TOM's Diary
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2004年04月28日(水) S氏の意外な側面

「その煙 あなたのガスに 引火する」

S氏がトイレの「禁煙」大きく書かれた張り紙に書いた落書きだ。
数日後同じトイレに入ると花丸が書かれていた。
さらにその後、トイレの落書きがすべて消され「禁煙」張り紙も
新しいものに貼り直されたのだが、新しい張り紙には最初から
「その煙 あなたのガスに 引火する」と書かれていた。

S氏は意外にもこう言った言葉遊びが得意だった。

「パソコンの 青い画面に 気持ちブルー」は
会社のシステム担当者にひどく嫌われるきっかけに
なったが、同じくブルーバックに悩まされていた
同僚には受けが良かった。

「窓際の 席に喜ぶ 元上司」
これは大嫌いなS氏の元上司の勘違いをネタにしたものだが
結構受けがよく、閑職に廻されたことに気がつき機嫌が悪く
なっていた本人の耳にも危うく届きそうになり慌てた。

こんな川柳や標語ばかりではない。
俳句だってやる。
「青々と 輝く新緑 目に染みる」

実はこれはシリーズものである。
「青々と 輝く芝が 目に染みる」
「青々と 輝く空が 目に染みる」
「青々と 輝くライトが 目に染みる」

S氏の自信作は
「あざやかに 湖面を染める 桜色」

花見の時に何気なく口にした句だが、たまたまそれを聞いた
社内報編集委員の同僚がS氏の名前で掲載したものだ。

そんなS氏は会社の俳句同好会に入ってみようかと考えた。
俳句同好会の会長が社内報を見たのがきっかけだった。
会長は、俳句の師範の資格を持つ社長だった。
S氏にはこれで社長に気に入られれば・・・と言う甘い期待もあった。

会社の福利厚生施設として、敷地内に茶室がある。
そこを借りて俳句同好会のメンバーが集まって俳句を詠むのだ。

「まずは体験入会と言う形で見学に来なさい」
会長にそう言われたS氏はさっそく見学に行くことにした。

「今日はみなさんにお知らせがあります。S氏をこの会に誘ったところ
よろこんで参加してくれることになりました。まだ入会の手続きは済んで
いませんので、体験入会と言う形で参加してもらおうかと思っています。
S氏は俳句が好きで、職場でもよく俳句でみんなを楽しませていると
聞いています。では、自己紹介代わりに代表的な句をを2、3発表して
もらえるかな」

S氏は自信をもって「その煙 あなたのガスに 引火する」

そう、S氏は俳句と川柳の違いを理解していなかったのだ。
S氏のもとに俳句同好会の申込書が届くことはなかった。


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