世にもいい加減なネバーエンディング海外ドラマ
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2003年10月27日(月) 新・逃亡者〜「顔」その5

「あなた、女が勧める酒を飲めないっていうの?」
その小柄なアジア系の女は、私を見るなりそう言った。正確には私がバーテンダーに酒を断った言葉を受けてすぐだ。さっき、ちらりと姿が見えたときに、子供かと思ったのが何故かわからないくらいに、堂々として、こちらを値踏みするように見据えている。「あぁ、飲めない。体質だから許して欲しい。それより・・・」当り障りの無いことを言い、早く情報が本当にあるのかどうか聞き出し、ここを去りたかった。だが、直接的な言葉しか思い浮かばない、「それより、聞きたいことがある」
「陳腐なセリフを言ったもんだわ」そう言った彼女は更に、落ち着いていて、いったい本当はいくつなんだろう、日本人は年齢がわかりにくいとはいえ・・・いや、何をくだらないことを考えているんだ、そんな考えに時間も頭も割いている余裕は無い。しかし、何故だろう。不思議な感覚だ。夢の続きの中にいるような・・・。
そして、次の瞬間、彼女はいたずらな子供のような顔をして見せた。あぁ、さっき子供かと思ったのは、子供が親の客をドアの影からこっそり覗く時のような顔をしていたからだ。そうわかると急に安心した。
「陳腐なセリフ・・・私のことよ。あなたのことじゃない。偽者のミスター・キンブル」


moto |M@IL日常こんな劇場(^▽^)ノネェネェd(@^∇゚)/前向きに

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