A Thousand Blessings
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2006年11月03日(金) 編集CD−R 【 墨田妖児的 GLENN GOULD〜2006年11月編〜 】

1982年、グレン・グールドが死んだ時、
僕は仲間数人と告別レコードコンサートを某レコード店で開いた。
「ゴールドベルク(旧録)」の“アリア”に始まり
「シェーンベルクピアノ組曲」で終わる3時間ほどのコンサート。
その時みんなで撮った記念写真が、見つからない。部屋中、探し回っていて
ふと気づいた。そっかぁ、Fちゃんと別れた時、捨てたんだった。
Fちゃんが写っている物は全部処分した。僕の26歳から32歳までの写真の
全てに彼女が写っていたから、 結局その頃の僕の写真は一枚も
残っていない。悲しいといえば悲しいが、楽しい思い出はできるだけ記録として
残さない方が懸命だということも知っているから、それはそれで結果オーライ
なのかもしれない。

嫌悪すべき過去、不機嫌な過去、不条理な過去、恥ずべき過去、
そんな過去ばかりだったら、どんなに素敵なことか。
比較して常に、現在<過去、っていうのはどうにもこうにもにっちもさっちも
ルイ・アームストロングである。セント・ジェームス病院に入院してしまいたい。



で、グールドなんだけど、
僕が22〜3歳の頃は、まだまだ彼は異端視されていたのに
今では完全にグールドというジャンルを確立しているのがすごいね。
ザッパを変態と呼ぶロックファンが少なくなってきたように(知らんけど、たぶん)
グールドも一種の古典として聴かれるようになったのかもしれないな。
じゃあ、その古典に対する新作は?というと、まあいろんなピアニストが
出現しているけど、なんかこう狙いすぎっていうか、狙いが見え見えっていうかさ、
あざといんだよね。
だったらいっそグールドの対極にあるたとえば、ケンプとかヘブラーとか
リリー・クラウスとかハイドシェクとかワルター・クリーンみたいなピアニストを
聴いてしまえ、っていうことで聴いてみたら、すごく新鮮だった、というお話さ。



といいつつ。ここで。



 【 最近の墨田妖児が好きなグールドの演奏ベスト10 】
       ※は、→の編集CD−Rに収録


第1位 シェーンベルク/ピアノ組曲作品25 ※
第2位 バッハ/パルティータ第1番変ロ長調
第3位 ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第1番
第4位 ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番
第5位 ベートーヴェン/ピアノソナタ第1番 ※
第6位 ベートーヴェン/ピアノソナタ第8番
第7位 ベートーヴェン/ピアノソナタ第13番
第8位 ベートーヴェン/ピアノソナタ第31番
第9位 ハイドン/ピアノソナタ第60番ハ長調
第10位 ハイドン/ピアノソナタ第62番変ホ長調



なんか、ベートーヴェン、、ばっか(笑)
ベートーヴェンの押し付けがましさを全部取っ払っちゃったグールドの
演奏は、どんなに評価しても評価しきれないと思うのだが。
グールドの演奏からは、音楽室に飾られたあの肖像画のような
しかめっ面のベートーヴェンは見えてこない。とにかく面白すぎ。
非叙情的であるがゆえの叙情性みたいなものが垣間見れる
第8番ソナタ“悲愴”の第2楽章とか。モーツァルト(果てはハイドン、バッハまで)
を回顧するようなP協1番やシューベルト、ブラームスへと繋がるP協4番の演奏、
13番ソナタに漂う濃いロマンチシズム、31番ソナタの静謐。

ハイドンを面白くした功績も大きいぞ!


ちなみに僕の初体験グールドは「イギリス組曲」。
それから20年後、ペライアの「イギリス組曲」と「ゴールドベルク変奏曲」に出会い、
やっとグールドの呪縛から開放される。
ただし、その2作品だけ。他は、まだグールドの催眠術にかかったまま。
そろそろ、誰か、解いて!

そういえば、テレビドラマ「のだめカンタービレ」の主人公、のだめのピアノの
弾きかたは、グレン・グールドを意識してるよね。
ならば、椅子をもっと異常に低くするとかして、オマージュ的に誇張
しても面白かったかもよ(笑)



           ▼




編集CD−R sumita’s selection


【 墨田妖児にとってのGLENN GOULD〜2006年11月時点編 〜】


1 バッハ/パルティータ第1番第1曲
2 バッハ/パルティータ第1番第2曲
3 ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番第1楽章
4 ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第1番第3楽章
5 ベートーヴェン/ピアノソナタ第8番第2楽章
6 ベートーヴェン/ピアノソナタ第13番第1楽章
7 ベートーヴェン/ピアノソナタ第13番第2楽章
8 ベートーヴェン/ピアノソナタ第31番第3楽章
9 ハイドン/ピアノソナタ第60番第1楽章
10 ハイドン/ピアノソナタ第62番第2楽章

 





           ・’゜☆。.:*:・’゜★゜





友人の日記の最後にミスチルの詩。
これは僕へのメッセージだ!、と勘違いも甚だしくも面白くも。(笑)

「心配事ばっか見つけないで あわてないで探してこ
いつか必ずかなうって決めこんで 路頭に迷った祈り」 箒星 / Mr. Children 





ちなみに、また日記タイトル変えたから。
いよいよ腹筋時代来たる!
さあ!「趣味趣味腹筋塾」を早口で3回読んでごらん。



響 一朗

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