井口健二のOn the Production
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2022年09月11日(日) 呪い返し師−塩子誕生、夜、鳥たちが啼く、光の指す方へ

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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
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『呪い返し師−塩子誕生』
大川隆法原作・製作総指揮による宗教団体「幸福の科学」の
教義に沿ったオカルトファンタシー作品。
女子高のオカルト研究会の部員が、度々不可解な現象に襲わ
れる級友の救うため、呪い返し師−塩子を呼び覚ます儀式を
行う。こうして降臨した塩子は直ちに級友に憑いた悪霊を見
破り、除霊するが…。
彼女らの周辺にはその他にも様々な霊に取りつかれた人々が
おり、その相談を受けた主人公らはその度に塩子を降臨して
その霊を払ってもらって行く。しかしその道筋には巨大な悪
が待ち構えていた。

出演は、2020年3月8日題名紹介『心霊喫茶「エクストラ」
の秘密』などの希島凛と、同作に出ていたという福永紗也。
他に元AKB48の鈴木まりや、舞台俳優の吉田宗洋。さらに
土平ドンペイ、モロ師岡、長谷川稀世、目黒祐樹らが脇を固
めている。
脚本は『心霊喫茶』などの大川咲也加、監督はテレビシリー
ズ『GTO』などの演出を務めた赤羽博が担当した。
物語は、それぞれ人間の煩悩である「貪=欲望、瞋=怒り、
癡=無知、慢=うぬぼれ」に準えた4つのエピソードで構成
され、それなりに内容がエスカレートして行く展開になって
いる。
とは言うものの、呪いの出現から塩子による除霊までの流れ
が一本調子の繰り返しで、それぞれ赤鬼が登場したりの変化
は見せるが、何かメリハリに欠ける。特に各エピソード間が
ブツ切れで繋がりがないのも興味を途切れさせた。
実際には最後のエピソードが少し長めに作られている感じも
したが、どうせならその前の3つのエピソードはプロローグ
的に短くするか、もっと最後のエピソードとの絡みを持たせ
て、この話を分厚く描いた方が良かったのではないかな。

大川隆法原作の作品群では、2018年9月23日題名紹介『宇宙
の法 黎明編』などのシリーズはそれなりに壮大な展開で面
白いところもあったが、それ以降は−コロナ期の作品は観て
いないが−少しスケールダウンしている感じもする。
出来ればもっと壮大な物語を見せて欲しいものだ。
公開は10月7日より、東京はシネマート新宿、ヒューマント
ラストシネマ渋谷他で全国ロードショウとなる。

『夜、鳥たちが啼く』
2010年9月紹介『海炭市叙景』、2014年2月紹介『そこのみ
にて光輝く』などの佐藤泰志原作を、2022年5月紹介『ビリ
ーバーズ』などの城定秀夫監督で映画化した作品。なお佐藤
原作の映画化では、上記2作を含む4作品が函館の映画館で
製作されたが、本作は別系統のようだ。
主人公は一時は新人賞の受賞で持て囃されたが、以降は鳴か
ず飛ばずの小説家。同棲していた女性には愛想を尽かされ、
出て行かれたが、実はそれ以前から彼は自宅の庭に建てられ
たプレハブに住み、家庭内別居の状態だった。
そんな彼の家にシングルマザーの母子が引っ越してくる。そ
の母子に彼は自宅を貸し与え、彼自身はプレハブ暮らしを続
ける。そして母子の息子とも親しくなって行くが…。彼自身
の過去や母子との関係が徐々に解き明かされて行く。

出演は2017年4月、8月紹介『トモダチゲーム』などの山田
裕貴と、2017年4月2日題名紹介『22年目の告白』などの松
本まりか。他に森優理斗、藤田朋子、宇野祥平らが脇を固め
ている。
脚本は、『そこのみにて光輝く』と2016年7月17日題名紹介
『オーバー・フェンス』も手掛けた高田亮。実は城定秀夫監
督とは互いに助監督時代からの盟友だそうで、監督の特集上
映のトークイヴェントに招かれた脚本家が、また一緒にやり
たいと提案、実現した作品だそうだ。
どちらかと言うと芸術映画の範疇に入りそうな佐藤原作の映
画化作品と、職人監督とも言われる城定監督とは一見相容れ
ない関係のようにも思えるが、本作を観るとまごうことなく
城定監督の人間への洞察力が生きた作品と言える。
その点は上記『ビリーバーズ』や脚本を手掛けた2022年8月
紹介『よだかの片想い』からも感じるところだ。特に主演の
2人の絡みや、過去のそれぞれの経緯などは、先の佐藤原作
作品に勝るとも劣らない見事な演出で描かれていた。

これが映画だと言い切れる作品だ。
公開は12月9日より、東京は新宿ピカデリー他で全国ロード
ショウとなる。

『光の指す方へ』
東京都青梅市に所在する東京都で唯一の木造建築の映画館シ
ネマネコを舞台にしたドラマ作品。
主人公はクラスで唯一の大学受験に失敗した浪人生。将来の
見通しもなく悶々としている彼に、海外出張で家を空ける母
親から近所で映画館を開いた姉の許へ親戚から届いたミカン
を届ける役目が命じられる。
そんな訳でふらふらと映画館にやってきた主人公。ところが
姉から無理矢理映画館の手伝いをさせられた主人公は少しず
つ映画の魅力に嵌って行く。そして集客の企画として小耳に
はさんだフィルム上映を提案するが…。

脚本と監督は1974年生まれ、2000年から映像制作を始め、長
編映画は2015年に『きみとみる風景』という作品を手掛けて
以来2作目という今西祐子。長年映画畑にいた監督の映画愛
が込められた作品だ。
出演は2016年『14の夜』という作品で主演デビューした犬飼
直紀。他に舞台女優の松��映子、アーティストの伊藤悌智ら
が脇を固めている。
なお作品には実際に35�个留納無,眦仂譴掘■佳罎留納無,�
切り替えの様子なども紹介される。この辺の描写には2022年
4月紹介『ワン・セカンド』なども髣髴としたが、チャン・
イーモウ監督に負けない映画愛と言えそうだ。
なお本作の映写指導及び映写機材の提供は、有限会社鈴木映
画の全面協力によるもので、映画には同社の機材倉庫も重要
なシーンとして登場する。これも映画ファンにはたまらない
シーンと言えそうだ。

公開は11月18日よりシネマネコで先行上映の後、東京は渋谷
ユーロスペース他にて全国順次ロードショウとなる。


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井口健二