嗚呼!米国駐在員。
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2005年10月31日(月) 駐在員がほっとする瞬間

日本からの出張者を連れて米系企業2社を訪問。

ただの表敬訪問のつもりが、それぞれ幹部のお偉いが出てきて予想外の討論を強いられることになったが、それなりに決断の速い幹部との話は実りあるものになった。

日本からの出張者はまだ若手だが、米国短期留学もしてTOEICでも高得点を挙げていると聞いていた。確かに自信満々、意気揚々とアメリカにやってきた。
英語のバックボーンもろくになく、たかだか米国滞在2年半の自分は語学力で見劣りするかなあ、などと思ったのだけど、

「さっきのミーティング、何て言ってたのですか。全然分かりませんでした。」

と聞いてきた。う〜ん、駐在員がほっとする瞬間である。


そうそう、TOEICのような英語をしゃべってくれるアメリカ人なんていないんだよ。


あと、これもトレーニングだ、とか何とか言ってレストランで注文をさせたのだが、ウェイトレスに案の定「もう一度言ってください」と言われ、
もう一度注文を繰り返したのだけど、首をすくめて両手の平を上にあげて 「 Ha !? 」と言われたとき。

これまた横で見ている駐在員がホッとする瞬間である。


自分は実に嫌らしい人間である。
ただ、普段は狭い社会で生活しており、アメリカでの自分の語学力や交渉力がどの程度ついたのかを客観的に感じる瞬間というのは全くない。所詮、比較でしかモノを図れないのだが、何も比較の出来ない中でいると、こうしたササヤカなことでも、少しは自分も成長したかも,と感じることが出来、それはそれで貴重なのである。


2005年10月30日(日) サマータイムが終了

日曜日。午前2時ででサマータイムが終了。
アメリカが初めてという日本からの出張者を空港でピックアップしてそのままピッツバーグへ。

レンタカーや空港のレストランの時計はまだサマータイムのままだった。
おまけに東部時間で時差もあるから、一体今ココは何時なのですか?と聞く出張者への説明もややこしくなる。

とにかくいよいよこれで本格的な冬の到来となってしまう。

ところが小さなメリットが1つ。日本への連絡が1時間早くなる。これまでは午後7時が日本の午前9時。これからは午後6時で日本と連絡が取れる。
まあメリットというほど楽しい話でもないか。



2005年10月28日(金) 米系取引先とゴルフ

今日はデトロイトの米系取引先とゴルフ。

夏ごろに今年もゴルフ行こうか、と誘われていたものの、その後は何も連絡も無し。
まあこちらはどちらでも良かったのだけど、そのまま無視するのも何なので、「例のゴルフの話どうなったの?」と聞いたら、じゃあ今週金曜に行こう、となって急遽飛行機を予約してやってきた。なんだか社交辞令を真に受けてしまったようで少々後味が悪い。朝晩は既に35F(約2℃)まで冷え込んでいるので寒さが心配だったけど、時折太陽も顔を出すくらいの天気で寒さもそれほど厳しくなく、これは本当に助かった。

朝、会社に寄って簡単に仕事の話をしてからみんな揃って車で移動。
ゴルフに行くというのにアメリカ人は堂々としていて、残っている社員も行ってらっしゃ〜い、と見送ってくれる。

何せ相手はアメリカ人のお偉い3人で場所もいかにも高級なプライベートコース。
いくらアメリカ人と同組のゴルフが慣れたとはいえ、いつもは見知らぬ人。今回は相手が大事な取引先だからそれなりに気を使わなくてはならない。とはいえ3人ともゴルフがうまいので、こちらも迷惑かけずについていくことだけで必死であり、とても気を使うどころではなかった。

やっぱり言葉の問題は大きい。
ビジネスの場合は話すことが決まっているから余程気楽だ。遊びや日常会話の英語は意外と難しい。例えばいわゆるOKパットを与える時、アメリカ人は「OK」などとは言わずに、「That's yours.」と言うのだが、これも最初は何のことやらさっぱり分からなかった。周りの3人が繰り出す会話の端々に出てくるこうした意味不明の言葉が、何とも孤独感を感じさせるがそれもよし。

誘われるままに普段はプレー中に飲まないビールを飲み、もらった葉巻(1本20ドルもするそうな)をくわえての完全にヨソ行きゴルフで、楽しむところか結構精神的には疲れたのが実感。まあ、溶け込んでいるようで溶け込んでいないこんな日本人1人を誘ってくれるその好意はうれしかった。

プレー後は、それぞれ地元バスケットのコーチやら友人とのパーティやらという、皆さんいわゆるアメリカ人オヤジらしい予定が入っていたというのに夕食を簡単に付き合ってくれた。

酔っ払って空港までハイウェイを飛ばして、夜遅くまで便があったのでやむなく選んだNorthWestで帰宅。




2005年10月27日(木) FAKE LAUGH

隣のアメリカ人スタッフが電話をしていた。
相手は我が社の別支店の日本人駐在員のようだ。しきりに冗談を言っている。が、こちらの耳に入ってくるアメリカンジョークはさっぱり面白くない。

その彼が電話を切った途端、顔をしかめて言った。

「アイツ、俺の言っている事、まったく分かっていない。英語が分かっていないよ。」

「え、アンタのジョークに反応しなかったの?」

「いや、笑ってたよ。 でも、あれは FAKE LAUGH (いんちき笑い)だぜ。」


当然といえば当然なのだが、冗談が分かって笑う場合と日本人特有のごまかし笑いをアメリカ人はちゃんと区別している。

これからは愛想笑いに注意しよう。それにしてもFAKE LAUGHなんて裏で思われてもかなわないなあ。


2005年10月26日(水) あと1つ。

ヒューストンで行われた昨晩のワールドシリーズ第3戦が盛り上がった。

1点を巡る攻防。計43人もの選手が登場した延長14回の熱戦は、午前1時半まで続いた。5時間41分はシリーズ最長。

途中で何度も寝ようと思ったが結果が気になって寝られない。おかげで今日は睡眠不足だ。
チームを勝利に導いたのは、井口に代わって出場したブラムの一発。あのまま井口が出ていたらどうなっていたのだろうか。

勝手なもので、敵地での試合はやはり気分が悪い。
相手が2ストライクに追い込まれると一々観客が総立ち。微妙な判定は一々球場全体がブーイング。何せメジャーは地域が根付いているから、相手チームを応援するファンなど全体からすればほとんどないに等しいから、なんともいえない迫力だ。

それにしても、毎年優勝候補No.1のスーパースターを揃えたチームで活躍している松井には手の届かないワールドシリーズ優勝の座に、契約でもめてなかなか移籍先が決まらなかった井口が、88年も世界一から遠ざかっている不人気チームに入ってその優勝まであと1勝と迫っているのも面白い。人生は本当に何がいいのかは分からない。

そういえばホワイトソックスは去年大活躍をした高津をシーズン途中でクビにしたのだが、高津の存在はどれだけの人が覚えているのだろうか。

という事で、大熱戦は見ごたえがあった。
でも、一番驚いたのがあれだけ夜遅くまでやっていたのに、全国紙のUSA TODAYがちゃんと朝刊に試合結果を写真入りで載せて配達してきたことだ。
やれば出来るじゃないか。

ただいま試合は3回表終わって0-0。
井口がチャンスでまたまた凡退・・・。


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2005年10月24日(月) 時差ある国とのメール交信

こうしてアメリカにいて時差のあるアジアや日本などを相手に仕事をしていると、どうしても仕事のやり取りはメール中心になる。

前日の晩に流したメールに対する返事が、翌朝出社すると届いている。うまくいけば効率的だが、なかなかそうはいかないのが現実だ。メールでやりとりをする相手の対応の仕方というのも、人によって色々であり面白い。


困るのが、ある案件に対するこちらの要望に対して、大筋に関係ない細かい質問のみをメールしてくるパターン。

質問してくるのが悪いわけではないけど、こちらからすればメールを受けた日に行う事が出来るのはそのつまらない質問に答えるだけであり、つまり丸一日無駄になる。
これは我が社の若手社員などに多い。
こちらも無駄に1日過ごさぬ為に、寝る前に一旦メールを開いて、日本時間の午前中に送信された問い合わせにはすぐに返信するようにしている。業務経験がないというのはある意味でやむを得ないが、相手が社内であろうと一歩先を見た内容の連絡をする事は大事である。

もっとも、最悪なのは返事がないこと。
送った側からすれば、メールが無事に届いているかどうかも分からないし、相手が状況を理解したのか単に放っておかれたのかどうかも分からない。例え、忙しくて何も取組みが出来なかったとしても、メールを受け取りました、と返信する事は国際間商売では最低限のマナーである。長期出張や長期休暇の際はあらかじめ関係者に連絡をしておけば、余計なストレスを相手に与えずに済む。


ある程度業務経験がある相手になると、たとえこちらの要求に対してお断りの内容でも、「No」だけで終わらせるのではなく背景説明、そして「カウンター案」や周辺情報が出てくる。もしくは、こうすればいいのでは、などと色々提案をしてくれる。こちらからすれば、例え要望に対するストレートな回答がなくても、そういった周辺情報や提案をベースに新たな可能性を探る動きを、メールを受け取ったその日に行う事が出来る。もっとも、これは時差のあるなしとは関係なく全てのメール交信に必要な事かもしれないが、海外駐在経験者、そしてインドや中国の優秀なエージェントがこういった対応をしてくれる。


こちらの立場(相手もそうだが)からすれば、メール内容に質問や疑問があっても、真夜中で熟睡しているだろう相手に電話する訳にはいかないのが本当に困る。

おそらく、時差のない国同士であれば電話1本で話が出来るから、こうしたメール上の問題は起きづらい。お互いに話をしながら疑問があったらその場で解消出来るし、情報交換もたやすい。

メールは「わざわざ」文章にしないといけないから、確かに手間がかかる。それに、文章に残るから書き手はある程度内容を考えて書かなければならない。確かに、文章は怖い。何度も何度も読み返す事が出来るがゆえに、内容がお粗末であったり不本意であれば、送信してきた相手への不信が読む度に増殖されることもある。日本国内のように、気軽に電話を一本入れてフォローとはいかない。

もちろん、こちらが相手に思うことは相手がこちらに要望している事であるから、自分も常に気をつけている事である。


2005年10月21日(金) ホワイトソックスが地元で人気がないワケ

ワールドシリーズに46年振りの出場を決めたホワイトソックス。
実は、地元シカゴでは誰もがホワイトソックスを応援しているわけではない。

シカゴでは、工場が建ち並ぶ南部にはソックス・ファンが多く、高所得層が住む北部にはカブス・ファンが多い。

要するに、黒人はホワイトソックスファン、白人はカブスファンという図式がはっきりしている。

ホワイトソックスのホーム、セルラースタジアムに行くと、球場周りの貧しく異様な町並みと多くの黒人に誰もが驚くことだろう。

カブスファンはホワイトソックスが嫌いだ。白人の多くは、さあ地元ホワイトソックスを応援するぞ、という気分にはあまりなっていないのが実態である。






井口人気でホワイトソックスの活躍は日本でも多少報道されたのだろうか、日本の取引先などからうちの米人スタッフに対して「ホワイトソックス、ワールドシリーズ出場。よかったですね。」というメールが届いた。

それに対して、「自分はカブスファンだから。」とわざわざ断りをいれて返信していた。相手は何の事か分からなかっただろうけど、この米人からすれば、俺は白人、ホワイトソックスなぞ応援する人間ではない、と主張していたという事である。

2003年にナショナルリーグ優勝戦でカブスがマーリンズと対戦した際は、テレビも新聞も周囲も、今回よりももっと盛り上がっていたように思える。シカゴ市民では圧倒的にカブスファンが多い。が、その時もシカゴ南部では相手のフロリダを応援していたそうだ。

ソックスはチケット売り上げの低迷にも常に悩まされている。
シーズン中、カブスのチケットは成績に関係なく売れる。平日でも成績が悪くても全試合満員御礼だが、ソックスの観客数はいつもリーグの下位を争っている。ホワイトソックスの今シーズンは最高の成績であった。しかし、そんな今年でさえチケット売り上げは230万ドル。一方のカブスは310万ドルを売り上げた。 そのためホワイトソックスはリーグ優勝を決めた翌日の17日、2006年シーズンチケットの購入者には、ワールド・シリーズの地元4試合のうち1試合のチケットを進呈すると発表した。


黒人でも白人でもない日本人の自分は、純粋に地元ホワイトソックスを応援するだけである。実にシンプルでよい。


2005年10月20日(木) 来客アテンド

珍しく日本から団体客が来た。

仕事上では自分と彼らは全く関係がないのだが、駐在員は送り迎えから食事から接待からお付き合いに参加せねばならない。

メンバーの中心は典型的オーナー企業の社長とその若息子(既に専務)。そして、その会社の取り巻き企業のお偉い方のオヤジたち、という、何とも対応の難しい面子であった。まあ、出張という名の慰安旅行である。

いやいや、それにしても久しぶりに「天皇」と呼ばれる我がまま社長のお付き合いはキツイ。
スケジュールは気まぐれでコロコロ変わるし、取り巻きの米ツキバッタぶりを見るのも気分が悪いものだ。夕食にはリクエストのあった高級ステーキハウスのプライベートルームを何日も前から予約していたのだが、直前で「今日はお肉はいらないや。」で全て取り消し。慌てて電話をしてキャンセルしたが、キャンセル料200ドルがチャージされた。オッサン、払ってくれるんか!

将来が約束されたこの息子ってのも、なんだかパッとしない。
その立場だけで周りがチヤホヤしているのに、それに気がつかないのはしょうがない事だろうか。
一般企業のペーペー社員だったら見向きもされないで!

...と文句を言っても、所詮世の中はカネと権限を持っている人間はチヤホヤされるのである。


本日無事に一向は全員ファーストクラスに乗って日本へ飛び立ちました。

やっぱり自分とは縁遠いお方々なのだった。


2005年10月18日(火) 何故 「米人(ベイジン)」?

今日はオフィスからハイウェイで1時間ほどの取引先を訪問した。

相手は何度か会っているがたまたま初めて行く支店だったので、先方に電話して道順を事前に確認した。アメリカ人って、こういう場合はいつだって実に丁寧に説明してくれる。

ところが、こちらも初めて聞くストリートと地名ばかりで途中で何を言っているか分からなくなった。すると、丁寧にメールで道順を送ってくれた。

訪問先は見知らぬ土地という場合が多いが、田舎なかりなので意外とあっさり目的地に着くものだ。今日も余裕を持って早めに出発したのだが、何の迷いもなく目的地に到着。

受付のオバサンに、「Danと会う約束しているんだけど」というと、「OK、じゃあ待ってて。」と言われてソファーに腰を下ろす。

それから待ちに待って15分後。

上品な老婦人が目の前に立った。

「私はDanの秘書のキャッシー。あなたはアポイントを取っていないと思うんですけど、何のご用件か伺ってもいいかしら?」

「えっ、アポイント取っていますよ。道順まで教えてもらったのに。」

と、よく聞くと、Dan違い。

受付のオバサン、どうやらかなりお偉いさんを呼んでしまったようだ。

最初にLast Nameをしっかり言うべきだったのだが、長くて発音も難しいので勝手に省略してしまった。Danが複数いる場合は、受付はLast Nameを聞いてくるのが普通だが今回は聞いてこなかったので、ああ、1人しかいないんだ、と勝手に思い込んでしまったのである。


商談終了後、またハイウェイで1時間。
天気もよく実に快適なドライブ。午後4時半ごろ帰社。

今日は日本人が全員外出している。

みんなマジメにしっかりやっているかな、と思ってオフィス扉を開けたら、案の定、米人スタッフの1人がのんびりとコーラ片手に足を組んで新聞に夢中になっていた。すっかりリラックスムード。こちらも予想していたのでそんな光景を見ても今更驚かない。しかし、既にパソコンの電源が切られていたのは予想外だった。

もっとも、この米人からすれば日本人が1人外出先から戻ってきたのが予想外だったのだろうが。


ところで、何故アメリカ人のことを「米人-ベイジン」と呼ぶのだろうか。

アメリカに赴任してきたころは違和感があったのだが、今ではすっかり日常語。日本人や中国人を決して日人とか中人とか言わないのに、米国人だけ米人はおかしいような。

どうもこの「ベイジン」という単語というのは、アメリカにある日系企業が使う独特の単語の気もする。日常会話では、アメリカ人とはいうけど、ベイジンなんてなかなか耳にしないしなあ。


2005年10月17日(月) どうしてそうなるアメリカ人スタッフ

日曜日の昨晩は日本からの出張者を空港まで迎えにいってそのまま焼き肉屋で会食。
時差ボケか何かでハイになった日本人にあわせるのも辛いものだ。大して飲んでもいなかったのに、今朝になると酒(仁露)が残っていてキツい。ただでさえ気乗りしない月曜の午前中をなんとなく過ごしてしまう。

ランチはなるべくオフィスが入っているビルのカフェテリアを利用するようにしている。
決してそこがうまくて安い訳でもなんでもないが、わざわざ昼飯ごときで車に乗って出て行くのも面倒だからだ。

いつもレジは長蛇の列。
自分の3倍もあるような腹周りの女性たちがおしゃべりしながら並んでいる。決まって食い物とバケーションの話だ。数ドルのランチにいちいちカードで決済するもんだから、時間がかかってしょうがない。価格が高いこともあるのか、彼女らのランチは意外と質素だ。スープとサラダとパスタ程度。

こちとら、冷えて硬くなったピザを食べながら窓の外に目をやると、わが社の米人スタッフどもがタバコを吸いながらのんびりとお喋りしているのが目に入る。
日本人がランチで事務所にいない間は彼らの格好のサボリタイムだ。
そして、日本人がランチを終えて三々五々にオフィスに戻るとランチに行ってしまう。絶対にきっかり1時間半は戻ってこない。誰もが決して悪気があってやっているわけではない所が事態を一層困難にしている。いい大人の彼らの首に縄をつける訳にもいかない。同じビルにある別の会社の日本人駐在員と会うと、決まってそんな米人の悪口になる。


午後からは米人スタッフの1人と打ち合わせ。
日本からの出張者が10月末にやってくることになったので、担当の米人にアテンドの段取りをするように伝えたら、

「10月31日はハロウィンだから駄目だ。」

オッサンのお前にハロウィンはないだろ、と言いたい所だったけど、アメリカ人は仕事よりも家族が優先でそれは否定出来ない。郷に入れば郷に従わなくてはならない。

ハイハイ、あなたの仕事は私がやりましょう。そうすればいいんでしょ。 といっても、このスタッフから感謝される事など期待してはいけない。

彼は、「こんな時期に出張に来る日本人がおかしい。」と思っているだけだから。


そんなこんなであっという間に5時。
米人は全員揃って10分前にパソコンの電源を落として帰宅のスタンバイ。毎日毎日これだけは見事に時間厳守で感心する。急ぎの案件があっても4時45分以降は頼んではいけない。帰宅が5時を1分でも回ったら、用事を依頼されたと言って30分もの残業を堂々とつけてしまうから。

午後7時からは朝を迎えた日本からの電話が入り、米人スタッフの働きが悪いだとかもっと日本人のお前が面倒みろだとかのお小言で我がスタッフのフォローに回る。


スタッフはみんな良い人ばかりなんだけど、何でこうなっちゃうんだろう。よっぽど腹黒い日本人の方がたちが悪いんだけど。

自分も一度アメリカ人ってやってみたいよ。



2005年10月16日(日) 目標管理制度の矛盾

わが社でも、一時のブームに乗って目標管理制度が導入されて早10年近く。

一方的に運用を押し付けられた社員からすれば、これが全く役に立っていないように思える。


1)自分の目標さえ達成すればいいという考えに陥りがちで、他社員、そして他部門との連携を考えなくなってしまう。情報の囲い込み現象が起きる。

2)数値目標に対する達成度をはかる、という意味では明確な評価は可能だが、結果が全てになってしまう。
商社の売上数字などというのは、運不運に左右されることも多いのだが、この制度下では本人の努力というものがなかなか反映されない。
例えば、昨今では原油や鉄鉱石などの原料、エネルギー関連、そしてトヨタやホンダなどの日本車に関係する部門は、黙っていても何もしなくても数字だけはうなぎのぼりである。

本来評価を受けるべくビジネスモデルを作った人よりも、好調な部署にたまたま在籍していた人の方が高い評価を受けることになる。

つまり、結果を出すためのプロセスや仕事の進め方に注意が向けられない。

3)金銭を目的にするような制度が本当に企業の発展に役立つのだろうか、という疑問。


要は、数字を出したもの勝ちの世界。
中国ではないけど、上に政策あれば下に対策あり、の世界。社員の中には、ほぼ数字が出せそうな目処がついたような商売を、さも新規目標のようなことに仕立て上げ、ほとんど出来レースで高評価を取るなんて当たり前の世界になってきている。これをテクニックというのだろうか。100%の社員が納得のいくような評価制度なんてこの世にないのだろうけど、目標管理制度というのは評価が明確にできる分、結局はその目標の達成水準の妥当性や目標に至る難易度の取り扱いに不満が出てくることになってしまう。

こうして海外駐在をしていると、この無駄な荒波から多少避難することが出来るのだが、日本に戻ればまたこんな世界に直面するのかと思うと何とも憂鬱である。

確かに会社にとって数字を挙げることは非常に大事な事であり、その基本は我々従業員も忘れることはない。
ただ、業績目標だけでなく、成果を挙げるために何をするか、という遂行手段も評価されることにならないと、将来的に非常に歪んだ会社体質になってしまいそうだという心配がある。それに、金というニンジンだけぶらさげれば全ての従業員が働くのかといえばそうではないともいえるだろう。


この制度っていうのもよく考えれば、管理職が部下の評価をする際に楽になっただけという気がする。
目標数字と達成数字は誰がどう見たってクリアなんだし、その比較で評価をどうするか自動的に決めるだけなんだから。となると、何であんなに大勢の役立たずな管理職オヤジがわが社に存在しているのか、という話になってしまうが、それは別の問題か・・・。


2005年10月13日(木) 「なぜ会社は利益を出さねばならないんですか?」

売上、利益。とにかく、数字、数字、数字。
これが営業マンと経営者である以上は、一生付いて回る。
そろそろ年度末の数字が見えてきた頃であり、1月には新たに2006年の目標数字作りをしなければならない。毎年同じことの繰り返しである。

会社に入って数年間は思ったものだ。
なんで企業は利益を上げなければならないのか?なぜそこまで数字にこだわらないといけないのか?ところが、この疑問は面と向かって誰にも聞いたことはない。
おそらく、社会人にもなってそんな当たり前の事を質問するんじゃないよ、という反応が来るのを恐れていたのかもしれない。


でも、世の中の多くの若手の社員なんて何故だか分かっていないのではないか。盲目的に上司に言われるままに数字を追いかけているだけ。なぜ利益が必要なのか、それすら考えた事もない。訳も分からずに数字だけを押し付けられている、と考える社員は意外と多いのではないだろうか。

そして一方、「何のために利益が必要か」をきちんと説明した上で、部下に納得して働いてもらっている上司がどれだけいるのだろうか。


企業にとって、利益を出すことは次の観点から必要なのである。

� ー勸�のため
利益を出せば、給料やボーナスとして社員に還元する事が出来る。つまり、日ごろ働いている自分への報酬につながる。

�◆ヽ�主への配当金
株式会社である以上、出資をしてくれた株主に対して配当金を出して満足してもらえるような利益を出さねばならない。

�� 社会貢献
法人税は46%近く。利益を出すことによって税金という形で世の中の役に立つ事が出来る。

�ぁ〕算餤擇單蟷�
利益を出せば健全な会社とみなされ、銀行から資金が借りられる。そして、投資に必要な資金がそこから生まれる。



今年の売上目標、利益目標はいくら、と数字ノルマをぶつけるだけでなく、何故利益が必要かという部分を上司たるものはしっかりと説明できなければならないと思う。

「何故数字が必要かって?そうじゃなきゃ、俺の立場が悪くなるだろ。」

間違ってもこんな事を言ってはならない。

まあ、たいがいのサラリーマン上司なんて実はそんなものかもしれないし、そんな立場を互いに容認出来る上司部下の関係というのも悪くないのだが.


2005年10月11日(火) マツイ - ヤンキースでの最終打席 ?

朝晩の冷え込みが厳しくなってきた。
通勤途中の道路脇に、車にタヌキのような死体が転がっているのが目立ってきた。車にはねられたのだろう。動物も寒くて動きが鈍くなってきたという事だろうか。
月曜日はCOLUMBUS DAYで3連休だったが、完璧な防寒対策で3日間ゴルフ。こうして外で動けるのも来週までだろう。そして、長く厳しい冬が始まってしまう。


テレビではメジャーが熱い。
日本人大好きのヤンキースが早々と姿を消した。スーパースターの一流選手達が必死にもがいているのが画面を通じてよく分かったのだが、気合でどうにかなる世界でもない。

なかでも松井はよく研究されており、全く打ちそうもなかった。この試合、5打席で8人もの走者を残塁させた。そして、今朝の新聞では「マツイが敗因」とたたかれた。シーズン中、あれだけチームに貢献してきても、最後の1試合の調子が悪かっただけで戦犯扱い。そして、そのまま挽回のチャンスもなくシーズンは終わった。これがメジャーの厳しさ。

最終打席は9回。最終回2アウトランナーなしから、よせばいいのに3番のジアンビと4番シェフィールドがヒットでつないでしまって5番の松井に回ってしまった。そしてやっぱり凡退してゲームセット。松井のこんな姿は見たくなかった。

解説者は「Matsuiはこれがヤンキースで最後の打席かもしれません」とコメントした。

アメリカでは実績を残した選手は自分を高く売って当然と考えられる。日本のような球団への忠誠心への美徳はあまりないようだ。松井は今年が3年契約の最終年であり、11月15日までにヤンキースと契約しなければフリーエージェントとなる。

給料だけを見ると、松井のUS$8Mil.は安すぎると言われている。

球界最高給は同僚であるA.RodriguezのUS$26Mil. ヤンキースの他の選手を見ると、JeterはUS$20Mil、Giambi US$13Mil,PosadaはUS$11Mil。 

松井はチーム内で13番目。カネだけじゃない、というのは建前であって、カネでしか実力が評価されないこの世界。松井に対するヤンキースからの契約条件内容によっては、あっさり松井が他球団へ行くというのは何もおかしな事ではないとアメリカでは思われている。実際に、チャンスに強い打者が欲しい球団は、既に破格の条件を用意しているという噂もある。


個人的には、松井には他球団に行って欲しい。
ニューヨークだけがアメリカではない。星陵-巨人-ヤンキースという、松井の歩んできた野球エリート球団から一歩離れたチームでのプレーを経験することは、将来監督になった時にも必ず役に立つはずだ。



でも、結局は残るんだろうな、ヤンキースに。
ニューヨークは日本飯もうまいしな。そして、松井の場合、本当に金にこだわっていないような所があるし。それが、彼が日本人に慕われているという理由の1つでもあるのだろう。


2005年10月06日(木) Gooch大活躍

サウスカロライナに出張。
早々と商談を終わらして夕刻にHiton系のComfort Innにチェックイン。
恐れてはいたが、部屋がワイヤレスネットワークという事で、またもやネットに接続出来ない。ワイヤレスの場合、アクセスコード(暗証番号)をフロントでもらわなくてはならないし、ワイヤレスカードをフロントで借りなければならない。カードを借りてみたが、案の定アクセス出来ない。パソコンの環境が悪いのか?今まで一度もアクセスできたためしがない。ややこしい事は止めてもらって、中国のようにケーブルにしてくれないかと思う。

そして、ホテルの周りは夕食が取れそうな場所がやっぱりない。
ウェンディーズでハンバーガーとサラダを夕食に購入。そして、スタンドでチップとミラーライトの缶を2本。一本700mlもあるが、わずか1ドル39セント。ネットも繋がらないし、出張報告書を書いてからはビールを飲みながらメジャーのPlayoff観戦を決め込む。


午後7時からはホワイトソックス対レッドソックス。
4対0でホワイトソックスが負けていたが、2点を返してランナー2人。一発出れば逆転という場面で我らが井口が登場。

打席で構える井口を見て最初に、ああ、野球人冥利につきる瞬間だろうな、と思った。

球場一杯の大観衆は井口を応援して総立ち。1球ごとに叫びとも歓声ともいえない大声援で球場は異様な雰囲気だった。ホワイトソックスは地区で優勝して、ワールドシリーズ出場をかけて前年優勝のレッドソックスと対戦。日本じゃあ、絶対に味わえない雰囲気だ。言葉で表しようがない。井口自身も、メジャーに来て感じた日本のプロ野球との違いの一つに、地元の試合で相手チームのファンがほとんどいないことに驚いていた。それだけメジャーは地域密着。

メジャーリーグにやって来てよかったな、井口(チームではGoochと呼ばれている)。




さて、打席の井口。
状況からして見ているこちらがしびれる場面であったが、「井口、ホームラン打つな」と(本当に)思った。
井口はメジャーではホームランバッターではないのにそう思った。直感。井口はメジャーでは新人とはいえ、日本では常に優勝争いをしてきたダイエーホークスの経験がある。だからだろうか、打席の井口は異様に盛り上がる観客とは違って妙に落ち着いていた。

そして、その通りに逆転ホームランを打ち、そのまま試合は終わった。

選手全員に迎えられる井口。野手と談笑する井口。先発ピッチャーから後ろから抱きつかれて困惑した笑顔を見せるGooch。

「Silent Star」はすっかりチームの一員だ。



そういえば、「逆転勝ち」というのは英語で、come from behind the gameというそうな。英語を見ると意味が分かるけど、日本語からこんな英語はなかなか出てこないもんだな。


2005年10月03日(月) 米系航空会社のお粗末な仕事振り

米航空会社の客室乗務員組合が、ジョディ・フォスターが主演する新作映画「FLIGHT PLAN」の内容に反発し約9万人の組合員に観賞をボイコットさせ、上映に反対する運動を起こしている。映画は、先週の全米興行収入で初登場で首位。

映画の中での客室乗務員らは、米同時多発テロ以降、強化された警備強化や治安対策には全くむとんちゃくで、「態度が悪く、不親切」に描かれているのが大きな理由。 これに対して、「描写の仕方に憤りを感じる」「客室乗務員は日々、乗客の安全に努め、命をかけて乗客防護の最前線に立っている」と怒りをぶつけている。組合広報は、この映画を見た人たちが客室乗務員に対して誤った印象を抱き、乗務員への信頼を喪失する恐れがあると指摘している。

警備強化に無頓着、というのは何とも言えないけど、「態度が悪く不親切」は見事に当たっている。そして、権利とはいえ、使命感もなくやたらとストや抗議ばかり行う米系航空会社の組合員もどうかと思うのだが、映画鑑賞ボイコットまで呼びかけるとは何を考えているのか。ここは本当にアメリカかね。


一方、 米航空最大手のアメリカン航空は、中部国際空港と米シカゴを結ぶ路線を11月から運休すると発表した。表向きの理由はジェット燃料の高騰。実際は、乗客が集まらなかったから。このセコイ航空会社は、米国内線ではヘッドホンまでが有料貸与。


中部-シカゴ直行便が出来たとき、当初はビジネスマンもこの路線就航を歓迎した。

ところが、日系航空会社の素晴らしいサービスに慣れきった目の肥えたビジネスマンたち。アメリカンのPOORなサービスに愕然とし、もう2度と乗るまい、と誓った人がほとんどだ。確かにマニュアル通りではない機転の利いたサービスをされたとき、その瞬間だけは素晴らしいと思うのだが、通常のフライトにおいてそんな機会は全くない。

何より、日米12時間のフライトは、あまりにも長い。そんな中、寝不足の不機嫌を臆せずにぶつけてくるアメリカ人おばちゃんのガサツなサービスはあまりにきつい。

こんな話を聞いた事があるのだけど、日本路線は米系航空会社のスチュワーデスにとって「おいしい」搭乗だとか。
乗客の大半である日本人は、大人しく座っているだけでわがままも文句も言わない。その上に長距離だから搭乗手当てもガッポリ。よって、航空会社の中でも発言力のある「大御所(お局とも言う)」スチュワーデスが優先的にこの路線を選ぶらしい。自然と、日本線は年寄りの我がままスチュワーデスの格好の拠り所となっている。

一旦は直行便を試したビジネスマンの多くは、名古屋から成田に飛んでからJALで米国へ、という王道路線に戻っていってしまった。時間と手間はかかるけども、日系と米系ではそれを補ってあまりあるサービスの違いがある。もちろん、JALの方が料金が高いのだけど、そんなものは会社の経費だから関係ない。

結局、航空会社に取って大事なビジネス層、リピーターがつかなかったという訳だ。

そして、この路線でアメリカンを使う客は少しでも運賃を安く上げたい観光客しかいなくなっていった訳だが、如何せん米国中西部に行く観光客の数などはたかがしれているし、そのほとんどは1回切りの搭乗だ。


アメリカに来る日本人。
航空会社で米系を使う人というのは、マイレージを集めているだとか、価格の魅力、もしくは乗り継ぎの問題や時間的な都合だとかでやむを得ず使用しているのであって、決してサービスに満足しているから、という日本人はいないに違いない。



もっとも、米国滞在経験のある日本人が久しぶりにアメリカに来て国内線に乗ると、

「いや〜、このサービスぶり。本当に懐かしいよなあ。アメリカって感じだよなあ。」

と懐かしがるお人も意外と多いのだが。


Kyosuke