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re-invention



 生徒の思いをまだ拾い上げていない

T高校へ,柔道の強化練習会に。
その昔,強かった剣道部顧問時代には,
何度も通い稽古をつけさせていただいた場所。
「先生」と呼び止められたのは,前任校での剣道部の保護者。
レギュラーメンバーではないが今も剣道を続けているとのこと。
成功している話ばかりがうれしいわけではない。
勝てなくても食らいついて続けている姿勢はうれしい。
さらにはT高校剣道部顧問のM先生とも久しぶりにお会いし,
温かい声を掛けていただく。ありがたい限り。

練習会は13校が集まって4会場で試合稽古。
本気になる瞬間が生まれるのはいい。
負けを知ることもいい。それをしっかり受け止められれば。
午後の最後の合同稽古ではもう一息。
体力的にきついところだだが,気迫が前面に出てきていない。


夕方,論文作成のため昨年の3年生から借りたノートを読む。
自分は読んでいなかった感想の中に,
驚くほど豊かで広がりのあるものがあり,
授業はじめのチェックでは拾い切れていないことを痛感。


・一次関数が直線のグラフ,二次関数が放物線。だったら,三次関数はどんなになっちゃうんでしょうか。
・Voyageを使った。二年の時,「6X+2Y=4」とかをグラフにできたのだから,似たような感じで「3X^2+6Y=12」とかもグラフにできるのかなと思った。同じように「3X^2+6Y^2=12」だったらどうなるのか,「3X^2+6XY+3Y^2=12」だったらどうなるのか,やってみたかった。
・じっくり見たら椅子が二次関数に見えてきた。じっくり見たら窓の鍵が二次関数に見えてきた。じっくり見たらウクレレが二次関数に見えてきた。
・(ボール落下の授業で) √6/2秒というのにかなり違和感があったけれど,数字にするととてもしっくりときました。力を加えてから落としたら,もっと速く成ると思うので,それとの関係もやりたかった。

生徒の問いを追求させたいと思って行った授業だが,
ほとんど生かせなかったことがわかる。
TTで,感想の確認が交代であったことにも原因があるが,
このぐらいのことは,やらせてあげたかった。
ボールを斜めに投げてバウンドさせる実験をさせたときの生徒についても同じ。彼は自由落下ではないボールの運動がどうなるのかを追求したかったのだ。
当時はそこまで理解できずに,彼らの実験を見守っていた自分。
ボールの自由落下では時間と距離の関係,
ボールのバウンドでは高さと水平横行の距離の関係。
どちらも二次関数で表せることは面白いし,
その違いにも気がついていた彼。
もう一息,授業者としてのつっこみができれば
もっと面白くなっていたはずなのに・・・と今になって後悔。

だが,単なる感想集ではなく,
こうやって,感想がノートと一体になっているからわかること。
生徒にとってはかけがえのない記録になっている。
授業ノートに感想を書かせることがベストと割り切っていたが,
もう一度考え直したい。

信州大の宮崎先生から興味深い内容のメールをいただく。
自分にできる時間は限られているので,
できることを判断していかなければならないが,
断ることは,可能性を否定しているような気もして,
とても心苦しい。

夜,公庄先生から驚くメールが届く。
大風呂敷を広げることに慣れてきた自分でも,
さすがに「本当だったらどうしよう!?」と思う内容。

2004年05月14日(金) 松下教育財団の贈呈式


2005年05月14日(土)
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