道院長の書きたい放題

2005年09月01日(木) ◆ミルコvsヒョードル戦

■八月二十八日(日)に行われたこの好試合、実は、道場のNさん♀が大会観戦に行ったので、終了直後に試合結果を知ることができました。

「結果教えちゃっていいんですか〜?」

「待て待て…、ミルコがノックアウトで勝利だろ!」

「残念でした。ヒョードルの判定勝ちで〜す」

「判定勝ち!?…」

意外な結果でした。次の日、スポーツ関係のHPで確認しながら待つこと二日、火曜日に放映された試合を昨晩、一昨晩と録画観戦しました。

■私の観る限り、作戦に反故があったようです。すなわち、ヒョードル選手があのような打ち気を見せて開始早々に迫ってくるとは、ミルコ選手=陣営にしてみれば意外だったようです。立ち打撃対寝技打撃の構図が瞬間に狂わされました。

この試合に備え、ミルコ陣営は柔術の優秀な選手を、ヒョードル陣営はミルコ選手にK1で三連勝しているホースト選手等をコーチに迎えるなど、互いに戦力の補強に務めたようです。しかし、戦略に大きな違いが見受けられました。

ミルコ選手は攻撃と防御は分業で、寝技防御の補強=得意封じ。これは素晴らしい成果を挙げました。対してヒョードル選手は、立ち打撃を有効にする為の功防補強=弱点追求で、結果、ミルコ1の攻撃力に対して、(元々のタックル打撃戦法にプラスして)ヒョードル2の攻撃力の差になった、と考えます。

■で、防御力はというと、両者のダメージの差、ヒョードル選手の腫れ上がった顔を見れば一目瞭然、ミルコ選手に軍配を挙げます。しかし試合では受けは評価されませんから、ヒョードル勝ちは妥当な判定でしょう…。

ミルコ選手は負けたとは言え、相当な手ごたえを感じたのではないでしょうか。つまり、打撃系の選手がタックル寝技系の、それも豪腕で鳴らす世界チャンピオンの猛攻を3R凌いだのですから、次に繋がる負けと考えたでしょう。

対してヒョードル選手=陣営の方が、得意技で仕留められなかったことに不安を覚えたのではないでしょうか…。

多分再戦するでしょうが、ミルコ選手、他の寝技系選手と闘っても、今回の試合は大きな自信となって、タックルに腰が引けない為、益々その打撃の威力が増すでしょう。

■ただし、これまで防御で脇を開けないためか、右の突きを使わないのが無意識に常態化されてしまったようなので、これを改善する必要があります。そうすれば、サウスポーのワン・ツウ攻撃で、左逆突きの威力がさらに増すというものです。

1R中盤、ミルコ選手の左逆突きがヒョードル選手の顔面を捉えますが、左の段突きで迫った為、腰が回らず、チャンスを逃しました。あそこは山場でした。もっとも、ヒョードル選手は打たれ強いのでしょう。世界チャンピオンたる由縁です。

今回の試合、ミルコ選手の右攻撃は蹴り三発?突きはニ発?のみの使用でした。右攻撃は苦手のようですね…。最初にテイクダウンを取られたのは、追い込んで行った際の右順突きをタックルされました。取った方を誉めるべきですか…。

■左構えのヒョードル選手、1R開始早々、右構えのミルコ選手に迫ります。闘いの途中にフットワークを左旋回に使い、通常は防御の定法ですが、これは攻撃に使いました。ミルコ選手の得意な左攻撃を吸収する動きをしての攻撃でした。

誰が教えたのでしょう? なにかデーター=根拠があるのかな? ともかく、選手、陣営共々、心理戦を含んだ総力戦で、とても見ごたえがありました。

両雄の健闘を称え、再戦を期待します。しかし議員活動が忙しくなると、ダメ=勝てないでしょうね…。

■以前、書きたい放題しました。

―「 2002年06月20日(木) 頑張れ!武道人!(NHK/地球に乾杯“精霊の森のレスラーたち”を観て、武道の在り方を考えました)」―

この中に書いた対戦システムは面白いですね。ヒョードル、ノゲイラ、ミルコを例に取ると、ミルコ選手はヒョウドル選手との再戦は出来ません。

もしミルコ選手が勝てば、今度はヒョードル選手が再戦を希望してエンドレスになるからです。ヒョードル選手を負かした相手としか、ミルコ選手は対戦できないのです。

ですから、ノゲイラ選手がヒョードル選手に勝てば、ミルコ選手はこれに勝って、最強を証明するのです。恨み合うのを嫌うのか、興味深いシステムですね。


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【注意】本「書きたい放題」は気持ちの問題もあり、即日にアップします。ですので、当日中、あるいは翌日にかけ、表現の過不足を改める場合があります。印刷して読む場合は数日後にお願いします。

表現が異なったまま残るのは、私にしてみれば不本意であります。いずれ、リニューアル?=改訂して行きたいと考えています。★印なんか付けますか…。



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あつみ [MAIL]