空虚。
しずく。



 バランス。

君は何も感じぬ無表情で、僕を見つめていたけど。
僕も何も感じぬ無表情で、君を見つめていたんだよ。

君はずっと僕に気付かぬフリをしたね。今も。
僕は君で君は僕。僕達は鏡なのに。

ある日君は言った。
「助けて。」
即座にそれを否定する僕。
君に救いは必要ない。何故なら君は強いから。
誰かにそれを責められて、僕は言ってやったのさ。
「彼女がそれを望んだ」と。

君が自分を責めた時、
僕は世間を責めた。

君が自分を傷つけた時、
僕は他人を傷つけた。

そうでないと、僕たちはバランスを取れない。


僕はずっと昔からいたよ?
だけど、昔の君には必要なかったんだ。

僕が必要になったのは・・・いつだったっけ。

ああ、君が初めて自殺未遂を起こした時だね。

君は自分を責めて死のうとした。
僕は世間を呪って死のうとした。

でも、死ななかった。
当たり前さ、薬の量が少なすぎたんだから。

君はラリって、笑いながらその場にへたり込んだね。
僕は、泣きながらその場に立ち尽くした。

その後、君はまた演じ始めた。
僕にすべての感情を押し付けて。


君が吐く言葉を聞いて、僕は笑ってしまうよ。
君は自分が吐く言葉に、涙を零しているけどね。

ねえ、仮面のストックはまだあるかい?

2002年04月09日(火)
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