井口健二のOn the Production
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2026年06月07日(日) ヒトラーの毒見役

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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
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『ヒトラーの毒見役』“Le assaggiatrici”
2012年に94歳のドイツ人女性が遺した言葉を基にイタリアの
女性作家ロッセラ・ポストリノが著した小説を、2018年12月
2日付題名紹介『エマの瞳』などのイタリア人監督シルヴィ
オ・ソルディーニがドイツ語の台詞で映画化した作品。
時代背景は1943年。ナチス・ドイツの敗色も濃くなり始めた
頃のポーランドの田舎町に、空襲が始まったベルリンを逃れ
た1人の女性がやってくる。そこは招集でロシアの戦地に向
かった夫の生家のある故郷だった。
そんな都会から田舎町にやってきた彼女だったが、町の郊外
には鉄条網の張られた区域があり、多くのドイツ兵が屯する
異様な風景を気にした彼女に義父はヒトラーの隠れ要塞があ
るのだと告げ、総統は列車でやってくると話す。
そして列車の走行音が聞こえた日、彼女の暮らす家にドイツ
人将校が現れ、彼女は他の6人のドイツ人女性と共に要塞の
一室に連れて行かれる。そこには料理の皿が並べられ、それ
はヒトラーに出される食事だと告げられる。
こうしてヒトラーの毒見役となった主人公だが、若い女性同
士の確執など、様々な出来事が降りかかってくる。そして戦
況も悪化の一途をたどって行った。

出演はいずれもドイツ人のエリーザ・シュロット、マックス
・リーメルト、エマ・ファルク、オルガ・フォン・ラックヴ
ァルトと、オーストリア人のアルマ・ハースーン。
映画は当初世界配給を狙って英語での制作も検討されたが、
COVID-19などの影響で準備が滞るうちに方針が変わり、過去
にチェコ語での監督作品もあるスルディーニの起用が決まっ
たそうだ。
実際このような作品で英語の台詞を聞かされるのは興ざめに
なることも多いもので、この決断は素晴らしいことだと思え
るが、そのため制作規模などが制限されるのは厳しい現実な
のだろう。そんな厳しさに打ち勝った作品とも言える。
物語はフィクションで作られたものだが、戦争の愚かしさみ
たいなものは明確に描かれた作品ではある。それは戦争を引
き起こした本人の愚かしさでもあり、そんな主導者に率いら
れた国民の悲劇を描いた作品だ。

公開は7月31日より、東京地区は新宿武蔵野館、シネスイッ
チ銀座他にて全国順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社アンプラグドの招待で試写を観
て投稿するものです。


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井口健二