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■ タイヤを履かそう
もうすぐ10万キロになろうという兄の車。 ガソリンスタンドで、おにーちゃんに言われる。 「タイヤ、かなり磨り減ってますよ?」 兄の返事。 「へーき、へーき」 そして、そのまま発進して、ハンドルを切る。 「あーっ!! ストップ!ストップ!」 ガソリンスタンドのおにーちゃんが血相変えて止めるので、 五月蝿いなぁと思いつつも、車を降りて、タイヤを見る。 「・・・!」 さすがの兄も絶句した。 黒いゴムの部分が磨り減りすぎて、 中のオレンジの部分が出てしまっていたのだ。 「うーん・・・」 でも、兄はまだ頑張った。 「高速乗らなきゃ、だいじょぶ、だいじょぶ」 ぶっぶー そうして、車は楽しげに、ガソリンスタンドを後にした。
それから何日もしないうちに、 車で高速に乗らなくてはいけない予定ができてしまった兄(笑) しぶしぶ、オートバックスに電話をかけた。 「えーと、お宅で、一番安いタイヤは?」 「19,800円です!」 「安いなぁ! 4本でその値段とは!」 兄は楽天的というか、値切り倒すのを趣味としていた(笑) 「えぇっ!? 違います、一本のお値段ですっ」 「ちぇっ・・・まぁ仕方ないか・・・ でもいいや、それにしようっと」 「えっと・・・お車の車種は・・・」 「B○Wの5シリーズだけど」 「えぇっ!? B○Wにこのタイヤ履かせるなんて、聞いたこともないですよ!」 兄は五月蝿いなぁと思った。 オートバックスより安い店があるじゃろと、 急に方向転換して電話を切った。 「純正なんて高いしなぁ・・・」 いくつか電話をかけまくるうちに、タイヤ館に行き当たる。 「一番安いタイヤは・・・ほぅほぅ」 聞くと、ここが一番安かった。 兄は即決する。 「じゃあ、今から行くからー」 ぶっぶー そうして、車は楽しげに、家を出発した。
タイヤ館にて。 「お客さーん、 この車じゃ、車重オーバーでこのタイヤじゃあ、無理ですよー」 「ええー!!」 兄はブーブー言いながらも、 もうひとつ上のタイヤにせざるをえなかった。 それでも、以前履かせていたタイヤより2ランク以上は落ちている(笑) そうして、車は文句タラタラの兄を乗せ、 今度は本当に楽しげに、帰途に着いた。
2002年04月18日(木)
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