井口健二のOn the Production
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2026年04月12日(日) POCA PON/ポカポン、ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー、PEAK END

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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
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『POCA PON/ポカポン』
1980年生まれ、故長谷川和彦監督に師事するも映画は独学。
ラーメン店にてフルタイムで働きながら映画制作を継続し、
2020年のデビュー作『横須賀綺譚』が重慶青年映画祭で絶賛
されたという大塚信一脚本・監督による第2作。
なお本作は、昨年の東京国際映画祭 Nippon Cinema Now部門
に公式出品された。
主人公は郊外の団地で母親と弟と共に暮らす男子中学生。母
親は自堕落で勉強などしなくてよいと言うが、そんな母親を
見て育った少年は進学はできなくても少しでも良い暮しを目
指して勉強を続けている。
そんな少年が暮らす部屋では、隣部屋から薄い壁を通して激
しい物音が四六時中鳴り響いている。それでも少年は黙って
勉強を続けており、そんな少年を団地の管理人の男性が静か
に見つめていた。
ところがその団地に、28年前に起きた凶悪事件の犯人少年A
が暮らしているとの噂が広がり始める。果たしてその少年A
は隣部屋の住人なのか…。少年がその隣人と対峙したところ
から話が動き始める。

出演は、2022年の映画『サバカン SABAKAN』でおおさかシネ
マフェスティバルの新人賞を受賞した原田琥之佑、2011年の
NHK BS時代劇『新撰組血風録』などの尾関伸次、2018年11月
18日付題名紹介『赤い雪』などの菜葉菜。
他に2025年5月紹介『中山教頭の人生テスト』などの大角英
夫(子役)。さらに川瀬陽太、山崎ハコ、足立智充らが脇を固
めている。
物語の根底には1997年に起きた「酒鬼薔薇事件」があるかと
思うが、映画はその事件そのものではなく、それから28年後
の出来事が主に描かれる。そこでは社会復帰した少年Aと周
囲との関係も描かれるが、それだけではない。
それは更生が認められて社会復帰した者に対する世間の過剰
な反応やそれでもなお被害者の遺族に残る心の傷など、正に
多岐に渉る物語が盛り込まれており、単純には割り切れない
物語が展開される。
「酒鬼薔薇事件」に触発されたと思われる作品は過去にも観
ているが、本作ほど多方面からそれを描いた作品は思い出せ
ない。ただし本作では少年Aを深く描いてはおらず、その点
での評価は分かれるかも知れない。
でもそれ以上のものが本作では描かれている感じもするし、
それが監督の狙いなのだろう。現代に生きる我々に提示され
た命題とも言える作品だ。

公開は5月9日より、東京地区は新宿K's cinema、ユーロス
ペース(渋谷)他にて全国順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社インターフィルム、Cinemagoの
招待で試写を観て投稿するものです。

『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』
           “The Super Mario Galaxy Movie”
2024年1月紹介『FLY!/フライ』などのILLUMINATIONと日本
のゲームメーカー任天堂の共同製作で、2023年に公開された
『ザ・スーパーマリオブラザース・ムービー』の続編。
実は前作は観ていないのだが、ニューヨークから土管を通じ
てキノコの国に紛れ込んだマリオとルイージの兄弟はそのま
まピーチ姫らの世界に留まったようだ。そして前作で捕らえ
たクッパ大王の世話をしながら暮らしていた。
その一方で彼らの暮らす大宇宙(ギャラクシー)では、クッパ
大王の息子クッパ Jr.が父親の復権を目指して画策を始めて
いた。そして手始めにピーチ姫の姉ロゼッタの世界を攻略し
たクッパ Jr.はピーチ姫をおびき出す。
こうして宇宙に飛び出したピーチ姫を追って、ヨッシーらも
加わったスーパーマリオブラザースの面々がそれぞれの特技
を活かした大冒険を繰り広げる。

脚本は前作を担当した他、2022年公開『ミニオンズ フィー
バー』なども手掛けたマシュー・フォーゲル。監督も前作の
アーロン・ホーヴァスとマイケル・ジェレニックが共同で担
当している。
声優はクリス・プラット、アニャ・テイラー=ジョイ、チャ
ーリー・デイ、ジャック・ブラック、キーガン=マイケル・
キーらの前作からのメムバーに加えて、ベニー・サフディ、
ドナルド・グローヴァー、ブリー・ラーソンらが登場。
また吹替版では宮野真守、志田有彩、畠中祐、三宅健太、関
智一、坂本真綾、山下大輝が発表されている。
物語には前作から続いての設定がいくつかあったようだが、
ほとんどは新たな展開で前作を未見でも問題はなかった。た
だしオリジナルのゲームを活かした展開はいろいろあって、
それはゲームのファンには嬉しいものだった。
それと舞台が大宇宙(ギャラクシー)という設定でいろいろな
世界を巡る展開もあり、そこにはスーパーマリオ以外からの
ゲスト出演もあって、その辺には思わずニヤリとしてしまう
シーンもあったものだ。
そんなゲームファンをいろいろと楽しませてくれる作品だっ
た。

公開は4月24日より全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社東宝東和の招待で試写を観て投
稿するものです。

『PEAK END』
韓国ソウル出身のシン・チェリン監督が、京都芸術大学映画
学科の卒業制作として発表した2025年の作品。なお本作は、
第21回大阪アジアン映画祭に招待された他、沖縄NICE映画祭
でドキュメンタリー特別賞を受賞している。
映画の制作はソウルから来たリン(シン監督)と、沖縄普天間
から来たそら(伊丹そら)が京都の大学で出会い、意気投合し
て互いを撮り合ったことから始まる。そして2人はアイデア
を出し合い、それを実現して行く様を記録して行く。
その中には宇宙に贈り物を届けたいというものやコンプライ
アンス的に問題になりそうなものもあるが、概ね若い女性の
やりそうなことであり、それらが多少の演出も含めながら展
開されて行く。
そして後半ではそらが沖縄で暮らした家を訪れたいというア
イデアから沖縄での交友関係や、幼い頃の思い出話などが綴
られて行く。それらの映像がリンとそらの対話とと共に描か
れて行く。

出演はシン・チェリン(兼監督・企画)と伊丹そら(兼制作)。
他に録音・整音のキム・スピン、編集・撮影の西尾千裕、撮
影・企画の清水歩夢の5人で作られた作品だ。
作品は監督らの計画に沿って制作されたものであるから、こ
れをドキュメンタリーと呼ぶのが相応しいかどうかは悩むと
ころだが、作中で2人が語り合うシーンなどは台本があるも
のではないし、それはドキュメントなのだろう。
しかもそこに漂う瑞々しさみたいなものが年を取った自分に
は堪らない感覚にもさせてくれたものだ。自分にもこんな時
代があったのかな? そんな気分にもさせて貰えた。特に木
登りのシーンは夢のまた夢だ。
ただ、そらが父親について語るシーンは自分に娘がいる身と
しては少し辛かったかな。でもまあそんなことが判った点で
も勉強になる作品だった。それに沖縄の現状が少し出てくる
のは避けられないものなのだろう。
ただ映画の途中ではシン監督のご両親も出ていたようだが、
ここは監督のソウルの家も観たかったかな。沖縄のシーンが
強すぎて太刀打ちできなかったのかもしれないが。

公開は6月13日から東京 Image Forum、6月26日から京都出
町座、6月27日から大阪シネ・ヌーヴォ、さらに名古屋キネ
マ・ノイ、沖縄桜坂劇場など全国順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社 boid/VOICE OF GHOSTの招待で
試写を観て投稿するものです。


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井口健二