| 2024年06月09日(日) |
YOLO 百元の恋、ボストン1947、DitOディト、ロイヤルホテル、お隣さんはヒトラー? |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『YOLO 百元の恋』“热辣滚烫” 2014年に公開されて安藤サクラが日本アカデミー賞主演女優 賞に輝いた『百円の恋』を、中国で人気上昇中のコメディエ ンヌ=ジャー・リンの監督・主演でリメイクした作品。なお このリメイクにはオリジナル脚本の足立紳、監督の武正晴、 製作の佐藤現も監修として参加しているものだ。 主人公は30歳を過ぎた独身の女性。体重 100�圓鯆兇┐覽雋� で、定職にも就かず母親が切り盛りする実家で自堕落な暮ら しを続けている。そんな女性がある切っ掛けで家を出ること になるが…。 初めての一人暮らしで取り敢えず近所の飲食店で働き始めた 彼女だったが、仕事はなかなか上手く行かない。しかも彼女 が想いを寄せていた男性を親友と思っていた女性に寝取られ てしまったりもする。 そんな中で、仕事帰りの彼女はふとボクシングジムで寡黙に 練習をする男性に目を留める。そして一念発起、そのジムの 入門キャンペーンに乗った彼女は憧れの男性の指導を受け、 さらには彼の試合の手伝いもすることになる。 しかし運命の女神は彼女には微笑まず。憧れの選手とも別離 した彼女に残されていたのは、ボクシングの道を突き進むこ とだけだった。そこからボクシング大会への出場に向けた過 酷なトレーニングが始まる。 そんな物語が見事なコメディセンスで展開される。 共演は2021年チャン・イーモウ監督『崖上のスパイ』に出演 のライ・チァイン。他にライと2023年“交換人生”という作 品で共演のジャン・シャオフェイ、2019年10月27日付で紹介 “烈火英雄”に出演のヤン・ズーらが脇を固めている。 本作オリジナルに関しては2014年12月に試写を観ているが、 この時期は毎週10本以上観ていた上に『ホビット』シリーズ など自分のテリトリーの作品が目白押しで、紹介は割愛して しまったものだ。 そんな訳でオリジナルとの比較はあまりできないが、取り敢 えず本作では主演ジャー・リンの変貌ぶりが見事と言える。 実際に女優は元々体重が80�圓曚匹△辰燭箸いΔ海箸世�、ま ず撮影のために約30�圓鯀�量。 そこから撮影を続けながら減量を実行し、最終的には50�坩� 上の減量を行っている。それは後半のシーンでは別の女優が 吹き替えているのではないかと疑わせるほどの見事な変貌だ った。 そのために女優は1年間以上もメディアから姿を消していた というのだから、その本気も感じさせてくれるものだ。その 努力は最終興収約35億元(邦貨約 730億円)を生み出してい るが、同時にボクシングの競技人口も激増したそうだ。 公開は7月5日より、東京地区は新宿バルト9他にて全国ロ ードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社東映ビデオの招待で試写を観て 投稿するものです。(試写会は5月22日に行われました)
『ボストン1947』“1947보스톤” 1936年ベルリンオリンピック。そこでマラソンの金メダルと 銅メダルを獲得した孫基禎と南昇竜は朝鮮人だった。しかし オリンピックの記録では今も日本人のメダル獲得と記されて いる。そんな歴史的背景に基づく作品。 映画はプロローグで上記の歴史的事実が紹介され、そこから 1946年第2次世界大戦の終戦後が舞台となる。そこでは2年 後のロンドンオリンピックに向けた代表選手の選考が行われ ており、南昇竜は新たな孫基禎の発見に努めていた。 ところが、国際大会での競技実績のない韓国人選手はオリン ピックへの出場権が得られないという事態が判明する。そこ にはベルリンでの優勝も主張するが、それは日本人の記録だ と突っぱねられる。 そこで急遽国際大会であるボストンマラソンへの参加が検討 されるが、当時は米軍の統治下にあった朝鮮半島には様々な 制約が立ちはだかっていた。そんな中、孫基禎監督の許での チームの派遣が進められるが…。 因にボストンマラソンは1897年に創始され、毎年開かれるス ポーツ大会では最も古い歴史を持つとされているだそうだ。 出演は、2018年7月紹介『1987、ある闘いの真実』などのハ ・ジョンウ。2018年2月25日付題名紹介『名もなき野良犬の 輪舞』などのイム・シワン。2018年6月3日付題名紹介『ス ウィンダラーズ』などのペ・ソンウ。 他に2018年3月25日付題名紹介『焼肉ドラゴン』などのキム ・サンホ。2023年3月紹介『THE WITCH/魔女-増殖-』などの パク・ウンビンらが脇を固めている。 監督は、2002年6月紹介『銀杏のベッド』や2012年1月紹介 『マイウェイ』などのカン・ジェギュ。撮影監督には2019年 5月紹介『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれ た男』などのチェ・チャンミンが起用され、CGIなども駆 使して1947年が再現されている。 映画の終盤に韓国国家が演奏されるシーンがあり、そこでは 白頭山を歌った歌詞は現行と同じものだが、曲は「蛍の光」 になっている。これは1948年に現在の曲になるまでの歴史的 事実のようだ。他にも星条旗の星が整列しているなど、考証 もしっかりとなされた作品だ。 日本人としては耳の痛い部分もあるが、日本人をことさら悪 く描いてはおらず、これが歴史的事実だということをしっか りと認識して観たいものだ。 公開は8月30日より、全国ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社ショウゲートの招待で試写を観 て投稿するものです。
『DitOディト』 2016年11月20日付題名紹介『なりゆきな魂、』などに出演の 俳優・結城貴史が、自らの企画・製作・監督・主演で作り上 げた日本=フィリピン合作作品。 主人公は40歳の誕生日を間近にした日本人のプロボクサー。 日本国内では年齢規制で試合ができないため、異国の地フィ リピンのボクシングジムで再起を図っている。そしてそこは 貧困層の若者が夢を追う場所でもあった。 そんな主人公の許に若い女性がやってくる。彼女は主人公の 実の娘で母親と共に日本に残してきたが、その母親が亡くな り、彼女は高校もやめて父親の許にやってきたのだという。 その報告には慟哭する主人公だったが…。 こんな状況の中で、ジムのトレーナーでもあるオーナーの義 理の息子との確執や突然異国に飛び込んできた実娘の行動。 さらに主人公が目を掛けた若者の挫折など、環境を取り巻く 様々な状況が描かれて行く。 共演は2019年まで雑誌 「Seventeen」の専属モデルを務め、 2019年12月2日付題名紹介『転がるビー玉』などに出演して いた田辺桃子と、2014年1月紹介『魔女の宅急便』などの尾 野真千子。 対するフィリピン側からは、2021年・第34回東京国際映画祭 コンペティション部門出品作品『アリサカ』などのモン・コ ンフィアード。俳優、コメディアン、MC、歌手など多方面 に活躍し、フィリピンの英雄マニー・パッキャオの伝記映画 で少年時代を演じたというブボイ・ヴィラール。 さらに2016年11月5日付「東京国際映画祭」で紹介『アジア 三面鏡:リフレクションズ』のブリランテ・メンドーサ監督 作品で主演のルー・ヴェローソ。マニラを拠点に舞台や独立 系映画で活動のレスリー・リナ。 そしてボクシングの歴史上唯一の8冠の世界チャンピオンで フィリピン政界では上院と下院の議員も務めたマニー・パッ キャオが特別出演している。 フィリピンの映画は東京国際映画祭などでいろいろ観て来た が、貧富の差であったり、スラムのような住宅地の様子など はそれらの作品も思い出させてくれた。そんな現地の状況も しっかりと捉えられた作品と言えるのだろう。 そんな中でのカラフルな街並みや、車で6時間かかるという ひなびた漁村の様子など、異国情緒もたっぷりと楽しめる作 品になっていた。実に多様に楽しめる作品で、新人監督の今 後にも期待が持てる。 公開は7月26日より、東京地区はヒューマントラストシネマ 渋谷他にて全国順次ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社マジックアワーの招待で試写を 観て投稿するものです。
『ロイヤルホテル』“The Royal Hotel” ニューヨーク在住で2019年『アシスタント』というデビュー 作品が国際的に評価を受けたキティ・グリーン監督が、同作 に主演のジュリア・ガーナーを再び招き、母国オートラリア を舞台に描いた女性映画。 主人公はバックパッカーで旅する2人のカナダ人女性。オー ストラリアにやってきた2人はシドニー湾のクラブ船を楽し むが、1人が使ったカードに無効が告げられる。そこで2人 はワーキングホリデーで稼ごうとするが…。 2人が紹介されたのは人里離れた鉱山町に佇むパブ。そこは 3代目という飲んだくれのオーナーと、キッチン担当の中年 女性で運営されていたが、客は鉱山で働く荒くれものばかり だった。 そんな中でも郷に入っては郷に従えと何とかやりくりしよう とする2人だったが、暴力や脅迫、様々なハラスメントが彼 女たちに襲い掛かる。そしてそれが次第にエスカレートして 行く。 共演は、2015年公開『スター・ウォーズ フォースの覚醒』 や2021年公開『マトリックス レザレクションズ』などに出 演のジェシカ・ヘンウィック。なお主演のガーナーは2012年 11月紹介『マーサ、あるいはマーシー・メイ』に出ていたそ うだ。 他にナイジェリア出身のヒューゴ・ウィーヴィング、イギリ ス出身のトビー・ウォレス、ノルウェー出身のハーバート・ ノードラム、共にオーストラリア出身のダニエル・ヘンシュ オールとジェームズ・フレッシュヴィルら国際的な顔ぶれが 脇を固めている。 何ともはやという感じの作品だが、本作のエンドロールには ‘inspired by a documentary’というような文言があり、プレ ス資料によると監督は自身が審査員を務めた映画祭に出品の ドキュメンタリーを観て本作を創作したとのことだ。 つまり本作は実話に基づいているということ。オーストラリ アのワーキングホリデーに関してはすでにいろいろな問題が 指摘されているようだが、本作は正にその問題を抉り出すよ うな作品だったものだ。 とは言うもののこの映画では、クルーズ船に始まって荒野を 走る列車や乗り合いバス、さらに迎えの車まで様々な乗り物 の登場も面白い。ただし後半に登場するスポーツカーは燃費 の問題でこの場所には来れそうもないとのことだ。 公開は7月26日より、東京地区はヒューマントラストシネマ 有楽町、新宿武蔵野館、UPLINK吉祥寺他にて全国ロードショ ウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社アンプラグドの招待で試写を観 て投稿するものです。
『お隣さんはヒトラー?』“My Neighbor Adolf” 1945年4月30日にベルリンの地下壕で自殺したとされるナチ スの総統。しかしその死は偽装されたものでヒトラーは生き 延びていた。という都市伝説を基に描かれた作品。 プロローグは第2次世界大戦前のポーランド。ユダヤ人一家 の庭には丹精込めた黒薔薇が咲き誇っていた。その薔薇の前 で記念写真を撮る一家だったが、やがて家族は収容所に送ら れ、ほぼ全員が死を免れなかったようだ。 そして時代は流れて物語の背景は1960年の南米コロムビア。 折しも逃亡していたナチスの戦犯アドルフ・アイヒマンが捕 縛されたという記事が新聞を賑わしていた頃。とある郊外の 2軒並ぶ家の片方に初老の男が引っ越してくる。 その他方の家の庭には黒薔薇が育てられ、そこには腕に番号 を入れ墨されたユダヤ人の男性が一人で暮らしていた。とこ ろがある日、引っ越して来た家のジャーマンシェパードが塀 を潜って侵入し薔薇の枝を折ってしまう。 しかも糞をされ、一人暮らしの男性は抗議のために隣家を訪 れるが…。そこで彼が目撃したのは、戦前のチェス大会の会 場で擦れ違った際に見交わした、忘れもしないヒトラーの青 い目だった。そこから彼の証拠集めが始まる。 出演は、2009年5月紹介『縞模様のパジャマの少年』などの デヴィッド・ヘイマンと、2019年4月紹介『アイアン・スカ イ第三帝国の逆襲』などのウド・キア。他に2015年『黄金の アデーレ名画の帰還』などのオリヴィア・シルハヴィらが脇 を固めている。 脚本は1978年ラトビア・リガ生まれ、イスラエル在住のドミ トリー・マリンスキー。監督は1978年ソビエト連邦・レニン グラード(現サンクトペテルブルグ)生まれ、イスラエル在住 のレオン・ブルドフスキー。 まあユダヤ人によるユダヤ人のための作品と言う感じの映画 だが、前半がそのための謎解きなど正にその通りの作品なの に対して、映画の後半ではある種そこからの未来展望のよう な、少し違った展開が感動に繋がって行く。 この展開は過去に囚われずに未来を見つめて行こうという考 え方で、過去ばかりを問題にするスピルバーグや中山泰秀の ようなユダヤ至上主義者には描けないだろうなと思わせるも のだが、これが正しい人間性とも感じさせるものだ。 公開は7月26日より、東京地区は新宿ピカデリー、シネスイ ッチ銀座他にて全国ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社STAR CHANNEL MOVIESの招待で 試写を観て投稿するものです。
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