インコの巣の観察日記
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| 2005年02月18日(金) |
私の出逢ったインコたち... その2:ダニエル ハルケ |
今度の日曜日に行われる、La Rosaledaでの対Malaga戦。
Getafe戦を欠場したDe la Peñaはこの試合も出られなさそうです。
どうやら、少し回復には時間が掛かりそうで、最悪の場合は、
Camp NouでのBarca戦も欠場せざるを得ないとか...
古巣相手に、美しいパスを何本も通すIvanが見たいんだけれどなぁ...。
一方で、Toni Velamazan、Martin Posse、そしてMauricio Pochettinoの3人は順調に回復しているとのこと。
右足の脹脛と双子筋を傷めていたMauricio、そして同じく右足の二頭筋を傷めていたPosseですが、
リハビリは順調に進んでいて、来週にはピッチでの練習に戻ってこられるとのことです。
何とか2人とも、Derbyに間に合うと良いんだけれどな...。
そう言えば、Velamazanのことは周りのオヤジたち、みんなが”Toni”と言っていて、
誰もVelamazanとは言わなかったな。対してOscar Serranoはフツーに”Serrano”だった。
Pochettinoのことは、殆どの人がcheをチェと発音していたっけ。
これが、アルゼンチン人だとケの発音になる割合がかなり高くなる印象が私にはあるんですよね。
それから、GK2人にも少々問題が発生。Kameniが左足の双子筋を傷め、
Lemmensは右足首の捻挫。利き足だけに、結構辛いですね。
両選手ともconvocatoriaには入っているようですが、今日の練習での様子を見て
La Rosaledaでプレーさせるかどうか、ドクターが最終判断下すようです。
Malaga遠征メンバー19名は以下の通りです。
Lemmens, Kameni, Ibarra, David García, Lopo, Soldevilla, Morales, Ito, Maxi, Fredson,
Domi, Dani, Coro, Jarque, Àlex Fernández, Tamudo, Amavisca, Óscar Serrano y Jonathan.
Getafe戦からの入れ替えとしては、怪我のDe la PeñaとToni Velamazanが外れ、
AmaviscaとCoroとDomiがReal Madrid戦以来の復帰です。
Pochettinoが欠場したReal Madridとの試合。
この試合については色々なことを見て、そして心に感じたわけですが、
今日お話しするのは、私の心に大きな印象を残してくれた一人の青年のことです。
Mauricioが欠けたDFラインの真ん中、左CBの位置に入ったのは、
スペインU-21代表のDaniel Jargue Gonzalez、背番号21を背負う長身の彼だった。
試合前のアップを見ながら、私は何故かこんな風に思っていた。
「Pochettinoがポジションを奪われるとすれば、それはもしかしたらSoldevillaではなく、
この子なのかもしれない。彼に譲ってMauricioはスパイクを脱ぐのかもしれない...」
彼を見ていて何故か、そう強く感じたのでした。

今シーズン、最初に彼を見たのは怪我のIbarraに代わって右SBとして出場した、
対Deportivo戦だった。安定感がなくって、見ていてハラハラした記憶が残ってる。
「まぁ、元々この子はセンターが本職じゃなかったっけ??Lateralも出来るけれど、
代表でも確か真ん中を守ってるよね?? Mauricioさん、結構気を遣ってる
だっていつも以上にコーチングして指示だしてるもん。」
WOWOWでの中継を見ながら、こんな風に感じていたことを覚えてる。
その後、彼が出場した試合は日本で放送がなかったので、
ちゃんとそのプレーを見る機会がないままにReal Madrid戦を迎えた。
(Atletico Madrid戦の放送があればなぁ...)
例えば...その昔、Gutiのプレーを見たときに誰の影響を受けてるのか一目瞭然だった。
ポジションも同じで、ボールの受け方だとか、あるいはパス出しとか組み立てとか、
そう言った色々な面で誰をお手本としているのか、一目で分った。
もちろん、髪型も真似ていたせいもあるけれど(笑)、彼はRedondoに少しでも近づけるよう、
一生懸命その背中を追いかけているのが分った。
その後、Gutiは「自分のプレー」を見つけ、GutiはGuti、誰のコピーでもなく、
彼自身の個性で勝負出来る選手となったのは周知の通りだ。
PSG時代...城彰二がValladolidでプレーしていたシーズン以来、久しぶりに見たGabiのプレー。
飛び込むのか、あるいは“待ち”なのか、そう言った判断やカバーリングのタイミングなど、
彼のプレーを見ていると「似てるな...」と思った。私自身が大のPochettinoファンだと
そう言うことを差し引いても尚、「似ている」と思ったものだ。
Gabiは誰の影響を受けているのか...毎日一緒に練習し、試合の度にコンビを組む相手に
全く影響を受けないほうがおかしいだろう。ましてや、その相手は幼いころからの憧れの選手なのだから。
プレーだけでなくピッチ上での振舞いについても、そしてFutbolistaとしての生き方の面でも多大な影響を受けたはずだ。
Pochettinoと別れて既に3シーズン目。その間アルゼンチン代表にも選ばれ、
そしてチームも変わったGabi Heinzeはしっかりと「Gabriel Heinzeのプレー」を
身に着けることが出来た。更に今彼は左SBでプレーしていることもあり、
もう、赤いCamisetaを着て闘う彼を見て「Pochettinoみたい」とは誰も思わないだろう。
それでも私は「あぁ、こう言うところはPochettino譲りだね」と思うことがあるのだが...(笑)
そして...Santiago Bernabeuで見たJarque。アップしている時から私は「似てるね」と思ったのだ。
身長はJarqueの方が高いし、体つきも彼の方が華奢だし、背格好が似てるというわけではない。
しかし...持ってるものと言うか、プレーの本質が似てるように感じたのだ。
たぶん...Jarqueもこの先、成長していく過程でGutiやGabiと同じように「これがDaniel Jarqueのプレー」
これをしっかりと身に着け、自身の個性で戦い勝利を得る選手となるのであろう。
だが、今はまだ成長過程。色々な選手と共に闘いあるいは対峙して、様々なものを
物凄い勢いで吸収している最中なのだと思う。
そんな彼にとってもPochettinoは憧れの一人であり、身近なお手本だというのが感じられた。
とにかく...ピッチに立つ姿が似ているのだ。

もうすぐPochettinoは33歳になる。もちろん、FWではないし、DFとしても
スピードやフィジカル勝負のタイプではないので、選手寿命は長い方だと思ってる。
それでも...あと3シーズンほどすれば、彼は後進に道を譲ることになるだろう。
彼がフランスへ行っている間、EspanyolのCBと言えば、LopoにSoldevillaのような
Cantera出身の選手が彼のいなくなった穴を埋めていた。確かに危なっかしくて
目を覆いたくなるシーンも多かったと思う。特にEspanyolと言うチーム自体の戦績が良くなくて、
相手の攻撃を前線や中盤で防ぐことが出来なくて、最終ラインにかかる負担は増加の一途をたどり、
そのせいでLopoもSoldevillaも一発退場を喰らうことも多々あった。
それでも彼らは懸命に闘い、少しずつ成長していってるのが私には感じられた。
そして昨シーズン、Pochettinoが復帰して以降、Lopoの落ち着きぶりと
その安定感は目を見張るばかりとなった。頼れる存在がすぐ隣に、チームを最後尾から
引っ張って行ってくれる存在がすぐ隣にいるおかげで、彼はそれまでと違い、
自分自身のプレーに専念することが出来るようになり...本来のポテンシャルの高さを見せるようになった。
あたりの強さや空中戦の強さ、ラインの統率能力、全てが一級品であることを見せてる。
事実、彼はLigaの他の上位チームからオファーが届く選手となり、代表も夢ではないと言われている。
そんなLopoがリーダーとなり、そしてSoldevillaが支える...いずれ、Espanyolの最終ラインは
彼らによって支えられていくのだろうと、私はそう思った。
しかし...BernabeuでのReal Madrid戦を見ていて「Pocheのポジションを奪うのはきっと彼なんだ...」
と、Jarqueのプレーを見て思った。
Lopoは、Espanyolを出て行かなくてはならない選手だと思うようになった。
いつかは帰ってきて欲しいけれど、でも、ここに留まってはいけない選手なのだと。
そして彼がいなくなったら、SoldevillaとそしてJarqueが支えていけば良いと、そう思ったのだ。
Jarqueは1983年の1月1日生まれ。つい先日22歳になったばかりの若者だ。
彼には無限の可能性が広がっているように感じる。
その手に、何だってつかめるような、そんな気がしてる。
PochettinoがEspanyolにやってきたのが22歳の時。あの頃と同じだけの可能性がJarqueにはある。
実際に会ってみたJarqueは、ごくフツーの22歳の青年だった。思ってた以上に男前で、プレーだけでなく
雰囲気までもが「何となく、若い頃のPocheに似てる」そんな風に感じた。
写真を撮らせてもらったけれど、すごく控えめで、派手なOscar Serranoとは大違い(笑)
どこにでもいる大学生のお兄ちゃんそのものだった。
乗ってる車もドイツやイタリアの高級車じゃなくてフランスの大衆車。
以前、Diego Placenteに会った時には「5年後、もう一度キミに会いたい」と思ったけれど、
Jarqueに対しては「絶対に10年後のキミに会いに行く。Espanyolじゃなくても、会いたいよ」と思った。
あれから10年...Pochettinoはアルゼンチン代表としてW杯に出場するまでに成長し、
そして今、さらに成熟しようとしている。10年経ってなお、輝きに満ちてる。
そのPochettinoに似ていると私が感じたDani Jarque...10年後は一体どうなってるんだろう??
そんな彼の、まず最初の目標は、Pochettinoからポジションを奪うことなのだろう。
Gabi Heinzeのときも同じように感じたが...「後を追いかけてくるのがキミで良かった!!」
Jarqueにだったら、そのポジションを譲っても私は寂しくないから...。
(注)
Daniel Jarque...WOWOWでの実況ではジャルケと発音されてるようですが、
私が現地で聞いたところ、誰もが皆彼のことはハルケと発音しておりましたので
ここにお知らせしておきます。
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