■最近は見なくなりました。合掌礼に対して、（開祖が）手刀で打ち込んで、それを上受けする練習。武専や道院長研修会の折、初っ端、先生はよく合掌礼を注意されました。
「昔、軍隊では上になるほど敬礼がいい加減であった。イヨッ！なんてね。兵隊はきちんとしているのに上官が手本を示せない、これではだめだ」(要約)。
しつこいくらい、道院長の心構えを求められました…。
そして次にこの“上受け”という流れになるのですが、今改めと思い返すと、合掌礼を叱ることは少林寺拳法の基本を躾ける、という意味があったのでしょう。
先生は少林寺拳法が崩れないように、常に根本の形を説かれていたのです。立ち方、座り方だって厳しかったですね…。
■「いいか、ワシが打ち込むから上受けしてみろ」。
合掌したままのところに、先生が「パン」と手を打って手刀を打ち込むのを「ヤー！」と全員が上受け蹴りをします。
「ムッ、ワシは右手で打ったのに反対に受けた者がおるぞ。八方目が出来ておらん」。時々、中段を突かれたりもしました。
八段の先生も新米道院長・支部長も皆一緒。初心者的な練習で、確かに先生しかできない実技指導＝法形指導だったです。でも、これ大事だったですね…。
■さて、�々臂犬鬚垢觝檗�円を描くように手を合わせる拳士がいますが、開祖はそうはされませんでした。正中線に沿ってスッと上げられました。
これは、自身の正中線を確認する意味がある、と考えます。ですから合掌からの上受けをさせると、体を振り身しながら、正中を避け、受け手は正中を守るように受けることを理解しやすいのです。
�⊂�林寺拳法の合掌は肘を張って目の前に行います。自分から見ると水平線と垂直線から構成される直角線が見えます。つまり手首が生きています。また五指をしっかり張っています。ただし指の間隔は空け過ぎません。
この合掌の片手をスーッと腸骨の前下方に降ろしますと、一字構えになります。一字構えは合掌形そのものです。したがって上受けに止まらず、払い受けも同様になります。
鈎手や内受けの時は若干手首をまっすぐ気味にしますが、とにかく少林寺拳法の基本攻防用器、受け手の基本運動線に合掌形は深く関わります。
�Ａ亜慌鵑僚颪�たい放題「2005年11月22日(火) 幻の技…!?」で述べました受け手に関してです。例えば、払い受けと足を捕る掛け手受けは、手首の状態において「生かす⇔殺す」と正反対になります。
例は突きに対する内受けでもかまいません。捕ろうとする時の掛け手＝攻防用器の指先に着目すると、合掌からの基本受けが出来ていないと、非常に危険なのです。
指を損傷する恐れがあります。触れた刹那、力が掛け手に変化するようでないといけません。それまでは指先は外に向かないのです。
ですから同じ燕返しでも、初級編＝内受け、中級編＝半月受け、上級編では形が全く異なるのです。当然、基本形から学びます。
実はこれはもっと深い意味があります。少林寺拳法に内在する逆転構造とも言うべき問題ですが、改めて論じたいと思います。
�す臂故蕕和進�に地域差？があります。側面図から見て、合掌が鼻先に付きそうな形があります。そこまで極端でなくても、手と顔の間が狭い拳士がいます。
おおよそで、横にした拳/コブシが一つから一つ半というところでしょうか…。狭過ぎたり広過ぎたりは、自空間が分かっていないのです。
構えの内側にはこれが必要です。城の堀？のようなものです。しかし逆に、あまりに広いとスキが出来ます。一字構えの手は拇指が微量道着に触れている、と考えます。
開祖は構えについて、「フワッとした花の様に構えなさい」と表現されたことがあります…。
■以上のように合掌礼は武的意味＝理を含んでいます。ですから拳士は、合掌礼を繰り返す度に、ある種練習をすることになるのです。
いや、合掌は拳法の修練そのもの。先生が厳しく叱られた＝躾けられた所以です。
【注意】本「書きたい放題」は気持ちの問題もあり、即日にアップします。ですので、当日中、あるいは翌日にかけ、表現の過不足を改める場合があります。印刷して読む場合は数日後にお願いします。
表現が異なったまま残るのは、私にしてみれば不本意であります。いずれ、リニューアル？＝改訂して行きたいと考えています。★印なんか付けますか…。
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