| 2026年06月21日(日) |
オブセッション 災愛、シェルター、藁にもすがる獣たち |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『オブセッション 災愛』“Obsession” 5月15〜17日の全米週末興行を第3位でスタートし、第2週 には2位にランクアップすると共に、第3週まで前週の興行 成績を上回り、17日間で1億ドル突破したという作品。因に この快挙は1982年公開の『E.T.』以来のことだそうだ。 主人公はちょっと内気な青年。幼馴染みで気の置けない彼女 と相思相愛の仲になりたいと願っているが、それを言い出す 切っ掛けがない。そんな時、彼女が町を離れることになり、 思いは募るが遂に彼女には言い出せなかった。 ところがふと立ち寄ったスピリチュアル系のショップで、彼 は“願いの柳”と称するアイテムを手に入れる。そして帰宅 した主人公はそのアイテムに「彼女が誰よりも自分を愛して くれる」ことを願ってしまう。 しかしそれは彼を飛んでもない事態に送り込むことになる。 脚本、監督、編集は2024年に800ドルの資金で制作したfound footage系の作品がカルト的な人気を博し、その後に立ち上 げたチャンネルは数百万人のフォロワーを獲得しているとい うカリー・バーカー。 出演は劇団 The Second Cityの出身で2011年のドラマ『ティ ーン・ウルフ』で注目されたというマイクル・ジョンストン と、2023年にサンダンス・ディレクターズ・ラボに参加して ロバート・レッドフォードらの指導を受けたというインディ ・ナヴァレッテ。 『アラジンと魔法のランプ』を筆頭に願いを叶える魔法のア イテムはいろいろあるが、その一方でその願いが良からぬ事 態を招く話は1902年W・W・ジェイコブズによる『猿の手』 以降、ホラーの定番としてもいろいろ描かれてきた。 そんな中で本作は、そこに男女の恋愛に絡めてきたもので、 しかもそこにスラッシャーからホラコメまで様々なジャンル の要素を取り込んで、正に満艦飾のように描き込んでいる。 その巧みさにも感心した。 いやあこれは本当にこのジャンルを研究し尽くしているし、 このジャンルを心から好きな人の仕事と言える。監督には後 続の企画もあるようで、また1人、本当に楽しみな監督が現 れたと言えそうだ。 公開は7月17日より、東京地区はTOHOシネマズ日比谷他にて 全国ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社パルコの招待で試写を観て投稿 するものです。
『シェルター』“Shelter” 2009年4月紹介『トランスポーター』などの好漢ジェイスン ・ステイサムの主演で、孤島に暮らす謎の男を主人公とした アクション作品。 登場するのは廃止された古い灯台の建つ孤島に暮らす男。時 折沿岸の港町から生活物資が届けられるが、その陸揚げの際 には廃墟の灯台に身を潜めて、それを運んできた少女にも会 おうとしない。 ところがある荒天の日に少女を乗せて来た漁船が転覆し、少 女が海に投げ出されたことから主人公は止むなくその救助に 向かう。そして何とか少女だけ海から引き上げるが、彼女は 怪我を負ってしまっていた。 そしてその怪我が悪化し、主人公は仕方なく自分のボートで 港町まで薬品の買い出しに向かうが…。そこにはMI6によ る監視の目が配備されていた。こうして発見された主人公の 住む島に急襲部隊が派遣される。 脚本は新人のウォード・パリー、その脚本を気に入った製作 も兼ねるステイサムが、2019年10月13日付題名紹介『エンド ・オブ・ステイツ』などのリック・ローマン・ウォーを監督 に招いて作り上げた作品だ。 共演は2011年アイルランド生まれで子役として活動を開始、 2025年に映画デビューを果たしたというボディ・レイ・ブレ スナック。他にビル・ナイ、2019年『スター・ウォーズ/ス カイウォーカーの夜明け』などのナオミ・アッキー。 さらに2016年『スター・ウォーズ/ローグ・ワン』などのダ ニエル・メイズ、そして2007年12月紹介『つぐない』などの ハリエット・ウォルターらが脇を固めている。 ステイサム主演のアクション映画では大抵とんでもないテク ノロジーが登場して主人公を追い詰めて行くのだが、本作で 登場するのは「シア」と呼ばれる高度監視システム。これが 全国民を常に監視しているという設定だ。 このシステムに関しては劇中でも運用が問題視されて廃止さ れているはずなのだが、それがMI6に活用されているとい う展開。これはSF的にはデストピアの入口に立っているよ うな設定で、そんな展開も面白いと思える作品だった。 そしてそこにガンアクションから格闘技アクション、さらに はカーアクションまで、いろんなアクションを詰め込んだ作 品になっている。正しくこれぞ映画と言う作品に仕上げられ ていた。 公開は8月28日より全国ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社キノフィルムズの招待で試写を 観て投稿するものです。
次の作品は5月上旬に試写を観た作品で、公開が先の上に情 報解禁のタイミングもいろいろあって紹介を停めていたもの ですが、今回は後記の都合により掲載することにします。
『藁にもすがる獣たち』 江戸川乱歩賞作家・曽根圭介による原作を、2016年4月紹介 『牙狼<GARO>-DIVINE FLAME-』などの小林靖子脚本、本年 4月紹介『名無し』などの城定秀夫監督/脚本で映画化した 作品。 物語の始りは自転車にカメラを付けてYouTuberを気取る弱小 大学生。そんな大学生が街中で起きた乱闘に巻き込まれて大 切なカメラを壊され、意気消沈してバイト先のカラオケ店に やってくる。 そこでは前のシフトの女性から料金踏み倒しで立ち去った客 がいると知らされ、客がいた部屋の清掃に入った大学生は札 束の詰まったボストンバッグを発見。そして取り敢えずはそ のバッグを忘れもの置き場の棚に収めるが…。 一方、裏社会と繋がりを持つ悪徳刑事がヤクザのボスに呼び 出され、借金の返済を迫られる。その金は女に貢いだものだ ったが、刑事は近々大金が手に入ると言い逃れ、ボスの子分 と共にその大金を受け取る場所にやってくる。 そしてもう一人、街角に立つ女たちを仕切っている女性が物 語に絡んでくる。こうして三人三様の思惑でボストンバッグ に詰まった現金一億円の争奪戦が開始される。果たして最後 に笑うのは? 出演は2025年7月紹介『ChaO』の声優や2025年2月紹介『花 まんま』などの鈴鹿央士と、映画オリジナル作品への出演は 2013年4月紹介『クロユリ団地』以来という成宮寛貴。それ に2023年2月紹介『銀河鉄道の父』などの森七菜。 なおこの他にも多彩な脇役陣が登場するのだが、そちらは情 報解禁前となっている。 同じ原作からは2020年に韓国で映画化が行われており、今回 はリメイクということになる。ただし今回の映画化に際して 原作者からは自由に改変する許可が脚本家に与えられたそう で、かなり映画的なアレンジがされているようだ。 そこで注目されるのは映画に描かれる大学生の家庭環境。そ こには現代日本の縮図のような暮らしぶりが描かれており、 それは社会派映画のような風情も漂わせている。その見識に も納得できる作品だった。 城定監督の作品では前作の『名無し』は基より、2022年5月 紹介『ビリーバーズ』でも単なるエンターテインメントでは ない感覚が漂っていた。そこに小林脚本のストーリーテリン グが加わって盤石の物語が構築されている。 城定=小林は初顔合わせだそうだが、今後のコンビネーショ ンも期待したくなる作品だった。 公開は9月25日より全国ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社東映の招待で試写を観て投稿す るものです。 * * 唐突ですが、今回を持ちましてこのホームページの更新を 終了することにしました。理由はこの更新の記事を書くこと が負担になってきたからです。 元々このページは別の目的で始めたものでしたが、映画の 業界にいると試写状を貰うことになり、試写状を貰った以上 はその試写を観ることが礼儀と考え、さらに試写を観た以上 はそれを評価して紹介することが責務と考えました。 そこで映画の紹介を主な目的とするページになったのです が、最近では自分の感性が合わなくなった(多分老害)という か、試写を観ても紹介の言葉が見つからないことが多くなっ てきたものです。 そんな訳で潔くこのページを閉めることにします。従って 今後は試写会への出席も取り止めます。
思えば2001年10月22日の開始から四半世紀。同時多発テロ 事件の少し後に始めたこのページは、東日本大震災やCOVID- 19など様々な事態に遭遇してきました。その一方でそこには 楽しい思い出もたくさんあるものです。 そんな試写会で以前は回数も潤沢にあり、試写会への招待 の基準も緩やかで、会場によっては試写状なしでも観られる ことが多かったです。そこで会場では次に何が見られるかな どの情報交換も多かったです。 しかし当時情報交換をしていた試写会の仲間も、一部には 鬼籍に入られる方もあり、試写会自体も予約制などが多くな ってきた関係もあって、試写会場で情報交換をする機会も失 われてしまいました。 そんな訳で試写会という文化自体が失われつつあるように も感じます。それは時代の流れと言うには少し悲しい感じも します。ただし僕にはそんな文化の終焉を見届ける気もあり ませんので、先に撤退するものです。 長い間お付き合いいただきありがとうございました。
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