みのるの「野球日記」
==すいません、ちょっと宣伝です==

●『中学の部活から学ぶ わが子をグングン伸ばす方法』(大空ポケット新書)

新刊が発売になりました。
しらかし台中(宮城)の猿橋善宏先生の
指導法などが掲載されています。
詳しくは、大空出版HPをご覧ください。
http://www.ozorabunko.jp/book/gungun/

●『グラブノート』(日刊スポーツ出版社)
BBA梅原伸宏さんのグラブ本。構成を担当しました。
親指かけ・小指かけの結び方、グリスの入れ方など、
グラブをよりよくするための方法が書かれています。

*ツイッター始めました
@mino8989 です。

2005年09月27日(火) 藤枝明誠の6ヵ年計画

 静岡の藤枝市にある藤枝明誠高校に行ってきました。

 聞きなれない学校だと思いますが、勉強、スポーツともに近年上昇中の学校です。勉強のほうでは6大学や国立当たり前。一昨年、昨年と2年続けて東大合格者が出たそうです。運動部は駅伝が強く、冬の都大路の高校駅伝常連校。あとは囲碁も強いとか。

 野球部はというと、なかなか勝てません…。夏の大会も1つ勝てばいいほうでして。しかし、そんな野球部をどうにかしようと、3年前から改革に乗り出しました。それは、中等部を作り、6カ年計画の体制を敷くこと。選手を高校3年間ではなく、中学〜高校の6年間で育てていこうというものでした。
 と、ここまではどこかにある話。ちょっと違うのは、藤枝明誠は中等部に硬式野球部を作り、シニア登録してしまったことです。早いうちから、硬式ボールに親しませて、高校野球への対応を早くしようという狙いがあるようです(まぁ、正直、軟式でもいいんじゃないのかな…と思いますが)。
 
 その硬式野球部・藤枝明誠シニアの初代監督に就任したのが、国士舘高校の永田監督のお兄さんである永田弘光さん。明誠に来るまでは、静岡・静清工で19年間監督を務めており、夏の県大会で二度準優勝の実績を持っています。
 というのが、3年前の2003年の話。
 つまり、来年2006年4月から、藤枝明誠シニアの1期生が高校に入部してくるというわけです。永田監督も今年の8月下旬から、高校の監督に就任し、シニアの教え子たちの入部を、今か今かと待ちわびていました。

 シニアは決して強くはないのですが、今年の中3のエース鶴田くんは左腕で180センチ。日本代表として、米国遠征も経験したようで、来年早い時期に高校デビューがあるかもしれません。
 キャッチボールを見ましたが、確かに腕の振りのしなやかさは素晴らしかったです。中学生らしく(?)、体はヒョロヒョロでしたが。

 シニアを作っただけでなく、高校のほうも今までほとんどやっていなかった有望中学生の獲得に対して、徐々に本腰を入れ始めているようです。寮もあるので、県外から獲ることも可能とのこと。もちろん、入るにはそれなりの頭が必要ですが。

 さて、中高一貫校で、中学が硬式をやっている学校はどれぐらいあるのでしょうか。
 永田監督によれば「日本で初めて」の学校が、東京タワーの近くにある芝中学校・高校。こちらの中学校は芝シニアとして、シニアリーグに参加しています。で、これまた永田監督によれば、3年前にできた藤枝明誠シニアが日本で2番目。そして、いまは青森山田中学校、神村学園中学校もそれぞれ硬式野球部を持ち、シニアへ加盟。ボーイズでは福井高校の付属中学である福井中学校が、福井中学ボーイズとしてボーイズリーグの大会に参加しているようです。
 中高一貫校が増えている時代の流れから考えると、中学に硬式野球部を持つ学校がこれから増えるかもしれませんね。

 そうそう、今回の取材で初めて知ったことは、新しいシニアのチームを作るときは、近隣2チームの承諾がないと、結成は認められない、ということ。藤枝明誠中もシニアを作るにあたって、焼津シニアと、もうひとつのシニアから(名前忘れました)、「シニアを作ることを認めます」というハンコをもらったそうです。
 勝手に作っちゃいけないんですねぇ…。確かにシニアが近い地域に密集してしまうと、選手の獲り合いが発生し、結局はすべて共倒れ、なんて可能性もあるかもしれませんしね。



2005年09月22日(木) 千葉にも明徳高校があります

 千葉明徳高校に行ってきました。
 
 最初、「明徳」と聞いたとき、あの明徳義塾と何か関係が…、と思ったのですが、まったく関係なし。千葉明徳はもともとは女子校で(だいぶ前の話ですが)、いまは短大や幼稚園までも併設。大学なみのかなり巨大な敷地でした。

 千葉明徳の野球部が最近、プチブレイク中です。いままで大会に出れば初戦敗退があたり前だったのに、2年ほど前からグングンと力をつけはじめ、今夏は創部初のベスト16進出。この秋も、ブロック大会の初戦で浅間敬太(ロッテ)の母校・敬愛学園に快勝。県大会代表決定戦では、エースの故障が響き千葉経済大付属に逆転負けも、過去の野球部の歴史を考えれば、とんでもない飛躍でした。

 飛躍の要因は、学校が野球部の強化に乗り出したことにあります。3年前、東海大学を卒業したばかりの宮内一成さん(東海大浦安〜東海大。G久保と同期)を監督に招聘し、2年前にはコーチに石井勉さんを迎え入れました。石井さんも東海大望洋でエースとして活躍し、大学は駒沢大。大学卒業時には、プロテストを受けたほど、野球バリバリの方でした。
 このおふたり、とっても若い! 宮内監督が25歳で、石井コーチが27歳。そのせいか、練習も非常に楽しい雰囲気。「厳しく管理した野球は好きではない」と宮内監督が言っていましたが、その通りでした。ちなみに、おふたりとも、毎日選手と一緒にバッティング練習をしているそうです。

 野球部の強化策として…、昨年春、総工費約1億円をかけて、野球部専用グラウンドが完成しました。中学生が見学にくると、「この環境で野球がやりたい」というほど、立派なもの。なお、野球部のグラウンドのすぐ隣には、こちらは総工費3億円をかけたとのウワサのサッカー場とラグビー場まで…。金持ちですね〜。

 高知・明徳義塾ではなく、千葉の千葉明徳! 
数年のうちに、「千葉にも明徳がある!」ということが全国の高校野球ファンに認知されるかもしれません。それだけ、さらなる飛躍の匂いがプンプンと漂う注目の高校です。



2005年09月16日(金) 最初で最後の(?)授業

 いやぁ〜、変な汗をかいてしまいました…。

 本日、東京・江戸川区立小松川三中で、「総合的な学習の時間」の講師を務めてきました。
 いつもお世話になっている野球部の西尾弘幸先生から、「夢や仕事、就職について話をしてほしい」と夏前から依頼されていて、日時が正式に決まったのは9月のはじめ。
 正直、重荷&自分が人前で喋るにはまだまだ早いだろう、という気持があったので、断ろうと思っていたのですが…、いつもはこちらから取材をお願いして快諾していただいているのに、こういうときだけ自分が断るのはどうなんだろう…と思い、引き受けたのでした。

 西尾先生は、「人前で喋ることは緊張するけど、絶対に勉強になるから!」と言ってくださっていました。
 対象は小松川三中の中学3年生。1クラス30人ちょっとなので、だいたい130名前後。話しをする時間は約50分。
 何と、春先には同じ趣旨の授業で、修徳高校の小田川雅彦先生が講演をしたそうで…、「小田川先生のつぎに、ぼくでいいんすか?!」と思ったのは言うまでもありません。

 100人以上の前で話すのはこれが二度目でした。
「まぁ、どうにかなるだろう」とずっと思っていたんですが、前日になって急に不安になり、やっぱり予定原稿を書かなきゃダメだな、と23時頃に決意。夜中3時くらいまで、自分の短い人生をパソコンで打ち続けていました。
 
 小さい頃からどうやって生きてきて、自分のいまがあるのか。
 どうしてスポーツライターになりたかったのか。
 いまはどういう気持で文章を書いているのか。
 目標はどうすれば叶うのか。         etc
 
 気づいたら、40×40のワードで10枚以上超えていて、何だかそこでもう満足(笑)。自分の人生をここまでしっかりと振り返ったことはなかったので、改めて自分を見つめなおす意味でも、書いてよかったなと。

 夜中まで起きていたせいで、今朝は二度寝をしてしまい、危うく遅刻しそうに…。
 そして、始まった授業。おそらく、最初で最後となる授業を担当したわけですが、何とか予定していた50分を話し切ることができました。
 
 ちゃんと聞いてくれなかったどうしよう…、と不安にも思っていましたが、みんなしっかりと聞いてくれました。一瞬、「ガクッ…」と首をうなだれ、寝てしまっていた生徒も数名いたけど、それはご愛嬌?(笑)

 終わったあとは、3年生全員から感想文をもらい、マジメに感激。自分なりに伝えたいと思っていたことが、何とか伝わっていたようで、よかったです。小さい字でびっしり書いてくれた生徒もいて、嬉しかったです。ありがとうございました!

 授業のあとは、小学校以来の給食もいただきました。久々に牛乳を飲んだ…。
 びっくりしたことに、いまって、給食の時間が10分しかない! 食べきれないっすよ。ぼくはチャイムが鳴っても、食べ終わりませんでした…。しかし、10分って短いですよね。

 いやぁ、でも、ほんとに勉強になりました。西尾先生、ありがとうございました。
 スポーツライターは、文章を書くことが仕事だと思って始めたんですけど、いやいや、予想以上に人前で話すことが多い。
 もともと、自分は人見知りで、人前で話すのが苦手な性格なんですよね…。これは一生変わらないと思うけど、何とかちょっとずつうまく話せればいいな、と。

 つたない話を真剣に聞いてくれた小松川三中の3年生のみなさん、どうもありがとうございました!
 自分の好きなこと、やりたいことをはやくみつけて、目標に向かって頑張ってください!




2005年09月10日(土) 川崎北初戦突破も…

 県立川和高校で行われた秋季神奈川大会の1回戦、川崎北vs岸根の試合を見に行った。
 佐相眞澄監督率いる川崎北は、ブロック予選で中堅校の市立橘を破るなど、2勝1敗。2位通過で県大会出場を果たした。
 
 岸根との試合は結果から先に書くと、3−1で川崎北の勝利。初回に川崎北がセーフティースクイズで先制。しかし中盤に内野手のミスで追いつかれ、その後8回、9回にタイムリーが飛び出し、何とか勝利をモノにした展開だった。
 じつは前日、体育祭が行われていたため、ほとんど練習ができなかった。その影響があったのかなかったのか、攻守ともにどこかチグハグ。う〜ん…、と唸りたくなるような場面の連続だった。
 特に打線は、相手投手の外角ストレート、変化球の出し入れに手こずった。うまくミートして、右方向には持っていくが、そこからの一伸びがまだまだ。この秋の段階で、公立高校のバッターにそこまで求めるのは酷と分かっているのだが…。

 明るい材料は、佐相先生から「いま絶不調」と聞いていたエース井口の好投。右打者の外角へ投じるスライダーは公立レベルではそうは簡単には打たれない球だ。さらに、時折投げるインコースの真っ直ぐもコントロール良く決まっており、安心して見られた。
 大会直前に行われた桜丘や厚木西との練習試合では、初回に制球難で大量失点を続けていたという。その反省を生かし、「今日は3イニングくらいの球数を、試合前のブルペンで投げさせた」と佐相先生。そのためか、後半はややスライダーが抜ける場面もあったが、無難にまとめ、1失点の完投勝利を収めた。

(が、しかし、打線が心配だ…と思っていたら、翌日、立花学園に1−5で完敗。初回4失点。これが大きく響いてしまった。先発は井口ではなく、期待の1年生山中だった。
「この時期が一番伸びる!」と常々佐相先生が話しているのが冬の時期。その時期に、川崎北は毎年郵便局でバイトをしている。これは野球部の恒例行事だそうだ。ほぼ一日かかるそうで、必然的に部活動はお休み。佐相先生もこの恒例行事をどうしようか、と悩んでいたが…、さてどうなるのだろうか)

 川和高校での試合後、佐相先生の車に乗せてもらい、取材のため上溝中へ。この日、上溝中では上溝中vs内出中の練習試合が行われており、グラウンドに着いたときは、試合終了30分後でした。佐相先生もグラウンドに行き、水野先生、武内先生らとしばし談笑。たった半年前までは、中学野球の舞台でライバルとして凌ぎを削っていた3人。しかし、いまはまったく違う立場に。不思議なものですね。談笑する姿を見ながら、しみじみと思ってしまいました。



2005年09月09日(金) ウワサどおりの明徳義塾

 明徳義塾中に行ってきました。

 ウワサには聞いていたけど、すんごい場所にありました。これは脱走は不可能だ…。巷のウワサでは「街に逃げるより、海に逃げたほうが早い」と聞いたことがあるが、まさにその通り。海のほうが近い。しかし、海にいくまでも、山を登り、下り、歩いたら30分以上は掛かりそうな距離でしたが。

 当初、高知空港からバスで高知駅に出て、そこからさらにバス、そしてバスの終点からタクシー…、と聞いていたが、高知空港から車で50分ほどで行けることが判明。レンタカーで行ってきました(といっても、自分は運転せず後部座席)。
 空港を出て、30分ほど海沿いを走り続け、これまたこの景色がすごい。都会育ちで海を見慣れていない者としては、ちょっと感動モンでした。しかし、山に入ると、日光の「いろは坂」もびっくりの坂ばかり。時折、海が見えるのですが、「こりゃ、火曜サスペンスで出てくる崖よりもすごいなぁ」と心の中で思ってしまいました。こんな山の中に、学校を作ってしまうなんて…。

 地図で見ると、こんな感じ。ホントに何もない!
http://map.yahoo.co.jp/pl?nl=33.25.10.572&el=133.26.34.677&la=1&fi=1&prem=0&sc=4

 右側にある「青龍寺」というのが、横綱・朝青龍の四股名の由来となったお寺だそうです。

 
 取材は15時半からだったが、それよりも早く着いてしまったため、少々学校を探検。しかし、よく分からない! 普通の民家が学校内に立っていたり、どこまでが学校の敷地が分からない。おそらく、民家と思ったのは先生の家か生徒の寮だと思うが。

 高校なのに、郵便局のATMまであった。
 あとで、野球部の佐藤洋コーチに教えてもらったが、明徳は今年4月から現金を学校に持ってきてよくなったそうだ。それまでは、校内で使える明徳専用のプリペイドカードがあったという。しかし、時代の流れなどなどの理由から、現金OKとなったそうだ。昼休みなどには、ATMの前に長蛇の列が出来るそうだ。寮生が多いので、親がお小遣い代わりにお金を振り込んでくれるところもあったりするのだろうか。

 ちなみにその寮は、昔は46人部屋だったという。ウワサには聞いていたが、佐藤コーチに確かめるとその通りだった。しかしいまは、個室や二人一部屋など、大分環境が良くなったという。なお、佐藤コーチは明徳義塾中〜明徳義塾〜関西大の出身。吉川(ヤクルト)と同期で、甲子園にも出場している。

 取材は主にピッチャー指導について。「下(下半身)さえできれば、上は勝手についてくる」という話が中心だった。その下の使い方については、まずは軸足一本で立つところから始まる。まずは…というか、それが全てといってもいいかもしれない。明徳中のピッチャーはほんとにキレイに立っているのが印象的だ。

 全中優勝を果たした3年生は硬式ボールでキャッチボールをしていた。本当であれば、もう高校の練習に参加していいそうだが(中高一貫高は高野連により認められている)、高校で事件があったため、いまは中学で練習を積んでいる。

 中学の練習は15時半から18時まで。それ以上はできない。
 なぜなら、18時から19時まで食堂(1000人収容!)で夕食があるため。そして、寮生は19時までにお風呂にも入らなければいけないという。練習をしていては、ご飯も食べられない、お風呂にも入れない、となってしまうのだ。
 19時からも、自習や掃除など予定はびっしり。自主的に素振りなどをする選手はいても、チームとして夜練をすることは不可能だという(高校はまた別)。
 そして、就寝は22時半。朝は6時半起床。それを聞いて、「8時間も寝られるなんて、幸せだなぁ!」と思ったのでした(笑)。

 初めて明徳に行って、思った。
 このチームに、公立中学校が勝つには並大抵なことではない。環境が違いすぎる。言葉は悪いが、普通にのほほんと生活している公立中学校の生徒では、明徳に勝てないだろう…。背負っているもの、野球に対する意識が違いすぎる。
小学6年生で家を出て、山の中で暮らし、生きる。親に勧められようが、明徳から誘われていようが、「明徳で野球をやる」と決断するだけでもスゴイことだと思う。この日、取材をして改めて感じた。

 土佐銘菓「明徳羊羹」をいただきました(笑)。なぜに羊羹?!
 

 



2005年09月07日(水) ノーワインドアップから一塁牽制ができる?!

 3日の日記でボークについて書いたところ、石川・緑丘中の山岸昭彦先生より電話をいただきました。

「右投手の場合、ノーワインドアップからそのまま一塁牽制できるって知ってる?」

 いや、知らないっす…。
 山岸先生によれば、数年前に高野連から各高校に配られた、<正しい牽制>を解説したビデオに、「ノーワインドアップからの一塁牽制」が入っていたそうです。

 ノーワインドアップは、右足はプレートの上、左足はプレートの後ろ。両手は胸(おなか)の前でセット。ここから普通は投球動作に入るのですが、左足を投球動作のように上げず、そのまま一塁方向へ踏み出してしまえば、牽制が可能だというのです。

 こういう話って聞いたことがありますか?
 ネットで調べたら、ちょこちょこっと載ってはいたのですが。
 どうも、ボークに関する規則は苦手です…。

 ちなみに、ノーワインドアップからの三塁牽制はNG。
 それは、左足の上げが投球動作と似てしまうため、ランナーを騙す行為として見られてしまうため、だとか。

 でも、山岸先生…。
「ノーワインドアップからの一塁牽制を試合では使わないのでしょうか?」
「それは、『ボーク!』と勢いで言ってしまう審判の方がいるかもしれないので」
 確かにその通りかも。

 しかし、本当にこれってボークではないの?!

 
 牽制については、牽制をピッチングに応用できる、という話も教えてくれました。

 よくいると思いますが、投球は大したボールを投げないのに、一塁牽制の球は素晴らしい投手がいますよね。あれは、「一塁へ投げることで、回旋力が増している。うまく使えている」と山岸先生。それを利用して、「一塁牽制をずっと練習させると、回旋を覚えて、投球もよくなるケースがある」。
 さらに、こういう投手には、「三塁ベースをホームベース、キャッチャーを一塁ベースとイメージして投球するといい。つまり、ホームに向かって牽制する気持ちで投げる」
 なるほどなぁ、と納得。
 
 それに牽制の場合は、テイクバックがコンパクトになって、ヒジから上げられるのに、投球動作の場合は後ろが大きくなってアームっぽくなる投手もいますよね。。
 不思議ですねぇ。
 
 



2005年09月03日(土) 竹林、ボーク、体幹、入場行進

 土日、岡山に行ってきました。

 土曜日の夜は、ひょんなことから、東亜大・竹林俊行投手らと岡山駅で飲むことに。竹林と会うのは今年の春、下関球場で取材して以来のこと。この日は秋季リーグ戦開幕日で、完投勝ちを収めたそうです。
 取材したときは、そんなに思わなかったが、並んで歩いているとデカイ! 何とこの歳になって、身長が「2センチ伸びた」と言っていた。恐るべし。

 竹林に一番聞きたかったのはボークのこと。
 じつは、先日内出中に「牽制」を取材しにいった際、武内先生が、「高校に行った竹澤(現東海大相模)が、軸足から動く一塁牽制はボークをとられる、と言っていた」と。

 説明すると、<右投手がプレートを外さずに投げる一塁牽制の場合>、軸足から始動したと審判に判断されると、ボークを宣告される。竹澤は内出中時代、「軸足始動」で投げていたそうだが、高校に入り、試合で連続ボークを取られたそうだ。
 武内先生によれば、「前足(左足)が動いてから、軸足を動かさないといけない」。
 ならばと、「前足と軸足が同時に動いたらOKですか?」と聞くと、「どうだろう…」と。

 自分の単なる知識不足ではあるが、<プレートを外さない一塁牽制>は軸足の回転をきっかけに一塁へ投げるものだと思っていた。中学校の指導者でも、「軸足の回転で投げる」と教えている方が多い。だから、なおさら、「軸足始動」と思っていたのだが…。中学野球ではボークをとられないのだろうか?!

 このことを竹林に確認すると、「軸足から動いたのがばれたら、ボークです」と。しかし、そういいながらも、「軸足から動かないと、速い牽制はできない。いかに素早く、回転できるかです」
 このあたりは、審判との騙しあい(?)になってくるのだろう。

 さて、竹林といろいろ話す中で興味深かったのは「首」について。
 春のリーグ戦中に、首が痛くなり、それがきっかけでレントゲン写真を撮ったそうだ。その際、竹林は気づいたという。
「体幹は、腹筋や背筋と言われるけど、じつは大事なのは首」

 これを聞いて、慶応義塾野球部のウエイトトレーニングを見たときに、トレーニングを担当する宮畑会長が「首を鍛えることが大事」と仰っていたことを思い出した。
 それを、レントゲンを見て、自分で気づくなんて、このあたりが竹林のすごいところ。話をしている中で、「●●をやっていくうちに、これに気づいた」とか、「●●をやってみたけど、ちょっと失敗でしたね」など、<試した><気づいた>という言葉がよく出てくるのだ。

 で、首を意識するようになってから、ピッチングフォームも安定し出したという。
「首を鍛えるにはどうしたらいい」というと、まずは「姿勢」とのこと。竹林はやや猫背だそうで、それを直すために日ごろから姿勢に気をつける。この日飲んでいるときも、背筋がピンと張った姿勢をしていた。
「姿勢を意識すれば、首にも力が入って、自然と鍛えられる。それに姿勢を保とうとすれば、腹筋にも背筋にも力が必要なんです」
 さらに、こう付け加えた。
「あとは腹筋。いままで腹筋をやるときは、首を曲げていた(おへそを見る感じ)。それを、いまは曲げないようにしました(上空を見るイメージ)」
 試してみると分かるが、首を真っ直ぐに保ったまま腹筋をやると、これは結構キツイ。首に力が入っていることが分かる。つまり、鍛えられている、ということだ。
 
 と、まぁ、このような興味深い話をいろいろとしてくれた。
 ありがとうございました。
 神宮で待っています!


 で、書きながら、体幹の話で思い出したことがひとつ。
 先日、しらかし台中の猿橋先生と電話をしていたとき、「最近、いい練習見つけた!」と一言。聞いてみると、「入場行進の練習はいいねぇ」とのこと。
 説明を聞くと、「入場行進の練習は、体幹を鍛えるのにいい。腹筋、背筋に力がなければ、足があがらない」。
 30分以上、ひたすら入場行進をやる、と言っていた。
 太ももの高さはベルトまで、そして手の振り上げは肩のラインまで。確かにこの姿勢で入場行進を30分も続けたらツライ!

 さらに、部員全員で「足を揃えてやる」という課題も与えれば、チームの心がひとつになること間違いなし(?)。いや、「お前、足揃えろよ!」と疲れてきた頃には、罵声が飛び交い、雰囲気が悪くなったりして…。

 という話を聞いていて思ったのは、「北朝鮮の入場行進はすごい!」と。あの一糸乱れぬ行進は一体どうやって作り上げていったのだろうか。相当、体幹が強くないと絶対ムリ!

 そんなこんなで、火曜日は仙台に行ってきます。




2005年09月01日(木) 内出中へ

 あっという間に9月。月日が経つのが早すぎます。更新が遅れてしまい、すいません…。さりげなく、ちょこちょこと過去の分を更新していきます。

 今日から、10月8日発売の『中学野球小僧』の取材が始まりました。一発目の取材は相模原市立内出中(神奈川)。今夏、神奈川大会準優勝を飾り、3年連続関東大会出場の快挙を達成! 公立中学校が3年連続なんて、すごすぎます。
 取材テーマはマニアックに「牽制」。10月8日をお楽しみに!

 今夏、内出中の試合を見たとき、もっとも印象に残ったのは一塁、三塁のコーチャー。「この子たち、うまいよ!」と武内先生も言うとおり、大きなジェスチャー、大きな声で素晴らしいコーチャーぶりを見せていました。聞けば、何とまだ2年生。そしてそして、体が小さい。三塁コーチャーが140センチ前半、一塁コーチャーが140センチ後半。ある意味、「中学生らしい」体をしていました。「新チームではふたりとも内野の要になるから」と武内先生。背を見てしまったものだから、「ほんとかな…」とちょっと疑っていたのですが…。

 今日の練習で、ちびっこ二人組みが内野に入っていました。うまいじゃん! グラブさばき、身のこなし、投手にかける声などを見聞きしていると、「野球を知っているなぁ」という匂いがプンプンしていました。身長を聞くと、ちょっと、「ムッ」としたような表情を見せていたけど(笑)。大丈夫、まだまだ伸びる! これからの心身の成長を楽しみにしています!

 週末は岡山に行ってきます〜。


 < 過去  INDEX  未来 >


みのる [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加