Just for today !
re-invention



 構えと呼吸

いつもどおり,朝5時に眼が覚める。
6時過ぎに,陸上部の生徒が二条城の回りで練習するとのこと。
散歩がてら,外に出る。たくさんの人が,朝の京都を走っている。

朝食後,班コース。
生徒がお世話になるお店や事業所にあいさつ回りに。
一軒目の団扇の「阿以波」で,
10代目の饗庭智之さんから約2時間(!)
興味深いお話を伺う。
生徒よりも,自分がはまってしまった感じ。
・伝統と意識しないでやろうと思っている。やらねば・・と思うと苦しい。団扇も,ギフトからインテリアに移ってきている。次は何をしようと思っている。伝統を守らんがために,新しいことを考えて攻めていって,その連続が伝統かもしれない。
・インテリアになりつつある団扇だけど,扇ぐ機能を落とさないように,作っている。突っ張って競争してくれる相手もいないのに,そこまで手間を掛けてやらなくても・・・と言われることもある。時代は変化するけれど,団扇作りのベーシックな技術は絶対落とさないようにしなければと思っている。それがあるから,お客さんが来る。あそこに頼もうという話にもなる。
・自分はあまり教えない。こんな時代だから,一時は人に教えなければと思ったが,それではダメだと気がついた。教えると止まる。考えることをしなくなる。成長しなくなる。言われた通りできればいいと思ってしまう。それがプロとアマの差ではないか。人によって骨格も違う。条件が違うのだから,自分で考えて獲得していかなければ。イチローのフォームで打てば,みんな打てるようになるのか。タイガーウッズのようにすれば,みんな勝てるのか。そんなことはないはずだ。うちの職人は,みんな違う。貼り方を見ればわかります。でもきっと自分が一番上手いと思って作っていますよ。
・自分が唯一「こうしたら・・・」と注文することは,「構え」と「息遣い」。何でもそうじゃないかな。これができていないと。

職人さんの仕事場にも案内していただき,その技を見せていただく。

その後,事業所を回る。
鳩居堂十三や山仁
後から聞くと,お土産までいただいたりと,
どこもかなり親切な対応をしていただいた模様。
彼らの中学生としての素直さ,純な姿勢がなせる業か。

寺町のサンマルクで,モバイルBB初体験。
その日の昼までのメールをダウンロード。
しかし時間がなく,発信は出来ず残念。

12:30ホテルに戻って,本部の電話番。
いくつかの班のトラブルを受ける。
財布紛失2件。交番に届けるなどの対応を指示。
なんと両方とも見つかる!お金も無事!!京都の人の心は美しい!


夕食後は古典芸能鑑賞会。護王神社にて雅楽と舞妓さんの踊り。
こんな会も,生徒はちゃんと見て聞いて・・・
見せる側もうれしいだろうな。
舞妓さんはとてもかわいい。
でもとても庶民がうかがい知れる世界ではないのだろう。
美に対する日本人の感性を,旨くくすぐるように考えられた世界。
お金で人の人生を左右しているような感じで,
生徒のように単純に見ることが出来ない自分。


夜は,いくつかのトラブルがあるが,かわいいもの。
男子は見事なぐらい寝てしまい,
21:45のチェック前に熟睡してしまう部屋も。
女子は元気。この差は何だろうね。


2004年05月28日(金)
目次