へる(ぷ)の日記
へる(ぷ)



 





お前に何がわかる?

お前に何がわかる?

お前は何がわかったんだ?









2004年11月30日(火)



 




昼も夜も嫌い

本当に好きなのは朝

音の少ない世界だけが

僕のどこか一部分を

自由にしてくれるから







2004年11月29日(月)



 




達観でなく逃亡

逃げ場のない逃避行

左手に一冊の本を抱え

右手でカッターを持ち

「ごめんなさいほんとうにごめんなさい」

と呟きながら

僕は狭いこの世界を逃げ回る










2004年11月28日(日)



 





女を口説こうとする自分の言葉に

僕はいつも口説かれている

とどのつまり全ての恋愛ゲームのパートナーは

全て自分自身だった

残念すぎる答えかな?







2004年11月26日(金)



 





回り道したところで

君に辿り着くための足跡一つ見つけられない

もしかしたら僕らは会えない運命なの?

酷く気弱な声で呟いた自分に腹が立ち

浴室の鏡を割った手に流れる血で

「さよなら」と壁に書きなぐった

誰のための「さよなら」かなんて考えてもいなかったが

今思うと

自分自身と一番別れたかったのだろう

笑いがこみ上げてくる

笑いが止まらない

こんな姿の僕を

未だに会ったことのない君は優しく抱きしめてくれますか?









2004年11月25日(木)



 




笑ってください

本気でこの夢から目覚めたくないと

駄々を捏ねる僕のこと

笑ってください

目覚めて膝を抱えて涙する

脆く幼い僕の心。








2004年11月24日(水)



 




夢の中の住人が

僕にとっての

無花果の最後の一葉

風に吹かれるか

はたまた誰かに毟り取られるか

そんな儚い 

最後の恋人。







2004年11月23日(火)



 




いつでも会えていつも触れない

そんな恋愛寂しいけど

貴女が夢の中でしか会ってくれないのなら

それも仕方のないことなのかもしれません

ただお願いがあります

それでもいいと思っている僕を見捨てないでください

どうか

僕を裏切らないでください








2004年11月22日(月)



 





便座に座って溜息一つ

暇つぶしに眺める左腕

無数の浅い傷痕 縞模様

演技が下手な僕の病気

本気で切ったら死んじゃうもん

本当はまだ死にたくないもん

死にたくないもん死にたくないもん

「先生 毎日 死にたくなるんです」

嗚呼可笑しい

演技が下手だな 僕の病気










2004年11月21日(日)



 





恥を忘れた人の個性

自分勝手に酔いしれて

集団生活を忘れた畜生の群

行く先解らず餓え始め

共食いですら恥と思わない

個性個性個性

嗚呼カッコイイネ。









2004年11月20日(土)



 





「男なんてみんなヤリタイだけでしょう?」

卑下するようなお前の言い方

そんなお前が淫乱だ

そんなお前が醜悪だ








2004年11月19日(金)



 





狂った歯車を補正できるほど

僕は強くもないし

気長な努力家でもない

誰かに何かに寄りかかってないと

生きていられないぐらい

生まれた時から弱い人間なんです

あなたにはすがるものがありますか?











2004年11月18日(木)



 





「これでよかった」

と思ったら急に涙が出て私は

1人で泣いた

私が良かったって思わなきゃいけない

「これ」って何の悲しみなんでしょう?

そもそも

私は何故泣いているのでしょう?








2004年11月17日(水)



 





知ってる

酒を断つことが

人を絶つことなんだって

だから怖くて飲んでた

怖くて酒が手放せなかった

「この毒を飲みきれば きっと 僕は独りにならない」

中毒症状はアルコールよりもむしろ

孤独がもたらした症状じゃないのか

そう思うと 自分の弱さに吐き気がする

飲みすぎて嘔吐する時のような

後悔の吐き気がする。









2004年11月16日(火)



 





何がしたかった?

僕らの初心は

何時から腐ったんだろうね

ねぇ

ボクラハナニヲシタカッタノ?







2004年11月15日(月)



 





「違う違う

君は罪を犯したんじゃない

生きていることが君の罪なんだ」

笑わないニュースキャスターが僕のことを

そんなふうにコメントした。










2004年11月14日(日)



 





自分自身とさえもセックスできない

心も体もインポテンツな僕を

嘲笑う君が居る






2004年11月13日(土)



 





変だな僕は

自分とジブンの歩幅が

一致しない







2004年11月12日(金)



 





何時も一人で泳ぐ

乳白色の

心の海 意識の海

底なしの欲







2004年11月11日(木)



 





恋愛したいと思う自分がキモチワルイ

一人が寂しいからって

誰の足を引っ張っぱりたいのだろう









2004年11月10日(水)



 





景色が

揺れる

ずれる

ノイズまみれ

確実に

何かに

脅されている

僕が僕でなくなる前に

僕が一番僕らしい姿であるところを

君の海馬に焼き付けたい












2004年11月09日(火)



 






結局

僕は僕自身に罪を背負わせているだけ

背負わなくて良い罪を

背負わせたいとも背負いたいとも思う

マゾヒストな自分。











2004年11月08日(月)



 





ただ

「この子はこれからも罪を背負い続けるんだろうな」

としか思えなかった

一度背負った罪を投げ出すことが出来ないと言うことに

気づかない若さに苛立ちつつも

何故か羨ましいと思った

体だけではない

確実に心も大人に近づいているのだろう

ギャップが徐々に埋まる自分を

素直に喜べない自分












2004年11月07日(日)



 





人が抱える罪悪感ってのはさ

丁度ワインみたいなもんだと思う

熟成したワインの喉越しは最高だが

熟成させすぎて境界線越えてしまったワインは

腐ってて飲み込めやしない

仮に飲み込んでも体が腐りに取り付かれてマイナスに向う

罪悪感ってのもそんなもんだろうよ

抱えるなとは言わんが抱え過ぎるのもどうかと思うぞ










2004年11月06日(土)



 






部屋隅に

膝を抱えて

座り込み

腕を流れる

後悔の赤










2004年11月05日(金)



 





快楽も

夢希望も

絶望も

鯨飲した喉に

焼きつく痛み







2004年11月04日(木)



 





夢をね

薄めたいから

僕はお酒を飲むんだよ

酔っ払って忘れたい訳じゃないのは

夢を失くした先の自分が怖いから

全てを失くして笑顔で外を歩けるほど

僕は強くなれないんだよ











2004年11月03日(水)



 




常食に

求めて止まない

母の味

薄まることのない

味噌汁の鹹さ











2004年11月02日(火)



 





さようなら

上手く言えずに

一人酒

溢れて濡らすは

酒か涙か








2004年11月01日(月)
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