ふと気がつけば、空に浮かんでいます。
一緒にいる数人の人たちが笑顔で私に語りかけています。
眼下には遠くに海岸が見えます。見事に整備された町並みが見えます。白い壁、明るく光るだいだい色の屋根の家々、ところどころに巨大の塔のような建造物、心なごむ風景でした。
一人の女性が心地よい声で私に告げました。「さあ、今日からここはあなたの世界です。自由に過ごしてください。」
私は嬉しくなって大空を滑降して、街へと飛んで行きました。
街には人影がありません。
海へと翼を広げ、大きな建造物へ近寄りました。横穴とモニュメントの集合のように見えるのですが、今まで見たこともない不思議なものです。
たくさんある建造物の一つに降り立ってみると、いつの間にか仲間のような人がそばにいます。狭い入り口を一緒に入っていくと、迷路のように別れた通路があり、いく人もの人たちが往来していました。
いくつもの広場や部屋があり、なかなか賑わっています。何人かがそばに寄ってきて、移動に不自由な私の大きな翼を脱ぐようにと手伝い始めました。
やっとの思いで翼を脱ぎ棄てると、それまで気がつかなかった身体の軽さを感じました。
朝のほんの一瞬のまどろみに見た夢でした。
|