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 町会の組長になったぞ

「順番ということで、お願いできませんでしょうか?」
この地へ引っ越してきて5年弱。
町会の中にある組という単位の長になる順番が、
我が家にもやってきてしまった。
本当はやりたくなんかさらさらないのだが、
ここで断ったりしたら、
今後の近所つきあいが真っ暗なのは目に見えている。
「はいはい、いいですよ♪」
極めて友好的に引き受けることにする。
日頃、雨戸すら締め切りで姿もロクに見せたこともない我が家が
OKするとは思っていなかったのか、
旧組長さんは、とても喜んだ。
「そーですかぁ!!
いやぁ、ありがとうございます!
うちも平日日中いないんですけど、
こうやって何とかやっていけますから大丈夫ですよ!」
すごくニコニコしている。
この喜びようでは、断られるとしか思っていなかったみたいだし、
これはもしかして断っても大丈夫だったかも知れない・・・と、
チラッと後悔する(笑)
「では、必要なもの持ってきてしまいますね〜!」
斜め隣のマンションのオーナー夫人は、いそいそと家にとって帰す。
「これが、回覧版のバインダーです」
はいはい
「これが、廃品回収の日に下げる班のしるしです」
はい?
「毎月やっているいつもの場所にぶら下げるだけですから(笑)」
あの・・・一度も出したことも行ったこともないんですが・・・
(面倒なので、すぐ近くに取りに来てくれる都の廃品回収に出している)
「まぁ! そうなんですか!
・・・えっと、裏の靴下屋さん、知ってます?」
はい? 靴下屋さん? どこにあるんです、それは?
「あ、じゃあ、お布団屋さんは?」
はい? 布団?
うちの近所にampmと飲み屋以外の店ってあったんですか?
「あはは・・・大丈夫ですわ
下げていなくても、もう皆さん、場所わかっていらっしゃるから」
そうですかぁ、良かったです♪
「では、
組長就任承諾書と
今年度最初の組長会議の出欠席の紙に記入していただけます?
最初の会は、役員を決める集まりなの」
はい わかりました
見ると、平日の夕方4時から開催と書いてある。
にっこりと欠席に○をして、すぐさまお返しする。
夫人は、
当惑半分、とにかく次に譲れたという安堵半分の顔をして帰っていった。

渡された荷物の中を覗くと、
「○○町○班○組組長」
と筆で書かれた年代物の重厚な板があった。
面白がって、玄関の下駄箱の上に飾る。

うーん
これでうちも立派な組長だな!
近所つきあいもうまくいって、
満足 満足

2002年04月14日(日)
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