白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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当日記は移転しました。下記で更新を続けています。
引越し先 白い木蓮の花の下で


2006年04月29日(土) スペイン道中【マドリード前半〜スペインの空】

スペイン観光最終日は首都マドリード&トレド。午前中は美術館をハシゴ。プラド美術館とソフィア王妃芸術センターへ。トレドの教会ではエル・グレコの絵を見たので、絵画尽くしの1日と言っても過言では無かった。

ぢつは私。絵画を見るのは大好きなのに、ピカソ、ダリ、ミロ、エル・グレコというスペインを代表する画家達が大の苦手だった。前者3人は、絵を見ていると脳味噌を掻き回されたような不愉快な気分になるし、エル・グレコの陰気な絵は死にたくなるから嫌いだったのだ。

「だった」と過去形なのはスペインへ行って嫌いぢゃなくなったからである。

その画家が育った場所に行ったのが良かったのか、それとも特定の画家の作品をドッサリまとめて観たのが良かったのか。あるいは単に、私の感性が大人になって変わってきたから感想が変わったのか。理由のほどは分からないけれど、彼らが嫌いぢゃ無くなったのはスペイン旅行の大きな収穫だった。

トレドは中世から時が止まってしまったかのような街並みが残っていて、特に高台から観た景色は素晴らしかった。「スゴイ……エル・グレコの絵、そのままだ…」とて、1人で感激。残念ながら夫とは絵画の趣味は分かち合えないのだ。いくら夫婦だからって、感性が似ているとは限らない。しかし、これは私が夫のサッカー熱に付き合ってあげられないのと同じなので仕方が無い。

以前、私より先に結婚して新婚旅行でイタリアに行った友人が「新婚旅行は楽しかったけれど、海外は友達と行った方が良いかも…」と話してくれたことがあって、その時は心の中で「贅沢なこと言う人だなぁ」と思ったものだが、私も同じことを感じた。今回は新婚旅行なので致し方ないけれど、趣味・嗜好の似た人と旅をしてみたい……と思ってしまった次第である。感性の違う人と旅をするから味わえた楽しみだってある……ってことを念のため付け加えておきたい。

それにつけても、スペインの南の青い空も美しかったが、陰気に重苦しい灰色の空も素晴らしかった。『智恵子抄』の中に「東京には空がない云々」の詩があるけれど、空ってのは続いているくせに、場所によって全く違うのだなぁ……ってことを、しみじみ感じた。スペインの空は日本の空と全然違う。同じ空なのに不思議なことだ……ってことで、マドリードの思い出は明日に続けることにして、今日の旅日記はこれにてオシマイ。


2006年04月28日(金) スペイン道中【コルドバ〜姐さんはサッカーがお好き】

スペイン旅行も終盤。グラナダからマドリードまでバス移動。途中、コルドバに立ち寄った。

コルドバはイスラム教の香りが色濃く残る街だった。異文化がミックスされた街とも言えるし、キリスト教徒の横暴を露わにした街とも言える。イスラム教のムスクの中に、キリスト教の聖堂を見た時には、胸に酸っぱいものを感じてしまった。

コルドバにもセビリアと同じく『ユダヤ人街』と呼ばれる、かつてユダヤ人が住んでいた迷路のように入り組んだ一角があり、私達夫婦はフリータイムを利用してユダヤ人街を散策した。目的は愚弟の土産物。飾り物…と言うか玩具の銃を購入しよう……とて。しょせん玩具ではあるけれど、欧州のそれらは細工がとても美しく、日本で買うと非常に高価だったりするのだ。愚弟は趣味でファンタジーに出てくるような武器を収集しているので、その1つになれば良いかな…と。

観光客向けの『武器屋』さんで、中世の海賊が持っていそうなゴテゴテした飾りの付いた銃を購入。その際、夫は店番の姐さんとサッカー話で異様な盛り上がりで意気投合していた。姐さんが夫に「あんた、日本人だね。ところでサッカーはレアルとバルサ、どっちが好きよ?」と聞いたところ、夫が「もちろんバルサだよ」と答えたのが良かったようだ。姐さんは熱烈なバルサファンだったらしい。すっかりご機嫌になった姐さんは、銃のオマケにライターをくれた。旅行中、スペインで何度か買い物をしたけれど、オマケをつけてくれたのは、ここの姐さんだけである。

そんな感じでコルドバを散策した後、スペインの新幹線、AVE(アベ)に乗ってマドリードへ。気分はすっかり『世界の車窓から』。耳元で石丸さんのナレーションが聞こえてきそうな勢い。草臥れていたはずなのに一秒たとも、うたた寝する事もなく、添乗員さんなと、あれこれ喋りながらマドリードへ。

マドリードでの夕食は中華料理だった。日本人のツアーには、行程の終盤で中華か日本食が入ることがある…とは聞いていたけれど、個人的にはガッカリだった。私はパンより白いご飯が好きな人間だけど、日本食が恋しい…とは思わなかったので。

その夜…夫はスペイン旅行中の食べ過ぎが祟ったのか、少し体調を崩していたので早めに就寝。私は……と言うと、日頃へタレ体質なくせに、旅行中は馬鹿みたいに元気だった。夫の寝顔を見ながら「私は自分が思っている以上に長生き体質なのかも…」なんて能天気なことを思いつつ、マドリードの夜はふけていった……ってことで、今日の旅日記はこれにてオシマイ。


2006年04月27日(木) スペイン道中【グラナダへ〜スペインの物差し】

『セマナ・サンタ』の祭りを堪能した翌日、現地ガイドさんについてセビリアを観光。その後、バスに乗ってグラナダへ向かった。途中、地中海を一望出来る「ミハス」という可愛らしい街へ立ち寄る。いかにも地中海の街…というような白い壁の建物が並び、乙女好み、女性好みの佇まいだった。

セビリヤの街もガイドさんに連れられて歩くと印象が変わって面白かったし、ミハスでの教会では、襟元にセマナ・サンタの山車参拝で貼ってもらったシールがキッカケで地元の爺様から声をかけられたり……とそれなりに楽しかったのだけど、私も夫も前日の祭り見物で力を使い果たしていたので、この日は比較的ローテンションだった。

赤い土とオリーブの畑を横目に見ながらバス移動。スペインの運転手さんは荒っぽいので少し車酔いをしてしまった。そう言えばセビリアで乗ったタクシーの運転手さんも荒っぽい人で、街からホテルまで90kmでぶっ飛ばしていたっけか。これスペイン人の国民性なのかなぁ……と思ったりした。

旅行の間も、旅行から帰っても「スペイン良かったよ〜」と言い続けている私だが「スペイン最高!」とまでは思っていない。

どの国だってそうだけれども、良いところもあれば悪いところもあるのだ。特産品の1つであるオリーブの畑だって、スペイン人は、しんどい仕事をコツコツするのが苦手で、その収穫のほとんどは外国人の不法入国者の手によるものだし、バルセロナやマドリードと言った都会は非常に治安が悪い。スペイン人は日本人に較べると、熱心に働かない…ってのはいまさら言うに及ばない。セマナ・サンタで涙を流すのもスペイン人ならば、血なまぐさい闘牛(闘牛見物はこの後に)に歓喜するのもスペイン人なのだ。

スペイン旅行の中で、結局のところ自分の持っている物差しで他人を推し量ることは出来ないんだなぁ……ってことを改めて肌で感じた。もちろん「自分の物差し」が無いようでは困る訳で、そこのところの兼ね合いをどうするか…ってのが大きなポイント。今までだって出来るだけ柔軟な考えや視野を持とうと努力はしてきたつもりだけど、はじめて日本以外の国に滞在してみて「もっと柔軟にならないとなぁ」と思った次第。

唐突に「海外旅行をして良かったこと」的なもの書いてしまった訳だけど、スペイン道中続行中。明日はコルドバだの、マドリードだののことを書きたいなぁ……ってことで今日の旅日記はこれにてオシマイ。


2006年04月26日(水) スペイン道中【セビリア後半〜セマナ・サンタの夜】

スペインの夜は長い。

午後8時を過ぎてもガンガンにお日様が昇っている。夜の帳が降りるのは午後9時を過ぎてのこと。フラメンコのディナーショーを鑑賞して、私達夫婦がセビリヤの街へ繰り出したのは午後8時半を回った頃だった。ちなみにフラメンコショーは私の心を鷲掴みにすることは出来なかった。「食事とショー」という設定が私には合わなかったらしい。舞台でダンサーが熱演していても、珍しい料理が運ばれてくると、そちらに気をとられてしまっていたから。ちなみに、その日の料理は地元色が強かったせいか、ツアーの面々には評判が悪かった。私は結構イケると思ったのだけど。

セビリアの街は『セマナ・サンタ』の真っ最中。人ごみを掻き分けるようにして、行列(プロセシオン)が練り歩く通りを目指した。行列の近くへ行くのは無理だろうなぁ……と半ば諦めていたのだけれど、難なく間近で見ることが出来たのは神様の粋なお計らい。まるで悪の秘密結社の人のような三角帽子を被った人達が、どうして顔を覆っているかというと、三角帽子の下で神に懺悔しているとのこと。蝋燭の光に包まれた山車がゆっくりと進んでいく様は荘厳だった。三角帽の人、楽団の人、一般の信者さん……と行列は続く。セビリヤの人は明け方までそんなことをしているのだ。

しかし日本人の私達夫婦は、そこそこに行列を鑑賞して撤退することにした。いっとう賑やかな通りを抜けてタクシーを捜したのだが、なかなか見つからずに難儀した。そんな中、メインストリートを抜けて教区に帰って行く山車を発見。ゆっくりと歩いていたので近寄ってみたら、三角帽子を被っているのは大人だけでなく子供の姿もあり、どうやら写真撮影は許されているようだったので三角帽子を被った子供が歩いている姿を写真に撮らせてもらったら……なんと、三角帽子の子供が近づいてきて、イエスの像が印刷された1枚のカードを私にくれた。どうして、そんな物をくれたのかはサッパリ分からなかったけれど、お礼を言ったら三角帽子の子供はコクリと頷いて、ふたたび行列へと帰って行った。

どうにかタクシーを捕まえてホテルに戻ったのだが、街に出る前に頼んでいたトイレの修理は出来ていなかった。腹が立つよりもむしろ「そうだよねぇ。祭りの日に働きたくはないよねぇ」と、半ば納得してしまった。その日はスーパーの袋に水を入れて手動でトイレの水を流したが、そんなの大した問題ぢゃなかった……と言うのも、隣の部屋の新婚さんが大喧嘩をはじめて3時間以上、泣き喚いて大騒ぎしていた方がよほど大変だったのだ。

翌朝、地元セビリアのテレビ番組を観ていたら『セマナ・サンタにハマっているチビッコ大集合』のようなコーナーで、聖者の像を印刷したカードをお菓子の空き箱にドッサリ入れた男の子が得意げな顔で出演していた。日本だと、ビックリマンだのポケモンだののカードを集める感覚なのだろう。私が三角帽子の子供から仲間だと思われたらしい。嬉しいような嬉しくないような。まぁ、やっぱり嬉しかったな……ってことでセビリアの思い出はここまで。グラナダ、マドリードと道行は続くのだけど、今日の旅日記はこれにてオシマイ。


2006年04月25日(火) スペイン道中【セビリア中盤〜スペイン時間】

セビリアでの昼食は路上に机を広げているレストランに入った。大聖堂の横丁にあって観光客向け……という趣。ツアーの集合時間の関係で、ゆっくり店を選んでいる暇が無かったので妥協した次第。パエリアのパスタ版のような『フィデウア』という料理と、ビールを注文。先に運ばれてきたパンを齧りながらビールを飲んでいたらば、隣の席のフランス人り老夫婦が話しかけてきた。特にマダムはお喋りな人らしく、ゼスチャーを交えて賑やかな事この上ない。

まぁ、貴方達日本人ね! 私達は昨年、日本に行ったばかりだったの。別府、京都、東京……素敵だったわ。温泉もいいわね。

ちなみに私は英語もフランス語も全く分からない。だけど、まぁ…そんな感じのことを話している……と理解した(夫はスペイン旅行の間中、私の根拠の無い自信たっぷりの翻訳を『白蓮の超訳』と言っていた)。インチキなスペイン語と英語とフランス語を交えての異文化コミュニケーションを楽しみつつ、昼食タイム。料理がが出てくるのがやたらと遅かったけれど、そこはスペイン時間。気にしいない方向で。

食事を終えて、お会計など。(スペインでは食事をした席で会計を済ませる)これまた長時間待たされたが気にしない方向で……とは言っていられなくなってきたので、スペイン人の店員さんにせっついてみたが、まったく取り合ってはもらえなかった。フランス人夫妻のご主人が「早くしてやってくれ。彼らは急いでいるんだ!」とせかしてくれたが、店員さんは知らぬ存ぜぬ。自分はのんびり仲間とお喋りをしているのに……である。どうやら「俺の仕事は会計じゃないから関係ないし、無理言われても困るなぁ」てな話のようだった。彼らは「手の空いている人間が手伝って店をスムーズに切り盛りしよう」なんて気はサラサラないらしい。

あまり大人しく待っていてはツアーの集合時間に間に合いそうになかったので、代金より多目のお金を渡して店を出よう……と、会計担当の人を捕まえたところで、やっと勘定書登場。慌しく会計を済ませて、猛ダッシュでツアーの集合場所へ向かった。集合場所に私達以外の人々全員が揃っていた……ってことは言うまでもない。スペインと日本とでは時間の流れが違うらしいという事実を肌で感じた瞬間だった。

集合後はバスで、ちらりとセビリアの街を観光してホテルへ。夕食を兼ねたフラメンコショーまでホテルで休憩。リゾートタイプの美しいホテルだったが……なんと私達に割り当てられた部屋はトイレが壊れていて水が流れなかった。添乗員さんに連絡して、ホテル側に修理を依頼。夜までには治る……とのこと。私達夫婦は「夕食を済ませたら、ツアーを離れてセマナ・サンタの行列を見に行こう」などと話をしつつ、ツアーの人達と共にバスに乗ってフラメンコショーのある会場へと向かった。セビリアの夜の話は明日に続く……って事で今日の旅日記これにてオシマイ。


2006年04月24日(月) スペイン道中【セビリア前半〜気分はスペイン人】

スペイン滞在3日目の早朝。夜も明けぬうちにホテルを出発。バルセロナの空港からセビリアへと飛んだ。

私達がスペインに滞在している期間はキリスト教で言うところの復活祭の週間だった。スペインはカトリックの国で、イエスの苦難を偲び、復活を祝う『セマナ・サンタ』というお祭りの真っ最中で、ことにセビリアは世界中から人々が集まってくるほどに『セマナ・サンタ』が盛り上がる地域だとのこと。市民はその祭りの行列に参加したりして、1週間夕方から明け方の4時頃まで街で騒ぐのだそうな。キリスト像なんかを搭載した山車を担いで、秘密結社みたいな三角防止を被った人が行列を作るとのこと。同じスペインでもバルセロナやマドリードといった都会では盛り上がりもイマイチなのだとか。なんの下調べもなしに旅行の時期を選んだのに、なんてラッキーな巡り合わせかと思っていたらば、添乗員さんが哀しい顔で言った。

「今日、宿泊する予定のホテルが変更になりました」

祭りの賑わいに浮かれたのか、ホテル側もミスで重複予約がなされていたらしい。万事、大雑把なスペインではよくある事らしいのだけど、私達は早朝からセビリヤの街で放り出される事になった。セマナ・サンタの期間は不幸も商店は軒並み休み。飲食店や商売熱心な土産物店は空いているものの、基本的には「今週は祭りだから仕事なんかしてられないや」ってな雰囲気ムンムン。迷路のように入り組んだセビリアの中心街を添乗員さんと歩いた後、ツアーはフリータイムに突入した。

私と夫は「何を観たって珍しい訳だし、とりあえずブラブラ歩こうよ」とて、計画性もなくセビリアの街を歩くことに。石畳には昨日の祭りの残骸である、赤い蝋燭の後が点々としていて、ベンチに酔っ払ったおぢさんが寝そべっていたりした。あてもなく歩いていたらば、正装したスペイン人の行列を発見。とりあえず私達も彼らと共に並んでみることに。

行列は教会に続いていた。「信者さんじゃない人間が入るのマズイかな」と心配したが、そういう訳でもなくて、入り口で献金をして中に入った。中ではセマナ・サンタの行列に使う山車が安置されていた。丁度、日本の祇園祭で昼間に山車を公開しているのと似た感じ。ただ、セマナ・サンタと祇園祭が違うのは、セマナ・サンタは教会に参拝すると胸にその教会(教区)のシールのようなものを貼ってくれて、信者さん達はスタンプラリーのようにシールを集めて周っているようだった。私と夫もセビリアの街をうろうろ歩いてシールを集めた。

賑やかな祭りには違いないのだけれど、やはり宗教行事だなぁ……と思ったのは、イエスを掲げた山車の前で感極まって泣いている人がいる……ってことだった。私はキリスト教信者ではないけれど、厳粛な気持ちになったのは言うまでもない。宗教的な場所では信仰の有無はともかく、敬意を持って頭を垂れなければ……という意味で。

余談だが、とある教会で献金をしようとしたら「あなたは、しなくてもいいのよ」とて、優しい老婦人から背中を押されてしまった。どうやら信仰熱心な異国の子供だと思われたらしい。スペインの人達は背が高くて大人っぽいので、チビな日本人は子供に見られてしまうらしい。たとえ……33歳だったとしても。

そんなこんなでスタンプラリーに熱くなった私達だったが、時間的に全てのシールを集めることはかなわず、地元のバスに乗ってツアーの集合場所まで戻って昼食を取ることにした。ここでの昼食はちょっとしたアクシデントがあったのだけど、その経緯は明日に続く……ってことで今日の旅日記これにてオシマイ。


2006年04月23日(日) スペイン道中【バルセロナ後半〜スペインで買い物】

ガウディ&ピカソを堪能した後、昼食(この日の昼食は、おおよそスペインしらからぬガッカリメニューだった)を済ませて集団行動は一旦終了。バルセロナの街でフリータイム。私達は古い町並みが残る旧市街を中心に歩いて回ることにした。

真っ先に向かった先は「市場」である。スペインの人達が普段、どんなものを食べているのか知りたくて。どこの国も市場ってのは賑やかで良いものだ。野菜や果物の色も鮮やかだし、ハムや肉の塊が豪快にぶら下がっているのを見るのは楽しかった。買い物したくてしょうがなかったのだけど、生の肉や魚を買う訳にもいかず、果物屋で果物と、そこで作ってる生ジュースを買って購買欲を沈めた。絞りたてのオレンジジュースはうっとりするほど美味しかった。

スペインは農業大国でもあるのだけれど吃驚したのは、農産物には農薬だのワックスが大量に使われているってこと。日本人はとかく「ヨーロッパのスローライフを見習おう」みたいなことを言うけど、スペインのリンゴや梨やオレンジはワックスでギトギトだった。なんとなくヨーロッパの市場というと「見た目は悪いけど素朴な野菜と果物」が並んでいると思っていたので、ちょっぴり腰砕けな感じではあった。

市場見学の後はバルセロナの街の中心にそびえるカテドラル(大聖堂)へ。立派な建築物であると同時に、現在進行形で使われている宗教施設でもある。これといった信仰を持たない私でさえ、その中に入ると厳粛な気持ちになってしまった。広い教会の中は「西洋仏壇」としか言いようのない、ごてごてに飾られたイエスだのマリアだのの像に、蝋燭が備えられていた。その様子は日本のお寺の祭壇の様子と変わらなくて、どこの国の人も考えることは同じなんだなぁ……と思ったりした次第。

カテドラル見物の後、バルセロナ市内に散らばるガウディの建物を探索しつつ、お土産物購入など。個人的にお土産物を買う情熱は無かったのだけど、新婚旅行なだけに親兄弟への土産物を欠かす訳にはいかずに仕方なく。買い物の最中、夫と喧嘩。買い物のウンザリした夫が私に暴言を吐いたのだが、結局夫が謝ってくれた……って言うよりも、ここでは夫の側に否があったので当然のことなのだが。夫には少し子供っぽいと言うか、堪え性のないところがある。

買い物の後は安っぽいレストランでタパス(小皿料理)とサングリア(ワインと果物のカクテル)で夕食。言葉がイマイチ通じずに、特大のピッチャーに入ったサングリアに仰天した以外は、満ち足りた夕食だった。スペインの料理はとかく塩味が濃いのだけれど、スペインの気候にはその塩味が必要なのか、日頃は薄味を好む私も美味しく食べることが出来た。食事の後はブラブラ歩きをしながら本屋探訪。本好きなだけに言葉は分からなくても、かなり楽しかった。日本の漫画の海賊本を見つけたりして、楽しい時間を過ごす。食事と本関連の話については、後日また改めて。

徒歩でホテルに戻りホテルに荷物を置いて、ホテルの近くにあるスーパーでお買い物。お水だの、お土産用のインスタントスープやチョコレートを購入。ご機嫌で買い物をしてレジに向かったのだけど、スペインのレジは日本と違って、お客が購入した商品をレジ係の人に手渡すシステムになっていて面食らった。もちろん袋詰めもお客の仕事。レジ係の人はお客に渡された商品をレジに通すだけ……なのに仕事は恐ろしく遅いのだ。日本のレジ係の人達の優秀さが偲ばれた。

そんなこんなでスペイン旅行、初めてのフリータイムは大満足だった。やはり自分の足で歩いて買い物をしたり、インチキなスペイン語でスペインの人と話したりするのはとても楽しい。海外旅行がこんなにも楽しいものだとは知らなかったなぁ……と思いつつ、まだまだ旅は続くのだけど、今日の旅日記これにてオシマイ。


2006年04月21日(金) スペイン道中【バルセロナ前半〜ガウディとピカソ】

スペイン観光初日はガツンとサグラダファミリアから始まった。「いきなりメインディッシュからスタートか…こりゃ、まいった」などと思いつつ、人もまばらにバルセロナの街をツアーのバスでサグラダファミリアに向った。

サグラダファミリアは……凄かった。ひとめ惚れするほど素敵だった。まだ建設途上なので、あちこち足場が組まれた状態なのだけど、そこがまた魅力的だった。イタリアの大聖堂を見た紳士に言わせると「完成してないからイマイチ感想が…」とのことだが、建築・建設系の人間にとっては「足場萌え」な訳で、ものすごく良かった。そして、その勢いだけでもって、運動不足の身体を鞭打って30階建て相当の建物を歩いて昇ってしまったのだ。(翌日から酷い筋肉痛に苦しむことになる訳だが)建物の躯体も凄ければ、彫刻も素晴らしかった。柱から壁から「いちいちスゴイ」としか言いようがなかった……と言っても過言では無い。

サグラダファミリアの後は、ちょろちょろ市内を観光して、これまたガウディの建築物が終結するグエル公園へ。グエルさんと言うガウディのパトロンだった人の別荘があった場所らしい。ここの建物も素晴らしかった。建物の壁がピンクだったりする訳なのだが、日本では「ありえねぇ…」って色でも、スペインの空の下だと、しっくり馴染むんである。旅の幻影が見せた幻……ではなくて、周囲の自然との調和の問題だと思う。逆に日本のシックな建物をスペインに持ってきても、イマイチだと思うので。

ガウディを満喫した後、バルセロナの古い町並みが残る地域にあるピカソ美術館へ行った。絵画を観るのは大好きだけど、ピカソはちょっと苦手……な私が以外にも「ピカソって良いかも…」と思うカルチャーショックがあった。絵画については、後日改めて書きたいと思うのだけど、作者が育った場所で本物を観る…ってのは大切なのだと思った次第。ピカソ美術館と言ったところで、有名な作品はほとんど無かったのだけど、絵画好きの人なら充分に楽しむことの出来る場所だと思った。

あぁ…初日だけどスペインに来て悔い無し…

そう思うほどに自らの欲望を満足させた私だったが、これで観光初日。まだまだ前半。バルセロナ後半は明日へ続く…ってことで今日の旅日記これにてオシマイ。


2006年04月20日(木) スペイン道中【大阪〜バルセロナ】

33歳にして初の海外旅行。出発の日は雨だった。出鼻をくじくようなシトシト雨の中、借り物のスーツケースを転がして、元気に関空へ出発。飛行機に乗るのは初めてぢゃないけど、13時間も乗るなんて初めてのこと。関空からオランダまで11時間。オランダで乗り換えてバルセロナまで2時間。合計13時間の空の旅。

私達が申し込んだツアーは新婚さんが40%。熟年旅行50%。セレブマダムの友人連れ10%。幅広い年齢の人達の集団だった。添乗員さんは36歳のMさん。Mさん曰く「中堅どころの添乗員です」とのこと。国際線に乗るなんて初めての私は空港ロビーの様子でさえもが珍しくて、始終キョロキョロしていた。

搭乗手続きを済ませて、KLMオランダ航空機に乗り込んだ。最初に吃驚したのは、キャビンアテンダントの女性がスキンヘッドだった…ってこと。しかも身長が180センチ以上もあって、身体つきはアスリートのようだった。「人間を見た目で判断しちゃ駄目だ」って分かっているのに、正直なところ最後までちょっぴり恐ろしかった。笑顔の素敵な女性だったにも関わらず……である。自分の懐の狭さを思い知りつつ、「職場でスキンヘッドOK」なんてことが、まかり通るオランダという国の寛容さを羨ましく思った。

微妙な味わいの機内食を食べたり、映画を観たり、眠ったりしながら、私と夫はずっと落ち着かない気分だった。三人並びの座席で、夫と私の横に日本人の若い男性がいたのだけれど、彼の様子がちょっと変だったのだ。沈んだ様子で機内のサービスを楽しむでなく、俯き加減でいたと思ったら、途中でハラハラと泣き出したりするのだもの。気の効くキャビンアテンダントさんがアルコールを持ってきたりしていたけれど、彼はずっと沈んだ様子だった。「大丈夫かしら? 無事にオランダまで行けるかな?」と気になって仕方が無かったのだけど、ジロジロ見るのは失礼なので見ないふりをして11時間。世の中には色々な人がいるし、色々な出来事がある。そんなこんなだったけど無事にオランダへ到着。

乗り換え地点、オランダの空港で、お寿司屋さんのカウンターを発見。世界で日本食が見直されていると聞いてはいたけど、かなり面食らった。なにげにスタイリッシュなムード漂う空港で、小さな飛行機に乗り換えてバルセロナへ。途中、夫婦して睡魔に襲われたが「今、寝ちゃったらスペインで眠れなくなると困る」とて、眠気覚ましに「しりとり」を開始。テーマを「食べ物」に絞って2時間もの時間を、大人げなく本気で「しりとり」に興じた。私は33歳。夫35歳。大人気ない夫婦である。

しりとりのおかげで眠ることなくバルセロナに到着。スペインの昼は長くて、夜と言ってもよいような時間なのに太陽が高くて驚く。バルセロナでは、都心のホテルで宿泊。新しい建物が多い地域だったので「日本のオフィス街とそんなに変わらないなぁ」という印象。洗面所で下着などを洗濯して早々に就寝。

比較的元気な状態でスペインの大地を踏みしめて、そのままいっきに惰眠を貪った夫婦の旅は明日へと続く……ってことで今日の旅日記はこれにてオシマイ。


2006年04月19日(水) ただいま帰りました。

昨日の朝、新婚旅行先のスペインから帰国しました。片道13時間の空の旅。流石にくたびれたようで、昨日は洗濯をして荷物を片付けただけでグッタリしていましたが、今日は嘘みたいに元気です。

この国で一生暮らしたい…と思うほど楽しかった旅でした。

初めての海外旅行だったと言うのに日本食を恋しがることもありませんでしたし、帰国しても「やっぱり我が家が1番だなぁ」という思いよりも、むしろ「もうちょっと居たかったな…」って気持ちの方が強かったくらいです。もっとも、遊びで訪れただけの国ですから、いわゆるところ「良いとこどり」なので、あまり偉そうなことを言えた義理ではないのですが。

新婚旅行につきものの夫婦喧嘩も軽くしましたが、病気をするとか、スリの被害にあうとか、そういったトラブルもなく、至って順調な旅でありました。感激したことや、驚いたことが沢山ありすぎて、とても1回では書き切れそうに無いので、明日からぼちほち旅日記など書いていきたいと思っています。

しかしながら私がするべき事は旅日記を書くことではなく、浮かれた旅行気分をなだめて、まっとうな社会人に戻っていくことだと思っています。ちなみに……スペイン人は働くのが嫌いな国民だと言われていますが、本当にその通りでした。そのあたりも私の性に合っていたのかも知れません。

ではでは続きは明日以降に……ってことで、今日の日記はこれにてオシマイ。


2006年04月09日(日) お花見&新婚旅行に行ってきます

夫と2人で地元の桜スポットに出掛けてきた。

観光地…ってほどの場所では無いのだけれど、少し歩いたところに川沿にずら〜っと桜の咲いている場所があるのだ。私にとっては幼い頃から行き慣れた定番のお花見スポット。薄曇りの空の下、長々と続く桜のトンネルは素晴らしかった。夫も満足してくれたようで嬉しい限り。

幼い頃、生まれ育った場所でずっと生きて行く羽目になるとは思ってもみなかった。なんとなく自分は遠いところで暮らすんじゃないか……と漠然と思っていたのに、人生はままならないものだ。が、こうやって夫と花見が出来るのは幸せだと思っているし、自分のしてきた選択に悔いは、みじんも感じていない。

道すがらチーズケーキとパンを買い、ちょろっと実家に顔を出してきた。置き土産のように飼ったトイプードルの仔の成長ぶりに吃驚する。世話をするのが大変だと、乙女な母はぼやいていたが、何よりも彼女のために犬がいるのは良いと思った。散歩や何かで自然と外に出なければいけないし、何よりも元気な生き物の成長ぶりを見るのは楽しいものだ。

夕食はじゃがいも餅を入れた味噌仕立ての鍋を作る予定。火曜日からスペインへ行くので冷蔵庫のある物を入れて、ごった煮風に。じゃがいも餅が上手に出来た。ありあわせの鍋だけど、美味しくなりそうな予感満載。

さてと。11日火曜日からスペインに行くので、しばらく留守にします。遅ればせながらの新婚旅行。初の海外旅行です。明日はきっと長期休みの前で残業確定ですし、旅行荷物の最終チェックだなんだとバタバタするので、明日からしばらく留守にします。帰国は18日火曜日。せっかくの旅行なので目一杯楽しんで参ります……って事で今日の日記はこれにてオシマイ。


2006年04月08日(土) 旅行の準備

夜勤明けの夫と一緒に朝食を食べながら本日の予定を話し合う。

来週の火曜日からスペインに行くので、いいかげん旅行の準備をしなくちゃ……とて「旅行グッズで足りない薬を入れるケースとか、化粧品の詰め替えケースとか、細々したものを買い行かなきゃね」なんて話をしたら、夫から吃驚されてしまった。夫曰く。「この人は着のみ着のままスペインへ行くつもりだと思っていた」まったくもて失礼な人だ。私。こう見えても、やるべき時は動ける女だと言うのに。

しかしながら普段の生活もある訳で、午前中は家の掃除をしたり、整骨院へ行ったり、図書館へ行ったり。何故か図書館に「いしいしんじ」の本がズラリと並んでいて驚いた。誰かリクエストしたのだろう。いしいしんじ祭りを開催せねば…とて、ホクホク『ポーの話』と『白の鳥と黒の鳥』を借りてきた。図書館の脇に植えられている桜がやけに美しかった。

午後からチョロチョロと旅行の準備。衣類は直前に入れるとしても、それ以外の物は今のうちに用意しておかねば。夫から簡単なスペイン語講座受ける。夫はサッカー好きなので、スペイン語は、そのからみで多少覚えたとのこと。勉強の好きな人だな……とつくづく感心する。現地で通用するかどうかはさておいて、カタコトでも話が出来たら何かと楽しいだろう。

夕方、乙女な母から電話があり、外食に付き合って欲しい…とのこと。お昼寝中の夫が起きたら食事に出かけるつもり。夫はこの1週間は何かと忙しく疲れていた上に寝不足を押して張り切っていたものだから、今日は1日不思議なテンションで動いていたけれど途中で撃沈してしまったのだ。一緒にいて飽きないと言うか面白い人だと思う。

明日は桜を観に近くを散歩しに行くつもりだけれど、大阪はなんだか微妙なお天気。せっかく桜が咲いたのに風が強くて散ってしまうそうな気配が。散り際が見所といったって、あまりと言えばあまりの仕打ち。明日は気持ちよくお花見が出来るお天気だと良いのになぁ……って事で、今日の日記はこれにてオシマイ。


2006年04月07日(金) 雲丹祭り♪

本日はプチ残業。「お茶も飲めない。トイレも行けない」という昨日に較べれば楽勝だった。仕事帰りに終業前の整骨院に駆け込んで針を打ってもらう。「いったい何があったんですか?」と聞かれたが、たいした事などしちゃいない。「白蓮さんお昼からずっと、その姿勢なんですけど…」と言われるほどに机の前で固まっていたのがマズかったかも。

夜勤で出掛けた夫と入れ違いで帰宅。昨日届いた雲丹で雲丹丼など。「1人で食べる食事は美味しくない」なんて言葉があるけど、圧倒的に美味しい食べ物は1人で食べても美味しいものだ。雲丹丼の美味しさに、1人で雲丹祭りを開催。携帯のカメラで写真を撮ったり、友人にメールを送りつけたり。ちょっとお高いけれど、また食べたいなぁ……と思う。今度は夫と2人で。夫婦で賃金労働をしているのだもの。これくらいの贅沢は許されるだろう。

夫は海産物の好きな家庭で育っていなかったらしく、海の食べ物には執着が薄い人なのだけど、雲丹丼は満足してくれたらしい。夜勤用の交換ノートに図解入りで雲丹丼について書いてくれていた。

結婚して良かったことの1つに「パートナーの経験値を吸収できる」ってことがある。私が夫に与えるものもあるが、夫から得る物も多い。まだまだ結婚して日が浅いからかも知れないけれど、そんな風にして相手から何かを吸収していくのは喜ばしいことだし、相手が自分から何かを吸収してくれるのを愛でるのも嬉しいものだ。

たとえ、それが「雲丹をたぺる幸せ」なんていう事であったとしても。

今週はバタバタだったけれど、この週末は流石に旅行の準備をしなくちゃいけない。来週の今頃はスペインの空の下にいるはず……なのだ。まぁ、とりあえず今夜はまったりして明日から頑張ろう…って事で今日の日記はこれにてオシマイ。


2006年04月06日(木) 雲丹届く。

今日は結婚して初めて「まとまった残業」をした。

結婚後は「基本的に残業はしない方向で」という契約をしたので、残業といっても可愛らしいものだったのだけど、今日はどうしても仕事が回らず居残りする羽目に。上司は「残業OKカードとか欲しいなぁ」と言うけれど知らん顔をする。小さな子供が親のプレゼントに使う「肩叩き券」よろしく「残業券」なんてのがあったら乱用されるのは目に見えているもの。本当のとこを言うと今の暮らしぶりなら余力はあるのだけれど、あまり働きたくはないのだ。贅沢な言い草なのは分かっているけど。

猛ダッシュで帰宅して、すれ違いの夫と交換しているノートを読むと昨夜作った鶏のトマト煮込みは美味しかったとのことだった。きっと夜中に小人さんが働いてくれたに違いない。私の帰宅と入れ違いに宅配便で雲丹到着。自分ちの分を冷蔵庫に入れ、実家に雲丹を持っていった。

先日愚弟が利かない方の手を骨折したというので見舞い代わりに。愚弟の手は末端に神経が通っていないので「痛い」と言う感覚が無く、骨折の発見も遅れたらしい。「痛い」とか「熱い」って感覚は身体の不調を知らせるシグナルなのだと改めて感じた。

自宅と実家はスープの冷めない距離…言っても良いほどに近いのに、あまり実家には足を運んでいない。「実家が徒歩10分なんです」と話をすると「じゃあ、実家にベッタリ甘えてるのね」と言われることが多いが、用事があったり、乙女な母の要請があったりする以外は出向かない…と言っても過言ではない。むしろ、もっと助けてあげなくちゃ…と思うのだけど、正直なところ実家は私にとって居心地の良い場所ではないのだ。

今回の雲丹は乙女な母と愚弟の気持ちが少しでも晴れたら良いなぁ…と思うところがあって購入したところ大きい。なんて書くと孝行娘に思えるけれど、本当のところはお金で俺らの世話をしているだけのことだ。本当の愛情とはそんなものじゃないと分かっているのに実行できないあたりが自分本位。

今日はトイレに行くのも惜しむほどに忙しくて、グッタリ疲れてしまったのだけど、結婚後も自分が自由に使えるお金を得られる経済力がある…って事のありがたさを痛感した。夫は決して私が実家に何某かの援助をすることに眉を潜めるような人ではないけれど、それでも遠慮はつきまとうので。

そんなこんなで帰宅後もバタバタ大忙しだった。夫も書いていたように鳥のトマト煮込みは美味しかった。美味しくなったのは小人の仕業ではなくて、一晩おいてアミノ酸が増殖したからに過ぎないのだけど「小人の仕業」の方が楽しくて良いよね……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2006年04月05日(水) オカリナ

せっかく桜が咲いたのに大阪地方は雨模様。無念なり。

1週間の半ばということで、いまいちピリッっとしない1日。明日の夕食用(夫が夜勤の時は作り置きした食事を勝手に食べてもらっている)に鶏肉のトマト煮込みを作っているのだけれど、なんだか味がまとまらない。明日の朝になったら劇的に美味しくなっていたら良いのだけれど。働き者の小人さん求む。

友人がオカリナを買ったらしい。

私も高校生の頃オカリナに凝っていたことがあって、なんだか懐かしく当時の頃を思い出してしまった。今でもオカリナの素朴な感じとか、柔らかい音が好きだ。オカリナをはじめたキッカケはアニメだった。『キャプテンハーロック』の繭ちゃんはオカリナが得意な少女だったし『悪魔くん』の主人公だって使っていた。なんとなく、そんなノリで買ったのだけど案外、自分の性にに合っていて長い間、思い出した時に吹いていたけど、集合住宅で鳴り物は迷惑かと一軒家から長屋に移る際に手放してしまった。何も捨てること無かったのになぁ…と今さらながら思ったりする。

いつか友人とオカリナで合奏出来たら良いなぁ……と思う。

明日はネット通販で買ったウニが届く予定。夫には事後報告で購入。かなり楽しみである。ウニを励みに明日も頑張って働かねば。そろそろ鍋の火を止めてPCを落とし、ゲームでもしようかなぁ……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2006年04月04日(火) 桜咲く。

大阪も、やっと桜が咲きはじめた。

長い時間…みなをジリジリさせるほど蕾のままでいたくせに、唐突に咲きはじめるから驚きだ。週末あたりが満開だろう。特別、花見の予定も無いのだけれど、夫と2人で地元では評判の桜並木の通りを歩こうかと思っている。

今日は出先から直帰したので心持ち早く帰宅出来た。早く帰宅出来たおかげで夜勤の夫と逢えたのはラッキーだった。夫の夜勤は3週間に1度のサイクルでやってくる。最初は面食らったが流石に慣れてきた。

夫は昼間、軽トラックで売りに来る豆腐屋で、がんもや厚揚げを買ったらしい。スーパーに比べると少し高いが美味しい豆腐屋さんの出張販売で、私も気に入っている。がんもは人参やコンニャクと炊き合わせにする予定。

今日に限らず夫は「地元で買える美味しい物探し」に貪欲だ。人気のパン屋や、評判のケーキ屋を試す事に余念が無い。その情熱には脱帽してしまう。

最近になってやっと、これから先ずっと夫と共に生きていく覚悟のような物が芽生えはじめた。いい加減な気持ちで結婚した訳ではないし、これまでだって「何かあったら逃げだそう」と思っていた訳でもないのだけれど。夫に対して情のようなものが沸いてきたのかも知れない

今日は日中、外を歩いていも寒さを感じなかった。寒がりの私には嬉しい限り。明日も暖かな1日だと良いのになぁ…って事で今日の日記はこれにてオシマイ。


2006年04月03日(月) はじめての海外旅行。

来週の火曜日から新婚旅行へスペインへ行く。

33歳にして初の海外旅行。初めて海外に行くのだと話をすると「白蓮さんって、海外旅行とか好きそうなのに以外だね〜」と言われる。実際、行った事はないけれど海外旅行は好きになれるんぢゃないかと思う。今までは諸事情により行かなかっただけのこと。

はじめての海外旅行だというのに下調べも荷物の準備もしていない。夫の兄夫婦からスーツケースを借りたくらいだ。そのスーツケースも義姉から「貸してあげるから取りにおいで」と促されて出掛けた始末。隣の県の温泉に湯治へ行く訳ぢゃないのだから、これではマズイなぁ……と思うのだが、いまいち腰が上がらない。

まぁ、なんとかなるでしょう……とて、どこか舐めてかかっているのだと思う。

「その自信は何を根拠に?」と夫が問うが、根拠なんて何一つありゃしない。経験値ゼロ。その上、言葉もサッパリ駄目。身体の頑丈さが取り得かと言うと、そう言う訳でもない。だけど、なんとなく「なるようになるさ〜」と思ってしまうのだ。

旅行の準備と言ったって、引越しするんじゃあるまいし着替えや身の回りの用意なんて知れたものだ。暑さ寒さの対策と常備薬は必要だろうけど、それ以外はお金さえあれば買える訳だし。バックパッカーのようにハードな旅をする訳でもなし、そんなに慌てることもないかと。……とかなんとか、あまりに暢気にかまえていたのだけど「何もしてないんです」と言っていると新婚旅行を楽しみにしていないように誤解されがちなので、世間様へのアピール用にスペインのガイドブックなど買ってみた。

まったく何の根拠もないけど目一杯、楽しんでくるような気がする。だって初めてなんだもの。見るもの聞くもの珍しいのだし、特別な観光をしなくったって、街を歩いて露天で買い物するだけでも充分にドキドキ出来るだろうと。

まぁ、しかしせっかくガイドブックを買ったので、明日からボチボチ目を通してみるかなぁ……とは思っている。のんびりしてるけど大丈夫。どちらかと言うと本番に強いタイプなので……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2006年04月02日(日) 春の準備

3月31日(金)〜4月2日(日)の覚書など。

金曜日の夜はE課の納会ってことで焼肉食べ放題宴会。大食の性質ではないので「食べ放題」ってのはイマイチ好きではないのだけれど、年度の区切りってことで参加してきた。なんだかんだ言っても一緒に仕事をしているチームの仲が良いってのは良いことだ。

宴会の途中で事務のTさんの姿が見えなくなったので気になって見に行ったらばトイレでへたり込んでいた。Tさんとは席が離れていたので、彼女がどのくらい飲んでいたのか知らないのだけど、すでに足腰が立たなくなっていて吃驚。タクシーを呼んでもらい、男性におぶってもらってTさんをタクシーに乗せ「あとは大丈夫ですから」とてTさんを家まで搬送した。

私は結婚後、残業もほとんど無しで楽をさせてもらっているのだけれどTさんは連日残業で疲れが溜まっていたんだろうと思う。それに最近失恋したばかりで心身ともに弱っていたのだろう……と。酔っ払って意識が朦朧とする中で「迷惑かけてごめんなさい」と謝るTさんが不憫で仕方が無かった。手を握り、背中をさすって「弱みを見せちゃうくらいの方が、みんなと仲良くなれて良いよ」なんて言ってみたり。実際、E課の社員さんもTさんの頑張りは知っているし、みんなTさんが大好きなのだ。真面目で可愛らしくて本当に良い子なので、早く元気になるといいなぁ……などと同い年なのに姉のようなことを思ってしまった。

週末は家事諸々に励む。

夫と共に冬物衣類をクリーニング店に運んだり、手洗いできるセーターを洗ったり。ボサボサに伸びた髪をカットしに出掛けたりと、もっぱら春の準備など。春の準備……と言っても大阪の桜はサッパリで、寒かったり雨が降ったりとサッパリなお天気。寒さが大の苦手なので流石に衣類は衣替えしなきゃいけないけれど、コタツ布団は出したままで、しばらく過ごそうと思っている。

そんなこんなで金曜〜日曜日にかけて何かと大忙しだった。頑張り過ぎたせいか、天気の加減か腰が痛い。週明けは整骨院へ行かねば。明日から新年度スタート。色々あるけど気持ちを切替えて頑張らなくちゃね……って事で、今日の日記はこれにてオシマイ。


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