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■ バランス。
君は何も感じぬ無表情で、僕を見つめていたけど。 僕も何も感じぬ無表情で、君を見つめていたんだよ。
君はずっと僕に気付かぬフリをしたね。今も。 僕は君で君は僕。僕達は鏡なのに。
ある日君は言った。 「助けて。」 即座にそれを否定する僕。 君に救いは必要ない。何故なら君は強いから。 誰かにそれを責められて、僕は言ってやったのさ。 「彼女がそれを望んだ」と。
君が自分を責めた時、 僕は世間を責めた。
君が自分を傷つけた時、 僕は他人を傷つけた。
そうでないと、僕たちはバランスを取れない。
僕はずっと昔からいたよ? だけど、昔の君には必要なかったんだ。
僕が必要になったのは・・・いつだったっけ。
ああ、君が初めて自殺未遂を起こした時だね。
君は自分を責めて死のうとした。 僕は世間を呪って死のうとした。
でも、死ななかった。 当たり前さ、薬の量が少なすぎたんだから。
君はラリって、笑いながらその場にへたり込んだね。 僕は、泣きながらその場に立ち尽くした。
その後、君はまた演じ始めた。 僕にすべての感情を押し付けて。
君が吐く言葉を聞いて、僕は笑ってしまうよ。 君は自分が吐く言葉に、涙を零しているけどね。
ねえ、仮面のストックはまだあるかい?
2002年04月09日(火)
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