インコの巣の観察日記
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2003年06月09日(月) そして幕が降りる...

長い長い時間がかかったけれど...やっと幕を下ろせたような気がします、私のW杯。
あれから1年...やっと、自分の中で区切りを付けることが出来ました。
随分と長い時間を必要としたけれど...あの哀しい色した瞳のことは忘れないけれど、
でも、きっともう大丈夫。物語が第2章へと入ったことを、感じることが出来たから...。


6/8日(日)
気が付けば...私はやっぱりアルゼンチン代表を応援していた。
自分の母国との対戦はやっぱり複雑なんですよ。
私にとって“Mi equipo”と言うのは、やはり日本代表でなければならないと、そう思ってる。
でも...昔々、私はあの空色と白色のチームを応援することを先に覚えてしまった。
好きなんですよ、アルゼンチン代表が。MaradonaとValdanoがいたあの頃から...。

だから、私はSaviolaのGolにも、ZanettiのGolにも、RomeoのGolにも、
そしてMaxiのGolにも、拳を天に突き上げながら、立ち上がって絶叫してた(苦笑)
周囲の視線はとても冷たいものだったけれど...。

自分にとっての代表チームとは、やはり日本代表...そう思っているから、
だから日本相手の試合でアルゼンチン代表のCamisetaを着ることは出来なかった。
その代わり...試合中ずっと、抱きしめてた。#4のナンバーとPochettinoのネームが入ったCamisetaを...。

あの日...アルヘン敗退の報を聞き涙した長居で、
精一杯の思いを込めてPochetのユニを着て出かけていった長居で、
私はやっとアルゼンチン代表を応援することが出来た。
大好きなMauricio Pochettinoはいなかったけれど...。


日本のゴールネットを揺さぶられる度に、私は思った。
あぁ、コレが見たかったんだ、この場所で...と。
泣きそうになる気持ちを押さえて、ひたすら声を出してアルゼンチンを応援してた。
緑の芝の上を気持ちよくボールを通しながら攻め上がるアルゼンチンの前線。
早く厳しい潰しで日本の攻撃の芽を摘むアルゼンチンの中盤。
カバーリングと強烈な1対1でゴールを守るアルゼンチンの最終ライン。

そうだ、コレが見たかったんだ...。

Bielsaが一人の若者を呼び寄せ、第4審判が交代の表示を掲げる。
そこにあった数字は...3だった。

Gabriel Heinze...私がこの日、どうしても見たかった選手。
彼がピッチを駆ける姿を見ていると...
いつまでも後ろを振り返ってる自分が情けなく思えてきた。
もう...吹っ切らなきゃダメだと。




Gabiの名前を叫んでいるのは、もちろん私一人。
でも、この日の私にとっては...誰よりも誰よりも大事な選手だったから。

彼が教えてくれた。前を向いて歩き出すことを。
彼が幕を下ろしてくれた。辛く哀しいW杯の物語に。
有り難う、Gabi。キミには感謝してる。
私に勇気と力を与えてくれたのは、キミだから。

そして...Mauricio Pochettino、アナタにも感謝してる。
私に勇気と力を与えてくれたのは、アナタだから。

私はこれからもずっとアルゼンチン代表のコトを応援していく。
たとえPochettinoはいなくても...。
だって彼の思いは、ちゃんとGabiに引き継がれたのだから...。






秋田のGolが決まった瞬間...周囲が爆発して熱狂している時、
私はずっと考えていた...「アレって競っていたの、Gabiだったよなぁ...(苦笑)」
ちょっとだけ、ほろ苦い、日本-アルゼンチン戦の想い出となりました(^^;)


Gabiは、哀しい程に知名度がなかった(苦笑)
彼の名前を呼んでいる人、殆どいなかったし、交代のシーンも周囲はムシ。
私はあまりに嬉しくって、壊れたと言うのに...(^^;)


私が試合を見ていた位置ですが、かなり高い位置からだったのですが、
ちょうど目の前でアルゼンチンの控え選手がアップする位置だったんです。
試合前のアップの時に、GabiがSuplentes組だと言うことはすぐに見分けがつきました。
友人が持ってきたオペラグラスで確認するまでもなく、「ホラ、あそこにGabiいるでしょ??」と、言い当てた私。
どんなに遠くからだって、Gabiは判るモン(笑)イヤ、Gabiは目立ちますよ、その髪の色でね。
今回のアルゼンチン代表選手の中で、一番キレイな金色をしていたのが、Gabiの髪でしたから...。
高い位置から見ていても、彼の髪の毛が夕闇の下カクテル光線にキラキラと輝いてるのが判るんです。


一緒に試合を見に行った友人達も、みんなGabiのことは知りませんでした。
まぁ、元々彼女たちはみな、Serie族だから...Ligaはあんまり見てなかったし、ましてやLigue1なんて(苦笑)
ある友人が「じゃ、Gabiがどの選手か当ててみるね。特徴は??」と質問してきたので
「え〜っと、アルゼンチン代表の中で一番ラテン顔じゃない人(笑)。
一番ドイツ人に近い顔立ちしてる人を探せば、それがGabiだよ」と答えました。
すると、その友人は「Gabi、みっけ!!、あのボール回ししてる人たちの中で、一番右端にいる人でしょ??」一発で、言い当てました。


彼女は典型的なラテン顔が好きなんですが(笑)、Gabiのことは「好みじゃないけれど、かなりの男前だよ」と、そう誉めてました(*^^*)
ただ...ラテン男が好みでアルヘン好きになったような人たちには、ウケないみたいですね、Gabiは(苦笑)

そのGabi、試合開始の時はBanqilloに座ってましたが、かなり早い段階から体を作ってました。
トレーナー相手にストレッチして、急ピッチでコンディション上げていっていたので、「絶対に後半開始から使ってもらえる!!」と思っていたのですが...35分からの投入でしたね。
私は試合開始前からずっと「Bielsa、Gabiを出せ!!」と念じていたので(笑)、
彼がCastromanに代わって出てきた時には「Bielsa、有り難う!!」でした。
いや、マジでBielsaって凄くステキな監督さんだと、今回あらためて思いましたよ。
そっか...この人が14歳のPochettinoを迎えに来たのか...としみじみ思ってしまった(笑)

この、Gabiの交代に関して、少しだけイヤな思いをしてしまいました。
試合後、Lazialeの女の子2人組(多分、大学生ぐらい。かなり若い子だったから...)の会話が聞こえてきたのですが...
彼女たちはCastromanの交代がかなりショックだったようで...その悔しさと怒りの矛先がGabiに向けられていたんです。
私にはその感覚が理解できませんでした。

確かに、私だってQuirogaじゃなくて、Pochettinoだったら...ってそう思ったことありますよ。
でも、だからと言ってQuirogaのことを認めないとか、ムカつくとか、そうは思いません。
だって、Bielsaがちゃんと代表でプレーするのに相応しいと思って召集して、そしてゲームで使ってる選手なんだもん。
まだまだ頼りないところあるかもしれないけれど、でも、試合毎に成長してるな、
代表でプレーすることに慣れてきてるなって、そう思えるようになってきたもん。

どこの誰だか知らない選手を見に来たんじゃないって、そう思ってるのかもしれないけれど...
GabiはGabiで素晴らしい能力を持った選手なんですよ!?もっと素直な目で見てあげて欲しいと、そう思いました。


ちなみに、Gabiのバスの座席と言うのは...後ろから3列目の左の窓側が定位置でした。
お隣さんはやっぱりQuiroga(笑)NOBでもSportingでも被ってるし、オマケに同じDF同士だからネ。
しかし...Gabi、この位置は失敗だったでしょ??Aimar狙いのファンがウザかったのでは??(笑)





試合中、メールを下さった方、有り難うございました(*^^*)
Gabiが登場した瞬間...私の携帯にはメールがまとめて4通も(爆)
それにしても...ホントに哀しいほどGabiの知名度は低かった(哀)
私にしてみれば...国歌斉唱の歌手の方が“この歌手、一体誰やねん!!”でしたが...。
イヤ、マジで君が代を唄った人、初めて見たし初めて聞いた人なんですけれど...(爆死)


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