京のいけず日記

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2005年07月23日(土) 新婚家庭のお財布事情 ごめんねの絵付き 追加

もしも二人が夫婦だったら… お財布の口はもちろん…。

トシとイサミの夫婦漫才

「おまえだって高い洋服ばっかり買ってるだろ。俺は知ってるぞ」



 土曜日だというのに夕方から職場のミーティング。
 明日は長女の高校の個人懇談。週末なのに貧乏ひまなし。働くべし。

 で。式をあげたばかりの夫婦の話題となった。
 夫婦が共稼ぎの場合、食費やその他もろもろの生活費は誰が出すのか?

 ダンナ様の親御さんと同居同然、食費がほとんど要らないせいか、
 ティシュペーパーとか、歯磨きとか、こまごまとした日々かかる費用を、
 今のところ、お嫁さんが自分の財布から出しているらしい。

 で。疑問に思ったらしい。

 で。不満に思って経験者である私達に聞いてきたらしい。

 私の場合は、結婚当初から、お財布は私が預かっている。
 つまりダンナからお給料を受け取って、お小遣いとしてダンナに渡す。

 子どもを授かって家に籠っていた期間はあるが、その前後、つまり今も、
 家計に入れるどころか、私がどれだけ稼いでいるのかダンナは知らない。

 主だったものといえば家を購入する時に出したぐらいだ。
 生活費はもちろん、趣味の本代も、自分の服も、赤字でない限り、
 全てダンナから預かったものから支払う。

 …家計に余裕があったから? ううん。
 新婚当時、自分達の生活費と、親の借金の返済で大変だった。
 ダンナが独立し、給料が大幅にダウンした時は目の前が真っ暗になった。

 それでもダンナの給料だけでやってきた。
 1しかなければ1の生活でやっていく。貧乏人の強みだ。

 20代の頃、あんなに男女公平の理不尽さを呪ったくせに、
 男が家計を背負うもの、古い考えが、私のどこかに残っている。

 いやいや、単に物欲か。女の複雑な見栄か。
 それとも忘れてしまったのかもしれないなぁ…。
 二つの財布が一つに…。少しはギクシャクしてもあたりまえだ。

 ふーん。で。どーなんよ?

 と聞く相手に「最初が肝心」と笑って答えた。先手必勝ともいう。


 それにしても19年間。
 昼飯込みの少ない小遣いで、恨めしく思わないはずはないのに。
 日々の生活や、買い物に文句を言ったり、私に負担しろとも言ったことがない。

 俺が食べさせてやってるんだ、とか。
 外で頑張って働いているんだから、もっと家のことをきちんとしろ。
 などと、乱暴な事を言われたこともない。(たぶん内心は思ってるぞ)

 もっとも、そんな事を言いそうなダンナなら結婚はしない。

 もちろん。いざとなれば私が男になる。
 ダンナの数分の1ほどしか力はないが、精一杯の役目を負う。
 いつかそんな日もあるかもしれない。

 どこかに残っている古い考えとは矛盾するが、
 男だから。女だから。じゃない。
 男でもあり。女でもあり。互いに、今、必要な、やれる役目を支えあう。

 大きな顔をしてダンナに稼いでもらう。ダンナに食わせてもらう。
 不足があれば、そっと補う。

 甘いなとは思うが。
 ダンナの把握しないわずかな蓄えが、このまま死に金になればいい。
 (うーん。元銀行員、元商売人の娘らしからぬ考え方だわ)

 たまには贅沢して大きな旅行にでも行くかなぁ。
 何のために働く? 何のためにお金を貯める? 何のために生きる?
 笑止な。貧乏人が何いってんだろ。

 でも。本当に欲しいものはお金では買えないもんなぁ。

 頼めば、家事もそこそこに手伝ってくれるダンナに手を合わせつつ、
 スタートしたばかりの新婚家庭のお財布事情に思いをはせる。

 夫婦は千差万別。二人に似合う形を探せばいい。


Sako