京のいけず日記

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2005年08月25日(木) 通勤絵日記 蛇を踏む

「…駅に行く途中の道で、蛇を踏んでしまった。」

川上弘美さんの小説「蛇を踏む」の話じゃありません。
今日、ほんまに蛇を…、チャリンコで踏んでしまったのです!!!

へび

こんな感じで道のど真ん中に伸びていた。



今日も夕方からの遅い出勤で、チャリンコで駅へ向かっていました。

道中、風を受けながら、今年初見のトンボを追いかけたり、アブラ蝉に混じるツクツクボウシの声を聞いたり。…あぁ、こうして少しずつ秋になっていくんだなぁ。などと、侘び寂びに浸っていたのです。

ペダルを漕いで15分。駅に着いて、野ざらしの駐輪場に自転車を止めようと、脇道へ入った時のことです。

目の下、前方に、灰黒いホースのような、厚みのものが横たわっていました。
ちょうど、チャリのタイヤチューブのような太さでした。ホースの先っぽは、止めてあったバイクのタイヤの陰に隠れていました。


邪魔だなぁ…。と、目の悪い私が思ったその時でした。
ゴミであるはずの、ホ、ホースが震えたのです。

…えっ!? へ、へびッ、だぁー!

辛うじて、チャリのハンドルを切った時には既に踏んづけていました。



…恐いものみたさで遠巻きに見ると、そいつは動きを止めて、死んだ振りのつもりか、じっとしたままです。

心配になって、しばらく見ていると、顔の見えない蛇は、するり、するりと、まるで店じまいでもするような鈍い動きで、残りの体を引きずっていきました。

蛇って泣くのかな…。
もしも蛇が泣くんだったら、どんな声でなくんだろう。
声を出すことも出来ないのなら可哀そうだな。

こちらも仰天したけれど、向こうはさぞやビックリしただろう。
突然のン十キログラム、プラス、自転車の重み。
その時の様子や、表情を浮かべて、申し訳ないやら、おかしいやら…。


今日はほんまにビビリました。

ホースの厚みぐらい弾力のある大きな蛇でした。
とぐろを巻かず、蒲焼のごとく、堂々と地面に伸びていた蛇でした。

何やら因縁めいて…。
小説のごとく蛇が女になって、「あなたのお母さんよ」と現れたらどうしましょう。


Sako