空虚。
しずく。



 狂気。

自己を破壊する狂気と。
あなたを壊したい狂気と。
みんな壊れればいい、狂気と。

昔からそうだった。
良い子を演じるたびに、
心の内側に何かがこびりついていった。

幻像と真実の間に現れ始めたそれ。
最初は気にも留めていなかったのに。

いつしか、真実を脅かすまでに成長してて。

「・・・壊れればいい。」
そしたら、打ち捨ててくれる。どこか遠くへ。
あの人たちが望んでいるのは、"私"じゃない。
あの頃の、自分たちの期待するとおりに動いた、私。
そう。ただ、生きて、結果を出せば。それでいい。

「・・・壊したら?もう・・・。」
あなたは誰のものでもない。
もちろん、私のものでもない。
誰も見ないで。
私も見なくていいから。
もう、誰も見ないで。

「みんな壊れたらいいんだ。」
ぜんぶ。
ぜんぶ、なくなってしまえ。


狂ったフリはいつの間にか真の狂気に変わった。
今も蓄積され続ける"これ"を、一体どう抑えればいい?

答えを知っている唯一の者は、
いつの間にか私の中から消え失せて。

私は君の残した狂気を受け継ぎ、
今日も"これ"を抑え続けている。


"大丈夫だよ。ちゃんと殺してあげるから。"


2002年02月18日(月)
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