=ブリソー監督は、2005年、その映画のオーディション中 にセクハラを受けたと主張する4人の女優に訴えられ、執行 猶予付きの有罪判決と多額の賠償金の支払いを命じられた。 本作は、監督の主張によると、その訴訟が起きる前に書き上 げられていた脚本の映画化だそうだが、あまりに現実に似た 展開は、監督の贖罪か皮肉、それとも言い訳かという感じに も捉えられる。 物語は、次回作の準備を進める映画監督が主人公。その映画 で女性による究極の官能を描きたいとする監督は、オーディ ションを受けに来た女優たちに、カメラの前で自慰をしてオ ルガスムスに達するように要求する。 この要求に、ほとんどの女優は席を立ってしまうが、中には 応じる女優たちもいた。こうして集めた女優たちだったが、 やがて彼女たちの行動が怪しい雰囲気を帯び始める。そして そこには警察の陰も見え始め… ここから後は、ほとんど現実の通りとなってしまうが、取り 敢えず映画では、監督は女優に指1本触れようとせず、それ は女優から求められても応じなかったと描かれている。 それが真実かどうかは判らないが、女優たちが監督に視線に よる愛情を感じたとか、それを裏切られたから訴訟に及んだ という主張はちょっと自己弁護に過ぎるような感じもし、訴 訟が不当だったと思わせようとする魂胆は見えるものだ。 従って僕には、監督の言い訳のようにしか取れなかったもの だが、そのことを別にするとこの映画は、タブーへの挑戦と して面白いとは感じさせるものだ。ただし本当にやったら、 やはり女優から訴えられることになってしまうだろう。 そんなある種の男の欲望みたいなものが描かれた作品とも言 える。なお作品は日本ではR−18指定を受けるもので、これ は昔の成人映画だということだ。内容はともかく、その指定 は妥当の作品ではある。
『4ヶ月、3週と2日』 “4 Luni, 3 Saptamani si 2 Zile” 今年のカンヌ国際映画祭で、最高賞のパルムドールに輝いた ルーマニア映画。 チャウシェスク政権末期のルーマニアでは、労働力確保のた めに女性には最低3人の出産が要求され、子供を4人生むま では中絶も禁止、さらに14〜15歳の中学生女子にまで妊娠が 奨励されたという。当然避妊も禁止され、避妊具も店頭から 姿を消していた。 そんな1987年の大学の学生寮。その1室で、2人の女性が外 出の準備をしていた。それはビニールシートを用意したり、 大量の脱脂綿を用意したりというちょっと変ったもの。そし て1人が、ボーイフレンドから金を借りるために先に出掛け て行く。 女性は金を借りたその足でホテルに予約の確認に行くが、何 かの手違いで予約が入っていない。そして別のホテルの部屋 をとった彼女は、具合が悪くなったと連絡してきたもう1人 に代り、とある街角に男を迎えに行くが… 前段に書いた文章でも判る通り、彼女たちは違法な中絶をし ようというものだが、もちろんそれは犯罪行為だし、そこに は危険な罠も待ち構えている。そんな女性たちの1日の行動 を描いた作品。 物語の背景は現代ではないが、人は自由を奪われた中で如何 にしてその尊厳を保てるか、そんな究極のドラマが展開され る。それは時代を超えて現代にも訴えかけてくるものだ。そ して本作では、独裁制権の恐ろしさも見事に描かれていた。 実はチャウシェスクという人物は、一方でチェコ「プラハの 春」の制圧に軍隊を派遣しなかったり、1984年ロサンゼルス オリンピックには東欧諸国で唯一選手団を派遣するなど、ど ちらかと言うと西欧寄りの考えを持っていた。 それが一気に変貌したというのだから、自分の住んでいる国 だって、いつ何時こんな事態に陥るかも判らないものだ。そ んな杞憂にも似た感覚もこの作品は抱かせてくれた。 主演は、ルーマニア生まれだが、イギリスのテレビやロンド ンの舞台でも活躍し、受賞歴もあるアナマリア・マリンカ。 彼女はフランシス・フォード・コッポラ監督の新作“Youth Without Youth”にも出演しているそうだ。 なお、本作品は共産主義時代のルーマニアの歴史を主観的に 描くプロジェクト“Teles from the Golden Age”の第1作 として製作された。何とも強烈な黄金時代だ。
『ジプシー・キャラバン』 “When the Road Bends...tales of a Gypsy Caravan” ヨーロッパ映画やハリウッド映画に時々登場するジプシー。 旅から旅へ音楽一つで流れ歩く彼らの姿を追ったドキュメン タリー。 作品は、基本的に2001年秋に行われた5組のジプシーバンド による全米ツアーを追っている。それにスペイン、マケドニ ア、ルーマニア、インドなど、彼らの故郷に取材した映像を 加えてジプシー文化そのものにもスポットを当てたものだ。 ジプシー(ロマ)の文化というのが相当奥深いものであるこ とは想像していたが、11世紀のインドに起源を持ち、その生 活域はヨーロッパからアメリカにまで広がっている。そして 映画に登場した中ではスペインの人を除いて共通のロマ語を 話せるなど、民族の単一性もしっかり保持されている。 しかし国家を持つことを望まず、常に流浪の民として生活を 続けた人たち。実際にナチス政権下のドイツでは、ユダヤ人 と共に50万人のロマ人が虐殺されたが、ユダヤ人のようにそ れを強調することもなく、その事実はほとんど忘れ去られよ うとしている。 そんな流浪の民族に与えられたのは音楽の才能。彼らは音楽 を糧として世界に自己を認めさせる。その音楽の素晴らしさ は、この映画の中で充分に聞くことができるものだ。 ジプシーと言えば、映画に登場するときは大抵が悪人の役回 りで、ユダヤ人の守銭奴以上に差別的な扱いを受けている。 だから、この映画の中でもジョニー・デップが偏見を捨てて くれと訴えているが、それは一般社会の中でもその通りなの だろう。 ただ、個人的には、パリでジプシーの子供たちに金品を奪わ れそうになったことがあって(被害はなかったが)、偏見は 捨て切れないでいる。それも生活あってのことと言えばそれ までだが、そんな差別を生み出した過去は持っているはずの ものだ。 でもまあ、そんな偏見も追々無くしていけなければならない 物であることは確かで、そのためにもジプシーの文化をよく 知っておきたいと思うものだ。そんな期待にもある程度応え てくれる作品と言える。 短い上映時間でロマ文化の全てを描くことは不可能だが、そ れなりに理解を深めることはできる作品だった。
『アイ・アム・レジェンド』“I Am Legend” リチャード・マシスン原作の3度目の映画化。前作ではヴィ ンセント・プライス、チャールトン・ヘントンが演じた主人 公ロバート・ネビルに、『インディペンデンス・デイ』など で、何度も人類の危機に立ち向かってきたウィル・スミスが 扮する。 物語はほぼ原作の通りだが、科学的な背景は現代化されてい て、今回のシナリオでは、究極の医療技術として遺伝子組み 替えによって作り出されたウィルスが暴走し、人類を死滅さ せたことになっている。 さらに、主人公はそのウィルスに免疫があり、当然他にも免 疫保持者はいたはずだが、その人々も死滅してしまった理由 も、ちゃんと説明されているものだ。そして、人類最後の男 となった主人公は、ニューヨークで孤独な時を送っていた。 このニューヨークの風景が見事な映像で提示される。物語で は人類の死滅は2009年、そして現時点は2012年となっている が、その3年間で荒廃し切った大都会を主人公が愛犬と共に さ迷うシーンは、本当に見事に一言に尽きる。 因にこの映像を作り上げたのは、ソニーイメージワークス。 1998年の『GODZILLA』から、2002年、04年、07年の 『スパイダーマン』へと発展させたニューヨークの町並のC GIが、いよいよ他社作品でも威力を発揮し始めたものだ。 なお、ここで提示された2009年のニューヨークの風景による と、映画館では“Batman vs.Superman”が上映されていたよ うだ。またDVDショップには“Green Lantern”や“Teen Titans”のポスターが掛かっていて、これらの作品は2009年 までには製作されているらしい。 実はこれらの作品は、このサイトの製作ニュースのページを 読んでいただければ判るように、いずれも最近に映画化の情 報が流されたものばかり。しかし、現実にはちょっと難しい 情勢になっている作品もあって、これは製作サイドの夢かな という感じもしたものだ。その辺の遊び心も楽しかった。 物語の結末に関しては、賛否両論湧きそうだ。実際、原作至 上主義の僕としては、問題にしたいところではあるが、まあ 3度目の映画化ともなれば、このくらいは仕方がないかなと いう感じではある。少なくとも、原作の精神が活かされてい る点では、認められる改変というところだろう。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※ ※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※ ※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ここ何回かは、毎度のように登場するストライキの話題だ が、ついに製作延期の事態に陥る作品が出始めた。 現時点で延期が発表されているのは、ソニーの“Angels & Demons”“Edwin A. Salt”、ワーナーの“Justice League of America”“Shantaram”、TWCの“Nine”、MGMの “Pinkville”など、いずれも以前にこのページで取り上げ た期待作ばかりで心苦しいところだが、それぞれ製作開始直 前の最後の脚本改訂が脚本家のストに引っ掛かったものだ。 因に“Angels & Demons”では、前々回紹介したように、 製作者で脚本も担当するアキヴァ・ゴールズマンが、自ら手 掛けた脚本が物足りないとしていたものだが、そのリライト 作業が進まない内にストライキとなってしまった。このため 2月からの撮影も無理と判断されている。 ただしこの作品に関して、ソニーの製作担当者は「現在の 脚本でも充分に強力」と判断しているようで、一応公開日を 2008年12月19日から09年5月15日に延期とした上で、撮影は 2008年早期に行うとしている。また製作延期の発表後にも、 トム・ハンクスの相手役としてナオミ・ワッツが報告される など、脚本以外の製作準備は着々進められているようだ。 一方、第140回で紹介したトム・クルーズ主演のスパイス リラー“Edwin A.Salt”は、予定されていたテリー・ジョー ジ監督が降板を表明、替って製作者だったマイクル・マンが 監督することになったものの、監督の希望する脚本のリライ トが不可能になってしまった。 さらに“Justice League of America”では、俳優のスク リーンテストなども行われていたが、実は肝心の脚本はまだ 完成していなかったもので、これは延期も仕方のない状況だ ったようだ。ただし、ジョージ・ミラー監督の許、配役もほ ぼ固まってきているようで、ストライキ明けには一気に進む ことになりそうだ。 また、“Shantaram”は、準備された脚本では製作費が掛 かり過ぎることが判明して、エリック・ロスが製作費削減の リライトを開始したところでストに突入してしまった。しか もスト明けを待っての製作では、ロケ地がモンスーンのシー ズンに入って撮影が困難になるという状況もあるようだ。 しかしこの作品の場合は、監督のミラ・ナイールも、製作 者のグラハム・キングも、主演で製作も担当するジョニー・ デップも、撮影可能になり次第の再開を明言しており、多少 は遅れるものの、映画が製作されることは間違いないとされ ている。因にナイール監督は、2001年の『モンスーン・ウェ ディング』で国際的な評価を受けたが、今回はそのモンスー ンの影響でも製作が延期になってしまったものだ。 また“Nine”では、マイクル・トーキンの脚本に対して、 製作者のアンソニー・ミンゲラが手直しを開始したものの、 3日目にストに突入。しかもミュージカル仕立てのこの作品 では、脚本が完成しないとロブ・マーシャル監督によるダン スの振り付けなどもできないため、製作は完全にストップし ているとのことだ。因にこの作品では、キャストからキャサ リン・ゼタ=ジョーンズの離脱も発表されているが、これは ストとは関係ないそうだ。 そして“Pinkville”は、正に撮影開始の直前だったもの だが、脚本も手掛けるオリヴァ・ストーン監督の撮影中にも 脚本を改訂したいという行為が、脚本家組合員でもある監督 には認められなかったとのことだ。 いずれの作品も、ストライキ終結後の早期の製作再開を目 指してはいるが、作品によっては条件が厳しくなるものもあ るようで、ストライキは各方面にいろいろな波紋を広げ始め ているようだ。 * * お次も少しスト絡みの話題になるが、第143回で紹介した ブラッド・ピット、エドワード・ノートンの共演作“State of Play”からピットの降板が発表された。 この作品は、イギリスのテレビシリーズからの映画化で、 内容は新進政治家を巡るスキャンダルを描いている。そして 計画では、ノートンが政治家、ピットは彼を追求するジャー ナリストを演じることになっていた。ところが前回改訂中と 報告した脚本は完成したものの、11月15日に予定されていた クランクインを過ぎてもピットとケヴィン・マクドナルド監 督との意見が合わず、また現状では脚本の再改訂もできない ということで、ついにピットの降板となってしまった。 なおピットの降板劇は、最近では“The Fountain”でも起 きたものだが、今回の製作会社のユニヴァーサルでは、製作 が不能になった場合は、訴訟も辞さないとしているとのこと で、事態はかなり深刻なようだ。まあユニヴァーサルにして みれば、ようやく掴まえたピットに逃げられるのは、かなり ショックということなのだろう。 とは言え、当面は代役の獲得を目指すことになる訳だが、 そこにはストで次回作が延期になっているトム・ハンクスや ジョニー・デップの名前も噂されていた。しかし会社側は、 ラッセル・クロウに白羽の矢を立てたようで、一応クロウの 代演が決定になっている。それにしても、ノートンの政治家 とクロウのジャーナリストという配役は、何となく逆のよう な気もするが、それは見てのお楽しみになりそうだ。 * * 次はストとは無関係で、前回、第147回では新作の計画を 紹介したロマン・ポランスキー監督に、今度は“Polanski” と題された監督本人の伝記映画の計画が発表された。 計画しているのは、元は『沈黙の戦艦』や『ストリート・ ファイター』などにも出演していたアクション俳優で、最近 ではインディペンデントの監督としても活躍しているという ダミアン・チャパ。計画は、チャパの脚本、監督、出演で進 められるが、ポランスキーの承認は得ていないとのことだ。 因にチャパは、裁判記録などを克明に調査し、それと著作権 の存在しない一般的な情報に基づいて脚本を書いたとしてお り、それがその通りなら誰にも止められないものだ。 多少やばい気はするが、ナチ支配下のポーランドでユダヤ 人逃亡者として隠れ暮らした子供時代から、シャロン・テー ト事件、また幼い女優とのスキャンダルでハリウッドを追わ れ、さらにオスカーを受賞するなど、激烈なポランスキーの 半生は、まさに映画的な題材ではあることは確かだ。 撮影は1月から、ベルギー、ポーランド、それにアメリカ 国内で行われる計画。またチャパは、出演者としてはポラン スキー監督の初期作品のプロデューサーだったユージン・ガ トウスキーを演じるもので、ポランスキー役の俳優などはこ れから選考するとしている。 映画監督を描いた作品は過去にもいろいろあったが、中に は思い出したくないこともあるだろう。この計画に対して、 ポランスキーはどう反応するのだろうか。 * * ここからは、SF/ファンタシー系の映画の情報を紹介す る。 まずはこちらもスト絡みの話題からで、上記のようにスト で延期の決まった“Pinkville”に主演予定だったブルース ・ウィリスに対して、ディズニー製作でジョナサン・モスト ウ監督による“The Surrogates”というグラフィックノベル の映画化が、2月の撮影開始予定で発表された。 この作品については、今年4月1日付の第132回で一度紹 介しているが、人類が全員引き籠りになって、社会生活は全 てロボットが代行しているという近未来を舞台にしたお話。 そして今回の情報によるとそこで殺人事件が起こり、ウィリ スはその捜査を命じられた刑事に扮するというものだ。この ウィリス扮する刑事も最初は代行ロボットを使って捜査を進 めるが、やがて数年ぶりに家を出て実地に捜査をしなければ ならなくなる… 脚色は、4月の紹介通り、モストウと共に『T3』を執筆 し、現在進行中の“Terminator Salvation”も手掛けている マイケル・フェリスとジョン・ブランカトー。引き籠りとそ の代行ロボットということでは、2005年4月に紹介した日本 映画の『HINOKIO』を思い出すところだが、殺人事件 が絡むことになるとかなり話は違ってくる。でも公開時には ちょっと話題にしたいところだ。 なお、ディズニーでは来年3月までに7作の製作計画が決 定されていることを前回紹介したが、今回の作品は8番目と なるものだ。因に、先に決定の7本は、P・J・ホーガン監 督の“Shopaholic”、アダム・シャンクマン監督+アダム・ サンドラー主演の“Bedtime Stories”、ドウェイン“ザ・ ロック”ジョンスン主演の“Witch Mountain”、ロバート・ ゼメキス監督+ジム・キャリー主演“Christmas Carol”、 サンドラ・ブロック主演の“The Proposal”、さらに“High School Musical 3”“Hannah Montana”となっている。 * * 前の記事で、“Terminator Salvation”の題名が出てきた ので、次はその最新情報を紹介しておこう。しかもこれは、 ちょっとびっくりの情報だ。 作品については、以前から紹介しているように新3部作の 開幕になるとされているものだが、その主人公ジョン・コナ ー役に、何とバットマン/ブルース・ウェインも演じている クリスチャン・ベールの配役が発表された。 実はこの配役、報じられた当初は相当に疑問視する声が高 く、中には一時情報のあったコナー以外の戦士が主人公で、 コナーは脇役ではないかという意見もあって混乱していた。 しかし現在は、ジョン・コナー役で、しかも3部作通しての 主人公ということで最終的に確認が取れているものだ。 因に、この作品のアメリカ配給は『バットマン』も手掛け るワーナーが扱うことになっており、その線からは当然調整 もされていると思われるが、これが実現するとベールは、共 にシリーズで、ある種2大ヒーローとも言えるキャラクター を同時期に演じることになる訳で、かなり思い切った起用で あることは確かだ。 監督はMcG、撮影開始は3月15日、オーストラリアとブダ ペストで行われて、2009年夏の公開を目指す。 * * “Terminator Salvation”も4作目だが、続けて第4作の 話題を2本紹介しよう。 まずは“Final Destination 4”。前作では、監督が第1 作のジェイムズ・ワンに戻ったのに、ちょっとピンと外れに 見えたシリーズの第4弾の計画が発表されている。そしてそ の監督には、第2作を手掛けたデイヴィッド・R・エリスが 復帰、脚本も『2』のエリック・ブレスが担当しているとい うことだ。 このシリーズの場合、死神と、その到来の前兆に気付いた 主人公との争いが物語としてのテーマとなるものだが、第1 作ではデヴォン・サワの演じた主人公が相当に頭が良くて、 その出し抜きぶりが面白かったものだ。 ところがその一方で、死神の繰り出す死の罠が強烈で、そ の映像も話題になったもので、第1作からはアリ・ラーター のヒロインだけが継続した第2作では、その映像面が強調さ れたものになっていた。そして、ワン監督が復帰した第3作 もその流れの継続となってしまったものだが、正直僕には、 第1作の面白さを感じることはできなかった。 その第4作は、多分第2作以降の流れとなるのだろうが、 今回は3Dでの製作が行われるということで、あの死の罠の 数々が3Dで映像化されたら、それはそれなりに面白いこと にはなりそうだ。製作のスケジュールなどは未発表だが、配 給はニューラインが担当する。 * * そしてもう1本の第4作は“The Fast and Furious 4”。 前々回にヴィン・ディーゼルとポール・ウォーカーが戻って くるかも知れないと報告した情報が、本当になった。さらに 第1作でヒロインを演じたジョーダナ・ブリュースターも再 登場するとのことだ。 このシリーズでは、第1作の大ヒット直後に、スタッフ・ キャストをそのまま継承した第2作の計画が発表された。と ころが、ディーゼルが出演を拒否、監督のロブ・コーエンも 降板して、結局ジョン・シングルトン監督で製作された第2 作では、ウォーカーのキャラクターだけが再登場して、物語 もあまり継続性のないものになっていた。 これに対して第3作では、舞台も東京に移すなど思い切っ た改訂が行われ、それはそれで面白い作品になっていたもの だ。しかも、ジャスティン・リンが監督したこの作品では、 何とディーゼルのカメオ出演というおまけまで付いていた。 つまり第2作にはウォーカー、第3作にはディーゼルが登 場したもので、彼らのシリーズへの思い入れが感じられた。 そしてそのシリーズの第4弾で、再び2人が揃うことになる ものだが、この流れからは、こうなるのも必然という感じも するものだ。 なお第4作の物語は、ネットの情報では、第1作での問題 で刑務所に入っていたウォーカー扮するブライアンが、麻薬 捜査のために出所を許され、ディーゼル扮するドミニクと共 に潜入捜査に赴くということだが…これでは第2作とほとん ど同じになってしまうもので、僕自身は多少疑問に感じてい る。具体的な製作時期などは未発表だが、過去のシリーズの 配給はユニヴァーサルが担当している。 * * 続けてジョン・シングルトン監督の情報で、“Executive Order: Six”と題されたスリラーの計画が発表されている。 この作品は、雪に埋もれた小さな町を舞台に、飛行機の墜 落事故から出現した謎の存在が町を脅かす恐怖を描くという もの。スティーヴン・キング辺りが書きそうな物語だが、脚 本は、1997年『イベント・ホライゾン』などのフィリップ・ アイスナーが手掛けており、ちょっとSFタッチの作品のよ うだ。 正直に言って『ワイルド・スピード2』でのシングルトン の演出は、アクションとしてはあまり切れが良いとは感じら れなかった印象がある。でもまあSFホラーはアクションで はないし…。監督はジャンルムーヴィもあまり手掛けたこと はないはずだが、ここでどんな手腕を発揮するか楽しみだ。 因に、シングルトン監督の最近作は“Four Brothers”と いうものだが、実はその後に準備していたハリー・ベリー、 ビリー・ボブ・ソーントン共演の“Tulia”という1999年の テキサスでの麻薬事件を扱った実話に基づく作品が、ベリー の妊娠判明で急遽延期になっており、本作はその代りとして 急浮上した。製作は、リレイティヴィティ。撮影は2008年の 早期を目指すとされており、キャスティングなどはすでに進 行しているようだ。 * * 『スウィニー・トッド』の公開が迫ってきたティム・バー トン監督が、2008年は古巣のディズニーで2本の3D映画を 監督すると発表された。 その1本目は、ルイス・キャロルの原作による“Alice in Wonderland”。ディズニーでは1951年にアニメーションで映 像化された作品を、今回は『ライオンキング』などのリンダ ・ウルバートンの脚本により、『ベオウルフ』でも採用され たパフォーマンス・キャプチャーの技術を使って再映画化し ようというものだ。 因にディズニーの製作担当者は、製作者のジョー・ロスが 提示した脚本を見るなり、「このヴィジョンを映像化できる のはティムしかいない」と判断したそうで、そのヴィジョン がどんなものであるかは定かでないが、面白いことにはなり そうだ。撮影は2月に開始され、5月中の完了を目指すとし ている。 そしてもう1本は“Frankenweenie”。1984年にバートン が監督した短編作品(昨年3D化された)を長編化するもの で、この作品はオリジナルと同様ストップモーションで撮影 されるが、今回は最初から3Dでの撮影が行われるというこ とだ。製作は『アリス』に続けて行われる。 ディズニーの3Dでは、『チキンリトル』と『ルイスと未 来泥棒』、それに『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』が すでに発表されているが、今回の計画を合せて、3Dで一気 に攻勢を掛ける考えのようだ。 なお、日本ではなかなか進まないと心配していた3D上映 だったが、12月1日の『ベオウルフ』の公開では、ワーナー マイカル系の全国20館で3D上映が実施されている。 所在地は、北海道江別、宮城県名取エアリ、茨城県守谷、 埼玉県羽生、浦和美園、東京都板橋、武蔵野ミュー、多摩セ ンター、神奈川県新百合ヶ丘、みなとみらい、港北NT、新 潟県新潟南、石川県御経塚、岐阜県各務原、大阪府茨城、り んくう泉南、福岡県福岡ルクル、熊本県熊本クレア。この内 の多摩センターと港北NTは以前から3Dが設置されていた ものだが、それに一気に18館が加わることになった。 この外、舞浜イクスピアリと大阪のIMAXでも3D上映は可 能で、都合、日本全国で最大22館の3D公開が可能になって いる。Real-Dでの3D上映は、入場料が割増し設定になっり もしているようだが、その効果は本当に素晴らしいものなの で、一度は体験してほしいと思うものだ。 * * 『トランスフォーマー』のヒットを受けて、またまた玩具 からの映画化がパラマウントで進められている。 進められているのは“G.I.Joe”。女の子のバービー人形 に対抗して、男の子向けにハスボロ社から発売された軍人仕 様の人形で、そのコンセプトストーリーは、コミックブック やテレビアニメシリーズなどへも展開されているものだ。 その実写映画化が、『トランスフォーマー』も手掛けた製 作者のロレンツォ・ディ=ボナヴェンチュラによって進めら れ、監督には、『ハムナプトラ』シリーズなどのスティーヴ ン・ソマーズの起用も決まっている。そしてその出演者に、 同じ製作者の『スターダスト』にも出ていたシエナ・ミラー の名前が発表された。 主人公は男性だと思われる作品に、女優が先に決まるのも 変な感じだが、彼女が演じるのは、黒髪の男爵未亡人で、ス パイ活動を行っている悪女のような女性主人公と説明されて いる。因に、GIJOEは、Global Integrated Joint Operating Entityの略称という設定もあるようで、国際協力の許に設立 された軍事力を行使する機関とされているものだ。そして敵 役には、スコットランド人の武器商人が率いるハイテクを駆 使した悪の組織の存在が描かれるとのことだ。 ミラー以外の出演者は未発表だが、撮影は2月中旬に開始 され、公開日は2009年8月7日と発表されている。 * * 最後に訂正を一つ。前回“Star Trek XI”の情報の中で、 ウィノナ・ライダーがヴァルカン人の母親を演じるとしたの はやはり誤報だった。彼女が演じるのは地球人女性のアマン ダ・グレイスン。彼女は、ヴァルカン人のセレックと結婚し てスポックが誕生するものだ。なおセレック役は、『炎のラ ンナー』などのベン・クロスが演じている。
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