つぶやける乙姫
辛口なのか、毒なのか・・・

2004年09月18日(土) 『ヤック・トゥア・デーン』(「赤鬼」タイバージョン)を見る

いや〜、行って参りました。今日はタイバージョンの日です。
先日買った浴衣アオザイを着て、プラっとね。あらかじめ真夏日になることが分かってたので、そういう意味ではまさに服装とピッタリの天候で、丁度よかったかも。今日ったら、暑かったですよねぇ〜。

あらすじ・・・は前回のロンドンバージョンと一緒なので、省略。

そしてタイバージョンは・・・色んな意味でロンドンバージョンとは違った。やはり、ロンドンはロンドンだし、タイはタイだった。上手い言い方ができないけれど、観た人にはこれでよく分かると思う。席がほぼ同じ場所だったので、余計に比較しやすかった。

総勢14人が舞い踊るタイバージョンでは、衣装も全員真っ白。真四角の舞台自体も真っ白で、SE以外の音楽はラストのもの以外は出演者が自ら演奏するスタイル。
前回あった棺のようなタンスのような大道具(小道具?)はなく、今回登場するのは銀色のちゃぶ台。しかも足が分離できて、サーカスの火の輪くぐりに使われるわっかみたいなものと、レフ板のような丸い板とに別れる。それ以外の大道具には、なんと役者さんがそのままなってしまうのです。崖とか、カウンターとか。すごいよね。組体操のようにパパパっと人が組んで、その場にものを作ってしまうの。そんで、演じてる人がそれに登っていくのさ。
瓶も、コーラの瓶のような前回とは違って、四角く赤やオレンジの柄のついた瓶。そして、赤ちゃんのヒデマツ(前回はオソマツ)は白いビニールの梱包用シートで出来ていた。

先ず、全体的にフレンドリーな雰囲気があって、そこからしてロンドンバージョンとは違う。最前列のお客さんを巻き込んでの演技は、所々で笑いを誘うし、きっと巻き込まれた方も楽しかったと思う。
「白」という、言葉で言ってしまえば一つの色の、様々な表情を見せるトコロがすごい。舞台の白とその上の役者の白、そして空から降ってくる梱包用シートの白。どれも白。だけど違う白。それが次から次へと新しい形に変わっていく。またタイの役者さんの褐色の肌と元気のいい動きが、それによく合っている。サワヤカな「生」のイメージの色という感じが、あの白からは伺えた。
そんな一方で、今回の赤鬼を演じた野田秀樹の衣装がすごい。なんというか・・・気持ち悪い獅子舞・・・そんな感じ。それにプラスして、「八つ墓村のたたりじゃ〜〜!」と「八つ墓村」の中で叫ぶオババ。「里見八犬伝」で言うところのヨネヤマママコというのもどんピシャリな感じ(←これ分かる人いるんかいな・・・)。
とにかく、怖い。得体の知れないものという感じがヒシヒシと伝わってくる。ロンドン版の時には、不気味可愛いかった赤鬼が、タイ版では、なんちゅーか、姥捨て山に捨てられた人・・・みたいな感じだったんですわ。年齢的にもかなり上に見えるし、外見的にも異形のものっぽいし。変な病気ももってそうだし。ただ、野田秀樹が演じるので、確かに中身は不気味可愛いのですけども、外見の与えるイメージって本当に大切だなと・・・。
ロンドンの赤鬼は、「得体の知れないよそ者」的な赤鬼。タイの赤鬼は、「村に一人はいるであろう、昔からいるけれど決して声をかけてはいけない狂人」的な赤鬼だなぁと思いました。それもやはり文化背景の違いを考えてのことなのだろうか・・・。う〜ん、深い。

それにしても、今回も「この人すごいな・・・」と思ったのですが、それはやはり小道具が変わったこと。ロンドンとタイでは船のこぎ方も違う。それは、海そのものが違うから。ロンドンでは波が荒く深い海のイメージ。タイでは遠浅で波も穏やかなイメージ。イギリスの周りにある海と、タイの周りにある海は違うんだから、は〜、それも当然だね〜と、見ながら感心しました。さすがです!の一言。それ以外にも、細かなところでそういう違いは見て取れた。改めて全バージョン見ておいて良かったと、ウキウキしてくる。

文化的な違い以外にしても、感心どころはいろいろあって、最初の客電の落とし方ひとつをとっても「見事だな」の一言だった。さざ波のような、まさに客を話の中にフェードインさせるあの手法。ワシが演出家だったら盗むね!ホント!(←盗むって・・・)。
それに、前回よりも人数が増えたことによって、より「あの女」と村人の距離感というのが分かるようになって、「あの女」の孤独や絶望が浮き彫りになっていた。今回の「あの女」役のドゥァンジャイ・ヒランスリさんが、すごく凛としたイメージの人だったから、赤鬼を勝手に怖がったり面白がったりする村人の愚かさもよりビビッドに見えてくるし、「とんび」の頭の足りなさ加減とのバランスもすごくよかった。無垢でおばかな兄と、知的で分かりすぎちゃってる妹。でも仲はいいし、兄弟愛もすごく感じる。「とんび」役のナット・ヌアンペーンさんがね、可愛いの、すごく。別に美形ってわけじゃないんだけど、キュートなのです。
「水銀」は、とにかくワシは、「この人、もしかしてノーパンなんじゃぁ・・・?」ってことが気になって気になって。なんせみんなガーゼ地の真っ白な衣装なもんだから、下着の線が良く見えるんだけども、この人だけはなぜかそれが見えない。
「ま・・・まさかTバック・・・・???(−−;)」
と、舞台に全く関係のないことまでも、考えてしまったよワシは・・・(−−;)ただのアホだよね。「あの女」のスカート丈の短さに、「う・・・見えそう」と、横たわる彼女の裾のところに目がいってしまったりもしたし。薄着ってのも考えものです(^^;)(←みんなそんな目で見ないんだよね、きっと・・・)。

話は分かってるだけに、より深いところまで考えてみられたのが良かったです。しかも、タイ語は全く分からないから、同時通訳イヤホンに集中できたので見易かったし。カーテンコールの時は、ワシったらロンドン版の時よりも泣いてたかも。なんか知らんが、ボロッボロ来たのね。拍手はしたいわ、涙は拭きたいわで、結局もったいないから拍手してましたけども、いや〜、よく泣いたわ。

タイ版の赤鬼は、昔の日本をちょっと髣髴とさせて、どこか懐かしいような感じのする雰囲気でした。昭和を知ってる世代には、分かるのではないでしょうか。やはり、同じアジアということなのかなぁ。
もう一回くらいみたい気もします。今度は話が分かってるから、イヤホン無しでみたいなぁ。

というわけで、次は日本版。

いまからものすごく楽しみです。

初日に見に行くぜ〜〜〜(>_<)ドキドキ


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