つれづれ日記
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「山手ネコロジー」にもいろいろあった7月だった。まず喜ばしいニュースは、ユウキ改め伸二が極くご近所の最高の里親さんに貰われ、ハッピーになったこと。
今も尾を引く大きな出来事は、ノワールがどうやら最後を迎えたらしいということ。さっき懐中電灯を手に最後の餌場巡りをしてきた。明日からはもう行かない。 ネットの猫ともだちのHPで猫とのエピソードがマンガ仕立てになっているのを見つけた。劇的だったノワールとのお別れの日のことはみちよさんと私の脳裡に鮮やかに刻み込まれているが、なんとか絵ものがたりにして残したい。みちよさんが帰って来たら相談してみよう。
みちよさんの話では、元管理人さんが置いて行ったオス猫チイちゃん(元々は管理事務所に捨て猫されたのを餌やりしてくれていた)は、T水家のベランダに毎夜現れてごはんを食べているそうだ。これで一安心。
9時過ぎにノワールの餌場に行く。懐中電灯で照らす。
コンクリートの角に容器を置くようになる前は、みちよさん、使い捨て容器に紐をつけた洗濯バサミを挟み、輪っかになった紐を左側の植え込みの枝に引っ掛けていた。その枝は今も健在だ。その下の巾25センチくらいの地面は平らではなくかまぼこ型になっており、ノワールが食べ進むと容器を押してしまうのだろう。紐をつけたまま容器が道路側にはみ出ていることがよくあった。
その場所ではあまりにも食べにくそうだし、使い捨て容器というのも軽くて食べにくいだろうと、我が家の猫たちと同じステンレス製の食器を使うようになった。同じ物をみちよさんにもプレゼントした。
そうしてノワールは夜目にもキラリと光る銀色のその容器が自分の食器だということを覚えて、誰が持って行っても自分の夕ご飯だということを知っていた。
そんなあれこれをまた思い出しながらトボトボと帰る。5号棟、6号棟はどこを見てもどこを通ってもノワールの思い出だらけだ。
犬山動物病院の院長から電話があり、一昨日検査入院させた濃い三毛が全然食事をせず、怒ってばかりいるという。検査といっても主に検便をしてもらいたいということだったので、食べないのでは当然排便もしない。M浦さんと相談の上、迎えに行く事にした。その前に円形脱毛のような抜け毛のある小桃を餌でつってキャリーの中におびき寄せ、捕獲に成功。「新黒」やら、山手の三羽烏、茶々、スミオ、ゲンキも集まって来ている。
犬山動物病院へは7時45分くらいに着いた。当然、院長は在院しているものと決め込んでいたが、(・_・;)…ん? 院長の車がない。不吉な予感。近くの公衆電話から電話をかけてみると留守電になっている。しまった。院長は往診に出かけてしまったようだ。M浦さんは待つ、というがこの時間では院長は出かけたばかりなのに違いない。出直すことにする。
小桃は元の駐車場で離し、更にご機嫌取りにレトルトを与える。「新黒」にはさっきたっぷりあげたのに、まだ居る。「新黒」を触ろうとして鋭い爪での猫パンチを食らってしまった。血が噴出し痛い。
「山手猫階段」へ行き、猫たちにたっぷり給餌していると短パン姿のM本氏がバイクでやって来た。ハイシローは先日、M本氏にこっぴどく叱られたとかで、コソコソしている。去勢の効果がそろそろ現れてきたのか一頃よりおとなしい。しばらく猫たちと遊んでM本氏はコロちゃんのところへ行くと言って去って行った。
犬山動物病院に電話してから再度出直す。小桃は満腹だし他の猫たちもやって来たのでもう捕まらない。日を改めて出直そう。 濃い三毛は診察室で怒りの声を上げていたが、我々が入って行くとおとなしくなった。体温を測ると38,8度。大丈夫のようだ。
車で戻ってくると正門前の道路の真ん中でスミオが向こう向きに寝そべっている。危ないったらありゃしない。さっきもいろんな車の直前を猫たちが何度も横切りハラハラドキドキする。
「山手猫階段」の上の方でキャリーから出し、抗生物質の粉末を入れて缶詰を開ける。他の猫たちもみんな上がって来て満腹のくせに欲しそうにする。鼻水をたらしているポパイにはさっき抗生物質を入れて丸々一缶食べさせたのに。いつもは上品なスミオがやけにいやしい素振り。さっきありつけなかったのかな。ガツガツしているトニーはすっかり体格がよくなった。
肝心の濃い三毛は食べるのが遅く量も少ない。M浦さんは別の缶詰を開けたり、あの手この手で食べさせようとする。缶切りの音を聞いて他の猫ども、更に色めきたっている。濃い三毛はしばらくそこに居たが、すっと植え込みの中に消えてしまった。学院内で何か行事でもあったのか、車の出入りが騒々しい。そこでM浦さんと分かれて階段を降りて行くと、茶々が撫でてもらおうと先回りしている。少し撫でて可愛がる。
帰宅するともう11時近かった。・・今2時前だがノワールの餌場に行って来た。7月いっぱいは日参するつもりだ。
| 2002年07月28日(日) |
捨て猫を保護する仲間?が増える |
「ニャンニャンルーム」の日記、「日々の想い」http://www2.diary.ne.jp/user/85062/ に書いたが、金曜日に通勤途中で見かける捨て猫についての相談をしてきた男性が今日は友人と私のフォローで、無事その捨て猫を保護し病院でワクチンや健康診断も受けさせてくれた。ここまで来たらその人が飼うにしろ里親探しをするにしてももう安心。
今日は出かけていたのだが、何度も電話のやり取りをし、友人宅でも1日中そのことで盛り上がった。
午後10時半頃、団地に戻って来たが、ノワールの餌場を回る。ノワールは幸せだったとみんな言ってくれるが、「could be happier」(もっと幸せになっても良かったのではないか)という思いがどうしても残る。私が関ってから2年半。(みちよさんは4年弱)短かすぎる。
| 2002年07月27日(土) |
濃い三毛、念のため入院 |
午後7時半に「山手猫階段」へ行くとM浦さんが中腹の餌場を掃いていた。猫たちはどんどん集まって来ている。私の車が正門の方へ曲がってくるのを見て、茶々とスミオがすっ飛んで来た。とりあえず持参してきたレトルト10パックくらいを開け、カリカリも500grくらい全部開ける。タビーとプリンス、それに肝心の濃い三毛がいない。
犬山動物病院へは7時半過ぎに行く、と言ってあるのにもう8時だ。夫のケータイを借りてくるのも忘れた。連絡も出来ない。濃い三毛がいつもM浦さんを待っているという「山手スカイウォーク」のてっぺんの桜の木の側まで上って少し待つ。このところM浦さんは、プロ野球の試合が終了してから餌やりに来るので10時頃だ。昨夜、私が彼女と出あったのはもう10時半頃だった。だからこんな早い時間には出て来ないのかもしれない。が、他の猫たちは殆ど勢ぞろいしている。
中腹の餌場に戻って、さてどうしようと迷っていると、1台の車が「山手猫階段」下で止まった。女性が何やらパックを手にしてこちらを伺っている。きっと単発の餌やりさんだ。声をかけると以前、J先生が話をしたという庄戸のS石さんという方だった。お互いに筆記用具を持っていなかったので連絡先を交換できなかったが、以前彼女がJ先生に言ったように、秋になったら何らかの形で「山手ネコロジー」に参加したいということだった。
港南台近辺の野良猫にも餌やりを続け、その中の病気になった猫を引き取って飼い猫にしているそうだ。自宅でも野良が産んだ仔猫の里親探しや不妊手術など、いろいろ経験がおありのようだった。
そんな話をしているともう9時近い。S石さんが去ってふと足元を見ると、濃い三毛が来ているではないか!心なしか昨日よりも元気そうに見える。お尻を見ると昨日と同じ。缶詰とカリカリを混ぜたものをM浦さんが与える。我々が居るところへは他の猫たちも群がって来る。コロンが食欲旺盛だ。そしてアニー、バニーも。
ある程度食べさせ、濃い三毛をキャリーに入れる。キャリーの中で身繕いなどして寛いでいたが、車に乗せると鳴き始めた。犬山動物病院へ着いた時には9時15分になっていた。奥の事務所から灯りが洩れている。院長に扉を開けてもらい診察室へ。
濃い三毛の体重は3,15kg。まあまあだ。肛門も院長は「何でもないじゃないですか!」と言う。脱肛とかもっとひどい状態かと思っていたらしい。体温を測ると39度以上ある。猫の平熱は38度なにがしだそうだ。来る途中、車の中で鳴いていたりすると興奮して体温が少し上がるそうだ。
灯りの下でよく見ると、後ろ足を大きく擦りむいている。もう乾いてかさぶたになっている。傷は割と大きいが浅く、化膿などはしていない。院長は投薬だけで大丈夫だと言うが、我々は便など取れないので、M浦さんの強い希望で入院させ、検便してもらうことになった。
正門前でM浦さんを降ろす。猫たちは再び集合しようとしている。M本夫妻は今夜は来なかったようだ。Y沢さんはこれからかな?
帰宅後メールチェックをしていると今夜はノワールの餌場に行かなかったことを思い出した。そこで、「新黒」用にレトルトを1個持って家を出た。ノワールの餌場を懐中電灯で照らす。電池を替えたばかりなのでよく見える。いつも容器を置いていたコーナーに蜘蛛の巣が薄くかかっているのがはっきり見えた。否応無くノワールの不在を突きつけられたように感じる。
「プリンス猫階段」には「新黒」はいなかった。コロちゃんは車の下で寝そべっている。水もあり、カリカリもたっぷりあった。地面のカリカリには細かい蟻がいっぱいたかっている。しばらく見渡したが「新黒」は現れそうもない。少し迷ったが階段を降りて小桃の駐車場へ行く。すぐに小桃が鳴きながら出て来た。さっきM浦さんが給餌した筈だが、レトルトを半分あげる。「新黒」はいない。小桃がすぐにまとわりついてくる。見るとあっという間に食べてしまっている。残りも開けて立ち去る。
すると小桃が従いてくるではないか!ずーっと従いて来て「プリンス猫階段」も上がってくる。踊り場でカリカリを与えたがそれは食べない。もの珍しげに上まで上がって来た。コロちゃんが寝そべっている車の下にも入って来た。するとコロちゃん、やおら起き上がり小桃の方へ歩き出す。小桃は少しだけ逃げて階段向こう側の駐車場へ。コロちゃん、なおも睨みを利かせながら小桃に迫って行く。小桃は更に向こうの駐車場の車の下に潜り込んでしまった。コロちゃん、追跡の手を緩めない。遂に小桃は尻尾を巻いて退散してしまった。結局上の方から元の駐車場へ戻ったのだろう。もうどこにも姿は見えない。
あんなに動きの鈍そうに見えるコロちゃん、自分の縄張りを主張して威風堂々としていた。以前、「新黒」に対しても威張った態度を見せていたことがあった。目薬を差そうとすると、軽快な足取りで階段を駆け下りて行ってしまったのには呆れたことがある。猫っていろんな面を持っているのだなあ。目薬はなかったのでティッシュで嫌がるコロちゃんの目やにを拭き取る。身体も掻いている。フロントラインを投薬してあげなくちゃ。目薬、フロントライン、爪切りだな。
そうそう、明るくなったライトで小桃の身体を照らしたところ左側胴体部が直径2センチくらいの円形に毛が抜けてしまっている。猫の円形脱毛症か?はたまたケンカか?犬山動物病院の院長に訊いてみよう。
帰りにもノワールの餌場を照らしてみる。すると小型犬の糞らしいものが道路っぷちにこびり付いている。掃除しない飼い主がまだいるのだなあ。ここはノワールの餌場なのに。蜘蛛の巣が張り、犬糞がある。主の不在は明らかだ。無性に悲しくなる。
| 2002年07月26日(金) |
山手「濃い三毛」の様子がおかしい |
今夜は久々に餌やりに出かけた。9時過ぎから13個の缶詰を開け、容器数個に詰める。空き缶を洗い、片付け、持参するカリカリや水、容器、懐中電灯などをコロコロキャリーに詰め込んでいると、それだけでもう30分近く経ってしまう。
結局9時45分くらいに出発。予備にレトルトパック2個も持参する。ノワールの餌場経由「プリンス猫階段」へ。ノワールは専用の餌場にはいないが「プリンス猫階段」へ行けば居るんじゃないかという悲しい錯覚に捉われる。とぼとぼと辿り着き、車の間を覗くと「新黒」が待機していた。ニャ〜オに近い声を出しているので、喜んで甘えているのかと思ったらシャーッ!と吹いているのだった。本当にノワールが乗り移ったかのようだ。
S内さんの水容器はタイヤと車止めの間に隠すように置いてある。あんまり度々捨てられてしまうので、こういう風にしてくれたのかな?コロちゃんは?と見ると階段上で向こう向きに寝そべっている。時間がないので見つからないようにそっと離れたがコロちゃん、振り向いた。「後でね」と心の中でつぶやきながら小桃の駐車場へ急ぐ。
小桃は遠くから私の姿を見つけて鳴きながら道路まで駆け上がって来た。下まで行かず電柱とガードレールの陰で給餌。「山手猫階段」へ向かうと茶々とスミオがすっ飛んできた。M浦さんはまだ来ていない様子だ。中腹の餌場で持参の缶詰を広げる。タビー、ポパイ、ポオ、パンダ、ワカメ、ゲンキ、コロン、花子、プリンス、ハイシロー、白三毛、トニーが来た。手持ちの缶詰系はすべて無くなった。容器を回収していると、上からM浦さんが濃い三毛、アニー、バニー、タニーを連れて降りて来た。
濃い三毛は前々から食が細かったが、益々痩せて下痢をしているのか、お尻が変だという。触って見ると、腹部は異常にぺちゃんこだ。ライトを当ててお尻をつぶさに観察すると、肛門が少し腫れている。カリカリを少し食べるが他の猫が側に来ただけで威嚇している。缶詰を持って来ようか、それとも下痢止めや虫下しは?と2人で鳩首会議。明日、犬山動物病院に電話して訊いてみることにした。連れて行くことを前提にM浦さんと午後7時半に正門前で落ち合うことにした。
暑いので猫たちは三々五々階段で寝そべっている。頭上の木々からガサゴソ音がするが、M浦さんの話だとセミだという。学院内からは大声が聞こえてきた。建物内には灯りがついて何か行われていたらしいとのこと。正門前の通行人も多い。
甘えまくるアニーを置いて帰宅する。もう「プリンス猫階段」へは寄らなかった。帰宅すると午後11時をとっくに回っている。
| 2002年07月24日(水) |
「山手ネコロジー」用に缶詰を大量に仕入れる |
昨日の新聞折込みチラシに近所のDIY「アクト」のものがあった。大缶4個パックが何と98円だ。これは買わなくちゃ、と思い、今日みちよさんを誘って行って来た。12パック入りのケースを4箱、つまり192個買った。冬にビッグサムでやはり4個パック100円というのを、何回も通って20ケースくらい買ったものがまだある。猫たち最初は大喜びで食べたが、段々口が肥えてきたのか、「ま、食べてやるか・・」という態度に変ってきた。
「アクト」ではペットキャリーも1680円だかの大特売だ。ちと安っぽい造りだが我が家の猫用に3個買った。我が家のキャリーは「山手ネコロジー」以前にも保護猫用に消えて行ったものも多く、いざうちの猫を全員運ぼうとするとシルビアなどはみかん箱に詰める始末だった。みちよさんも2個買った。そこで以前、山手猫用に買い、専用に使っているキャリーを「山手ネコロジー」用として計上することにした。常に車に積んでいる。
Pハイツの元管理人夫人が「お掃除のK子ちゃんに黒猫息子猫のチイちゃんの餌やりを頼んだ」と言っていたが、チイちゃんも見かけなくなったし、お掃除レディに餌やりをされている形跡もないので、今日K子ちゃんらしき女性に話し掛けてみた。すると頼まれはしたものの、管理人夫婦の引越し以来、チイちゃんを見かけなくなったし、以前から懐いてもおらず近寄ると逃げていたとのこと。
どうやら「K子ちゃんによる餌やり」は管理人夫人の希望的観測のようだ。引越し後2〜3日は駐車場でオロオロしていたようだが、その後どこかへ行ってしまったのか?或いは、管理事務所前のT水家のベランダに毎夜ごはんを食べに来ているのがチイちゃんなのか?未去勢のオス猫なのでこれを機会に遠くへ行ってしまったのかもしれない。
ノワールの餌場参りはまだ続けている。何だか一昨日の月曜日にやけに悲しくなって家にいても餌場へ行っても涙がこぼれた。もしかしたらノワールはあれから3週間近く生きて一昨日の月曜日に命の灯が消えたのではないかと思う。
みちよさんが明日から裾野市の実家に行くという。今までは、だからノワールの餌やりを頼む、ということだった。それがもう習慣となっていた。何も知らぬ息子が7時ごろになると「ノワールの餌やりは?」と訊く。出かけていてもノワールが待っているからと6時半〜7時までには必ず帰るようにしていた。無理な場合も誰かに頼んでいた。
今考えても不思議な事に、それが面倒だと思ったことがなかった。まるで当然の義務のようだった。だからその義務から解放されてもちっとも嬉しくない。只々喪失感ばかりが広がる。
10年間ほど疎遠になっていたみちよさんと私とをこんなにも結びつけたのはノワールへの餌やりだった。去年あたりからケータイメールを始めるようになったみちよさんとのやり取りもノワールのことが中心だった。
というのは「プリンス猫階段」にも「山手猫階段」にも行かなかったからだ。猫たちは飽食している。(実は、M浦さんからは「缶詰ばかり大量に持って来て贅沢させるな。缶詰は1週間にいっぺんでいい!」と釘を刺されてしまったが、行くからにはたっぷり食べさせたくなってしまう。)もう餌よりも可愛がって!と纏わりつく猫たちを振り切って帰って来るときはとても辛い。
「プリンス猫階段」のコロちゃんも抱っこして!構って!と甘えてくるので、これも辛い。「新黒」は甘えるどころか吹いているが、その姿も哀れでこれまた辛い。
というわけで今日は9時にノワールの餌場回りだけチェックしに行った。餌場は本当に暗い。最後の数日間だけ懐中電灯で照らしたのでノワールの惨状に息を飲んだが、それまでは全く分からなかった。
里親さん宅での伸二は日に日にリラックスしてきているようだ。大声で鳴いているらしい。落ち着いてくればそのうちに鳴き声も収まると思う。大人になってからやって来た我が家のロミもミーシャもしばらくは鳴いていたものだった。
| 2002年07月20日(土) |
15日ぶりにコロン、「山手猫階段」に顔を出す |
夜、阪神・横浜の試合を気分良く見ながら(その時点では4:2で阪神が勝っていたそうだ)電話してきたM浦さんと話す。試合が終れば餌やりに行くのでその帰りに我が家に寄ってくれるという。到来もののおすそ分けをしてくれるそうだ。
そして10時過ぎにM浦さんがやって来た。コロンが実に15日ぶりにM浦さんの前に姿を現したそうだ。これまでも1週間くらい夜の「山手猫階段」に姿を現さなかったことはちょくちょくあった。そして出て来た時にはやせていたとM浦さんは言うのだが、日中に学院内でフードを貰っていたのではないか?今回は全く痩せていなかったらしい。
コロンはM浦さんが初めて捕獲・手術に持ち込んだ猫なのだそうだ。彼女は猫たちを術後1週間家で休養させるので、その都度情が湧く。彼女のおかげで未手術のメス猫はいなくなった。が、オス猫の絶対数が多いので手術済みでもオス猫に追いかけられるからか、小桃はそれを嫌って住処を移ってしまった。コロンもオス猫がどっと集まってくる給餌時に「山手猫階段」へ来るのがイヤなのかもしれない。今のところ花子はいつも居て遊んでいる。今夜は全員集合してよく食べたとM浦さんが言っていた。
残念ながら阪神は逆転負けしてしまったらしい。M浦家はご主人の転勤で大阪に4年ほど居た間に、まず小学生だった息子さんが阪神ファンになり、栃木県人の彼女までもがつられて熱烈なファンになったのだそうだ。試合が見たくてスカパーだかに契約しているそうだ。
「山手ネコロジー」猫たち名簿を作り直したりしているうちに時間を忘れてしまい、すっかり夜中になってしまったが、ノワールの餌場に行ってみる。みちよさんと示し合わせて行くことはなくなったが、それぞれが毎日見に行っている。
| 2002年07月19日(金) |
今夜は大々的に餌やり |
熱狂的阪神ファンのM浦さんと息子さんが横浜球場へ阪神・横浜戦を見に行くので餌やりを頼まれていた。(阪神は快勝したらしい。)
缶詰をほぼ13缶開ける。ペットボトル2本に水を入れカリカリもたっぷり持って出発だ。コロコロキャリーが重い。8時40分くらいだがノワールの餌場を回る。「プリンス猫階段」へ行くとS内さんの車の下、前部だが奥深くにコロちゃんがいる。すぐに「新黒」の姿も。「新黒」に缶詰をあげるとガツガツ食べる。8時にはS内さんにたっぷりカリカリを貰っているはずだが、缶詰が好きなのだな。
コロちゃんが車の下から出て来た。と、賑やかに喋りながら階段を上がってくる一団が。見るとM本夫妻と男女のお孫さんだった。コロちゃんにカリカリを与えるがコロちゃん、小さい子供(1年生)は苦手なのか隠れてしまった。
みんなで「山手猫階段」へ向かうと駐車場から小桃が鳴きながら道路へ上がって来た。M本氏がたっぷりカリカリをあげる。私がそれに缶詰をトッピングする。
先に「山手猫階段」へ行ったM本夫人は一足先に帰ってしまったようだ。真っ暗の階段中腹の餌場でM本氏とお孫さんが集まった猫たちにカリカリをあげている。私が行くと缶詰が欲しい猫たちは大騒ぎ。12個分の缶詰はすっかり無くなってしまった。M本さんたちは先に帰宅し、私は給餌を続ける。カリカリを出しても缶詰の後なので、殆どの猫は見向きもしない。
暗いし、給餌に忙しくてしかとは確認できなかったが、来ていたのはポパイ、スミオ、茶々、ゲンキ、ポオ、ワカメ、パンダ、タビー、ハイシロー、濃い三毛、花子、アニー、バニー、トニー、タニー、プリンス。ずーっと姿を消しているというコロンはやはり居なかった。白三毛もいなかったように思う。暗がりではハイシローと似ているのでもしかしたら居たのかも。
「山手スカイウォーク」のてっぺんまで行ってみるとアニー、バニー、トニー、タニーの4兄弟がいた。カリカリしかないがたっぷりと置く。小さなプラスチック容器が転がっている。単なるゴミか水容器なのか分からないが、もう一度、下までペットボトルを取りに戻る。缶詰の空き缶を持参していたのでそれにも水を満たす。バニーが早速飲んでいる。
下に降りかかるとアニーが転がるように従いて来て甘える。ひとつ下の踊り場でアニーを可愛がっているとバニーも甘え声を出しながらやって来た。2匹が交互にひっくり返って甘える。もうひとつ下の踊り場まで行って2匹を可愛がる。するとトニーまでが甘え声を出しながらやって来た。アニーはもう甘えて、甘えて仕方がない。後ろ髪を引かれつつ階段を降りる。3匹は従いて来たがワカメが睨みをきかせながら上がって来たのを見てアニーとトニーは戻って行った。
餌場を片付けていると又、猫たちが集まって来た。ゲンキ、ポオ、ポパイを撫でる。ゲンキの右目から汚い目やにが出ているので拭ってあげようとすると気配を察して逃げてしまった。ハイシローがポパイに猫パンチするのでハイシローを叱る。懐中電灯を手に猫たちに話し掛けている怪しげなおばさんの姿は鬼気迫るものがあるのか、階段を上がりかけたおじさんは引き返して学院の中へ入って行った。ハハハ・・
店仕舞いして帰りかける。畑の方の道に座っている猫は誰かな?と見つめているとこちらにやって来た。茶々だった。すごく甘えるので石垣の上に乗せて可愛がる。可愛い、可愛いと話し掛けていると何度もニャーの口をする(声は出さない)。こちらも後ろ髪を引かれながら道路を渡る。当然のように茶々も渡って来たが従いては来なかった。山手の猫たちの甘えぶりには本当に参る。切ない気持ちで一杯になってしまう。
5月11日に陽光の中でのノワールを始めて見てその惨状にショックを受けた芝生を横目で見ながら「プリンス猫階段」を通りかかる。ここでコロちゃんや「新黒」などに給餌しているとノワールもやって来たものだった。最初から端っこの黒い軽自動車の下にいたこともよくあった。つい1ヶ月ほど前のことだ。コロちゃんはそのままS内家の車の下にいる。安心しきっているようだ。再びノワールの餌場を通る。涙こそこぼさなくなったがまだまだ悲しい。
| 2002年07月18日(木) |
今日は目ぼしい事は起こらず |
昨日、お婿入りした「伸二」はまだ洗面台の下に隠れて出て来ない、ごはんも食べないと、里親さんから写真添付のメールが今朝届いた。猫を飼うのは伸二で5匹目のベテラン里親さんなので全く心配していない。しかも幸いな事に先住猫もいないので慣れるのも時間の問題だろう。
今日は虻名公園下の駐車場へ昼過ぎと午後4時頃に行ったが、昨日2回見かけた黒猫チイちゃんは居なかった。昨日はオロオロしているようだったがその後どうしたのだろうか?一昨日の夜には、管理事務所向かいのT水家のベランダに置いたカリカリを食べた形跡があったというが、昨夜は食べていなかったそうだ。
7時半を過ぎてから、みちよさんとアクトへ行く。アクトへの道は、ノワールが最後に辿った道なので2人とも胸が詰まる。三・七日くらいになれば「猫の森」へ花束と療法食を投げ入れようと考えていたが、まだまだ三・七日くらいではそんな気になれそうもないので秋まで延期することにした。
アクトから戻り、人気のない管理人住居の庭を覗いてみる。クウちゃん(母黒猫)もチイちゃん(息子黒猫)の影も形もない。それからノワールの餌場へ行きチェック。
帰宅してしばらくするとみちよさんから電話がかかってきた。T水さんのところへ元管理人夫人から電話があり、やはり母猫クウちゃんだけ連れて行ったとのこと。環境が変わって暴れているというが、あんなに奥さんにベッタリだったクウちゃんのこと、きっと大丈夫だ。チイちゃんのことは噂だけで殆ど知らなかったが、T水さんがベランダで餌やりをしてくれるというのでそれとなく気をつけて見ているに留めよう。
| 2002年07月17日(水) |
ユウキ改め『伸二』のお迎えに |
朝から陽も差して絶好のお迎え日和だと思っていたら、何と11時近くになって雨が降り出した。洗濯物も干したままだ。何と間の悪い!
管理事務所前は道路の両側に交互に車が駐車している。これも間が悪い。少し6号棟寄りに駐車する。まずみちよさんが来て、それから里親さん。最後に一番遠いM浦さんがやって来た。犬山動物病院に着くと駐車場には先客が。益々間が悪い。みんなを降ろして、少し離れた道路に駐車する。
犬山動物病院は休診日だというのに急患の猫ちゃんが診察室に入っている。『伸二』はキャリーに入れられて出て来た。先客が済むまで20分ほど待つ事にする。伸二はシャンプーしてもらってきれいだ。傷は跡形もなく全快している。
急患の仔猫は捨て猫で具合が悪そうだ。連れて来た老婦人は我々のようなボランティアさんのようだった。どこにも同じような人がいるのだなあ。
M浦さんは飼い猫のミューちゃん用に皮膚病の塗り薬を、私はファビ用に毛玉取りジェルを購入。伸二は献血もしたからか、信じられないほど格安にしてもらった。里親さんから1万円の寄付も頂き赤字にならずにすんだ。
駐車場が空いたので車を取りに行き戻って来たら、既に違う車が入っている。またまた間が悪い。仕方なく向かい側の道路に停め、みんなに道路を渡ってもらう。そのまま里親さん宅にお邪魔する。ヒノキの床でまるでログハウスに居るような気分になる。ステキだ。
伸二という名前は家族で頭をひねって考え出したそうだ。最初、中田英寿から取って「英寿」にしようかと迷ったが小野伸二にちなみ「伸二」に落ち着いたそうだ。そんなに歓迎態勢の整ったところへお婿入りする伸二は本当にラッキーだ。
伸二はキャリーのドアを開けても出てこようとはしない。おとなしくじっとしている。シャンプーされてすっかりキレイになっている。あまり鳴きもしない。伸二の幸せを喜びつつ我々3人はすぐ近くの我が家へ。
もう午後1時を過ぎている。定番の【茶月】の宅配寿司を注文する。ゼリーとシュークリームがあったのでデザートにする。そして、横浜市の犬・猫不妊・去勢手術費助成金の申し込みハガキをみんなでせっせと書く。みちよさんとS井が往復ハガキを寄付し、書き損じなどを除き21枚書き上げる。
犬山動物病院の院長が沢山出せ、と言っていたので、J先生などは教職員ひとりひとりに頼んでくれて名簿をFAXしてくれた。その数44。総数で50を越えると院長に告げると、それはやりすぎだと止められた。(・_・;)…ん? 当面必要なのは3枚分だが、十分だろうとのこと。何分、我々は初めてなので勝手が分からない。
3時前になりみちよさんは団地のこども文庫のお手伝いに行き、M浦さんには夫のPCで「山手ネコロジー」の写真を見ていてもらう。M浦家の猫たちのページも作ろうと写真を持参してもらった。それをスキャナーで取り込む。
M浦さんはマウスを使うのは始めてだがすぐにマスターして楽しんでいる。大したものだ。そうこうしているうちにみちよさんが戻って来た。多忙でくたびれているみちよさんには後ろのベッドで昼寝をしててもらい作業を続ける。5時半になりみちよさんが目覚めたのでお開きにする。荷物の多いM浦さんを車で送る。途中「プリンス猫階段」を通ると駐車場の真ん中でコロちゃんがいつものように寝ていた。水容器が紛失しているように見えたが・・
朝、駐車場に車を取りに行った時も夕方、置きに行った時も元管理人さんのところの息子猫らしい黒猫が居た。私が近寄ると逃げるが車の下で寝ていたらしい。管理人住居は今、リフォームしているので彼は近づけないのだろう。かわいそうに・・
私もバテて夕食後、寝てしまったが10時を過ぎるとやはりノワールの餌場を覗きに行かずにはいられない。餌場の前にしゃがんで目をこらすと、ここでこんな風にしていた、こっちを向いてじーっとしていたとか、つい先日の思い出が甦り悲しくなる。
| 2002年07月16日(火) |
またもや台風一過、青空広がる |
明日はいよいよ保護猫ユウキのお迎えだ。私の車で、里親さん、M浦さん、みちよさんの4人で大々的にお迎えに行く。午前11時に管理事務所前集合だ。よく考えると水曜日は犬山動物病院の休診日だったが、先日、水曜日はどうか?と院長に尋ねた時には11時頃ならOKだと言ってくれていた。
午後8時過ぎにみちよさんが来てくれた。管理事務所がよく見える住居の知人からの知らせでは、やはり管理人さんは母猫を連れて行ったようだとのこと。息子猫の姿も見えないらしい。その行き帰りにみちよさんはノワールの餌場をチェック。
私も午後10時半に行ってみる。今日で丁度2週間だ。最後の健気な日々のことは脳裡に焼き付いて離れないが「ひにち薬」というのだろうか、涙ぐむことはあっても溢れ出て止まらないということはなくなった。本当は全く食べられないのに、私たちが一生懸命、食べさせようとしている努力に応えて懸命に食べようとしてくれたのではないか。前日にも私がしつこく容器を顔の前に置くので何度も口をつけてくれた。もう飲み込む力がなくなり口やあごに付くだけだったのだと今では思う。
最後の日にはみちよさんが手のひらにフードを乗せ食べさせようとしたので、口をつけてくれた。私がバスタオルを取りに帰っている間、みちよさんは階段を2段降り、ノワールを抱きかかえるようにして撫でさすっていると喉をゴロゴロ鳴らしたという。大好きだったみちよさんに最後にそうしてもらって本当に良かった。6月には、みちよさん、ずーっといわき市に行っていてノワールは寂しい思いをしていたに違いない。そのころ餌場横の階段に座ってみちよ家の方をじーっと見ていた姿を何度か目撃している。が、もう思い残す事はなかったと思う。S内さんが言ってくれているように、良い猫生だったと思いたい。
11時近くになってM浦さんに電話する。「毛玉」は昨夜、出て来て缶詰フードを少し食べたそうだ。そして以前そうだったように、もう触らせたりはしないらしい。今夜は出て来なかったとか。元々、匿名の餌やりさんがいるらしいと分かったので、そちらに託そうと思う、出てくれば勿論フードはあげるが深追いはしないことにするとM浦さんは言っている。彼女もかなり落ち込んでいる。
しょっちゅう不在の、山手のコロンがもう10日間も姿を現さないと言ってM浦さんは気を揉んでいる。コロンが1週間くらい不在だったことはこれまでにもしばしばあるのだが今回は長い。コロンは彼女が最初に手術を受けさせ、術後1週間、家に置いた子なので、特別、気になっているのだ。
| 2002年07月15日(月) |
台風6号に続き7号接近 |
今朝8時頃、「毛玉」の様子を見に行ったM浦さんから電話がかかってきた。昨日放した場所に出て来ているが殆ど食べないと言ってオロオロしている。来て様子を見てくれと言うが、昨夜、「毛玉」と初対面の私に何が出来るわけでもない。M浦さんはどうしたいのか。彼女が「毛玉」を病院に連れて行きたいというのなら車を出すことくらいしか出来ない。
犬山動物病院へ電話して相談してみるように言ったが親しくないのでイヤだと言う。そこで9時になるのを待って私が相談してみる。やはり心配なら連れて来てくださいとのこと。が、M浦さん、朝夕、餌を運びしばらく様子を見ることにすると言う。然し1号棟の住民である自分が4号棟脇に足繁く通っていると不審に思われるといって盛んに気にしている。
うちとは違うマンションだが、例えば5号棟の私は足繁く(怪しく)7号棟前に懐中電灯などを持って出入りしている。人の目などもうあまり気にならない。私はまだ誰にも咎められたことはないが、M本氏夫妻もM浦さんもみちよさんも餌やりをとがめだてされたことがあり深く傷ついたようだ。
野良猫救済活動とは、心も身体もお金も使いながら肩身の狭い思いをすることなのだと痛感する。しかも良かれと思ったこともうまくいかなかったりする。
団地の管理人夫婦は引っ越して行ったが、どうやら母猫は連れて行ったようだ。みちよさんも知人も私もそれが気掛かりだった。息子猫は置いて行ったかもしれないが、こちらは知人が餌やりをしれくれそうだ。
午後9時半頃、念のため、みちよさんと管理人住居の方を伺ってみる。まだ新しい管理人夫婦は着任していないようだが、母猫の姿はなかった。ヤレヤレ。
今日もやはりノワールの餌場を覗きに行く。台風も近いので長居はせず帰宅する。
午後、犬山動物病院に電話して「毛玉」とユウキの様子を訊く。「毛玉」はとてもおとなしくしているがごはんは余り食べないらしい。ストレスがかかるのでなるべく早く元の場所に戻した方が良いだろうとのこと。夕方、M浦さんと一緒に迎えに行く事にする。
ユウキも去勢手術を済ませたことだし、そろそろ里親さんに手渡さなければならない。17日ごろ迎えに行くように段取りをつける。出来れば、M浦さんも一緒がよいと思う。里親さんはPCに詳しく、無料スペースのせいで何かと不具合の多い「山手ネコロジー」HP管理についても助けて頂けそうだ。
7時過ぎ、犬山動物病院へ行くと、まだまだ3組もワンちゃんたちが診察を待っていた。少々待って「毛玉」にご対面。病院の大きなキャリーに入れられた「毛玉」は山手の「パンダ」にそっくりだが大きな顔をしている。ルーツは同じだろう。投薬は出来ないので注射をしてもらう。ワクチンもまだだったのでそれもお願いする。フロントラインは投薬してあった。不安で大きなドラ声を張り上げて鳴いていたが撫でると静かになった。
M浦さんがフードを食べさせようとするが殆ど食べない。捕獲した場所へ行き、そこで又M浦さんがフードを用意し、キャリーを開けるがフードには見向きもせず、ソロソロと出て、現在位置を確かめるや、Lマンション4号棟裏の土手に消えて行った。「毛玉」はもうかなりの年のようだが骨格はしっかりしていた。メス猫にしては堂々たる風格だった。
3号棟と4号棟の間を歩いてみる。M浦さんは「ひとりではこんなところ歩けない」と言うがそんなことはないだろう。もっとマメに歩いて情報収集に努めてもらいたい。そう言って大いに励ます。
9時過ぎになり、みちよさんとノワールの餌場をチェックしがてら「プリンス猫階段」へ行く。7時ごろ車で通った時には駐車場に寝転がっていたコロちゃんは見当たらない。「新黒」もいなかった。
ノワールの餌場横の階段に座ってしばらく話し込む。台風の影響か、砂埃が巻き起こり頭からかぶってしまった。ゴキブリも這っている。ほうほうの体で引き上げるともう11時近かった。
| 2002年07月12日(金) |
ユウキの去勢手術完了 |
昨日、M浦さんが捕獲した「毛玉」は今日、昼間に手術を受けた。麻酔をかけ、毛を剃ったところで、胃の上部に何やら手術痕があると言って院長から電話がかかってきた。M浦さんも昨夜、「毛玉」のお腹を触ってみたところ胸のあたりにしこりのようなものがあったと盛んに言っていた。蚤アレルギーのかさぶたも多数あったようだが、普通、不妊手術は下腹部を少々切開し、傷跡はすぐに分からなくなる。そんなに上部でしこりが残るなんて変だ。
もしかしたら卵巣だけ取ったのかもしれないし、何か別の手術だったのかもしれないが、分からないとのこと。迷った末、できるだけ小さく切ってチェックしてもらうことにした。数時間後、電話してみると卵巣も子宮もなかったとのこと。
M浦さんと話し合う。毎年仔猫を産み続けていた、今春もお腹が大きかったようだ、などなど噂ばかりが一人歩きし、餌ももらえなくなり「山手ネコロジー」を頼って出て来た、早急に手術を!との図式で突っ走ってしまったが、実は、隠れて餌やりをし、不妊手術まで受けさせてくれた「善意の人」がLマンション3〜4号棟にはいたのだ。(例の「昔の餌だけやりおじさん、I氏」ではないことだけははっきりしているようだ。)
「毛玉」には気の毒だったが、Lマンションの猫たちはOKだということが分かり安堵した。同時に正確な情報収集の必要性を痛感する。M浦さんは早速、団地の親しい保健委員が顔が広いというので問い合わせを開始。「野良猫に餌をやるな」とのお触れが回った同団地のこと、肩身狭く餌やりをし、不妊手術までしてくれた人がいる。是非ともお知り合いになって彼女が孤独ではないことを伝えたい。
傷はとっくに治ったが、去勢手術がのびのびになっていた保護猫ユウキも今日、手術を受けた。そして体重も保護時の3kgから4,5kgにまでなり、貧血に苦しむ猫ちゃんに献血してあげたそうだ。勿論、事前に打診あり。ユウキも格安で長期間加療、入院させてもらったのだから他の猫ちゃんのお役に立てて良かった。
Pハイツの管理人さん夫婦が急遽7月15日に転勤してしまうことになった。そこで奥さんが半分内猫として可愛がっていた黒猫母子のことが気になる。今夜、みちよさんとT水さんと3人でお別れの挨拶かたがた、猫たちのことを聞いてみる。奥さんにべったりの母猫は心配そうにウロウロしている。母猫だけでも新しい職場(大和市のマンションの住み込み管理人)に連れていけないか明日、聞いてみるそうだ。
息子猫の方は、もし置いていかれたらT水さんがベランダで給餌するつもりになっているが、そのことは今夜は言わなかった。次の管理人夫婦には、猫嫌いだとはっきり宣言されたそうだ。その母猫クウちゃんはとても艶やかな黒猫で尻尾も真っ直ぐな美猫だ。息子猫チイちゃんもそっくりの美猫だそうだ。ノワールとのあまりの違いに愕然とする。みちよさんはもう涙ぐんでいる。
そんなことで時間が経ってしまい、ノワールの餌場をチェックしに行ったのはもう午後10時をかなり過ぎていた。勿論いないが、まだまだチェックを中止する気にはなれない。
| 2002年07月11日(木) |
M浦さん、「毛玉」を捕獲する! |
午後8時過ぎ、習慣でフラフラと6号棟前へ行く。ノワールの餌場をチェックするだけだから5分とかからない。戻りかけ、みちよさん宅の前を通りかかると彼女が5階から降りてくる気配がする。彼女も8時頃になるとソワソワしてしまい、つい降りて来てしまうのだそうだ。9時過ぎには「プリンス猫階段」へ行くから、何かあればみちよさんに電話する、と言っておいた。
今日は久々に「山手猫階段」へも行こうと思い、缶詰を11個、開けずに用意する。ノワールの餌場→「プリンス猫階段」へ。コロちゃんはおらず若いカップルが階段上で喋っている。水はきれい。カリカリがトレイに入っている。「新黒」はいない。「山手猫階段」へ向かおうとして、缶切りを忘れたことに気付いた。仕方なく戻り、ノワールの餌場前にコロコロキャリーを置いておく。
家に戻りまた出ようとして玄関に降りたところで電話が鳴った。話していると、みちよさんがやって来た。彼女も9時過ぎに降りて来て「プリンス猫階段」へ行ったそうだが入れ違いになったと思い、うちにやって来たらしい。一緒にノワールの餌場まで行き、そこで別れる。
「山手猫階段」へ直行する。習慣で猫たちは騒いでいたが缶詰を開けるとどうやら満腹のようだ。ポパイ、スミオ、茶々、ゲンキ、ワカメ、パンダ、ハイシロー、花子、白三毛、濃い三毛、タニー、タビーがいる。花子はロクに食べずに松かさで遊んでいる。ハイシローは小柄でスマートだがお腹はぽんぽこりんだ。白三毛のお腹もしっかりしている。濃い三毛が痩せている。タビーも年老いてどんどん小柄になってきたような気がする。
食べ残しを片付けようとすると、猫たちはまた食べ出す。そうこうしているうちに上からM浦さんがやって来た。もう10時を過ぎている筈だ。アニーたち4兄弟には上で給餌してきたそうだが、バニーが従いて来ている。バニーの為にもう1缶開ける。結局8缶開けた。その間にM浦さんは小桃の駐車場へ行く。
小桃はおらず、「新黒」だけがいたので給餌してきたそう。山手の猫たちがすっかり満腹したところへY沢さんの車もやって来た。満腹の猫たちは駆け寄らない。ゲンキンなものだ。Y沢さんを大好きな茶々だけが擦り寄っている。
Y沢さんも去り、小桃の駐車場へもう一度行く。勿論ゲンキが従いて来る。「新黒」だけがまだ待機している。さっきM浦さんがあげた餌はきれいさっぱりなくなっている。まだ物足りないのだろうと缶詰を開けることにする。が、また缶切りを「山手猫階段」の餌場に置いてきたようだ。取りに戻り、まだそこにいたM浦さんと別れる。
缶詰を開け「新黒」に与える。瞳孔が大きく開き本気で威嚇する。ナンジャラホイだ。バカバカしい。「し〜んちゃん!」となだめる。私の後ろからゲンキが「新黒」に向かって唸っている。が、どうやら「新黒」の方が強いようだ。茶々もやって来たが、やはり「新黒」に対して唸るものの、餌を奪い取ったりしない。いつの間にか「新黒」は強くなったようだ。
立ち去り、上の道路から見下ろすと餌を殆ど残して「新黒」が去って行く。そのままではいけないと思い引き返す。一旦去りかかったゲンキと茶々もまたついて来る。「新黒」は少し離れた植え込みでじっとしている。缶詰を片付け始めると茶々が食べに来た。ゲンキは寝そべっている。構うと私の脚で遊び始めた。猫キックする。ゲンキは遊びたくて仕方がないのだが、遊びたくない他の猫たちから嫌われてしまうのだ。木登りも下手だし今では弱い猫になっている。
小桃はいなかったがその駐車場を出たり入ったりしていたのですっかり時間をくってしまった。「プリンス猫階段」へ回ってみたがやはりコロちゃんはいない。どうしたのだろう?いぶかりつつ我が家へ向かうと我が家の前から何やら私に呼びかけながら駆け寄ってくる女性がいる。みちよさんかと思ったら、M浦さんだった。
何と、彼女は私と別れて帰宅する途中で、かねてから不妊手術目的で捕獲したかった「山手ネコロジー」懸案の「毛玉」に出会い、「毛玉」はよほど空腹だったのか、3回しか給餌したことのないM浦さんに駆け寄って来たそうだ。「毛玉」の捕獲については急を要すると今日も話し合ったばかりだった。
そこでM浦さん、カリカリと水を「毛玉」に与え、千載一遇のチャンスとばかり荷物をそこにほったらかしたまま、家に戻りキャリーを手に取って返し、あっけないほど簡単に「毛玉」をキャリーに押し込むことに成功。そこですぐさま我が家に連れて来たところ、私がまだ帰宅していなかったので途方に暮れていたらしい。
家に入り時計を見ると何と11時15分になっていた。が、とにかく犬山動物病院へ電話してみる。ハイシローの手術時に黒猫のメス猫も要手術だと言っておいたが、院長、そのことはもう覚えておらず「ノワールちゃんですか?」と言う。こんな時間だし、少々ムッとしていたがとにかく搬入をOKしてもらい運ぶことになった。
犬山動物病院に着くともう11時半だ。灯りが点いている。歓迎態勢かと思ったらそうではなく、院長は「急患が来るから」とキャリーを受取るとすぐさま診察室のドアを閉めようとする。「手術済みかどうかのチェックをお願いします。」と言うのが精一杯だった。受け入れてもらえただけで上等だ。
院長にはとんだ迷惑だが、我々はバンザ〜イ。これで目下の懸案事項はほぼすべて片付いた。Lマンション3号棟の人からの噂では、まだ2匹くらいあやしいのがいるらしいが、はっきり分かった時点でよいだろう。M浦さん、お手柄だった。
現在10時20分だが、岐阜県内に水害被害をもたらした台風6号はこれから首都圏を直撃しそうだ。
7時前に駅前に買い物に行っていたみちよさんが我が家に立ち寄った。少々話をした後、一応ノワールの餌場を見に行く。雨はそれほど降っていない。
9時前になってノワールの餌場から「プリンス猫階段」へ行く。さすがにコロちゃんもいないと思ったら、ライトがS内さんの車の下にいるコロちゃんを捉えた。車止めの後ろの狭いスペースにはまり込んでいる。すぐ上に車の後部がかぶさっており雨はかなりしのげそうだ。それでも滝のような雨が降ったらどうなのだろう?これまで大雨の時にはコロちゃんを見かけないことが多かったので、きっとどこか雨露をしのげる場所があるのだろうと思っていたがそうではないのか?
「新黒」は出て来ない。小桃の駐車場に行けばもしかした出て来るかもしれない。先月、かなりの雨の中、小桃に車の下で給餌していると「新黒」が現れたことがあった。が、1匹分しか持っていなかったので今夜はパスすることにした。
山手の猫たちは学院内の或る建物内に入り込めることが分かった。すべての猫たちが入っているとは限らないが、雨風はしのげる。学院内の屋根のあるところで給餌できるといいのだが。「山手ネコロジー」の活動としては、究極的にはそういうことを目指そう。
家に戻ってほどなくみちよさんがやって来た。9時頃のチェックは私ひとりでやる!と言ったのに、気にしたみちよさんが窓の下を覗くと私が通りかかったそうだ。5階から呼びかけたというが雨の音で聞こえなかった。そこで手作りのおいなりさんを持って来てくれたのだった。
上がってもらってまたもや思い出話をする。彼女は今日、ノワールとお別れした道を通って郵便局へ行ったのだが、最後に見かけた場所に差しかかるとしゃくりあげて泣いてしまい通行人もあって恥ずかしかったと言っていた。
昨日、松本清張スペシャルを録画しておいて、日記を書き終えてから見た。するとノワールをきれいにしたような体型の黒猫が狂言回しに使われており、何を見ても今はノワールと結びつけてしまうと痛感。その話をするとみちよさんも昨夜、そのサスペンスの終盤を見ており、やはり黒猫といえばたちまちノワールに結び付けてしまうと言っていた。
10時過ぎ、みちよさんが帰る頃には雨脚は一層激しさを増している。コロちゃんは大丈夫かな?今まで無関心でいて急にそんなことを言うのも我ながらずい分勝手だと思うが、猫ハウスのようなものを設置できるスペースがほしい。M本氏便り(2)の豪華ミケちゃんハウスは無理解、無慈悲な自治会によって撤去されてしまったとか。近々、その付近を見に行こうとM浦さんと話し合いつつそのままになってしまっている。
日も暮れた午後7時40分頃、キャリーを持って6号棟へ行き、みちよ家前、餌場への階段、餌場をチェックする。みちよ家階段下にキャリーを置いていったん戻る。
8時半になってみちよさんがやって来た。「プリンス猫階段」にも行って来たそうだ。コロちゃんがいたが固定の餌やりさんがいるので餌はあげなかったとのこと。 玄関内、上がりがまちに座り込んで話していると、我が家のシルビア、ミーシャ、トムが代わる代わるやって来てみちよさんに甘える。
9時になり再びノワール・チェックに出かける。「プリンス猫階段」へ行くとコロちゃんさえもいない。お水はたっぷり入っておりきれいだ。すると7号棟の方から「新黒」が現れた。いつもは逆の方から現れるのに。森からやって来たのか?
そして昨日にも増してシャーシャー吹いている。ライトを当ててよく見ると、目は大きく見開いているが目やにがひどい。目薬は差せないので犬山動物病院の院長に相談してみよう。持参した缶詰フードをあげる。
「グフッ!」なんて音がするのでまたライトを当ててみると、いつもは食べるのがすごく遅いのに今日はガツガツ食べたせいで咽んでしまったようだ。特別おいしかったか、或いは我々がいるので焦ってたくさんほお張り過ぎたのか?それだと可哀相なので、慌てて立ち去ることにする。「関心持つなよ!ファーシャー!」と盛んに吹く今日の「新黒」の態度はまるでノワールが乗り移ったかのようだった。
6号棟に戻り、階段に座って今夜も少し待機する。もうかなり諦めがついてきたが思い出になるにはまだまだだ。
そもそもの馴れ初めを思い起こす。「プリンス猫階段」を通ることも殆どなく野良猫に毎日餌やりをするようなきっかけはまるでなかった。ほぼ4年前、見知らぬ他人だった初代餌やり人K沼さんに、通りすがりのみちよさんがノワールへの給餌を無理やりに押し付けられた形だった。そのうちK沼さんはすっかり引いてしまい、やがてみちよさんひとりでは毎日欠かさず給餌することが困難になってきた。が、みちよさんの友人たちは誰も餌やりを引き受けようとはしなかった。
そこでみちよさんとは殆ど疎遠になりかかっていた私にお鉢が回ってきた。エーッ?!という感じだったが、その猫の余りのみすぼらしさに否も応もなく引き受けてしまった。が、K沼さんの「あの猫は餌さえもらえれば野良でいることが幸せなんですッ!」という自信に満ちた断言も我々を呪縛した。野良猫たちの不幸が相次いだ時期でもあったことから、引き取れもしないのだから中途半端に懐かせないようにしようと話し合っていた。
それに他家の軒下でコソコソ餌やりをしているのだ。隠れるようにして餌容器だけ置いてくる毎日だった。懐きもしなかった。それでも年月と共に可愛く不憫に思う気持ちが増してきてはいた。が、それもこちらの一方的な片思いだと思い込んでいた。それは、はっきり間違いだったと今にして思い知る。前日までは触る事も出来なかったのに、最後の日に見せた愛くるしい態度は何だったんだ?!とみちよさんと2人、まだ呆然としている。
「誇り高き野良猫」とか「野良猫の矜持」とか、エッセイストなどがそれらしい文章をよく書いている。野良猫についてそれほど関心もなくよく知らなかった私も、そんな文章に影響されていたようだ。
が、そうではないとはっきり思い知らせてくれたのが「山手猫」たちだった。彼等は餌さえ貰えればそれでいいのではない、愛情が欲しい、撫でて欲しい、遊んで欲しいとはっきり要求する。そして警戒心いっぱいだった新参猫もすぐに同じようなゴロニャン猫に変身する。野良猫として生まれたとしても家猫はイリオモテヤマネコではないのだ。人間に頼り暖かい愛情を必要とする、人間との共生動物なのだ。コンパニオン・アニマルなのだ。
そういう猫たちを野生の熊や狸などと混同して「餌をやるから増えるのだ」とか非難するのは全く間違っている。野生動物にしても人間が住処と餌を奪っておいて危険になったから「駆除」するなどとは人間の驕りも甚だしい。
7号棟の駐車場下の「猫の森」も近年建売住宅が3軒建ち、面積がグッと狭まった。
| 2002年07月08日(月) |
ノワールが姿を消してから今日で6日目 |
10行ほど書いたところで、昨日と同じくデスクの上で寝そべっていた飼い猫ロミ(13歳)がいきなりキーボードにしなだれかかり左端の「Esc」キーを押してしまったらしい。一瞬にしてすべて消えてしまった。ノワールのことばかり書いているのでやきもちを妬いたか。
ノワールといえば、みちよさんも私も5日目の昨日が一番悲しかった。というのはこれまで何度か姿を現さないことがあったが、最長4日間だった。5月31日にもそうだったが、5日目には何事もなかったように元気な姿を見せてくれていた。
だからある意味、賭けるような祈るような気持ちで昨日、5日目を迎えたのだったが、その願いも空しくノワールは現れなかった。すると今後再び現れる可能性は限りなくゼロに近い。悲しみながらも諦めの気持ちが広がる。涙も昨日の10分の1以下になった。
保護猫ユウキの里親さんになる6号棟のS村さん宅は建物の端っこだ。1メートルと離れずに隣の建物が建っている。その間の狭い通路を猫たち(朝夕のみ外へ出してもらっている飼い猫たちも)が朝夕、続々と通り抜け、向かいの駐車場を通って森の中へ消えていくのだそうだ。そこでS村家では、その狭い通路を「猫道」と呼んでいるそうだ。森の中で猫の集会でもあるのかと常々訝っているとか。
そんな話は初耳だ。彼女はノワールのことも、「もはや黒猫といえないほど赤茶けてボロボロの猫」として知っていた。そこで今夜は8時過ぎにみちよさんと一緒に7号棟脇、奥の竹薮を覗きに行ってみた。その横の駐車場の奥にも行って見た。 みちよ家の隣人(5階)が今朝、白ソックスの黒猫(「新黒」か?!)が森から駐車場へ出て来るのを目撃したそうだ。
7月2日、ノワールとお別れした場所はその森の下の道路だ。森までは直線距離で20メートルくらいのものだろう。あの後ノワールは森に入り、もしかしたら、今も森の一角でじーっと蹲っているのか?そして他の猫たちに見守られているのかもしれない。「象の墓場」ならぬ「猫の墓場」がそこにあるのかも、などとファンタジーにすぎないかもしれないが、話し合う。
そうは言ったものの、一旦帰宅し9時半を過ぎてからまた出なおす。家猫の手付かずのフードを持って「プリンス猫階段」へ行ってみると「新黒」はおらず、ウォーキングのおばさん3人が階段上でお喋りしている。道路に出ていたコロちゃんを駐車場内に戻し、小桃の駐車場へ行く。小桃も「新黒」もいない。
諦めて帰りかけ、道路から下を覗くと「新黒」がいる!戻って給餌。ファーッ!とやけに非友好的だ。ラップ包みを開くと、わざわざ少しづつくわえては数段離れて食べている。ラップは光るから苦手なのか?ラップを取り除くと安心してそこで食べ始めた。してみると猫除けにキラキラ光るペットボトルを置くというのは効果があるようだ。
6号棟まで戻りみちよさんと合流。また階段に腰を下ろす。あえて思い出話はせず世間話をする。引き上げて帰宅すると午後11時だった。
| 2002年07月07日(日) |
メンバー、準メンバーからの喜びのメールなど |
メンバー、準メンバーに「ユウキくんの里親みつかる!」とメールしておいたところ、続々と喜びのメッセージが届いた。(PCをしないM浦さんも、勿論大喜びしている。) まずM本氏から: 『ユウキくん本当に良かった!!・・・今夜町内会の役員会議があり、メールの返事が遅れてすみませんでした。 今日イトウヨーカドーのパートに行かれてる近所の人に、店の掲示板にポスターを 貼って貰えるか相談してた処です。タウン誌とは思いも寄りませんでした。会議が 終わり9時半に山手へ行きM浦さんとユウキくんの話ばかりしてました。これもS井さんの努力の賜物です。ご苦労様でした。』
S内さんは: 『良かった,良かったと、ほっとしました。 捨てる神あれば、拾う神ありの喩え通りですね! ”すまいる情報”で、ユウキの写真をみて、さすがにS井さんはやる事が早いと感心したのですが、こんな近くに好適な里親さんが見つかるなんてね。 何があって、あんなにやせ衰えるまで誰にも助けてもらえなかったのかしらと思えるほど、痩せこけていましたものね。
ノアールはあれ以来、姿をみせないようですね。 S井さんとみちよさんのノアールへの思いは、本当にほとんど身内に寄せる愛情そのものです。物言わぬ猫であっても、お二人の愛情はしっかり感じていたはずです。 6月25日、車の下に箱ずわりしていました。すぐ口もとにえさをおきましたが、ちらりと見ただけでした。娘を駅まで送って帰ってくると、餌には口をつけていないようでしたので、かがみ込んで餌をもっと口元までよせましたが食べようとしませんでした。その日は、シヤーッと言うこともなくただ静かにそこにいるという感じでした。
外見からは、不幸そのもののように見えるノアールも、暖かい愛に包まれて生涯を生きたのだと思ってください。S井さんたちがいて、そして何人かの彼の暮しに関わった人間が存在したのですから。 彼が、弱った体を押してまでも最後に会いに餌場に姿を現したのは、彼も愛を伝えたかったのだと思いますよ。』
J先生は: 『ユウキに素晴らしい飼い主が見つかって本当に良かった!生徒の1人は「ネコは病気を移すからだめ」と、お母さんに言われ、もう1人は「成績が出るまでお母さんに聞けない」という状態で、心配でしたが、下半身不随のネコをちゃんを飼えた方なら、飼い主として本当に申し分ないですね。お住まいがご近所というのもいいですね!
今週も学院の職員でPハイツ住まいのT橋さんからまたたくさんの餌をもらいました。最初は「うちのネコ食べないから」とおっしゃっていたのですが、買ってきてくれているようです。また、「寄付など募りませんか。」と聞かれました。寄付は大歓迎だといったら、口座番号を教えてほしいと言われたので、きっと、協力してくださると思います。
我が家は病気続き(夫は帯状疱疹、息子は風邪)で連絡が遅れてしまいましたが、金曜日の朝、ポパイはまた黄鼻で、ちょっとまた調子悪そうでした。よく食べていますが、まだかぜが治っていないのかしら?食べてからハイシローに頭たたかれて、一声あげて去って行きました。
猫たちと関係ないことですが、先日、夜中に学院の桜並木付近で痴漢騒動があり、被害届けがだされました。今も警察が張り込み調査を続けているそうですが、時間帯は午前0時前後なので、多分会わないと思います。 ノワールちゃんは、その後現れましたか。』
・・・・・・・・・・・・・・ ノワールは今日も現れないが、↑S内さんがメールに書いてくれているように、全くその通りだと思う。思うが、不憫の塊だった彼のことをあれこれ考えるとみちよさんも私も今はまだ混乱と悲しみから立ち直れない。
今夜も2人して別々の時間帯に探しに行ったりした後、最終的に、階段の隅っこに座りノワールの出現を待ちながら、最後の頃の日々を思い起こし涙にくれる。後悔すればキリがないが、6月25日、朝にはS内さんに最後のご挨拶をし、夜には我々にきっと助けを求めてきたのだった。それから1週間、健気にも姿を見せ続けてくれたが我々はお別れがそんなにも近くに迫っていたことに気付かなかった。食べずに只じっとしていた彼を置き去りにして立ち去っていた。
捕獲して病院に連れて行くことは以前から彼には無理だと決め付けていたせいもあり、只、何とか食べさせようとそればかり考えて焦っていた。
最後の7月2日でさえ、瀕死の状態では全くなかった。トコトコと100メートルも歩き、草むらで伏せたり、ゴミ置き場で鼻をヒクヒクさせ尻尾を振り、初めて愛嬌たっぷりの姿を見せてくれた。
今夜もたまらずその道を辿ってみた。最後にノワールを見たアパートの住人が歩いて来た。何か訊いてみたい衝動に駆られたが我慢した。戻って来る途中、管理事務所前の道路に黒猫が座っているような幻覚が。その少し前にもみちよさんの階段前、5号棟の芝生を黒猫が歩いているような気がして目をこらしたが幻覚のようだった。
みちよさんと2人、悲しい時は悲しもう、と開き直っている。 今日も「プリンス猫階段」で餌を貰いながら、シャーッと吹く「新黒」にノワールの面影がかぶさる。「新黒」の目もかなりの涙目だ。コロちゃんと違って目薬は差せない。が、ノワールの例から学ばねば。懐かないから、怯えるからそっとしておこうなどとは思わずに、必要なら捕獲器ででも捕獲して治療を受けさせよう。
ノワールについてはそんなことをすれば2度と餌場に現れないのではないか、と我々はずーっと危惧していたのだが、そんなことはない。餌は食べたいのだから必ず現れるはずだ。K沼さんが5〜6年前餌やりを始めた頃とは明らかにノワールの態度は違ってきていたはずだ。今ならそう思う。
| 2002年07月06日(土) |
保護猫ユウキに里親さん、決まる! |
10行ばかり書いたところで、飼い猫ロミ(13歳)がキーボードにしなだれかかり、左端の「Esc」を押してしまったらしく、一瞬にして消えてしまった。そこで初めからやり直し。
タウン紙「週間すまいる情報」に写真入りでユウキの里親さん募集記事を掲載してもらったことは昨日書いた。午後、里親希望者から電話が入り、よく聞いてみると何と!同じ団地の方だった。
ずーっと以前のある夜、6号棟前の通路でみちよさんと話していると、猫を抱いて通りかかった女性がいた。みちよさんの話では抱っこされていたのはオムツをしている猫だということだった。その時の女性が今回、ユウキの里親さんになってくれることになった。勿論、山手猫のこともプリンス猫たちのこともよくご存知だった。ノワールのこともご存知だったが、近頃見かけないとのこと。
その時のオムツ猫は大切に世話されて8年間の天寿を全うしたそうだ。丁度、猫を飼いたくてペットショップなどからではなく適当な猫を探していたところだったそうだ。山手猫のうちの1匹でもいいと思っていたそうだ。丁度間に合って良かった。図々しいようだが、去勢費用などのカンパをお願いすると快く承諾してもらえた。関係各方面に電話やメールで報告。喜び合う。
J先生は生徒さんに聞いたり、M本氏は独自にポスターを作って大手ス−パーの 掲示板に貼る算段をしてくれていた。みんなの努力が実を結んだのだと感謝する。
ユウキの去勢手術はまだなので、お迎えはまだ1週間くらい先になるそうだ。その時にはS本さんだけでなく、M浦さんもみちよさんも一緒に行こうと誘う。
午後8時になった。ノワールのためのキャリーとフードを持ってみちよさん宅階段入口に集合。30分ばかり待機するがノワールは現れず収穫なし。一旦帰宅。
午後9時半にまた出直し、「プリンス猫階段」へ行ってみる。コロちゃんがS内さんの車の前に転がっていた。水は満タンだったが一応替えておく。「新黒」はいなかったので、缶詰フードは置かず、6号棟に引き返す。
みちよさんと階段の隅に座って又しても涙ながらにノワールの思い出話をしつつ1時間ばかり待機。間の悪いことに2人して涙を拭っているところにみちよさんのお嬢さんと隣人が通りかかった。私はその場をそそくさと退散し、「プリンス猫階段」へ。コロちゃんはそのまま。「新黒」はいない。小桃の駐車場に行くと小桃もいない。が、「新黒」が出て来た。缶詰フードを広げると食べ始めたが、もうカリカリを大分貰った後のようだ。食べ方がゆっくりしている。
「プリンス猫階段」を通りかかると、S内さんの車の隣に黒い軽自動車が駐車しようとしているところだった。車は結構、音を立てているのに、コロちゃんは全く動じない。耳が悪いのか?それとも堂々としているのか?
帰宅してPCに向かっているとM浦さんから電話がかかってきた。9時半頃、「山手猫階段」の餌場に行くと、餌場をせっせと掃いて掃除している人影が。何と、そんな時間にM本氏だったそうだ。M本氏は既に7時過ぎに餌やりに来たそうだが、「ユウキに里親見つかる!」のメールを見て、9時過ぎなら我々がいると思い、喜び合いたくて、餌場に来てくれたようだ。M浦さんとひとしきり、喜び合ってくれたそうだ。
M本氏宅の近所の撤去されたミケちゃんハウスのあたりも取材してこなくちゃ。M浦さんと、一度、訪問してみようと話し合う。
M浦さんによれば、捕獲予定の黒メス猫、「毛玉」が今日も9時半に「山手スカイウォーク」の北側の上り口あたりにいたそうだ。先日と同様、カリカリをたっぷり与えておいたところ、帰りにチェックすると殆ど食べていたそうだ。来週あたり一度、私もそのような時間に行ってみよう。
| 2002年07月05日(金) |
ノワールを想って1日中涙する |
どうして何が悲しいのだか、まだ冷静に分析できないがノワールのことを考えただけで涙がボロボロ出て来る。
「山手ネコロジー」名義のキャッシュカードを受取りに銀行へ出かけた。ダイエーに寄り猫用缶詰を各種、購入する。
帰りには☆☆学院内を通り抜けてみる。正門近くの職員駐車場を覗くと、ポパイがど真ん中で熟睡している。元気なんだ、とホッとする。すると畑側の植え込みからアニーらしい猫が現れて、ポパイの近くで寝そべった。アニーは「山手スカイウォーク」のてっぺんの方にいる猫かと思っていたが、そうでもないようだ。すっかり山手猫になった模様だ。カリカリを持っていなかったので猫たちに気付かれないように立ち去る。
「プリンス猫階段」へ行くと、コロちゃんが車の間のスペースで寝ている。勿論ノワールはいない。そこから6号棟へ向かいながらつい先だっての雨の日、そこでノワールと出合ったことを思い出しまた涙ぐむ。
何だか落ち着かず、一旦帰宅して、ダイエーで買った重い缶詰類を置いて、7月2日(火)の夜、ノワールが辿った道を通り、DIYの「アクト」まで行ってみることにした。テニスコート前の駐車場の隅の雑草が生い茂っているところをチェック。そちらへ行きかけてノワールは戻って来たのだった。
午後8時過ぎに6号棟前をチェックしつつノワールの餌場を通って「プリンス猫階段」へ行く。「新黒」はおらずカリカリはこんもり。コロちゃんが寛いでいた。
小桃の駐車場へ向かうともう道路の端から小桃が出て来てニャーニャー鳴いている。ぐるりと回ってお墓のそばでたっぷりの缶詰を与える。「新黒」はいない。
来た道を逆に辿るが、「プリンス猫階段」には「新黒」はおらず、ノワールの餌場にはノワールはいない。
午後9時半にみちよさんと待ち合わせをしたが、少し前に行く。又「プリンス猫階段」へ行くと今度は「新黒」がいた。あんまり近づくとシャーッ!なんて遠慮がちに吹いている。「新黒」もやはり涙目だ。たっぷりの缶詰を与える。6号棟に戻ってみちよさんと合流する。
彼女も今日はずーっと泣いている。昨夜も胸を詰まらせながら別れたのだった。2日(火)のノワールの初めてづくしの行動が、果たしてお別れに来たのか、助けを求めていたのか2人とも未だに計りかねている。
我々が予想していたノワールとの別れは、弱った素振りは全然見せず、前日までモリモリ食べていたのが、或る日パッタリと来なくなる、というようなものだった。そういうことがこれまで何回があり、最高4日間不在だったことがある。それが1週間経っても1ヶ月経っても2度と現れなくなるとすれば、訝りながらも静かに諦めていったと思う。
それが今回のように、弱りながら、食べられなくなってからも何とか姿を見せ続け、最後にはまるで別猫のように撫でさせてヨロヨロと去って行くなんて考えもしなかった。みちよさんのことを彼なりの愛情表現で誰よりも慕っていた。このところ留守勝ちのみちよさんだったが、最後の10日間はノワールに姿を見せてあげることが出来て良かった。
我々が夜の餌やりを始めて以来、ノワールにすっぽかされることはあっても我々が彼をすっぽかしたことは1度もなかった。(手違いで給餌時間が午後11時を過ぎてしまい、慌てて行って見るとムッとしながらもノワールが待っていたこともあった。)
わざと懐かせる努力をしなかったことや、いろいろ思い起こすと後悔の念が湧いてきたり、2人とも同じように混乱している。
6号棟の階段の隅に腰を降ろし、涙を拭いながらいろいろと話をする。午後11時になり、今日は諦めて引き上げることにする。
今日配布されたタウン紙「週間すまいる情報」に私がメールで投稿しておいたユウキくんの「里親募集」の記事が写真入りで載っている。反応があるといいのだが。
| 2002年07月04日(木) |
やはりノワールは現れない |
どうにも気になって深夜午前3時ごろ、ノワールの餌場に行き、餌トレイを引き上げて来た。蟻がいっぱいたかっていたが、すべて振り払ってよく見ると、餌の端っこが1センチ四方くらい抉り取られている。もしかしてノワールが来て舐め取ったのか?残念ながらそんな風ではなく、アイスクリーム用の木のスプーンでちょこっと掬い取ったような形跡なのだ。
午前中や、午後など「プリンス猫階段」を通りかかった時に、ノワールが芝生の上や車の下で寝ているのを目撃したことがある。そこで、今日夕方5時頃、「プリンス猫階段」へ行ってみた。勿論ノワールはおらずコロちゃんが無防備にひっくり返って眠っていた。持参の爪切りでコロちゃんの爪を切る。嫌がるが押さえつける。目やにがひどいが目薬は持って来なかった。ティッシュでしっかりと拭き取る。やぶ蚊に10箇所くらい刺されてしまった。ものすごく痒いが、30分我慢すれば痒みは去るはずだ。
カリカリを少々あげるとコロちゃんは喜んで食べた。S内さんの水容器にはいっぱい水が入っていたが、一応取り替えておく。そうだ、日中、ノワールを見かけていないか、S内さんに電話して訊いてみよう。(と思っていたら、以心伝心、夜になって彼女からメールが入り、25日の朝、カリカリをあげたが食べなかった。それがノワールを見かけた最後だった、とのこと。)
午後9時にみちよさん宅階段前に集合。ノワールはいない。昨日と同じように、テニスコート横の道を下ってみる。勿論いない。戻って6号棟前、ノワールの餌場を通り、「プリンス猫階段」へ。コロちゃんしかいない。今日は缶詰タッパーを持参して来ているので、小桃の駐車場へみちよさんと一緒に行く。
小桃はすぐに出て来た。後から「新黒」が出て来て、見慣れないみちよさんがいるからか、警戒して近づかない。缶詰をたっぷり盛ると、やって来た。食べている2匹を残して我々はまた「プリンス猫階段」へ戻る。勿論、ノワールはいない。餌場にもいない。置き餌はしなかった。明日からは、ウロウロ探しまわるのは止めて、ノワールが大好きなみちよさん宅階段下で、しばらく時を過ごすことにする。
解散して一旦家に戻ったものの、未練がましく、すぐまた10時半頃、覗きに行ってみた。12時にも。深夜にまた行ってみるつもりだ。
一昨日、やはりお礼とお別れに来たのだという気がする。夜の暗闇の中でしか見ていなかったのでフカフカした黒猫になっているものだとばかり思っていた。が、5月のある朝、「プリンス猫階段」近くで寛いでいたノワールのあまりのみすぼらしさに愕然とした。そしてたった2週間前、食後に身体をボリボリ掻きながら5号棟→4号棟へとゆっくり歩き去っていくノワールを見て、ふとお別れが近いような胸騒ぎを覚えた。
決して懐かない根っからの野良猫だったノワールのこと、みちよさんと私は常々、或る日突然、姿を現さなくなり、それがお別れになるのだとばかり思っていた。それが、殆ど食べられなくなってから10日間、挙動不審ながら毎日、なんとか顔を見せてくれていた。甘え方を知らず懐かないとばかり思っていたが、精一杯の感謝を表してくれたのだろう。今は「プリンス猫階段」近くの生まれ育った竹薮、雑木林の中で人知れずじーっとしているのかも知れない。かねてからそういう別れをするだろうと話し合っていた。それはそれでいいと思う。思わざるをえない。
昨日は、猛獣用手袋で捕獲するんだ!と意気込んでいたが、時間が経つにつれ段々意気込みもしぼんできた。そんな手袋で無理やり押さえつけると、ショック死してしまうのではないか?気持ちは乱れて定まらない。
毎夜、餌容器を置いてくるだけで、その他の時間、ノワールがどこで何をしているのか全然知らなかった。どうやら6号棟の餌場を中心に200メートル四方くらいが生活圏だったようだ。餌場も「プリンス猫階段」でS内さん、M本夫妻から、6号棟脇で我々から、管理人住居の勝手口に置いてあるカリカリの大鍋と、少なくとも3箇所あった。
既に「思い出話」めいた語り口になり涙も滲み出てくるが、勿論、これからまだまだ毎日、餌と捕獲の用意をしてみちよさんとスタンバイするつもりだ。
昨夜遅く、犬山動物病院の院長からノワール用のアイムスの缶詰を取りに来るようにとのメールが入っていた。今日は犬山動物病院は休診日だが、昨日のノワールの様子を告げ、ノワールを捕獲して夜遅く病院へ搬入しても良いか尋ねるメールを送った。
実際、ノワールの捕獲には逡巡するものがあった。我々が関ってきた4年間、決して触らせず、ファーッ!シャーッ!しか言ったことのなかったノワールが、昨日初めてみちよさんの手から食べたのだ。そして身体を撫でさせたのだ。それなら捕まえて病院へ連れて行ってやってほしい、と大阪の猫ともだちが言う。
昨日、タオルにくるまれてみちよさんに抱っこされるようであれば、あの時間でも犬山動物病院の院長に頼み込み、搬入しただろう。そうしたい気持ちでいっぱいだった。が、ヨロヨロと逃げて腰を抜かしたように見えた。とにかく触らせたのも初めてのことだし恐怖心を植え付けたくなくて我々はひたすらうろたえて泣いていた。
ともかくも今日は捕獲する決心をして、犬山動物病院の院長にメールした後、電話してみた。食べないし、箱のようなものには絶対入らないノワールのこと、捕獲器は使えない。軍手を嵌めて洗濯ネットを被せるつもりだと言うと院長は、それではダメだ、厚いバスタオルをすっぽり被せて猛獣用?手袋で押さえつけてキャリーに入れるのが良い、その手袋を取りに来いと言う。
夕方、行ってみると休診日だというのに患者は何組もいる。アイムスの缶詰を1缶頂き、猛獣用?手袋をお借りする。この手袋、鉛が入っているとかで、ものすごく重い。こんなものを嵌めていては手の自由が利かず逃げられてしまうのではないか?が、軍手では噛み付かれてひるんでいる隙に逃げられるかも。噛まれても引っ掻かれても押さえつける手を緩めずにいれば成功する確率は高い。いや、失敗は許されない。最初で最後の捕獲だ。気を引き締める。
9時にみちよさんと6号棟通路で落ち合う。ノワールはどこにもいない。キャリー、バスタオル、手袋、餌、懐中電灯を持ち、昨日ノワールが辿った道を行ってみることにした。テニスコート前の駐車場にも、いたち川向こうのアパートのワゴン車の下にもいない。元来た道を振り返ると、道路に黒っぽい猫の影が!側に白猫の姿も!慌てて駆け寄りライトを当てると全然違うキジトラだった。キジトラも白猫も傍らの家の庭に飛び込む。そこの飼い猫か?とぼとぼと引き返す。また10時に集まることにして一旦帰宅する。
10時少し前に行ってウロウロしてみるがノワールはいない。念のためみちよさんと「プリンス猫階段」へ行ってみる。コロちゃんしかいなかった。S内さんの水容器は健在だった。よかった。キョロキョロしていると「新黒」が駆け寄って来た。お腹がぺちゃんこだ。餌がもらえるものと期待して目を輝かせている。「新黒」には餌を持って来るから待ってなさいと言い聞かせてその場を去る。
一応ノワールの餌場に用意したフードを置いておくことにする。今日は諦めてまた明日トライしてみることにする。犬山動物病院に電話を入れておく。
冷蔵庫から缶詰フードのタッパーを出して急いで「プリンス猫階段」に戻る。「新黒」は待っていた。適当に与えて小桃の駐車場に行く。小桃はすぐに鳴きながら出て来た。缶詰を少々置いて「山手猫階段」へ向かう。
猫たちが三々五々集まって来た。茶々、ゲンキ、スミオ、パンダ、ワカメ、ハイシロー、花子、濃い三毛、コロンしかいない。給餌人が沢山来た後らしく、あんまり食べない。山手の猫たちは飽食しているようだ。「山手スカイウォーク」のてっぺんまで行くとアニーが居た。アニーに缶詰を与えると食べてはいたがやはり満腹のようだ。兄弟のバニー、トニー、タニーはいない。食べているアニーを置いて階段を降りて行くと、アニーは甘えたくてゴロニャン言いながら従いて来た。
ハイシローは去勢したからか、何だか甘えている。茶々は最初は食べなかったのに終盤せっせと食べている。ずいぶん余ってしまった。本当に山手猫はゴロニャン猫ばっかりで夢の猫たちだ。ここは別世界だと感じる。今夜もポパイを見なかったが他のメンバーからは何の連絡も入っていないので、昼間には目撃されているのだろう。
帰りしな、やはりゲンキが従いて来たが小桃の駐車場へ行ってしまった。「プリンス猫階段」へ寄り、コロちゃんをナデナデしてあげる。すると、遠くに「新黒」の姿が見えた。呼ぶと、転がるようにして駆け寄って来た。可愛いなあ。さっきの餌では足りなかったに違いない。たっぷりと缶詰をあげる。
一昨日、S内さんは茶色の猫に缶詰をプレゼントしたそうだ。彼女はその猫を初めて見たそうだが、私が過去2度ほど見かけた猫に違いない。全身、茶虎で白い部分が全くない猫を一度はM浦さんと一緒に、もういっぺんは私ひとりで見かけたのだ。
ノワールの餌場を通り、容器を覗いてみるが全く手付かずだ。もしかしたら、彼は昨日お別れに来たのか?その前1週間くらいの挙動も変だった。みちよさんは明け方、ノワールの夢ばかり見るそうだ。いろんな思いが去来するが、今は深く考えずしばらくは捕獲を目指そう。何日間も現れなくてもひょっこり現れることだってある。これまでも最高4日間現れなかったことがあった。
| 2002年07月02日(火) |
ノワールの姿に涙する |
午後8時頃、みちよさんとノワールの餌場で落ち合う。が、ノワールはいない。蒸し暑い今夜はゴキブリや蟻が跳梁跋扈していそうなので置き餌はせず、出直すことにする。
久々に「山手猫階段」用に缶詰を10個開け、プルトップの缶詰も3個用意する。9時半に出発してまずノワールの餌場へ。すると6号棟の階段の端っこにノワールが座っている。みちよさんもやって来た。餌場まで行かず(後から思うと既にその時、以前のように餌場までトットコ駆けてゆく力がなかったのかも)その場でノワールの顔の前に容器を置いてみる。興味を示さない。一般食の缶詰を少々みちよさんの手のひらに置く。ノワールはみちよさんの手から少しだけそのフードを食べた。
そんなことはこの4年間で初めてだ。容器に顔を入れるが食べられないようだ。ノワールの右目から涙がつーっと流れ出て容器の中に落ちる(私の母が臨終の時、意識不明だったにも拘わらず涙をポロリとこぼした34年前のことがふいに思い出された)。やはり食べられずにじーっとしている。みちよさんがティッシュで涙を拭こうとする。嫌がらないというので、私もそっと頬を撫でてみる。全然嫌がらない。ティッシュではなく指先で目やにを拭き取る。ネバネバしている。喉も撫でてみるが喉の辺りがへこんでいる。頭も身体も撫でてみる。背骨が浮き出てものすごく痩せている。つい10日くらい前まではしっかり食べていたのに。あのころでも急激に痩せてきてはいた。S内さんも「すごく痩せている」と言っていた。
2日前は頭を触ると飛び退いていたのに・・あまりの不憫さに涙もろいみちよさんはもう涙ポロポロだ。それを見て私も涙が止まらない。こびりついた目やにを取っても嫌がらない。みちよさんにノワールを見ててもらって、バスタオル、ウェットティッシュなどを取りに戻る。
バスタオルにノワールをくるんで抱き上げてみようと、まずノワールにバスタオルをかける。じっとしている。持ち上げようとすると数歩逃げた。後ろ足がもつれてヨタヨタしている。腰が抜けたようになっている。小学校脇の通路の真ん中に座り込んだ。そこで撫でながら、みちよさんと二人、どうしよう、どうしようと途方にくれる。無理やり捕まえることは可能にも思える。が、そんなことをすれば我々の信頼関係はきっとお終いだ。(後から考えると、この時がきっとノワール保護の最初で最後のチャンスだったに違いない)
さっきと違って撫でていても身体を硬くしている。タオルをかぶせて持ち上げようとしたからだ。このまま通路の真ん中でじーっとしていられても、どうしたらいいか分からない、困ったと我々が思い始めたことを察したかのようにノワールはヨロヨロと立ち上がり、歩き始めた。どこへ行くのかと思わず二人で後を追う。細い細い後ろ脚はもつれ歩みはゆっくりだ。時々我々を案内するかのように振り返る。真上から見ると本当に痩せたことがよく分かる。6号棟の階段を降り、テニスコートの方へ。
下り坂になっているからか、急にノワールの歩みが速くなる。一瞬でも元気を取り戻したのかと希望的観測を持つ。テニスコート向かい側の駐車場に入り、一旦、奥の方へ行きかけたが、我々が従いて来ていることに気付いたかのように戻って来て草むらに座り込む。おしっこでもしているのかと思ったが、しばらくすると立ち上がり、いたち川の方へ桜井橋を渡り、橋沿いのゴミ置き場に座り込む。
また立ち上がってカラス除けネットの中の生ゴミ(まだ前夜だというのにここではもうゴミを置いている人が何人もいる)に鼻をヒクヒクさせて尻尾を振っている。そんな可愛い姿も初めて見た。そしてその向かい側のアパート前に停まっているワゴン車の下にもぐりこみ香箱を作った。もう我々の方を向かずじーっとして目を閉じている。今夜は十分だからもう行け、とでもいうような姿だった。
後ろ髪を引かれつつも一晩中そこにいるわけにも行かない。追跡はもう止めて戻る。明日、また出て来てくれることを期待する。が、ゴミ置き場で鼻をヒクヒクさせていたということは、どうなんだろう。カニカマのようなものがいいのだろうか?口内炎を患っているようだし、そんなものを用意しても食べられないだろう。こうやって段々弱っていくのかと思うとみちよさんも私も涙が止まらなくなった。
ひどい皮膚病のノワールを撫でた手をよく洗わないと、そのまま「山手猫階段」へ行くわけには行かない。一旦家に戻ると、もう午後11時近い。すっかり意気消沈してしまったので今夜は「プリンス猫階段」も「山手猫階段」もパスすることにした。用意した缶詰類は冷蔵庫へ。
| 2002年07月01日(月) |
ノワール少々持ち直すが食欲不振 |
午後8時を大分過ぎてから、みちよさんと連絡し合ってノワールの餌場に向かう。5号棟から6号棟へのプレイロットを通過中、突然、足元にノワールが現れ、先導するように6号棟への階段の方へ消えて行った。私も階段を降り、ノワールの姿を探すが見えない。みちよさんと餌場に行って見るが勿論いない。
ノワールの餌場前、S小学校脇の通路で話していると、具合が悪くて早めに帰宅するとみちよさんにたった今メールを寄越した彼女のお嬢さんがやって来た。そこで少し話していると、今度は鍵を持たずに帰宅した夫が、大方私はノワールの餌場にいるだろうと見当をつけてやってきた。
結局ノワールは来ないので、置き餌はせず後でもう一度出直すことにした。みちよさん宅への階段前で別れ、振り向くとそこにノワールが!脇の自転車置き場で給餌する。顔を入れてピチャピチャ音を立てているが、余りはかどっていないようだ。抗生物質と療法食100grばかりを入れてきたのだが、昨日の食べっぷりとは打って変わって食欲不振だ。
それでも懐中電灯でよく照らしてみると、濁った目やにの塊は取れて昨日までよりずい分ましに見える。これまでも今日も足取りは軽く弱っているという感じはしない。くしゃみもしていたが、ひところよりは軽減したようだ。気温が上がってきたからか。
道路の真ん中に座ったので、その前に容器を置くとまた顔を入れている。人が通るので、餌場への階段を上って行った。追うと餌場にスタンバイする。習慣になっているようだ。容器を置くと覗き込むだけでやはりもう食べない。じーっとして蹲っている。しばらく見守ったが、「又、明日ね」と言って立ち去る。
10時も過ぎてから「プリンス猫階段」へ行く。途中のノワールの餌場にはもう彼はいなかった。「プリンス猫階段」の餌場には、S内さんが用意してくれていた水容器のお茶碗がなくなっており、紙容器やアイスの空容器が散乱している。コロちゃんが階段のてっぺんにいたので、持参の缶詰空き缶に水を入れ前に置くと、グビグビ飲んだ。車の間を見てみると、猫缶が入っていたらしいプラスチック容器が転がっている。多分「新黒」が食べたのだろう。彼は出て来ない。
コロちゃんの横にしゃがみ込むと膝に乗ってきた。爪がものすごく伸びている。爪とぎをしていないようだ。昼間に来て爪きりをしてあげなくちゃ。コロちゃんを膝に乗せしばらく撫でる。コロちゃんはうっとりしているがいつまでもそうしているわけにもいかない。どんな人間がこんなに懐っこいコロちゃんを捨てて行ったのだろうか?可哀相に。
コロちゃんを降ろし、そこに落ちていたティッシュと容器をひとつ拾って持ち帰る。アイスの容器には小さい蟻がびっしり付いていたのでパス。と思ったら、持ち帰ったティッシュにも虫と蟻がいっぱい付いていた。仕方なくポリ袋を2重にしガムテープで閉じて家のゴミバケツに捨てる。まさか這い出さないだろうなあ。
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