ATFの戦争映画観戦記



【File131】期待大ナリ・・・最新戦争映画情報

2008年10月19日(日)

Les femmes de l'ombre
「暗闇の女たち」
レジスタンス活動に身を投じていたルイーズは、同じくレジスタンスだった夫が独軍に殺された後にロンドンへ亡命。英軍の諜報破壊工作機関、特殊作戦執行部(SOE)に加わった。最初の指令はノルマンディー上陸作戦前夜、ドイツ軍に捕らえられた英国諜報部員の救出だった。ルイーズは作戦実施に適した様々な特技を持つ女性たちを選抜、作戦実施部隊を編成する。メンバーを選抜するためには手段を選ばないところは「特攻大作戦」等過去の特殊作戦物の伝統を受け継いでおります。さてルイーズは、男を手玉に取る術に長けた踊り子スージー、爆薬の専門家の化学者ガエル、そして殺人も平気な娼婦ジャンヌを部隊に加える。独占領下のノルマンディーに降下、潜入した彼女たちは、レジスタンスの生き残りで無線を操作できるユダヤ人女性マリアと合流。ドイツ軍の医療施設に監禁されている英国諜報員の救出に向かう。彼女たちは看護婦とストリッパーに変装し諜報員の救出、迎えの英軍機で脱出に成功させる。パリへ戻った彼女たちに、SOEは新たな任務を与える。それは独軍の対諜報活動部門のトップ、ハイドリッヒ大佐の暗殺だった。大佐は、ノルマンディー上陸作戦について多くの情報を握っていた。しかし彼女たちの計画を察知した大佐の執拗な追跡を受けながら、彼女たちは不可能な任務に挑んでいく。
ヨーロッパ映画に多い戦争の悲壮さや悲劇性はあまり感じられない。どちらかと言えば展開もテンポも早いハリウッド戦争アクションに近いエンターテインメントらしい。英国諜報員の救出、独情報部大佐の暗殺計画、仲間の裏切りや死を乗り越えての任務遂行。運命に翻弄される主人公ルイーズたち。「シャーロット・グレイ」「ブラック・ブック」に続く久しぶりのヒロイン物戦争映画である。


Miracle at St. Anna
「サンタ・アンナの奇跡」
殺人犯ヘクター・ネグロンのニューヨークの自宅で見つかったのは、イタリアの歴史的文化的遺産・・・大理石の彫像の頭部。これが第二次大戦下のイタリアで起こったミステリーの謎を解く鍵となる。スパイク・リー監督の最新作は、1944年第二次世界大戦下のイタリア、トスカーナに派遣された米陸軍の黒人兵士部隊・・・第92歩兵師団(通称バッファロー・ソルジャーズ)の兵士を描いた物語。黒人差別主義者の上官によって、味方から取り残され、イタリアトスカーナ州の山村サンターナ・ディ・スタゼマ村に孤立無援の状態で取り残された黒人兵士たち。そして余りに衝撃的な体験から記憶を失ったイタリア人少年。運命に翻弄される彼らは生き延びる事が出来るのか・・・。この物語は、1944年敗色濃いイタリア戦線中部のスタツェーマ村で実際に起こった事件を題材にしている。抗独パルチザンに手を焼いていた独武装親衛隊は、抗独パルチザンのアジトを教えるよう村人に要求するが、村人はそれを拒絶。怒った独武装親衛隊は、村人のほぼ全員560名を射殺し遺体にガソリンをかけて燃やした。その中には10歳以下の子どもも72人が含まれており、また臨月間近の妊婦の遺体もあったという。(2005年、61年前の村民虐殺の罪で元独親衛隊員10名に伊法廷は終身刑を言い渡した)。しかしイタリアでは、パルチザンが虐殺に関与していたという描写が史実を曲解していると批判が集中しているらしい。スパイク・リー監督と言えば、クリント・イーストウッドの「父親たちの星条旗」で黒人兵士が描かれていない、といちゃもん付けて壮絶な舌戦を繰り広げたらしいですが・・・。



Defiance
「反抗」
新ジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグ主演最新戦争映画。監督はアメリカ南北戦争を描いた「グローリー」湾岸戦争を描いた「戦火の勇気」明治維新を舞台とした「ラスト・サムライ」アフリカのダイヤモンドを巡る紛争を描いた社会派アクション「ブラッド・ダイヤモンド」など戦争や紛争を題材とした多くのアクションドラマを世に送り出してきたがエドワード・ズウィック。第二次大戦中、独統治下のポーランドから逃れ、ナチスの迫害から逃れるためにベラルーシの森林地帯に逃げ込み、そこでパルチザンのコミュニティを築き上げ、1200人以上ものユダヤ人の命を救ったユダヤ系ビエルスキー兄弟の抗独抵抗活動の実話を基にしたアクションドラマ。ダニエル・クレイグはビエルスキー三兄弟の一人を演じる。ズウィック監督は第二次大戦を舞台にした作品を手がけるのは今回が初めて。八年前に、ホロコーストの生き残りでコネチカット大学スタンフォード校の社会学教授のネカマ・テック原作のノンフィクション「Defiance:The Bielski Partisans」の映画化権を獲得し製作を進めていたそうである。


L’Ennemi intime trailer
「いのちの戦場」
1959年、独立を求めるアルジェリア民族解放戦線とあくまでも植民地支配を貫こうとするフランス軍の戦闘は激しさを増していた。そのアルジェリアへ独立への理想に燃え自ら志願して若きテリアン中尉が赴任してきた。しかし赴任先のカビリア山岳地帯で、日々横行する拷問と殺戮の蔓延する地獄の戦場は、次第にテリアン中尉の精神を極限状態へと追い詰めていく・・・人間性を保とうと葛藤しながらも矛盾をはらんだ過酷で残虐な戦場で、極限まで追いつめられたテリアン中尉が直面した狄燭療┃瓩箸・・・?ほんの10年前までフランス政府は単に「事件」と呼び、独立紛争とは認めなかったアルジェリア独立戦争を題材に、戦争の悲惨さ、愚かさを正面から描いた問題作。アメリカがベトナム戦争や湾岸、イラク戦争を、旧ソ連がアフガン戦争を描いてきたように、フランスもアルジェリア戦争について描かねばならない、との視点から製作された話題作。


The Hurt Locker
混迷のイラク・・・バクダッドに駐留する米軍の爆発物処理班。日々米軍やイラク警察からの通報により現場に直行し爆発物を解体処理する。そこに新しくジェイムス上級軍曹が配属されてきた。遠隔操作ロボットも使わず、いきなり現場に乗り込み爆弾を発見。慎重を促す仲間の言葉を無視し対爆防護服も着ずに爆弾処理に取り掛かる。そんな彼のやり方が気に入らな慎重派のサンボーン軍曹。そして若くて経験も浅く臆病者のオーウェン。この三人を中心に物語は描かれていく。除隊までの日々、一日のミッションが終わるたびに「今日も生き残った」と実感する。仕掛け爆弾は序々に巧妙となり危険が高まる中、ジェイムスの無謀な行動は部隊の秩序を乱していく。極限状態の強烈な刺激は、彼らの精神を冒していく・・・「War is the Drug(戦争は麻薬)」やがて彼らは戦争なしでは生きられなくなっていく・・・


Tropic Thunder
「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」
人気コメディアンのベン・スティラーが監督・主演を務める戦争アクション・コメディ。戦争映画に出演したおかしなハリウッド俳優たちが、麻薬カルテルとの命懸けの戦いに巻き込まれるというドタバタ・ストーリー。スティラーは演技派への転向に失敗したアクション俳優、ジャック・ブラックがおバカ映画専門のコメディアン、ロバート・ダウニーJr.が役作りにのめり込み過ぎて黒人に整形してしまうシリアス俳優役。何も考えずに観るべし。


【おまけ】
HELLSING The major's speech

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