A Thousand Blessings
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2005年10月18日(火) ケーゲルに両足を突っ込む

「ジョン・レノン・トリビュート・アルバム」が売れてるらしいです。
CDショップの店頭でよくかかってます。
しかし、僕が聴いた限りでは、どこが面白いんだかさっぱりわかりません。
それはもう徹底的につまらない。桜井和寿のマザーもつまらない。
BANK BANDのライブで、“歌うたいのバラッド”や
“トーキョー・シティ・ヒエラルキー”や“僕と彼女と週末に”を
カヴァーした桜井君とは、別人みたい。
ジョンが偉大だから?ジョンがすごいから?ジョンって偉大なの?すごいの?おせーて。
ビッグネームの前に平伏してしまった時点で終わりじゃん、って思います。
小泉チルドレンと変わらないじゃん、って。
そもそも、トリビュートアルバム=カヴァー曲集という考え方に間違いがあるのでは?
本当のトリビュートアルバムって・・、たとえばさ、「あなたの音楽のこういう部分に
影響を受けて私は自分の世界を作り上げました。ぜひ、お聞きください。」
みたいのは、どう?
そうすれば、ビートルズトリビュートアルバムにミスチルの“終わりなき旅”は
自然に収まるよね。“ヘイジュード”の子供としてさ。
そういう発想って、なぜ、生まれないんだろ?不思議だなぁ〜


・’゜☆。.:*:・’゜★゜


またしてもクラシックの話ですみません。興味が無い人は、すっ飛ばしてください。

僕が贔屓にしてる指揮者は、次の5人。
ラファエル・クーベリック(チェコ出身)
セルジェ・チェリビダッケ(ルーマニア出身)
ヘルベルト・ケーゲル(旧東ドイツ出身)
ヘルベルト・ブロムシュテット(スウェーデン出身)
ヴァーツラフ・ノイマン(チェコ出身)
この5人が指揮したものに関しては、僕は全面的に受け入れちゃいます。
つまり、愛しちゃってるわけですね。それぞれ非常に特徴的な音づくりを
する人たちですが、説明はあえてしません。くどくなるから(笑)

1990年に自殺したヘルベルト・ケーゲルの遺産とでもいうべき録音の数々が
超廉価盤(15枚組6000円とか8枚組3000円とか)で入手できるのは嬉しいです。
もちろん、バラで以前買っていたものも含まれてはいますが、
セット物好きの僕としては、やはり「箱」で持っていたいのです。
こういう人ってクラシックやジャズ好きには多いと思います。
なんか、こう、きちんと整理しておきたい気分なのね(笑)
70歳で悲惨な死を迎えたケーゲルに関しての文章は、以外にもこの日本では多いのです。
すごく日本では評価されています。というか、日本でしか評価されていないのでは?
許光俊さんのこんな文章とか→

ケーゲルが自分のことをロマンチストだと思っていたのには、
申し訳ないですが笑ってしまいました。
人間、自分のことは分からないんですね。ケーゲルがロマンチストだったら
世の音楽家はみんな大甘のセンチメンタリストになってしまいます(笑)
でも。発想を変えれば、ケーゲルのように冷たく厳しく感情移入のしにくい音楽を
創る人間には、全く逆のマイナスのロマンチシズムがあるのでは?と
思えなくもありません。
ただ、この世界では、それをロマンチシズムと呼ばないだけで。

ケーゲルはすごいすよー。もう、柔らかさとか温かさとか全然ないもん。
曲によっては悪寒がすることさえあります。そんな音楽に打ちのめされて
深く入り込んでしまった自分を、なんだかすごく嫌な奴だって思うことがあります。
ケーゲルに溺れているときの自分の顔を鏡で見たら、死にたくなるかも
しれませんね。どんな顔をしてるんでしょうかね?

新ウィーン楽派(シェーンベルク、ヴェーベルン、ベルク)の音楽は、
いくらでも入手できますし、元々の作品が際立って優れているので、
よっぽどのボンクラ指揮者でないかぎり低水準の演奏にはなりえません。
ただし、作品へのアプローチの方法はいろいろあるので、好き嫌いは
はっきり分かれるかもしれません。
カラヤン盤のような、日本人好みの甘ったるい八方美人的な演奏の対極に位置するのが
ケーゲル盤でしょうね。もう、全然違います。水飴と青汁くらい違います。

あの冷徹なスコアー読みのブーレーズ盤でさえ、ケーゲル盤の前では
響きの美しさに主眼が置かれた演奏に聞こえてしまいます。
たとえば、ヴェーベルンの有名な“パッサカリア”やベルクの“ヴォツェック”
を聞き比べてみると、楽器の演奏方法が違うのか?と思ってしまうほど
ケーゲルの鳴らし方は“変”です。音が“小刻みに震えている”感じがするのです。
それと音の遠近感がものすごいです。遠くが過去で、近くが現在。そんな風に
“時間の遠近感”を想起させます。では未来はどこかというと、それは音の闇の中。
混沌としていて、どこか奈落の底を連想させる闇。

うはー。ケーゲルにハマるとやばいすよ。
死ぬなよー、俺。


『ヘルベルト・ケーゲル指揮ライプツィヒ放送交響楽団/新ウィーン楽派BOX』
(輸入盤8枚組3000円!!安すぎ!!!)

「シェーンベルク/モーゼとアロン」
「シェーンベルク/グレの歌」
「シェーンベルク/ワルシャワからの生き残り」
「ベルク/歌劇ヴォツェック」
「ベルク/“ヴォツェック”からの3つの断片」
「ベルク/ヴァイオリン協奏曲“ある天使の思い出に”」
「“ルル”組曲」
「ヴェーベルン/パッサカリア」
「ヴェーベルン/弦楽オーケストラのための5章」
「ヴェーベルン/オーケストラのための6つの小品」
「ヴェーベルン/オーケストラのための5つの小品」
「ヴェーベルン/交響曲」


日々仕事に追われている友人のT氏に編集したケーゲル入門CD-Rを
送りつけちゃおうっと。これは不幸の手紙です。
迷惑な話かもしれませんが、あなたのご友人3名に送りつけてください(笑)
   ↓
編集CD-R 

1 ヴェーベルン/パッサカリア(12:01)
2 ヴェーベルン/交響曲第一楽章(6:00)
3 ヴェーベルン/交響曲第二楽章(3:23)
4 ベルク/ヴァイオリン協奏曲第一楽章(10:59)
5 ベルク/ヴァイオリン協奏曲第二楽章(14:06)


響 一朗

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