A Thousand Blessings
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2006年05月09日(火) 夕焼け小焼け

僕には子供がいない。この欠落感が日々膨れ上がってきている。
仕事柄、毎日多くの子供たちに接する。
小学校入学以前の子供たちがみんな純真無垢でいい、とは決して思わないが(笑)。
それなりに小さな自我を持っていて、自己主張を貫くささやかなファイトを親や
兄弟に披露したりする。こわれものである一方で壊し屋でもある子供たち。
扱いづらくてイライラさせられることも少なくないが
それでも無心に焼きそばを頬張っていたり、ラーメンのつゆをすすっていたり
幼い兄弟そろって坂道でコケたり、ふと空を見上げて眩しい青に目を細めたり。
遊びつかれて父親の背中で空を飛ぶ夢を見ている、そんな子供たちの
親に一度でいいからなってみたかったな。
帰りの電車の中で、僕は目を閉じて、今日出逢った子供たちの
ことを思い出している。いつも、僕は子供たちの背中を見送っているだけだ。
守ってやりたいと思うが、それは僕の役割ではない。
役割がないというのは、さびしいことだ。


響 一朗

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