空虚。
しずく。



 吐露。

何かを吐き出す、と言う時点で、
結論など既に出ているも同じだ。
ただ、一抹の不安を拭い去ろうとする為だけに、
纏められもしない己の心情を、断片的に吐き出しているだけに過ぎない。

思考は、思考と言う枠組みを越えた時点で、
すでに主張に変わっているのだと、私は思う。

己の中にだけ閉じ込めておけばいい事柄を、
振りかざすように吐き出すのは、みっともない、ことだと、
…何故、思い始めてしまったのだろうか。

言いたい事は、もっとたくさん、あったはずだ。
いまだって、たくさん、あるはずなのだと。
わかっている、のに。

何も、出てこない。

私の中には断片的な言葉しか残らず、
思考し、確かに浮かんだはずの答えを、
何一つ、「上手く」伝えられずにいる。

ただ、ぼんやりと、肉を求めて、
けれど、それはおぞましいのだと、も思う。
結局は自己満足なのかもしれない。

近しい人間を死体にすることに、
どうしようもない高揚感を感じながらも、
嫌悪するほどの気持ち悪さも感じる。

なのに、自分が病んでいるとはこれっぽっちも思っていない。

私はあくまでも空想の中でだけしか人を殺さず、
現実的にそれが出来る、などとは露も思わない。

そこまで昂ぶれるだけの、感情はもはや自分の中にない。

枯れ果ててしまった、とは思わないけれど、
度重なった出来事も、もう過去にしかないのだから。
思う事にも、疲れてきた。

ただ目の前に提示された日常だけを消費して、
明確に見えている将来のヴィジョンだけを追い続ける。
日常は楽しく、時に苦しく、それでも私に「生」を認識させてくれる。

ただ、たまに起こる名もわからぬこの感情を吐き出す場所が欲しい。

多分、今望んでいるのはそれなのだろうと思った。

かなうはずも、ないけれど。

2006年04月22日(土)
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