| 2022年04月10日(日) |
ワン・セカンド 永遠の24フレーム、ぼくの歌が聴こえたら |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ご無沙汰しました。ほぼ2年ぶりにホームページを更新し ます。 最初にこの2年間のことを簡単に記して置くと、毎日は朝 7時ごろに起床し、天候の良い日は午前中に近所にある少し 広めの公園を1時間半ほどウォーキング。その後は読書か、 スマホ及びPCでゲームをして時間を過ごしておりました。 そしてこの間は、映画は1本も観ませんでした。 実際には、一昨年の夏ごろからは試写会も再開していたの ですが、感染防止などの意味合いで完全予約制となっている ものが多く、事前の手続きなどが煩雑で敬遠。またオンライ ン試写なども行われていましたが、2020年5月31日付で報告 した3本以外は観ることを止めました。 これは映画はスクリーンで観るという固定観念に捉われた ためでもありますが。実際にその際の記事を書きながら違和 感を拭えず。それ以降もオンライン試写の案内は多数いただ きましたが、全て鑑賞はしませんでした。と言うより心情か ら出来ませんでした。 そんな訳で2年間は全く映画を観ませんでしたが、ここに 来て感染状況も下げ止まりとは言え安定してきた感があり、 自分自身も3度目のワクチン接種を完了して市中に進出する 覚悟が出来たものです。なおサッカーの応援も3月末から参 戦しました。 それではこの作品から映画の紹介を再開します。 * * 『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』 “一秒钟” 2011年5月紹介『サンザシの樹の下で』などの名匠チャン・ イーモウ監督による2020年本国公開の中国映画。 時代は1969年、文化大革命末期の西域=砂漠地帯を舞台に、 移動上映される映画に映るわが子の姿を探す男性と、映画の フィルムに執着する孤児の少女が交錯する。 本作は2019年2月のベルリン国際映画祭コンペティション部 門に選出されたものの、開催直前に「技術的問題がある」と されて出品がキャンセルされたといういわく付きの作品だ。 物語は男が砂漠を歩いて上映が行われる村に辿り着くところ から始まる。男は会場にやってくるが上映は終わった後、す でにフィルムの搬出が行われていた。そんなフィルムを愛で るように見ていた男だったが…。 搬出していた業者が目を離した隙に建物の陰から現れた子供 がフィルムの1巻を抱えて逃走。それを目撃した男はその後 を追い、砂丘で子供からフィルムを取り返すが、戻ると業者 は出発した後だった。 そこで男は次の上映が行われる会場までフィルムを届けよう と砂漠を歩き始めるが…。再び登場する子供=少女と、上映 会場の映写技師も絡んで、当時の中国社会で翻弄される親子 を巡る問題が浮き彫りにされて行く。 出演は、2018年の主演作『オペレーション・レッド・シー』 が中国�癸吋劵奪箸魑�録したチャン・イーと、本作オーディ ションに高校生で選出された後は北京舞踏学院で学んだとい う新星リウ・ハオツン。それに2017年『ミスタ・ノー・プロ ブレム』で金馬奨最優秀主演男優賞受賞のファン・ウェイ。 脚本は、イーモウ監督とは2005年『単騎、千里を走る』でも 組んだことのあるヅォウ・ジンジーが共同で執筆している。 撮影は2002年『HERO』などイーモウ監督の武侠作品に協力し てきたチャオ・シャオティンが担当した。 物語は映画フィルムという存在をど真ん中に据えた、正しく 僕のようなフィルム世代の人間の心を鷲掴みにする作品だっ た。それは僕より2歳年下のイーモウ監督にも共通の思いな のだろう。 そこにはフィルムをプロジェクターに掛ける手順から、ある 事情で砂漠の砂にまみれてしまったフィルムを洗浄して復活 させる様子。さらにはトラブルで燃え上がるまで、フィルム に対する愛情がふんだんに盛り込まれていた。 特にフィルムの洗浄はイーモウ監督の実体験にも基づいてい るそうで、そこで洗浄に使う蒸留水の入手方法などは、思は ず手で膝を打つような納得の展開が描かれていた。正に映画 ファンへの贈り物だろう。 さらに復活したフィルムの状態が、これも痛々しくも感動的 に再現されていた。これがディジタルだと1か0かの二択し かないのだから、このような感動は描けないのではないか、 そんなことも考えてしまった。 そしてもう一点、映画の後半では上映中の映写室内が写され るが、ここではフィルムが流れるように動いている様子が描 写されている。これは肉眼で見ていればこの通りなのだが、 これを撮影するとこうはいかない。 それは毎秒24コマで動くフィルムを24コマで撮影すると動き が同期して、コマが止まっているように写ってしまうのだ。 そこで最初は撮影のコマ数が違っているのかとも考えたが、 映画のデータベースで確認したところ、使用されたのはRed DSMC2 Monstro VVとSony CineAlta Venice。いずれも撮影は 24コマが基準のものだった。 つまりここではフィルムが流れるように描写するための工夫 が施されていたということなのだ。その工夫がどんなものな のかにはいくつか手法は思い付くが、こんなちょっとしたこ とにも監督の思いが伝わる作品だった。 フィルム世代の映画ファンは必見の作品。 公開は5月20日より、東京はTOHOシネマズシャンテ他で全国 ロードショウとなる。
『ぼくの歌が聴こえたら』“더 박스” K-POPの人気グループEXOでラッパー及びサブヴォーカルを務 めるチョンヨルの主演による2021年本国公開の韓国映画。 チョンヨルが演じるのは駐車場の管理小屋で秘かにギターを 弾きながら歌っていた若者。その歌声が、過去には受賞歌手 を育てたこともある音楽プロデューサーの耳に入ったことか ら物語が動き出す。 実はそのプロデューサーは育てた歌手には逃げられ、今や破 産寸前。そんなプロデューサーが若者の歌声にほれ込み、一 躍売り出しを夢見て無理矢理契約を結ぶが、その若者は幼い 頃のトラウマにより人前で歌うことができなかった。 それでもプロデューサーは、冷蔵庫の梱包用の段ボール箱で 隠れ場所を制作し、その中で歌う手法を編み出すが…。10曲 歌う契約で始めた売込み計画は、彼が歌う度に次々にトラブ ルを巻き起こす。 そして物語は、仁川から全州、光州、麗水、慶州、蔚山へと ロード・ムーヴィ風に繰り広げられて行き、徐々に2人の思 いが変化して行く。 共演は、2016年に上野樹里が共演した『ビューティー・イン サイド』などのチョ・ダルファン。脚本と監督は、舞台出身 で2018年平昌オリンピックの開会式演出なども務めたヤン・ ジョンウンの映画デビュー作となっている。 作品はチョンヨルの歌声が満載で典型的なアイドルと言える かな。その楽曲も、前半は“Bud Guy”“What a Wonderfull Word”“My Funny Valentine”など英語の洋楽中心で、それ が後半は韓国語の歌中心になるのは意図的と思える。 とは言うものの、舞台が次々替わるのをロード・ムーヴィと するには各地域との繋がりに深みがなく、無理矢理舞台を広 げた感じが否めなかった。これは韓国文化に詳しい人が見れ ば何かあったのかもしれないが、僕には不明。 ただ前半では、各地に行く度にその地方の料理が登場して、 それが良い感じだったりもしたのだが…。その描写が後半は ちょっと尻すぼまりになってしまう感じなのは、少し残念な 気もした。 そんな中で後半に登場するロマの文化を継承しているような 人々の描写は、意外性もあってよい雰囲気だった。出来れば この部分をもっと膨らませて描いて欲しかった感じもしたも のだ。 でもまあ、チョンヨルの歌声が各地の風景を背景に聴けるの は、ファンにとってはこの上もない贈り物だったのだろう。 公開は6月10日より、東京はシネマート新宿、ヒューマント ラストシネマ有楽町他で全国公開となる。
今後は、また週1回程度のペースでページを更新して行く つもりですので、何卒よろしくお願い致します。
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