みのるの「野球日記」
==すいません、ちょっと宣伝です==

●『中学の部活から学ぶ わが子をグングン伸ばす方法』(大空ポケット新書)

新刊が発売になりました。
しらかし台中(宮城)の猿橋善宏先生の
指導法などが掲載されています。
詳しくは、大空出版HPをご覧ください。
http://www.ozorabunko.jp/book/gungun/

●『グラブノート』(日刊スポーツ出版社)
BBA梅原伸宏さんのグラブ本。構成を担当しました。
親指かけ・小指かけの結び方、グリスの入れ方など、
グラブをよりよくするための方法が書かれています。

*ツイッター始めました
@mino8989 です。

2005年04月26日(火) 恐るべし、若柳中!

 先日、宮城県栗原市にある若柳中に行ってきました。3月下旬に行われたIBA全国大会の優勝チームです。
 学校に行ってびっくり!グラウンド広すぎです!グラウンドというより、地域の総合グラウンドといった感じ。横浜じゃあり得ない広さでした。

 そして、さらにびっくりしたのは部活動の下校時刻が決まっていないということ。横浜の先生方(というかほぼ全国の先生)は、この下校時刻に四苦八苦しているわけですが、それがないというのは羨ましい。2年連続全中に出た相模原の内出中は冬場の練習時間が、15分〜30分ですから…。確か16時45分に下校だったと思います。
 若柳中には、それがない! ほんとに羨ましい。冬場は授業が終わると、一旦帰宅。それから18時過ぎに学校の体育館に集まり、20時過ぎまで夜間練習をするそうです。すごいなぁ…。

 顧問の佐々木和志先生に聞くと、年間練習試合は200試合を超えるそう。ありえん! 1日3試合が普通だそうです。そして、平日は町営球場を借りて、ナイターで練習試合をするとか。もう、驚きの連続でした。

 ちなみに若柳中は、センバツ21世紀枠で出場した一迫商の近く。車で30分ぐらいのところにあります。若柳中の卒業生も、一迫商で3人がベンチ入りしていました。去年は岩手の盛岡大付でも若柳中OBが甲子園出場、なお一昨年、東北高校でダルビッシュとバッテリーを組んでいた佐藤弘祐(巨人)も若柳中出身。ほぼ毎年のようにOBが甲子園出場を果たしているのです。これまたすごい。



2005年04月23日(土) インスラ&三塁エンドラン(神奈川大会4回戦)

 神奈川大会の4回戦を見るため、相模原球場へ。勝てば夏の第2シード以上が決まる。

■第1試合
東海相模 002350013|14
横浜隼人 400102101| 9
 
 隼人の先発・武田祐也とキャッチャー清水浩太のバッテリーが面白かった。武田は左のスリークォーターの技巧派。試合後に水谷哲也監督に聞いて分かったことだが、緑中央シニア出身で全国大会優勝経験を持つ。このときのキャッチャーは福田永将(横浜2年)、投手陣はもうひとり福山敦士(慶應義塾2年)も。小玉雄介(東海大相模2年)もシニア時代のチームメイトとなる。
 キャッチャーの清水は、鶴ヶ峯中の軟式野球部出身。『野球小僧』で何度か登場して頂いている榎屋剛先生の教え子だ。以前、榎屋先生と話したとき「隼人の正捕手、教え子だから見てよ。面白いリードするから」と言っていたのを試合中にフト思いだした。じつは、それまで、隼人のキャッチャーが榎屋先生の教え子だったことはすっかり忘れていたのです…。

 このバッテリー。何が面白かったというと、左打者の内角からカーブやスライダーを投げてくる。普通、ヨコの変化球はストライクからボールになるよう投げるものだが、隼人バッテリーはボールからストライクの変化球を頻繁に使っていた。特に4番の田中大二郎には徹底していたように思う。田中も「お!」とビックリしたような仕草を何度か見せていた。
 また、遊び球が1球もなかった。たとえば、右打者に対してカウント2−0となった場合、インローにスライダーを投げたり、あるいはインコースにズバッとストレート(決して速いわけではない)がきたり。
 
結局、勝負所で甘く入り、相模打線につかまってしまったが、コントロールがつけば面白い投手になりそうだ。

 榎屋先生の秘蔵っ子・清水。1回裏に何と3ランホームラン! びっくりした〜。
清水は、ピッチャーが渡辺瞬に代わってから、何度か怒ってました。自分に怒ったのか、渡辺に怒ったのか…。カウント2−0で、外のボール球を要求したにもかかわらず、渡辺のコントロールミスでド真ん中に。それを打たれたシーンがあった。その後、清水は「こっちだよ!」と外に外すようなジェスチャーを、大きな声を上げながら渡辺に見せていた。

 試合後、水谷監督に「清水、面白いですね」というと、「もうちょっと慎重に、石橋を叩くぐらいの気持ちでリードをしてくれればいいんだけどなぁ」と。
 でも、見ていて、面白いリードだった。

 5回から登板して、めった打ちを食らった渡辺瞬。今年の隼人のエース番号を背負う3年生だ。川崎市の住吉中学校の軟式野球部出身。
 水谷監督に「代える気はなかったんですか」と聞くと、即答で「全くない。うちのエースだから」。続けて、「みんなの前で恥をかいた。自分の力が足りないことが分かったやろう」。
 夏までの課題に対しては「投手陣の整備」と答えた水谷監督。昨年は3年生がレギュラー8人を占めていたため、「今年の隼人は落ちる」と新チームから言われ続けていた。それでも、何とか第三シードを獲得。水谷監督は「去年から亮太(鈴木)ひとりしか残っていない状況で、よくやってると思うよ」と少しばかり選手を褒めた。
 渡辺を代えなかったことも水谷監督らしい。夏なら別だが、いまはまだ春。エースの奮起に期待したい。

 
 センバツ帰りの相模は、エース小泉圭市を休養させ、控え投手3人の継投で乗り切った。二番手に出てきたのが2年生の竹澤雄一。中学時代は相模原市立内出中で、全中第3位の右腕だ。準決勝で磯部泰らがいた修徳学園中に、特別延長戦の末競り負けた。
 ずっと見たかった相模の竹澤。この日、中3の全中以来、久しぶりに見ることができた。まず3投手の中で、一番のデキ、そして安定感を見せていた。
 ただ、体が細い。中学生のときと変わっていないじゃん?!と思うほど。誰が見ても、細身だ…。筑川利希也(ホンダ)も高校1年の頃は、こんな体だったらしいが…。

 投球に関しては、アウトローのストレートがまずまず。そして、ドロンと落ちる独特のタテのカーブ。隼人の打者は立ち上がりこそ、このカーブをとらえていたが、それ以降は分かっていても打てない状態になっていた。隼人は昨秋にも竹澤と対戦して、抑えられている。隼人の榊原部長が「竹澤のカーブが全然打てなくさぁ」と嘆いていた。
そんなこともあったので、今日はカーブに対する対応を十分頭に入れていたはず。基本的にカーブかストレートの二種類しかないので、狙い球も絞っていたはず。それでも、「打ち込む」までにはいたらなかった。やっぱり、あのカーブは打ちづらいのだろうか…。中学時代も、カーブが竹澤の特長だった。
 結局、1回4失点で降板した内田亮介を2回から引き継ぎ、7回まで4失点という内容だった。

■第2試合
桐光学園 1021225|13
横浜商大 1202010| 6

 商大の4番松井淳が凄まじい打球を連発していた。確実性では桐光の4番岡山より上かも(ちなみに松井は港南区の日野南中出身。近くの学校なので、応援している)。
 桐光は湘南クラブ出身の1年生政野がスタメンデビュー。いかにも野球センスがある、というタイプ。まだ1年生なのでパワー不足の点は否めなかったが、どのコースにも対応したスイングをしていたので、これからに期待。1年生を使うのが好きな(?)野呂監督なので、夏のレギュラーもあり得る。

 序盤。商大が1アウト二三塁でエンドランを仕掛けてきた。三塁ランナーがスタート。結果はファウルだったが、ちょっと嬉しかった。というのも、硬式で三塁エンドランが見れたから(笑)。金沢監督は三塁エンドランやバントエンドランを結構多用する。
 以前、「三塁エンドラン出すの怖くないですか?」と聞いたら、「ミートポイントが手元に近い打者は、普通に打てばゴロになる」というようなことを言っていた。つまり、ポイントを前にして打つタイプの打者には、三塁エンドランは出さないということだ。

 面白かったのが相模の偵察隊の反応。
 三塁エンドランを見て、「何でバッター打ってんだ? サインミスだろ。スクイズのサインミスって書いておこう」。確かに、硬式野球で「三塁エンドラン」はあまり頭に浮かんでこないが…。



 この日で、夏の第二シード以上が決定。29日の準決勝が行われ、勝ったチームが夏の第一シード獲得となる。今年は横浜がノーシード爆弾なので…、横浜がどのゾーンに入るかで、神奈川の夏が変わってきそう。今年は抽選会見に行こうかな。一般人も会場に入れるらしいので。



2005年04月19日(火) 硬式でも正面ティー

 東海大菅生高校に行ってきました。
 バッティング練習の最中、次の順番を待つ選手たちがティーバッティングをやっていました。どの学校でも見られる光景ですが、ちょっと違ったのは投げ手が、通常の斜め45度からではなく正面から投げていたこと。ティーバッティングは「斜めからボールがくることはない」という理由で嫌う指導者や選手が多いですが、正面からボールがくれば、これほど数多く振れる練習はない。

 佐相眞澄先生が東林中時代に、「正面からの打ち分けティー」をやっていました。ネットを投げ手の右側に1枚、左側に1枚置いて、その間からトスを投げるというもの。投げたら、すぐにネットに隠れる。
打球用のネットは、打者から見て右斜め方向に1枚、左斜め方向に1枚。投げ手がアウトコースに投げた場合は右方向に打ち込み、内角の場合は左方向に打ち込む。このやり方で、コース打ちを特訓していました。
 
 軟球なので万が一、投げ手に打球が当たったとしても、大事には至らない(おそらく)。佐相先生は川崎北でも、投げ分けティーをやっているそうですが。

 今日の東海大菅生は、逆「コ」の字型のネットを投げ手の前に置いて、トスバッティングをしていました。逆「コ」の字というと、イメージが湧きづらいかも…。
 凹←を左に90度回転させたような形のネットです。
 投げ手はネットの空いている空間からトスをして、投げたらすぐに隠れる。打者は内外角を左右にうまく打ち分けていました。

 このネットがあれば、ネットを自分の左右に2枚置かなくても、正面からのティーが可能になるなぁと思いました。本来の使途は、何なのかは不明ですが…。正面ティー用のネットなのかな?!

 話は少々変わって、東海大菅生中学校の軟式野球部。最近、強くなってきたようです。横井人輝監督と一緒に硬式野球部を見ていた村上晋先生が、3年ほど前に中学校の監督に就任し、力をつけてきました。
 横井監督は「中高一貫の6ヵ年で強くしていく」と。「数年後にはベンチ入りの半分が、東海大菅生中出身になる可能性だってある」とも話していました。

 ちなみに春の一桁背番号のうち、4人が大阪のボーイズ出身、2人が神奈川の瀬谷シニア、1人が埼玉の加須シニア、1人が愛知の稲沢中央ボーイズ、地元出身は背番号7の中田将貴選手だけです。「地元の子に頑張ってほしい!」と横井監督も関達士部長も話していました。

 そんな中、背番号10をつけたキャプテン・堀部大幸選手は東海大菅生中の出身。もちろん軟式野球部です。横井監督になってから、「レギュラー以外のキャプテンは初」とのこと。それだけ、堀部キャプテンに対する人望、信頼感が厚かったということ。話をしても、非常にしっかりとしたキャプテンでした。シニア、ボーイズ出身者の多い菅生ですが…、軟式野球部出身の堀部クン、頑張れ!



2005年04月18日(月) in小松川三中

 昨秋の東京都大会の覇者、小松川三中に行ってきました。

 今日は新1年生の仮入部の初日。20人近くの1年生が、練習に混じっていました。「1年生に何を教えるのかなぁ」と見ていると、びっくりしたことに顧問の西尾先生は一切、口を出さず、3年生が1年生の指導をしていました。
 キャッチボールを始める前には、キャプテンが1年生の前に出て、小松川三中でやっているキャッチボールを細かく説明していました。素晴らしい! と思ったのが、キャッチボールの手順だけでなく、「なぜこういうやり方をするのか」ということまで、細かく教えていたことでした。

 西尾先生に聞くと、「合同練習をするときも、うちの選手に全部説明させていますよ。ぼくはほとんど何も言いません」と。
 中学生が、ほかの人に教えるというのは想像以上に難しいこと。言葉に詰まったり、言葉が出てこなかったりするのが普通ですが、小松川三中のキャプテンはしっかりと自分の言葉で、キャッチボールの意味を1年生の前で説明していました。

 実際にキャッチボールが始まると、1年生―3年生、1年生―2年生という組み合わせもあり、1年生はちょっと緊張しながらも楽しそうにキャッチボールをしていました。
 小松川三中のある江戸川区は、以前のような学区制がほぼなくなったということで、自分の意志で中学校を選べるようになりました。新入部員のほとんどが「強い三中でやりたい!」と入部してきた子で、西尾先生曰く「地元ではない子の方が多い」そうです。

 小松川三中は昨夏、東京都大会準優勝で関東大会に出場。しかし、初戦で全国制覇した習志野二中に接戦の末、敗れました。このときのバッテリーが2年生。当然、いまもチームの主軸として残っています。今夏狙うは、去年果たせなかった全中出場あるのみ! 



2005年04月14日(木) 23区の高校は大変だ…。

 日大豊山、安田学園の取材に行ってきました。前から思っていましたが、東京って大変ですね。改めて思いました。特に23区の高校。グラウンドないですよ! 

 豊山のグラウンドは、護国寺にある学校からバスで1時間。上板橋にあります。安田学園のグラウンドも両国の学校から(両国国技館のすぐそば)バスで1時間。こちらは千葉の鎌ヶ谷。ちなみにすぐそばには、関東一のグラウンドもあります。東京代表なのに、千葉で練習してるのかよ!って突っ込みたくもなりますが、それはしょうがない…。二松学舎大付も、千葉の二松学舎大沼南のグラウンドでやっているみたいですし。
 冬場は、学校が16時前に終わるとすると、グラウンドに着くのは17時。「もう真っ暗になってる」と言ってました。

 取材のために、過去の戦績を調べていたんですが、安田学園を調べてびっくり。夏の東東京大会で現在6年連続ベスト8以上、ここ3年はベスト4入りを続けています。学校としては、ベスト4が5回だそう。ただし、最高成績はベスト4まで。甲子園はもちろん、決勝にも勝ち進んだことがありません。でも、ベスト8以上を6年連続って、すごいことですよね。ここから頂点までのふたつが長いのですが…。

 夏の大会取材はどうしても地元の神奈川優先になってしまうので、東京の試合までなかなか足を運べないのですが…。取材をして、監督や選手の話を聞くと、やはり応援したい気持ちが湧いてきます。といっても、どう考えても、東京と神奈川、両方の試合を見に行くのは不可能なのですが…。野球シーズンは体が2つ、いや4つぐらいは欲しい気分です。

 豊山。春の大会、1年生が途中から試合に出ていました。てっきり、硬式出身かと思っていましたが、福島監督に聞くと、「あいつ軟式だよ」とのこと。チーム名を聞いてみると、これまたびっくりで、東京のケープシニアという軟式クラブでした。2000年に豊山が初めて甲子園出場したときのエース加藤も、ケープシニア出身。このケープシニア、東久留米(だったかな)にある軟式クラブチームで、昨夏は関東大会を勝ち抜き、夏の全日本少年軟式野球大会に出場していました(初戦で岡崎南中に敗退)。このときの主力が4人ほど、豊山に進んだそうです。

 ちなみに4番を打つ2年生の福島選手は、足立球友会出身。何ともお堅い名前ですが、こちらは足立区にある軟式クラブ。名門です。

 東京はなぜか、こういった軟式クラブが非常に多い。とくに下町に多いとか。町田にも。「学校に野球部がないのが普通」の地域もあるそうで、東京育ちでない自分にはちょっと分からない感覚です…。

 話し変わり…。
 先日の日記で書いたとおり、今週の土曜日は保土ヶ谷球場で横浜vs桐蔭学園、慶應義塾vs武相があります。県大会の3回戦。ビックネームが次々登場するので、「高野連儲けるチャンスだなぁ」と思っていたら、意外や意外、入場料無料でした。3回戦までは無料、という決まり(?)らしい。
 



2005年04月12日(火) 『野球小僧中学野球特別号 2005年新学期版』発売!

 以前の日記でお知らせした通り、『野球小僧中学野球特別号 2005年新学期版』が4月15日に発売されます。
 今号は「中学野球小僧のQ&A」大特集! 読者から届いた疑問・悩みを、ありとあらゆる「球界の達人」に答えてもらいました。そして、表紙は野球小僧らしく(?)マニアックに川●君です。

http://www.byakuya-shobo.co.jp/kozo/


[総力大特集]
中学野球小僧のQ&A
読者アンケートハガキに書いたキミの疑問に「球界の達人」が答える!

[第1部]
中学野球小僧のテクニカルな疑問


<打撃編>
Q・打てるバッターになるにはどうしたらいいの?
清原和博(巨人)のバッティングを分析しろ!
打率とホームランを両立する万能型バッターのすべて
 分析=安倍昌彦(流しのブルペンキャッチャー)行木茂満(データスタジアム株式会社)

Q・いいフォーム、自分に合ったフォームって?
「自分の形」はバットを振って作り上げろ!
自分のフォームを知ること、そして感覚を磨くこと
 回答=中村壽博(日本文理大学監督)

Q・ボールを遠くへ飛ばすにはどうしたらいいの?
回転が生み出すパワーを球に伝えよう
体の回転を大きく速くして右手で打ち込め!
 回答=山岸昭彦(石川・珠洲市立緑丘中学校監督)

Q・内角・外角、変化球を打つにはどうしたらいいの?
特注ゲタが生む「ため」と「爆発力」
引きつけてためた力を爆発させるテクニック
 回答=中上雅文(兵庫・高砂市立松陽中学校監督)

Q・バントがうまくなるにはどうしたらいいの?
新発見! ソフトボールからバントを学ぶ!
中学女子ソフト日本一の名将が教える「3つ」のバント・テクニック
 回答=末永一夫(奈良・三郷町立三郷中学校ソフトボール部監督)

<投球編>
Q・速い球を投げるには、どうしたらいいの?
五十嵐亮太・スピードキングの成長プロセス
「いい指導者の下で、たくさん走ってピッチングを作りました!」
 回答=五十嵐亮太(ヤクルトスワローズ)

Q・速い球を投げるには、どうしたらいいの?
130キロ超えを実現する投球フォーム
スピードアップは背筋力と握力強化でできる!
 回答=小泉隆幸(武蔵府中シニア監督)

Q・いいフォーム、自分に合ったフォームって?
ピッチャーに必要な3つの条件
バランス・アクセント・リズムがいいフォームを作る
 回答=鈴木博識(日本大学監督)

Q・コントロールをよくするには、どうしたらいいの?
「軸」と針穴コントロールの深い関係
軸足、体重移動、フィニッシュの「3軸」を決めろ!
 回答=板倉茂樹(栃木・栃木市立栃木南中学校監督)

Q・変化球について知りたい!
握りを変えるだけ! チャレンジ・変化球
カーブからジャイロボールまで様々な変化球にチャレンジ!
 回答=森裕樹(神奈川・慶應義塾湘南藤沢中等部監督)

<守備編>
Q・守備がうまくなるためには、どうしたらいいの?
川相昌弘の「川相塾」<第2弾>守備編
いい準備といいスタートの、切っても切れない関係
 回答=川相昌弘(中日ドラゴンズ)

Q・ゴロへの対応はどうしたらいいの?
グラブの“背”は自然に汚れる!
柔らかい守備を支える徹底した柔軟トレーニング術
 回答=高井敬祐(京都・京都市立高野中学校監督)

Q・外野守備がうまくなるには、どうしたらいいの?
外野手のための上達キャッチボール法
利き足を引いて構えて一歩目を踏み出せ!
 回答=大川和正(神奈川・桐蔭学園中学校監督)

Q・いいキャッチャーになるには、どうしたらいいの?
キャッチャーは「学者・役者・芸者」だ!
敵・味方・審判と同時に向き合う「三者」であれ
 回答=安倍昌彦(流しのブルペンキャッチャー)

Q・フォーメーションについて知りたい!
間一髪をアウトにする鉄壁フォーメーション術
自チームを知ってフォーメーションを作れ!
 回答=村上賢正(石川・金沢市立額中学校監督)

<走塁編>
Q・走塁・盗塁はどうしたらうまくなるの?
初めの一歩に集中! 勝つための走塁
レベルアップ確実! 基礎トレ&グラウンドでの技術練習
 回答=水野澄雄(神奈川・相模原市立上溝中学校監督)

<戦術編>
Q・試合で勝つためには、どうしたらいいの?
中学軟式野球、勝ち続ける戦術を知る
この夏、頂点を目指すためのチーム戦術と練習法
 回答=木野昌孝(愛知・刈谷市立刈谷東中学校監督)

[第2部]
中学野球小僧のアラカルトな疑問


<進学・進路編>
Q・軟球から硬球への対応って、どうやればいいの?
高校野球と中学野球の考え方
いいフォームと充実した体をしっかりつくること
 回答=松本稔(群馬県立前橋高校監督)

Q・高校・大学の練習って、どんなことをやっているの?
甲子園優勝ピッチャーが感じた野球
「自分で決めたメニューで練習していました!」
 回答=田辺佑介(投手/明徳義塾高校→関西大学)

Q・高校・大学の練習って、どんなことをやっているの?
甲子園優勝スラッガーが目撃したもの
「全体練習後は室内練習場まで競走しました!」
 回答=原島正光(内野手/日本大学第三高校↓明治大学)

Q・社会人野球って、どんなことをやっているの?
アマ球界の4番打者が暮らす社会人野球の世界
「幅広い年齢層の選手たちが野球に打ち込んでいます!」
 回答=西郷泰之(内野手/日本学園高校↓三菱ふそう川崎)

Q・プロ野球選手になるには、どうすればいいの?
プロ野球ベテランスカウトの選手が伸びる条件
体を動かして運動能力を高め、大きく伸びよう!
 回答=渡辺秀武(広島東洋カープスカウト)

<人生編>
Q・野球人生を充実したものにするには?
カズ山本の「中学野球人生相談」
悩みを解決して楽しい中学球児ライフを送ろう!
 回答=カズ山本(元ダイエーほか)

<コンディショニング編>
Q・どうすれば野球にふさわしい体ができるの?
立花龍司の中学野球コンディショニング
中学球児にピッタリの運動と、栄養・睡眠を知る
 回答=立花龍司(コンディショニングディレクター)

Q・体を作る食事・栄養について知りたい!
栄養を吸収する「生活のリズム」を作ろう
一流アスリートが実行する、練習・休息・栄養のバランス
 回答=岸本行司(株式会社バイオライフ)

<モチベーション編>
Q・どうしたら強いチームになれるの?
答えはいつも「我の中」にある!
問題点を具体的に分析すれば解決策が見えてくる
 回答=原田隆史(天理大学講師)

<歴史編>
Q・野球はどうやって始まったの?
野球のはじまり物語 in アメリカ
体力作りを目的にしたゲームが全米に広まるまで
 回答=佐山和夫(ノンフィクション作家)

<道具編>
Q・軟式ボールと硬式ボールはどう違うの?
野球のボールができるまで
目からウロコの製造工程、そしてウワサの新球を大公開!
 回答=ナガセケンコー株式会社/ミズノ株式会社

●イベントレポート
第3回東北中学校選抜野球大会
第11回中学校野球交歓会金沢大会

●新企画スタート
投稿大募集!




2005年04月10日(日) 横浜高校新1年生・高濱卓也デビュー

 今日は春季神奈川大会2回戦を見に、桐光学園のグラウンドへ。お目当ての桐光学園エース山室公志郎(3年)は登板せず、二番手の石渡智大(3年)が先発。試合は中盤に桐光打線が爆発し、6回コールド12−2で快勝した。石渡も完投勝利。
 なお、石渡は川崎市立川中島中の出身。ロッテの内竜也(県川崎工出身)の2つ後輩にあたる。現在、川崎市立西中原中を率いる高山裕一先生の教え子。ちなみに石渡と内の間には、この4月から駒大に進学し、早速ベンチ入りを果たしそうな強肩外野手・上田貴典(桐蔭学園出身)がいる。毎年いい選手が出ています。

 桐光学園の試合を観戦中、横浜高校の高濱卓也(1年)が6番サードでスタメンデビューを果たしたことを知る。4打数2安打と活躍したそうだ。シニアやボーイズ出身なら分かるが、ボールの違う軟式出で、しかも横浜のスタメンってすごいことだ。
 昨春は、明徳義塾中から来た田中大二郎(2年)がこの時期に東海大相模のスタメンに名を連ねていたが、いいバッターにとってはボールの違いなど関係なし?!

 高濱を初めて見たのは昨夏茨城で開催された全中。佐賀市立城南中学校の3番エースで出場していた。間違いなく、その年の全中に出た選手の中でナンバー1の投手&打者だった。ユニホーム姿にも雰囲気があり、走る姿も「全身バネ」といった印象。スタンドで見ていた先生方からは「こういう選手がプロに行くんだろうなぁ」という声も聞こえたほど。

 大会は初戦で春日部市立東中を1−0の完封で下したが、準々決勝では黒部市立桜井中に敗れた。

 と、普通の中学生はここで「引退」となるが、この年の城南中は全軟連主催の全日本少年軟式野球大会の予選も勝ち抜いていたため、茨城からすぐに横浜に移動。横浜スタジアムで開催された全日本に出場した。
 ここでも高濱の名は売れた。投げるストレートはひとりだけ違う。高目にくるボールは浮き上がり、キャッチャーのミットが押し戻されるほど。バッティングでは右投手の内角低めのスライダーをすくい上げ、横浜スタジアムのライトフェンスにワンバウンドで当てる特大三塁打も放った。

 準決勝で地元の横浜市立生麦中に敗れ日本一はならなかったが、見事なプレーぶりだった。このプレーを見ていたのが、横浜高校の首脳陣。小倉清一郎部長も渡辺元智監督も、ほぼ毎年のように、この地元で行われる大会を見にきている。

 秋頃に「高濱は横浜らしい」と中学校の関係者から噂を聞いたが、まさかほんとに横浜に来るとは思わなかった。しかも、4月9日の公式戦にスタメンデビューを果たすなんて…(相当、実力を買われているんでしょうね)。
 サードを守っているが、硬球特有の地を這うような痛烈なゴロには対応できているのだろうか…。「センス」であっさりとこなしているような気もするが。

 今年の横浜の新1年生は中本牧シニアで全国制覇を果たした浦川綾人や、週刊誌で「140キロ右腕」として掲載された泉佐野シニアの西條ら、投手陣が豊富。そんなこともあり、高濱は打者として育てられるもよう。全日本少年のとき、高濱に話を聞いたが、本人も「高校では打者で勝負したい」というようなことを話していた。ピッチングよりバッティングの方が好きという。

 横浜の3回戦は来週土曜日に保土ヶ谷で桐蔭学園と。なお、横浜―桐蔭学園のあとには、センバツに出場した慶應義塾が登場し、武相高校と戦う。土曜日、そして春の大会といえども、熱狂的ファンが多い神奈川なので…、もしかしたら内野は超満員になるかも?! 中学3年の夏から、高濱がどれほど成長したのか、楽しみにしたい。

↓朝日新聞の地域版(佐賀)に載った高濱の記事。中学生の進路が、朝日新聞に載るってすごいこと!! 佐賀の関係者は大ショックでしょうね…。
(長くてすいません、コピペしてください)
http://cache.yahoofs.jp/search/cache?u=mytown.asahi.com/saga/news.asp%3Fkiji%3D3140&w=%22%E9%AB%98%E6%BF%B1+%E5%8D%93%E4%B9%9F%22&d=03CE3A2031&ou=%2fbin%2fquery%3fp%3d%25b9%25e2%25df%25c0%25c2%25ee%25cc%25e9%26fr%3dtop%252c%2btop

 なお、佐相先生の川崎北は、3−9で武相に敗れました。慶應・上田監督との戦いは実現ならず。慶應には佐相先生の東林中時代の教え子、忠本孝英投手がいるので、佐相先生vs忠本となれば、非常に面白かったのですが…。あ、でも、慶應は中林だと思いますが…。

 東林中で忠本と二枚看板を築いていた澤井健は、いま法政二の主戦として活躍中。昨日今日と先発で勝利。慶應と法政二は勝ち進めば、準々決勝で当たる。



2005年04月09日(土) 川崎北・佐相眞澄先生 高校野球デビュー戦飾る!

■4月9日 春季神奈川県大会1回戦 桐蔭学園グラウンド
茅ヶ崎 000 000 001|1
川崎北 010 000 01/ |2

 相模原市立新町中、大沢中、東林中と率いる中学校で次々と実績を残してきた佐相眞澄先生。センバツ優勝投手の筑川利希也(東海大相模―東海大―ホンダ)、清原尚志(桐光学園―東農大)ら甲子園球児も多数輩出してきた。
 日体大在学当時から、「高校の指導者になりたい」と抱いていた夢がこの4月に実現し、神奈川県立川崎北高校野球部の監督に就任した。
 中学野球の指導者としての引退試合は3月29日の金沢交歓会。珠洲市立緑丘中、刈谷市立刈谷東中と対戦した。試合後には長年しのぎを削ってきた緑丘中・山岸昭彦先生、刈谷東中・木野昌孝先生から花束を、そして東林中の選手からは涙の胴上げをプレゼントされた。

 4月2日〜3日。川崎北高校は茨城遠征に出かけた。佐相先生ももちろん同行。まだ名前も分からぬ状態だが…。移動のバスの中では、東林中時代に出したバッティング指導のビデオを選手に見せた。食い入るように見ていたそうだ。「川崎北の子は、野球小僧ばかりだよ。食い付くように話を聞いてくれる」というメールも入ってきた。

 遠征が終わった翌日。佐相先生は選手と一緒になって、バッティングゲージを作った。川崎北のグラウンドは狭く、放課後はフリーバッティングがほとんどできない。そんな状態を改善しようとしたのだ。
 ゲージを作った、といっても、溶接したわけではない。外野へ飛ぶ打球はすべてネットにかかるように工夫したとのこと。それにより、3箇所のバッティングゲージが完成。朝練からバッティング練習ができるようになった。
 高校に移る前に、「高校行ったらまず何をするんですか?」と聞いたところ、佐相先生は「バッティングができる環境を作りたい」と話していた。赴任して10日と経たないうちに、早くも実現した。

 9日開幕予定の県大会(ブロック大会を勝ち抜いた90校が参加)まで、とにかく打ち込んだ。
「ストレートを打てる力はあったので、変化球への対応を指導した」と佐相先生。
 6日に行われた抽選の結果、初戦の相手はストレートとスライダーが武器の茅ヶ崎・佐野。スライダー対策にも時間を割いた。
 佐相先生が「外角が苦手」と判断した選手には、外角打ちのポイントを伝授。「高目が苦手」と見えた選手には、高目の打ち方を指導した。

 そして迎えた今日の高校野球デビュー戦。
 初得点は意外にもスクイズだった。2回裏、1アウト一三塁でスクイズを敢行。「三塁エンドランやらないかなぁ」と見ていたが、さすがに硬式では難しいようだ。7回裏にもスクイズを仕掛けたが、これは投手正面に転がり失敗。手堅い攻めに少々驚いた…。

 打線は「好投手」の呼び声もあった佐野から7安打。3番4番で6安打を稼いだが、それ以外は力負けしていたのが現状だった。ここからどのようにバッティングレベルを上げていくか、ある意味楽しみだ。

 試合後の佐相先生は、「高校野球は楽しいなぁ〜」と感慨深げに一言。その理由は「ヒットが出るから」だそうだ(笑)。簡単にヒットが出るし、逆に簡単に長打を打たれる。当たり前だが、中学野球とは違う。といっても、今日の2−1というスコアは中学野球っぽかったが。そして、何と、川崎北はライトゴロを食らった。「高校まできて、ライトゴロを見るとは思わなかったよ!」とは佐相先生のお言葉。

 今日は学校に8時に集合し、2時間打ち込んできたという。今までの川崎北にはなかったことだそうだ。また、これまでは試合場所に電車で移動していたが、この日は保護者にお願いして、車を出してもらったという。「親にも協力してもらって、親、選手、監督が三位一体となって強くしていきたい。この考えは中学も高校も一緒だよ」と佐相先生はいう。

 この日、4番として4打数4安打のコウノ主将は、「指導が細かくて驚いた。野球をほんとによく知ってる先生」と佐相先生の印象を話す。バッティングについては、「選手ひとりひとりに課題を与えてくれて、その課題がクリアできればまた次の課題が与えられる」。指導の基本スタンスは東林中時代と変わっていない。
 
 明日は伝統校・武相との一戦。近年低迷気味の武相だが、今年のチームは評判がいい。昨秋は桐光学園に2−4の接戦を演じている。なお、武相を率いる松尾先生は、元武相中学校野球部の監督。東林中とは県大会で何度か対戦したことがあるそうで、東林中の負けなしだったとか。
 選手の力からすると、武相有利の声が多いが…。どうなるでしょうか。ちなみに今日も、茅ヶ崎の下馬評の方が高かった。

 武相に勝てば、センバツ出場校の慶應と対戦。コウノ主将に聞くと、「慶應と戦うこと」が今大会の目標という。「慶應に勝つ!」とまで言い切っていなかったところが、いまの川崎北高校…。

 赴任してから約1週間。佐相先生は「選手の特徴が徐々にわかってきた。遠慮もなくなって、怒れるようにもなってきた」と笑う(でも、主将は「自分はまだちょっと遠慮してます」と苦笑いを浮かべていた…)。

 スタンドには東林中卒業生の保護者の姿もあった。「中学野球の名将が高校野球へ挑戦」ということで神奈川新聞も取材に。佐相先生もプレッシャーを感じていたようで「勝ててよかったぁ」と安堵の表情を浮かべていたのが印象的だった。

 というわけで、まずは初勝利おめでとうございました!



2005年04月05日(火) 春の全国大会 中学野球編

 名電の優勝で幕を閉じたセンバツ高校野球。
 その裏でこっそりと(?)、中学野球の全国大会も各地で行われていました。

 結果をまとめると、
■第35回日本少年野球春季大会(3月26日〜28日)
 優勝:オール枚方(大阪) 
 準優勝:浮羽ボーイズ(福岡) 
 ベスト4:橿原コンドル(奈良)、武蔵狭山ボーイズ(埼玉)

■第11回日本リトルシニア野球全国選抜大会(3月29日〜4月3日)
 優勝:羽村シニア(東京) 
 準優勝:千葉北シニア
 第3位:千葉市シニア
 第4位:浦和シニア(埼玉)

■第5回K−Ball全国中学生選抜野球大会(3月26日〜28日)
 優勝:藤倉オールスターズ(埼玉) 
 準優勝:東村山パワーズ(東京)
 ベスト4:小平クラブ(東京)、浦安ベアーズ(千葉)

■第6回全国中学生軟式野球全国大会(3月19日・20日)
 優勝:若柳中学校(宮城) 
 準優勝:中京カーディナルス(愛知)
 ベスト4:のだまクラブ(福島)、高津クラブドジャーズ(神奈川)

 K−Ballを制した藤倉オールスターズ(選抜チーム)は史上初の夏春連覇。埼玉県勢は2004年春に春日部東中クラブが優勝しており、3季連続の全国制覇となった。

「全国中学生軟式野球全国大会」というのはIBA―Boys(社団法人 少年軟式野球国際交流協会)が主催する大会。三鷹市で行われた。
 優勝チームは第5回パンパシフィック大会(フィリピン)の出場権を、準優勝チームはヨーロッパ中学生軟式野球プレ大会(ドイツ)の出場権を得た。すごいなぁ……、ドイツの方がお得に思うのは自分だけ?!

 しかし、この大会、イマイチ予選システムが不明。どこでどう予選が開催されているんだろう…。
 なお、ベスト4以外の大会参加チームは以下の通りです。

富山クラブ(千葉)、くずはスポーツ団(京都)、船岡中学校(宮城)
オール平野(大阪)、ケープシニア(東京)、SBC越谷(埼玉)
鎌ヶ谷ファイターズ(千葉)、若草クラブ(山梨)、東豊台ファイターズ(大阪)
篠崎クラブ(東京)、大須パンサーズジュニア(愛知)、湯河原BC(神奈川)






2005年04月03日(日) 明徳義塾中、大阪遠征

 今日は甲子園に背を向けて…、大阪高槻市の萩谷総合公園野球場に行ってきました。明徳義塾中の大阪遠征です。対戦相手は立命館中、京都市立高野中、高槻市立阿武山中。明徳中だけが3試合!

 第1試合の立命館中との試合は見られず、観戦したのは高野中との試合から。今年の明徳中の戦力はどんなものか。2月に行われた「よさこいリーグ」(明徳中、高知中ら強豪中が参加する交流試合)は6戦全勝だったようで、今年も戦力は充実。そんなイメージで見てみたが…。
 正直、2003年の全国制覇チームと比べると、打力が落ちるかなという印象。当時はこのセンバツで2試合連続ホームランを打った田中大二郎(現東海大相模)が4番にいたので、打線の核がしっかりとしていた。今年の核は…、コイツ!というほど存在感の大きな選手がいなかった。

 ただし、個々の能力はやはり抜けている。キャッチャーは昨秋から見た中学生捕手の中で、文句なくナンバー1の強肩。第1試合を終えた立命館中の選手が「うわっ、えぐい!」と驚いていた。が、強肩であるがために、捕ってからの素早さはまだまだといったところだったが。でも、あの肩を見せられたら…、盗塁を狙うにはよほどの勇気が必要だと思う。

 ショート、サードの肩も抜群。ゴロに入る間合い、捕ってから投げるまでのフットワークも、公立中学校の選手と比べると図抜けている。ショートは三遊間深い位置で捕って、ファーストに余裕でノーバウンドで放り、アウトにしていた。

 と書くと、ただ能力だけでやっているようだが、そうではない。
 一番驚いたのがセカンド、ライトのバックアップの速さ。ショートゴロ、サードゴロには、セカンド、ライトが必ず一塁のバックアップに入っていた。当たり前、といえばそれまでだが、セカンドのバックアップに入るスピードの速いこと速いこと。中学生のセカンドで、ここまできっちりとバックアップに入っていたセカンドは見たことがない。

 試合中、狭間先生から飛んだ指示で印象的だったのがこんな言葉。
「時間を感じろ!」
 これは去年の6月10日に発売された『野球小僧中学野球特別号』にも書いてあったが、狭間先生が指導の上で重要視していることだ。キャッチボールであれば、リリースの瞬間を見て、「時間を感じる」。ピッチャーであれば、セットポジションの「時間を感じる」などなど。

 高野中との試合。明徳の選手は、簡単に三盗を決めていた。ランナーが出ても、同じ間合いで投げていた高野中の投手の時間を見破ったからだ。この辺の指導は細かい。

 試合は3−0で明徳中が勝利。明徳中のエース左腕が1安打完封。剛球ピッチャーではない。おそらく170センチちょっとの身長だと思うが、小さくタテに落ちるスライダー(?)とカーブ、そしてストレートのコンビネーションで8奪三振。コントロールも抜群によかった。

 試合後の挨拶を終えたあと、高野中の選手は狭間先生のもとへアドバイスをもらいにいった。練習試合ではよく見られる光景だが、今日はちょっとびっくりした! 何がって、狭間先生の話が長い! 10分近く、高野中の選手に向かって、身振り手振りで話していた。熱い!
 それを見ていた立命館中の選手の反応が面白かった。
「ええなぁ! うちらもいけばよかった! うらやましい…」と。立命館中は、狭間先生のもとへ行かなかったようです。残念!

 高野中の選手に「狭間先生に何言われたの?」と聞くと、やはり「時間」についての話だったようだ。「ピッチャーの牽制の間合いが一緒。バッターのタイミングの取り方が一緒。もう少し時間を感じたほうがいい」と。勉強になります。

 時間といえば…、先日、刈谷東中の木野先生を取材した際、こんな話を聞いた。
「甲子園の攻守交替、一番速くて45秒ですよ。めちゃくちゃ速い!」
 チェンジになってから、次のプレーのコールまで最短で45秒だそうだ。
(この話は、詳しくは4月15日発売の『野球小僧中学野球特別号』で!)
 
 それを聞いてから、攻守交替のタイムを気にするようになった。今回のセンバツで計ってみると(ストップウォッチがないので体感で)、45秒はなかったが、1分以内は何度かあった。今日の中学野球の練習試合でも、だいたい1分前後。こんなに速いとは思わなかった。
 木野先生がいうには「このスピードについていけないと、試合では勝てない」。

 今年の野球観戦では試合中の「時間」を気にしてみようかと思っています。



2005年04月01日(金) 『アメリカ野球小僧』

 4月1日にマニアックな本がまたまた発売されました。その名も『アメリカ野球小僧』。センバツで上位進出を果たした慶應義塾の上田誠監督、羽黒高校の横田謙人監督のインタビューも掲載されています。ぜひ、ご覧になってください!

http://www.byakuya-shobo.co.jp/kozo/

 そして、この『アメリカ野球小僧』の中に嬉しいお知らせが載っています。めでたく、『野球小僧中学野球特別号』が6月10日から隔月創刊されることが決定しました! タイトルも『中学野球小僧』と変わります! これまで以上に、みなさまに刺激を与えられる本にしたいと思いますので、よろしくお願いします!
 その前に…、4月15日には『野球小僧中学野球特別号 2005年新学期版』が発売されます。いままでとは作りがガラリと変わっています。楽しみにしていてください! 詳細は発売日近くになったらお知らせします。
 


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