空虚。
しずく。



 無窮。

決して自分を見失わない自信があるから、
こうして酒を呷る事が出来るのだろうと、思う。
始めはただ不味かっただけの煙草も、
いつしか精神安定剤の役目を果たすようになって、
こうして傷つけていくのだろうな、と自嘲した。

目に見えぬ傷ならば、いくらつけても誰にも何も言われない。
あの人に気付かれぬよう、どれぐらいで治るか、を計算して、
カッターを滑らせる行為に、後ろめたさを感じる必要もない。

この肉の塊を切った所で、僅かな痛みと、血が流れるだけで、
他に何の意味もありはしないのに、何故作られた意味で、責められる必要があるのだろう。

痛みを自分で処理する事を覚えてから、何も出せなくなった。
なか、にはいろんなものがつまっているのだろうけれど、
それを表現する術はないから、ただ沈めていくだけでいい。
そしてそれに限界はない。小さな不快感だけを押さえつければ、何も苦しくない。

限界はこない。私は生きられる。
そう、何度も言い聞かせていく。

…そのうち、この幻覚も見えなくなるのだろう。
これが最後の警鐘だとしても、私にはそれを止める術がないのだから。

2005年11月22日(火)
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