■「開き、対の理」とは「布陣の理」ということであり、順逆、表裏が関わる正中攻防と非正中攻防＝金的攻防の有無ということでもあります。
本稿には正面攻撃と正面防御。背面攻撃と背面防御。有効攻撃と無理筋攻撃という用語を使用します。以前の書きたい放題と合わせてお読み下さい。
＊2001年11月08日(木) 開と対の理！
＊2001年11月09日(金) 上段攻防法の開き対！
＊2001年11月14日(水) 門の存在/概念！
■相手と対峙した場合、左対構えなら最も安全な部位は右背面であり、我左、彼右の開き構えでも同様です。背面防御は受けやすく、この場合全く必要ありません。尚、危険部位が正中線上であるのは論を待ちません。
以下の関係が分かりますか？、
�＿羣弦修┐了�、彼が右構えに変われば、我の正面攻撃が左から右に変わる意味である。
��彼左構えの時、我が右構えに変われば、我の正面防御が左から右に変わる意味である。
別の言い方をすれば、
�＿罎�布陣を変えなければ、防御の正面は一定であるということです。
��彼が布陣を変えなければ、攻撃の正面は一定であるということです。
■ただし問題があります。それは上体と下体による構えの変換です。
例１として払い受け地ニ。開き構えから、回し蹴り→逆突き、これを振り身で内受けすれば直後の上体の布陣は対構えとなって、ニ撃目の突きは無理筋攻撃となります(我の体構えが充分という条件で…)。しかし開身で内受けをすれば、ニ撃目の突きは正面攻撃となります。
例２として開き構えからの義和拳相対。我左からのニ撃目の中段突きを、彼右構えで同時受けした直後は対構えとなります。したがって、前回の「構えの理」で書いた通り、仁王受けを外受けから行おうとすると遅れます。この場合、内打ち落とし受けが主となるのです。
■防御の立場から布陣をみれば、いかに正面攻撃を受けるか、無効にするかが重要と考えます。
上の例は突きの為、金的の関係が分かり辛いですが、実は対構えからの先制順突き、逆突きは、行う側に金的が有ることを考慮すると大変危険な攻撃です。また、先制順蹴り、乃至開き構えからの先制逆蹴りは防御側が非常に注意して受けなければなりません。
「2003年03月29日(土)金○/的の思い出…」の中に書きました金的蹴りが上手かったＭ君。どうも今思うに、攻撃側の開き対の理の無理解があったようです。すなわち対構え、あるいは開き構えであったかもしれませんが、順突きをどうかされたのではないか＝順に蹴り上げられたのではないか、と考えています…。
これらから有効な攻防法が導き出されます。各自、研究して下さい。
■教範には、「陣形が完成したならば、対敵の基本形としての布陣の法がある。これを布陣法と云っている。陣を布くにあたって、一番大切なことは、間合いのとり方である。即ち、守勢の時には防御間合いをとり、攻勢の時には攻撃間合いをつくらねばならない(以下省略)」
とあります。法形、演武の修練の際、布陣法と共に、この間合いが表現＝修得できなければいけません。正中攻防の表現も同様です。
最後に、開き対の理は活人拳の立場からも論じられるべきと考えるに至りました。少林寺拳法の基本の蹴りは蹴り上げであると、「2001年12月05日(水)蹴り上げと蹴り込みの話！」で書きました。
さらに、例えば左中段対構えの正面順蹴りは、（金的狙いも含まれますが）水月を極めて安全に狙っているのです。逆蹴り攻撃＝無理筋攻撃と比して骨折させにくく、したがって中段蹴り攻撃の場合、少林寺拳法の拳士はまず開き対からの正面攻撃を修得するべきです。
正面攻防における蹴り上げは、蹴り損なって金的というのですから実に始末が悪い。活殺一如ですね…。
/////////////
【注意】本「書きたい放題」は気持ちの問題もあり、即日にアップします。ですので、当日中、あるいは翌日にかけ、表現の過不足を改める場合があります。印刷して読む場合は数日後にお願いします。
表現が異なったまま残るのは、私にしてみれば不本意であります。いずれ、リニューアル？＝改訂して行きたいと考えています。★印なんか付けますか…。
| 