| 2002年02月02日(土) |
◆Ｋ１対 猪ノ木軍/異次元の戦い！ |
年末のこれは紅白より面白かったです。紅白歌合戦がつまらなさ過ぎましたか…？ そこで今回、Ｋ１戦やこれまでの異種格闘技戦を含めての感想を述べてみたいと思います。
■ 第一に挙げたいのは、徒手格闘技といえども立ち技系と寝技系では、縦、横、高さがある立法上の対決に対して、片や高さが無い、極めて平面上での戦いとなります。ですから、異種格闘技を謳う場合、双方が戦いのフィールドを主張すると噛み合いません。
端的な例が、高田対ベルナルド戦。強打を誇るベルナルドが不調の高田を仕留めることが出来ませんでした。高田は足を負傷しているハンディがあるからでしょうか。前回のミルコ戦同様、マットに座り込んでしまいます。そうなると打撃系の選手はお手上げで、寝技に引きこまれることを嫌って、手も足も出ません。結果はミルコ戦に続く凡戦でした。
実は、過去にも同様な例があります。猪ノ木がモハメド・アリと(２０年以上前？)異種格闘技戦を行った際、観衆がエキサイトしたのは１Ｒの一瞬のみ。後のラウンドは猪ノ木はパンチを、アリは寝技を両者共に恐れ、確か１２Ｒ前後、延々と、座した猪ノ木の周りを悪態をつきながらアリが回り続けたという試合がありました。一般的なファンは当然ブーイングでしたが、当時、専門家の間では、「異種格闘戦では起こり得る出来事」とコメントされました。猪ノ木は、高田の姿をどんな想いで観ていたでしょう…。
■ 始めに立ち技系と寝技系と書きましたが、これは表現に困る言葉です。組み技系と表現したい柔道には両方の概念があります。相撲は寝技がない純粋な立ち技系で、且つ打撃技である突き・張り手・ケタ繰りと四つ組みの技があります。これをどう表現しましょう。また、最近では寝技の中に打撃技があり、戦いの有り様/ルールは複雑になってしまいました。ちょっと整理してみましょう。
現在の徒手格闘技の規則/ルールは以下の通りです。
�‘佑� �⊇海蝓´Ｉ�打ち �ど┰海蝓´ヅ蠅押´δ�め �У婬察´�頭突き ��衣服着用 ��裸 ��防具着用 ��防具不着用 ��グローブ着用 ��グローブ不着用 ��目への攻撃不可 ��金的への攻撃不可�鯵�付き不可 �韻修梁勝．離奪�アウトの内容、ギブアップ、攻撃部位、時間、レフリーの存在、試合場の形状、プロとアマ差、等など
以上のルール問題があります。当然「有る」の反対には「無し」が含まれ、これらルール上の制限が少ないのがいわゆる総合格闘技、ないしは総合格闘技ルールと呼ばれています。しかし、どうでしょう？ Ｋ１側、猪ノ木側、果たしてどちらにルールが有利に作用したでしょう…？
■ 少なくても時間と言う制約がなければ、不利な体制をひっくり返したアビディー(Ｋ１側)に逆転の可能性があったろうし、バンナ(Ｋ１側)にしても、１Ｒ必死に下半身にしがみ付く安田に上から肘打ち(今回の試合では禁止)を浴びせれば、試合はどうなっていたか判りません…。
結局は、ルールを決めた上での興行だったのです。だからといって、現代に完全ノンルールの試合をやる意義をどこに見出せましょう。野獣のような試合など、精神衛生上、観戦したくありません。ただし、この異種格闘技戦から学ぶべき問題があります。それが「次元の違い」という概念です
昨年の新聞に、喧嘩相手の鼻を食い千切ったという記事が出ていました。まさかやられた方は、相手がそこまでの攻撃をするとは予想していなかったでしょう。高田対ミルコ、ベルナルド戦とも共通する「異なる次元」があったのでした。(続く)
| 