A Thousand Blessings
2004年1月〜最新ひとつ前に戻るひとつ先に進む


2005年10月05日(水) 2002年10月30日。東京文化会館。キースのソロコンサートで何度も「フライング拍手」をした早漏野郎を指名手配せよ!





「なぜ、あと10秒待てないんだ・・・・」という表情を見せた。確かに僕は見たぞ。

恐ろしく感動的なアンコールナンバー“ダニー・ボーイ”の最後の和音を
弾き終えたキースは、まだサスティーン・ペダルを踏んだままだった。
微動だにしていない。
それなのに、舞台に向かって右手から拍手が巻き起こる。
おそらく、最初は2〜3人。それが2秒後には一気に何十人という数に増え、
さらにその2秒後には嵐のような拍手へと膨れ上がっていた。
まだ、キースは目を閉じたままペダルを踏んでいる。
つまり、音楽はまだ続いているということだ。
余韻を楽しむという、まともな音楽ファンの誰もが望んでいることを
一握りのバカ野郎が強奪していった瞬間だ。
アンコール3曲目の“ドント・ウォリー・バウト・ミー”のエンディングも同様である。
キースは余韻を楽しむつもりでいたのだろう。
もちろんペダルは踏みつづけているし、まるで祈りでも捧げるかのように
深くこうべを垂れている。そこに先ほどと同じ連中が割り込んでくる。
そういうのって、あなたは、どう思う?

もし、僕がそいつらの近くにいたら、その場では事を荒立てず、
コンサートの終了後にそっと忍び寄り、通路の陰かあるいはトイレで一発蹴りを入れる。
感極まって拍手したのか単なるお調子者なのかは知らないが、
音楽の楽しみ方も分からない早漏野郎には鉄拳制裁しかない。
一度痛い思いをすれば、次からは静かになる。

仕方がないのでMDに落として拍手の部分をカットしようと思ったが、諦めた。
何とも情けない事に、“ダニー・ボーイ”のメロディが、たとえようもないほどの
美しい和音を伴ってたち現れた瞬間(演奏開始から7秒後)、奴らが拍手を
始めたからだ。編集したくてもできない大きな「傷」をとてつもない名演奏に
残してしまった。その罪は重いぞ。重すぎて言葉にならないくらい重いぞ。
これからコンサートに行く人たちは「奴ら」をきちんと監視してほしい。
蹴りは無理だとしても「調子ぶっこいてると、痛い目みるぞ!」
ぐらいは言えるだろう?どうせたいした奴じゃない。

ということで、僕の“ダニー・ボーイ”は13秒後に始まり、
5分30秒後に終わる。
ああ・・・・・こんなすごい演奏なのに。悔しいなー。

10月7日の僕の日記にも詳しく書いてありますので
読んで下さい


  ↓   ↓  ↓          ↓
10月14日、20日、21日。東京池袋の東京芸術劇場大ホールで
キース・ジャレットのソロコンサートがあります。
コンサートに行かれる方は、ぜひフライング拍手をする連中を
観察してみてください。
できれば注意をしていただけるといいのですが。
僕が行って、僕なりのやり方でご指導したいのですが、
何しろ人ごみ恐怖症を患っている身ですので
それもかないません。よろしくお願いします。


響 一朗

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