空虚。
しずく。



 指輪。

冗談だと、わかっている。
…中々向き合ってくれないのも、知っている。
いつだってはぐらかすのも、わかっている。
私の想いを知っていて、残酷な言葉を吐くのも、わかってる。

いつも、なら、普段、なら、ちゃんと、答えられたはずだ。
わかっているから、流せたはずだ。

余裕がないのは、してないだけじゃないようだ。
愛されているのか、不安になる。いつだって、怖い。
愛していると想っている。それだけはいつだって強く思える。
でも、私は愛されている?

あなたはいつも、「こんなことさせるのはお前しかいない」と言う。
…でも、あなたにとって、それはさして問題じゃない。
大事なのは、精神的な繋がり。…それは、私も同じ。
だからこそ、怖い。それは、形にならないとわかっているのに。

あなたの中に、私はいるだろうか。
どれだけ、いるだろうか。
その存在が、知りたい。怖い。

そんなことばかり、思う。

私の中にはこんなにあなたがいるのに。
あなたの中には同じだけ私がいない。

そんな身勝手な、ことまで、思う。

…あの人の前では、指輪を外すのだろうね。
他の人と会う時は、いつも。
私は、一度たりとも外した事がないのに。

私といる時だって、薬指にはしてくれないよね。
それは、いつかその指に別の指輪をはめるから?

…子供じみてるって、わかってる。
こんな証明、なんの意味もないって。

でも、たったそれだけの事が、本当に、嬉しい、んだよ。


感覚が、変なんだ。痛みが、鈍くて。
意識が、どんどん胡乱になっていくようで、怖くて。
私は確かにここにいるのに、世界が離れていくように、感じて。

こんな時だから、逢いたい、って強く願うのに。
私がそれを許せないのは、自分を保てる自信がないからかな…

誰の目にも触れさせたくない。壊したい。
って、かなり、本気で、考えてしまってるからかな…

やだな、どうしてこんなことばっかり考えちゃうんだろう。
どうして、こんな愛し方しか出来ないんだろう…

ちゃんと、出来てたはずなのに。いつから、こうなっちゃったんだろう。

痛い…

2005年12月02日(金)
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