コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2005年06月28日(火) 株価 は規則性なく、上がったり下がったりする


こんにちは、カン・チュンド です。

投資 に興味のある方なら、「株価 は 予測可能なのでは?」
と思ったことが一度や二度はあるはず・・。

「株価 は予測できる」と思うからこそ、
人は 株(かぶ)を売買して 利益 を追い求めるのです(笑)

そもそも 株価の変動 とは、

1.ルーレットを廻したり、トランプから1枚 札 を抜き取るような、
「確率的な現象」なのか、

それとも、

2.規則性、法則性 に基づいているものなのか、

一体どちらなのでしょうか?


もし、1.であれば、
次に 株価 がどう変動するかは、誰にもわかりません・・。

(まあ、上がるか 下がるか 変わらずか、のどれかですが 笑)

もし、2.であれば、大儲け できる可能性があります(笑)

アメリカではおよそ100年前から「株価変動の規則性は存在しない」
という主旨の論文が、

数多くの研究者によって発表されています。
(すみません、【チャート分析】に熱中している皆さん・・)


例えば、マサチューセッツ工科大学の経済学者
シドニー・アレクサンダー が1961年に発表した論文に

「投機市場における価格変動。トレンドか、ランダム・ウォークか?」
があります。

トレンド とは、傾向、規則性 の意味です。

ランダム・ウォーク とは、酔っ払いの千鳥足のことです(笑)
つまり、規則性のない様を指します。


アレクサンダー先生は、トレンド(傾向)を分析して投資判断をする
「テクニカル手法(要は チャート分析などを使った手法)」が
有効なのかどうか、

1897年から1959年までのデータについて、
徹底的にシュミレーションを行いました。

結果、テクニカル手法の有効性はほとんど認められないと
結論付けたのです。


今、株式の取引 が行われているとします。
A会社の株(かぶ)です。

株式市場という「いちば」では、
1.不特定多数の、国籍不詳の、恐怖と欲望の志士達が集まり、

そして、
2.あらゆる情報 が地理的制約を越えて瞬時に伝わっています。

A会社の株式では(他の株式と同じように)非常に短い時間スパンで、
何度も何度も 売り・買いの「ボリューム」が形成されます。


(例えば)○月○日午前10時、
A会社の2006年度経常利益予想が発表されます。

A会社の株式を売りたい人と、買いたい人は
(取引上は)「同数」ですが、

どちらがより「強気」かで、成約価格が上がったり、下がったりします。


午前10時10分、某検索サイトの掲示板で
「A会社の社長、実はガンでは!?」という情報が流布します。

また売り手と買い手が反応します。
結果、株価が変動します。

そして、また別の情報。

また、売り手と買い手が反応します。
結果、株価が変動・・。

(繰り返しになりますが)
A会社の株式を売りたい人と、買いたい人は(取引上は)「同数」です。


が、どちらがより「強気」かで、
成約価格が上がったり、下がったりするのです。

このような「せめぎ合い」が、1日のうちに何十回も繰り返されます。
(何百、何千という 株式 のひとつひとつで・・)

結局、

◆ 株価予測 は、
 「コイン投げ」と同じ程度に当たり、また外れるものなのです。


では、株価 が不規則に動くのはどうしてでしょう?

それは「いちば が効率的」だからです。

??

専門的には「効率的市場仮説」と呼ばれます。


わたしは「いちば は 概ね 効率的」と思っていますが、
その理由は、

不特定多数の人間 が集まり、
あらゆる情報 が瞬時に伝わっているからです。

そのような「いちば」では、
株価 は規則性なく変動します。

ですから、

株価 が上がったり下がったりを事前に正しく予測することは
できないのです。

つまり、
(残念ながら)わたしやあなただけが知り得る「おいしい情報」はない、

ということなのです・・。

皆さん、短期的に株式の売り買いを繰り返しても、
証券会社さんが儲かるだけですよ(笑)


   【海外投資の旅に出る! ビギナー編】
〜国境を跨いで、新鮮な空気を吸い込むココロ10選〜

      7月10日(日)in 東京・大井町




     第13回 【知的人生設計入門】に参加していただいた皆さん。
             (東京・大井町 「和民」にて・・)



2005年06月24日(金) 科学的な投資って・・? その2)


こんにちは、カン・チュンド です。

世の中には実にいろんな人がいます。

「姜(かん)さん、向こう半年間の 円ドルレートって、どう思います?」

というような会話を肴に、
2、3時間平気でおしゃべりできる人もいるのです(笑)

ちなみに上記質問に対するわたしの答えは、
「さあ、どうなんでしょうね・・」です。


ファイナンシャルプランナーのくせに!?


皆さんは、
6ヶ月とか1年先とかの、短期の為替変動 を予測できると思いますか?

わたしは「できない」と思います。

短期の為替変動 を予測するのは 不可能 に近いと思います。

それは人の思惑が、複雑怪奇に入り乱れ、
かつすばやく移動するからです。

あー、もったいぶった言い方ですね。

世の中には「欲望の塊」を抱える人が山のように存在し、

その人たちは毎日毎日マーケットの動きを予測し、
その予測に基づいて毎日毎日「動く」からです。

あー、まだ複雑ですね(笑)


例を挙げましょう。
わたしが仮に3ヶ月後の「円安・ドル高」を予想したとします。

わたしは
(自分ではそろーりそろーりと 円売り・ドル買いを)しようとしますが、

すでに アメリカミネソタ州の年金基金や、ヨーロッパの投資銀行や、
ミャンマーの華僑のお金が同様の 予測 をしていて、

大量の円売り・ドル買いを行っていたとしましょう。

(なにせ全世界では1日1兆ドル以上の
外国為替取引が行われています・・)


「円・ドル取引」の中で、円売り・ドル買い の方が、
円買い・ドル売り よりも(ボリュームが)大きければ、

◆ 今、この瞬間に 円 は安くなってしまいます・・。
⇒ つまり、わたしの儲けの源泉はカンタンに吹き飛んでしまうのです・・。

まあ、今のはすごく単純な例ですが、

1.儲け を狙っている人は世界津々浦々にごまんといる

2.あらゆる情報(単なるウワサから、信憑性の高い業績情報までを含めて)は、瞬時に伝わってしまう

という「歴然とした事実」が存在するのです。

(これって ↑ まっとうなマーケットの成立要件です)


つまり、あなただけが世界津々浦々にごまんといる人、企業などを
出し抜いて、ごっそり利益を頂戴できる、

というような世界は存在しないのです。


為替取引が行われる「いちば」では(非常に短い時間スパンで)
売り・買いの「ボリューム」が形成されます。

10分、1分、10秒ごとに?

その売り・買いの「ボリューム」はまるで「生き物」のように
瞬間、瞬間で「移動・変形」し、

時に円売り・ドル買いが勝ち、
時に円買い・ドル売りが勝つのです。


もう一度 基本 に戻りましょう・・。

短期の為替変動 を予測することは「不可能」です。

ましてや、個別の為替レート変動、

例えば、円とユーロ、ドルとオーストラリアドル、

スイスフランとブラジルレアル、カナダドルとインドルピーなどの
「レート変動」を予測することは更に困難ですよね。

さて、今お話したことを 株式市場 に当てはめるとどうでしょう?

(株式市場という「いちば」全体の 動き ですよ・・)


短期的に 株式市場 がどんなふうに「動くのか」を予測することは
「不可能」ではないでしょうか。

欲望の塊 を抱える人・企業など(= 投資の主体)は実にさまざまで、

(もちろん、日本の個人投資家、機関投資家、素人、玄人はだし、玄人、
アメリカミネソタ州の年金基金や、ヨーロッパの投資銀行や、ミャンマーの華僑もいますよ)、

あらゆる情報が「いちば」を取り巻く人々に 瞬時 に伝わるからです。


いわんや、個別株式の「動き」を予測することをや、ですね。

今、日本の株式市場「いちば」には数種類ありますが、

すべての「いちば」を併せると、
そこに登場している会社は 3,800 を超えます(ナント)

そして、それぞれの株式で、
売り・買いの「ボリューム」が瞬間、瞬間に形成されているのです。

(あらゆる情報に反応して・・)


このコラムを読んでいるあなたにぜひご理解いただきたいのは、

◆ あなただけが「いちば」と向き合っているのではない 
  という事実です。


あなたは「いちば」に参加している 5,000万分の1 に過ぎないのです。

(冷たい言い方ですが・・)

そのあなたが、株式市場という「いちば」の中で、
たったひとつの会社の株価を、短期的な株価の変動を、

いつでも正しく予測できるなんて、
わたしは「傲慢ですらある」と思います。


私たちが生きているこの世の中で、
あした誰が死に、明日誰に幸運が訪れるかなんて

誰にも「わかりません」よね・・。

マーケット(いちば)とは、私たちの住む「社会の縮図」ですから、
そこは「私たちの社会そのもの」でもあるのです。

それでは皆さん、よい週末を!


     【海外投資の旅に出る! ビギナー編】

〜国境を跨いで、新鮮な空気を吸い込むココロ10選〜

       7月10日(日)in 東京・大井町




               口を開けて待っているのは
              遠い記憶か、あるいは未来か・・。




2005年06月21日(火) 科学的な投資って・・?


こんにちは、カン・チュンド です。

皆さん、お元気でいらっしゃいますか?

さて(誰も信じないかもしれませんが)
わたしは高校時代、ラグビー部に所属していました(笑)

(ちょっと昔を振り返ると・・)

当時、練習の一環として連続の「走り込み」をよくさせられました。
(息が切れて、足が動かなくて、ほんとうに 地獄の特訓?でした・・)

その当時は、とにかく気合が大事だ、掛け声だ、
という「精神論」が幅を利かせていたように思います。

(たしか試合途中の 水 もご法度でした・・)

今では スポーツを行う際の 水分補給 は常識となっています。

試合の途中に水分を摂ることは決して「怠ける」ことではなく、
より長く体を動かすために「必要なこと」だからです。


例えば皆さん、

サッカーというスポーツに習熟するためには、
どんなトレーニング を積む必要があるのでしょうか?

どの部位の筋肉を鍛えれば、
サッカーという競技に役立つのでしょうか?

(わたしはまったくの門外漢ですが)

サッカーの練習方法ひとつ取っても、
実にさまざまなものがあると思います。

いちばん効果的な 練習方法 はどのように見つけ、
また何を「基準」にして採用すべきなのでしょうか?

(これまた素人意見ですが)

その 練習 に「どれくらいの効果」が見込めるのかが
客観的にわかるに越したことはありません。

客観的?


そうです、以前に誰かがその 練習方法 を採用していて、
「これくらいの効果」があった・・。

それが数字などの【客観データ】で検証できればいいですよね。

そして、それらの【データ】が比較できればなお良いです。

(当たり前のことですが)ただサッカーがうまくなりたい一心で、
やみくもに練習すればよい というものではありません。

サッカーというスポーツ自体を、あるいはその練習方法を、
【科学的に】検証する必要があるのです・・。


◆ それは 投資 もまったく同じです・・。

投資 がうまくなりたい! という一心で、

ただやみくもに株(かぶ)を売り買いすればよい
というものではないのです。

まずは 投資 が舞台としている市場「いちば」のことを
【科学的に】検証する必要があります。

マネー雑誌の予想や、株式メルマガでの情報を見ていると、

「この会社(A社)のことを(投資妙味がある対象として)
知っているのは、わたしとBさんとHさんぐらいだ・・」

と思い込んでしまいますが(笑)、

投資に参加しているのはなにも、
わたしとBさんとHさんだけではありません。


また、

◆ ほとんどの「情報」は地理的制約を越えて瞬時に伝わり、
あまたの人に筒抜けになってしまいます。

(その情報が 取るに足らないウワサであれ、
06年度の経常利益の予想であれです・・)

それが株式市場という「いちば」なのです。

この「いちば」の特徴を理解できれば、
どんな投資手法がベターなのかが見えてくると思います。

すなわち 投資手法 についても【客観的データ】をもとに
検証する必要がある ということです。


ひと昔前は「怠ける」ことだった 水分補給 が、
今では多くの人に 常識 として受け止められています。

これは過去に何人もの先達が、幾多の実験を行い、
貴重な【データ】を残してくれたおかげなのです。

もしかしたら 投資の世界 でも、
常識が180度ひっくり返る ということが起こるかもしれません。


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第13回 知的人生設計入門 2日間だけ通う【お金の学校】です!

    6/25・26日 in 東京



                あの絵は何なのでしょう?
    



2005年06月17日(金) 赤の他人に相談するということ


こんにちは、カン・チュンド です。

「あのー、わたし ファイナンシャルプランナーに相談するなんて
初めてなもので・・」

「もう、ほんとに勇気を振り絞ってまいりました・・」

上記は弊所に相談に来られたお客様の ある声 です。


赤の他人に、一サービスとして相談をすることが
まだ浸透していない日本では、

相談しようと思う ⇒ 実行する までの「距離」がとても長いのが現状です。

強い意志で、その「距離」を乗り越えられ、
面談のテーブルに着かれたお客様は(それでも)

どこか不安げな表情をされています。
(わたしの経験上・・)

サービス提供者は、このような現状を真摯に受け止めるべきでしょう。


「ようこそ、幾重のハードルを乗り越えて、お越しくださいました。
もう大丈夫ですよ・・。 まずはお茶でもどうぞ。

ひとつひとつ、お客様のお悩みを伺ってまいります。
もう心配することは何もありません・・」

という心構えを「強く」持っておく必要があります。


ところでよく、

「具体的な 相談事例 をホームページで見られるようにして欲しい」
というご意見を伺います。

しかし、わたくしの仕事には 守秘義務 がありますので、

お客様からの了解が得られない限り(たとえ匿名であれ)
具体的な相談事例 を公開することはありません。


相談事例(と、言葉にしてしまうと四文字ですが)、
相談事例 とは、ひとりひとりのお客様の【生の声】です。

そのお声は、お客様の幾多の人生経験、
数々の営み から生ずるものです。

(唯一無二のものであるはずです・・)

安易に「事例」と言ってしまってはいけませんね。
( ← わたし自身に対して)


個別相談 とは、
ひとりの人間 と ひとりの人間 が 顔 をつき合わすことです。

そこにはある種の 緊張感 が生まれます。
(お互いに 隠れる ことなどできないわけですから・・)

その 緊張 を解きほぐし、

自宅にいるような「安らぎ感」を感じていただけるよう、
サービス提供者は努力すべきなのです。

「安らぎ感」がなければ、心の隅に引っ掛かっている「悩み」を
赤の他人に話そうとはなかなか思えないですから・・。


弊所では、士業の方々とのコラボレート業務も行っています。
セミナー事業にも力を入れています。

(事実、今年は 大阪・東京で25本のセミナーを貫徹すべく奮闘中です)

しかし、弊所の仕事の根幹は、一対一 の【個別相談業務】であり、

わたし自身、この業務に精通したいがために、
独立FPを選択したと言っても過言ではありません。



「相手はどんなボールを投げてくるのだろう・・」

「自分はどのようにボールを投げ返せばいいのだろう・・」


一対一 の人間関係は、
そのやり取りのすべてがオリジナリティーに溢れ、

そこから得られる 成果 に制限などないとわたしは思っています。

(もちろん、その関係がうまくいかない場合も、
オリジナリティーに溢れているのでしょうが・・苦笑)


わたしはたまたま 資産運用アドバイス という
個別相談 を行っていますが、

どんな種類の 相談業務 であれ、
お互いの「信頼感」が醸成できるか否かが、

お客様にとっても、サービス提供者にとっても
たいへん重要と考えます。


(晋陽FP事務所のサービスに関して言えば)

まずは「わたし自身」に興味を持っていただくことが、
相談業務の 入り口 であると思います。

このコラムも、そうした理由から書き続けているのですよ(笑)


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第13回 知的人生設計入門 2日間だけ通う【お金の学校】です!

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      先日松山に行った折、はじめてプロペラ機に乗りました。
              (ちょっと恐かった・・笑)



2005年06月14日(火) アメリカもイギリスも、結構ひどいことをしてきているのです


こんにちは、カン・チュンド です。

あらゆる「争いごと」の火種は 過去 にある と云われます。

過去(歴史)は、
長い時間の中で何度もその 価値観 をひっくり返してきました。

(善も悪も、その「時代背景」によって決定づけられてしまう・・)


第1次大戦当時、イギリスは中東のほとんどを植民地としていました。

イギリス人は、中東に住むユダヤ人にこう嘯きます。
「戦争に協力してくれ。その見返りにユダヤ人の国を作ってやる」

そしてアラブ人にはこう嘯きます。
「戦争に協力してくれ。その見返りにアラブ人の国を作ってやる」

(この二枚舌が、今日のパレスチナ問題をここまで複雑にしています・・)
しかし、イギリスはどうして「二枚舌」を使う必要があったのでしょうか?


20世紀に入り【石油】というダイヤモンドを発見したイギリスにとって、
中東の安定 はどんな犠牲を払ってでも確保したいものだったのです。

中東の石油は巨大な一塊の油田であり、原油が直接自噴するため、
生産コストが極端に安かったのです。

(1バレルあたりのコストは10〜20セントくらいでした)

1950年代の原油価格が3〜4ドルですから、
石油会社(メジャー)がいかに巨額の富を得られたか想像できますよね。


さて、わたしは今日の中東問題の多くは
「イギリス」がその種を蒔いたと思っています。

(歴史の高台に立てば)
アメリカは、イギリスの「利権」を奪い取ったにすぎません。

(その証拠として第1次大戦後、石油貿易の決済が徐々に
ポンド建て から ドル建て に移行していきました)


今度はアメリカですが・・、
第2次大戦後、アメリカは中東において数々の「謀略」を繰り返します。

その主な目的は、

1.石油利権の確保
2. 反共産主義の友好的な政権の樹立(もちろん自分にとって、)
3.反米的な雰囲気を一掃する(一種の情報操作・・)


例えば1953年にはクーデターの黒幕となり、
イラン のモサデク政権を崩壊させています。

そして、パーレビー国王による親米政権の樹立があります。

しかしのちに(これはわたしもよく覚えていますが)
イラン革命 が勃発し、アメリカの中東政策は大きな挫折を味わいます。

また、1980年に始まったイラン・イラク戦争では、
イラク側に武器供与など さまざまな支援を行いました。


91年の湾岸戦争当時、フセイン政権を最後まで叩かなかったのも、
イラン の存在が念頭にあったからなのですね。

(アメリカの中東政策には常にイランの存在があったのです・・)

一方 イラク ですが、1968年にバース党が政権を掌握、
その流れを汲む フセイン が79年に大統領に就任しています。

★ アメリカは実に長い間、
フセイン政権について見て見ぬ振りを続けていました。

それが現在、イラク攻撃 → フセイン政権崩壊 → 新政府樹立 という
事態に至っています。


★ 歴史 は遠い彼方から、
今起こりつつある事象にさまざまな光を当ててくれるのです。

その時々の「善し悪し」に翻弄されるだけの 政策 は
ほんとうに愚かなものです・・。

ドイツの宰相 ビスマルク が言っていたではないですか。
「愚者は 体験 からしか学ばないが、賢者は 歴史 から学ぶ」と・・。


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          異業種交流会の講師をさせていただきました。



2005年06月10日(金) 21世紀の安心とは?


こんにちは、カン・チュンド です。

時代 とは音を立てずに少しずつ変わっていくものです。
一方、人間の意識は 同じ場所 に執着しがちですね(笑)

今まで「青い」と見ていたものを、「赤」かもしれないと思うこと・・。

縦の線 と 横の線 を結んで「平面」として自覚していたものを、
「奥行き」があるかもしれないと感じること・・。

これらはすべて【発想の転換】です。


例えば 「通貨の値段」という 考え方 です。

(そうです、通貨にも 値段 があるのですね・・)

「姜(かん)さん、何言ってるんですか。
100円は100円じゃないですか!」

いえいえ、そうではなくて、
外から見た100円 の「客観的な価値」のことなのです。

?? → 世の中では 為替 と呼んでいます。


通常、経済成長を遂げた国から見れば、
「新興国」の 為替(通貨の価値)は 安く見えます。

60年代、70年代に日本から 1万円札 を持っていけば、
韓国 では札束のような ウォン と交換できました。

今でも インド に行けば、
(1万円札で)山のような ルピー札 が返ってくるはずです。

実は、アメリカから見た かつての「日本」もそうだったのですね。


例えば、アメリカの投資家が「米ドル建て」で50年代、60年代の
日本株式 に投資していれば、一財産築けているはずです。

その【収益の源】は、
株式の価値の値上がり益 + 為替差益 です。

もっと時代を溯れば、
19世紀のイギリス人から見た アメリカ がそうでした。


ここ「ポイント」なのですが、

強い通貨 を(安い通貨の国に)持って行くだけでは、
資産形成 にはなりません。

(せいぜい 贅沢な消費 ができるくらいです・・)

安い通貨の国 では(経済が発展していけば)
インフレ が発生するからです。

<大切なのは、その国の資産に投資をする ということ・・>


皆さん、未来に対する“時間軸”を持ってくださいよ。

先ほどの 株式の価値の値上がり益 + 為替差益 を狙う「戦略」は、
そのままイコール「国際投資」ということになります。

このような「視点」は、20年前には持ち得なかったものです。
日本が豊かになってはじめてできる「戦略」なのです。


日本の中に住んでいるヒトが、日本の将来について
「たいへんだ〜、たいへんだ〜」とよく言っていますが、

その「たいへんさ」を和らげる 術(すべ)を
私たちはすでに獲得しているのです。

国際投資 ですよ(笑)


(ところで)「ホーム・バイアス現象」という言葉をご存知でしょうか?

資産運用における「ホーム・バイアス現象」とは、

(自分が住む)日本 という国のみをそのまま
「投資対象」に選んでしまうことです。

(ちなみに アメリカ においても「ホーム・バイアス現象」は顕著です)

私たちは自らを守るために 外の世界 に目を向ける必要があります。

一点に頼るより、
離れた地点に「別の拠点」を設けておく方がよい・・。

これが「国際分散投資」の マインド です。


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                最近、外食が多い気が・・。     



2005年06月07日(火) Time is mysterious


こんにちは、カン・チュンド です。

わたしも人並みに音楽を聴きますが、

「キャンディーズの 春一番 が好きです」と言うと
ぎょっとされるでしょうか(笑)

この歌、ワタシはひそかに名曲と思っています。

(テンポをもう少しスローにして、
混声2部合唱にでもしたらすごくイイと思うのですが・・)

ところで「春一番」は昭和51年に発表された曲です(今から29年前!)

わたしと同じ世代の方はおそらく、今でも口ずさむことができますよね。

⇒ 29年 という時間も、
ひとつの歌を媒介に振り返ればあっという間の出来事になります。


その一方で、私たちは日々の生活に追われています。

明日の仕事の打ち合わせ場所 を確認し、月末の支払い を気にし、
日曜日の 家族サービス に頭を悩ませています(笑)

時間 というものはホント、不思議なものです。

例えば、株式市場という「いちば」は毎日開いていますが、

毎日この「いちば」に行く人が一体どれくらいいるでしょうか?
そもそも株式の値段(株価)って、毎日気にする必要があるのでしょうか?

(わたしはいつもお客さまにお話しますが、)

⇒ 私たちにとって都合のよい【時間スパン】を持ちましょう!
ということです。


今年のお盆休みに帰省して、3年 ぶりに地元の友達に会ったなら、
「よお、久しぶりだな」と挨拶しますよね。

ふたりの会話には、
3年 という時間の隔たりを感じさせない親密感があるでしょう。

これって、ふたりの間に【共有してきた歴史】があるからなのです。


生まれて初めて「リスク性の資産」を持たれたら、
はじめのうちは 毎日の値段 が気になって仕方がないと思います。

(ドキドキ ハラハラ・・)

しかし、「ワタシはなぜこんなこと(リスク性の資産を持つこと)を
しているのか?」= 何のための 資産形成 なのか?

という【命題】に帰れば、

「毎日の価格変動 を気にしても仕方がないな・・」
ということに気づかれるはずです。


資産運用 とは、
◆ 皆さんの人生と、金融資産の【共有時間】を築くことなのです。


皆さんの人生の 時間スパン が「主役」であって、
その時間の流れの中に 金融商品の 保有スパン を載せているだけなのです。

(これが長期投資というヤツです・・笑)

この長期投資、たいへん長く、たいへん地味な作業です。

はっきり言って退屈です。

ドラマ性に欠けます。
話題性もありません。

(だって「動かない」わけですから・・)


わたしはお客さまに、
「まず 季節の移り変わりの時間 を持ちましょう」と申し上げます。 

「四季」が移ろう気配を察する程度の 時間スパン を、
まずは持っていただきたいのです。

季節 が変わったら、
自身のポートフォリオを覗いてみるという「感覚」ですね。

それがクリアできれば、
毎年の 祝日、あるいは 皆さんの誕生日 で 時間スパン を自覚しましょう。

(1年 という【時間軸】を持つこと・・)


株式市場という「いちば」や、
経済ニュースが発する 時間スパン(毎日)、

あるいは マネー雑誌の 時間スパン(1ヶ月)に
別に合わせる必要はないのです。

誤解を恐れずに言えば、

◆ 投資 を行っていることを忘れてしまうくらいの
  時間スパン を持つことが、長期投資の本質 だと思います。

もちろん、ポートフォリオの「定期点検」は必須ですが、
皆さんの資産運用は 3年、5年 で終わるわけではありませんよね。

お金を効率的に 管理・運営する作業 は、
(実は)一生涯のお付き合い なのです。


学生時代のことを思い出してみてください。
昔好きだった異性 のことを思い出してください(笑)

「ああ、あれから 15年 も経つんだな・・」
としばし感慨に耽るでしょ?

(ん、どうして15年なの?)


皆さんは(実は)
⇒ 長期の 時間軸 を持つことに長けているのです。


どうかこのことをお忘れなく!


「20年先 のことなんて・・」と思われるでしょう。
しかし、20年後 は必ずやってくるのです(笑)


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第13回 知的人生設計入門 2日間だけ通う【お金の学校】です!

    6/25・26日 in 東京




                 涼を求めて 木影道・・




2005年06月03日(金) 何がこれからのビジネス(産業)になるのか?


こんにちは、カン・チュンド です。

(突然ですが)オーストラリアの大学では、
サーフィンの学位を取れるコースがあるらしいです。

その名も Surf Science and Technology

サーフィン学科の「目的」として、

ファッション や 観光 とリンクさせて、
世界的な産業に発展しつつある「サーフィン」を総合的に学ぶこと

と謳っています。

(かっこいい・・)

「うそだあー」と思われる方は、
西オーストラリア州立 エディス・コーワン大学 に
アクセスしてみてください。

Edith Cowan University

    
この大学はまさしく、サーフィン を【学問】として捉えています。

(知的好奇心をくすぐられますね・・)

1年次には、海洋学、気象学、経営学 などを学び、
2年次になると サーフィン用具の製作 や、競技会、イベントの運営
といった専門的分野に進んでいきます。

3年次には 卒論テーマ を見つけ、掘り下げていく作業に移行します。
(オーストラリアの大学はたいていが3年制なので・・)

サーフィンは 海 を相手にするスポーツ(ビジネス?)ですから
理科系に強くないといけません。

また、ビジネスの観点から
財務 や マーケティング についても学びます。

(つまりサーフィンを起点に ビジネス発想 を養っていくということ・・)


考えてみれば、

何が これからの ビジネス(産業)になるのか、
つまり、何が 生活者のニーズ に叶うのかは、

会社 が決めるわけでも、大学の教授 が決めるわけでも、
シンクタンク が決めるわけでもありません(笑)

生活者のニーズ というものは「湧き水」の如くそこかしこに潜在し、
見ようとする人には見えてくるものなのですね。

スポーツ、健康(ヘルス・サイエンス)といった分野は、

今後 人間にとって「娯楽・消費活動」という 側面 を持ってくると
わたしは思います。

(健康、身体的な爽快感 にお金をかけるということ・・)


◆ 人間の 嗜好 が変われば ビジネス も変わる

◆ 新たな 技術や出来事 が ビジネス を変える


「えっ、そんなことが商売になるの!?」
と友人に怪訝な顔をされても、

まったく気にする必要はありません。

商売になるかならないかは 消費者 が決めることです。

(人は何十年、何百年と“変化”を求めて生きてきたのですから・・)

昔のセオリーにしがみついて、
昔の遺産で本日のご飯を食べているような輩に、

「半歩先のニーズを汲み取ろう」という
投資の精神 が湧くはずがないじゃないですか。


ホームページ上で、小さな事務所で、一軒のレストランで、
他者にマネの出来ない【付加価値】を創造できれば、

それは立派な ビジネス になり得るのです。


人類はほんとうに長い時間をかけて、

資本 を持たない 一介の生活者 に「起業」という道を開いたのですね。


やはり

「おもしろい時代が来たなあ」と感じてしまいます、しみじみと・・。


   原点に還ろう....★

第13回 知的人生設計入門 2日間だけ通う【お金の学校】です!

    6/25・26日 in 東京


 
        最近飲んだ中ではいちばん美味しかったワインです。
           (マルケス・デ・リスカル スペイン産)
    


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