| 2019年12月29日(日) |
巡礼の約束、バニシング(もみの家、プレーム兄、リチャード・ジュエル、劇場版 おいしい給食、ジョン・F・ドノヴァン、ナイブズ・アウト) |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『巡礼の約束』“阿拉姜色” 2016年7月紹介『河』(公開題名:草原の河)のソンタルジャ 監督による新作で、2018年上海国際映画祭にて審査員大賞と 最優秀脚本賞の2冠に輝いた作品。 舞台はチベット高原東部の町ギャロン。その町に住む主婦が 突然ラサへの巡礼に出ると言い出す。その様子に夫は只なら ぬものを感じて反対するが…。妻は実家に行き、そこで暮す 前夫との間の息子には会えないまま旅が始まる。 その巡礼には町の娘2人が同行するが、五体投地で進む旅は 過酷なものだった。そこに夫がバイクで追いつき説得しよう とするが聞き入られることはなく、やがて同行者の2人が離 脱しても旅は続いて行く。 こうして1人で進む旅に主人公の弟が彼女の息子を連れて現 れる。そして弟が帰ろうとした時、息子は母親と共にいるこ とを決める。さらに夫も再び合流し、主人公と互いには血の 繋がらない夫と息子との3人の旅が続いてゆく。 出演は本作で中国国内の映画祭で女優賞を受賞したニマソン ソンと、現地で1000人のオーディションから選ばれた撮影時 11歳のスィチョクジャ。ギャロン出身で舞踊家・歌手として 知られ、本作のプロデュースも担当のヨン・ジョンシャ。 他に詩人としても活躍するジンバらが脇を固めている。 脚本は監督と、チベット人作家で日本では2000年に公開され た『チベットの女イシの生涯』などの原作者として知られる タシダワが共同で執筆。因に本作は、2011年に長編デビュー したソンタルジャ監督の3作目だそうだ。 2016年『ラサへの歩き方 祈りの2400km』でも描かれた五体 投地で聖地を目指す巡礼旅は過酷としか言いようのないもの だが、先の作品は村を挙げての行事で団体での行動はそれな りに理解はできるものだった。 それに対して本作は、一応同行者がいるとは言うものの実行 するのは1人だけで、それはもう理解を超えるものだ。しか も映画では、額の傷が大きくなって行くなどの描写もあり、 それまでする願いは何なのだろうという思いもする。 一方、本作は夏から秋、冬、春と、チベット高原の季節の変 化も見事に描写された作品とも言える。そこに家族の絆や親 子愛、夫婦愛などが巧みに織り込まれている。そんな感じも する作品だった。 ただ、最後に登場する「ラサまで3�辧廚箸いζ始�標識が、 確か2016年作にも登場していたように思うのだが、そこはま だ最後の峠の手前の場所で、とても後3�劼忙廚┐覆ぁA虻� でも疑問に感じたが、今回も謎のままだった。 公開は2020年2月8日より、東京は神保町岩波ホール他にて 全国順次ロードショウとなる。
『バニシング』“The Vanishing/Keepers” スコットランド出身で、2019年10月13日題名紹介『エンド・ オブ・ステイツ』などのアクションスターの俳優ジェラルド ・バトラーが、出演と製作も手掛けた同地の実話に基づくと されるサスペンス作品。 物語の基となっているのは1900年12月に起きた「アイリーン ・モア灯台事件」。スコットランド西部のアウター・ヘブリ ディーズ諸島に属する小さな無人島で灯台を守っていた3人 の男が忽然と姿を消した。 それは12月15日に沖合を航行中の貨物船が、夜間に向きを変 えるため灯台を探したが見つからず、応答もなかったという 報告に始まり、10日後に定期の補給のための船が立ち寄ると 3人の灯台守の姿がなかったというもの。 そして作業日誌には暴風が襲来したとの記載があり、道具箱 もなかったことから、嵐の中を作業に向かった灯台守たちが 海に投げ出されたという推測になったが、3人の内の1人の 防水衣だけが残されているなど謎は残された。 因に事件の起きたアイリーン・モア島には侵入者を歓迎しな い妖精がいるという伝説があり、また該当する日時に本土で 嵐は観測されていなかったということもあって、オカルト的 な興味を引く失踪事件とされているものだ。 しかしこの事件に関しては、現在では灯台守の1人が一時的 な精神錯乱(?)となって仲間2人を殺害し、その後に正気に 戻った殺人者が嵐の記載を日誌に残して自らも海に身を投げ たという説が有力になっているそうだ。 これに対して本作では、さらに別の要因を加えた推測を描い ているものだが、これが一層の現実味を帯びた人間ドラマを 展開するものになっている。とは言ってもかなり大胆な推測 ではあるのだが…。 共演は、2013年12月紹介『トップ・オブ・ザ・レイク』など のピーター・ミュランと、2018年には英国のラップ・シーン を描いた“VS.”という作品にも主演しているコナー・スウ ィンデルズ。他にソーレン・マリン、オラフル・ダッリ・オ ラフソン、ゲイリー・ルイスらが脇を固めている。 俳優でもあるジョー・ボーンと、本作の製作総指揮も務める ケイリン・ジョーンズの脚本から、監督は人気テレビドラマ 『THE KILLING キリング』などを手掛けるクリストファー・ ニーホルムが長編デビューを飾っている。 正直に言ってオカルトでなかったのは少し残念だが、3人の 灯台守の心理劇などはさもありなんという感じで楽しめた。 それにスコットランド西側の諸島の荒涼とした風景も興味深 く観られる作品だった。 公開は2020年1月24日より、東京はシネマート新宿、ヒュー マントラストシネマ渋谷他で全国ロードショウとなる。 なお原題は、鑑賞した映像ではスラッシュの右側だったが、 海外のデータベースでは左側でも紹介されているようだ。
この週は他に 『もみの家』 (2017年1月15日題名紹介『真白の恋』の北川亜矢子(脚本) と、坂本欣弘監督が再び組んで富山県に実在する不登校児な どの自立支援施設を描いた作品。主人公は都会の学校で周囲 に馴染めず不登校になった16歳の少女。父親はそのうち何と かなると放任だったが、心配した母親が意を決して少女を施 設に連れてくる。その施設でも初めは馴染めない少女だった が、大自然の中での暮しと同じような悩みを抱える仲間との 交流が徐々に彼女を変えてゆく。出演は2019年6月16日題名 紹介『無限ファンデーション』などの南沙良。他に中村蒼、 田中美里、緒形直人。さらに渡辺真起子、佐々木すみ江、二 階堂智、菅原大吉らが脇を固めている。坂本監督は地元富山 県に在住とのことで、映画では他県人の知らない風景も魅せ てくれる。特に若い2人が山から観る景観は見事だった。公 開は2020年2月28日から富山県で先行上映の後、東京は3月 20日より新宿武蔵野館他にて全国順次ロードショウ。)
『プレーム兄貴、王になる』“प्रेम रतन धन पायो” (19世紀末に出版されたイギリスの小説「ゼンダ城の虜」に 想を得ているマサラムーヴィ。主人公はあまり売れていない 役者。そんな彼が慈善活動に来ていた王女に一目惚れする。 そして王女が婚約者である王子の王位継承式で近隣の町を訪 れると知った主人公は、一目見ようとその町に向かうが…。 そのころ王宮では尊大な王子に反発する弟王子一派の反乱で 王子は意識不明になっていた。しかも主人公が王子に瓜二つ と判り、主人公は急遽王子の身代わりを演じることになる。 しかし反乱は強度を増し、その中で主人公はある策に打って 出る。出演は、2018年12月9日題名紹介『バジュランギおじ さんと、小さな迷子』などのサマール・カーン。他にソーナ ム・カプール、アヌパム・カーらが脇を固めている。脚本と 監督は1989年のデビュー作以来、多くの作品でカーンと組ん でいるスーラジ・バルジャーティヤ。公開は2020年2月21日 より、東京は新宿ピカデリー他で全国ロードショウ。)
『リチャード・ジュエル』“Richard Jewell” (1996年、アトランタオリンピック開催中に起きた爆弾テロ 事件とその捜査活動の真相に迫るクリント・イーストウッド 監督作品。主人公は警官に憧れるが果たせない男性。そんな 彼がオリンピック関連イヴェント会場の警備の仕事に就く。 そしてその会場に仕掛けられた爆弾を発見。彼の機転で多く の人命が救われ、一躍英雄になるが。捜査に当るFBIでは 第一発見者を疑うセオリーから彼に嫌疑の目を向け、しかも その情報が特ダネを狙う女性記者に漏れてしまう。そして実 名報道がされ、彼は一転民衆の敵になってしまうが…。彼の 友人だった弁護士がその窮地に立ち向かう。出演は、2018年 12月2日題名紹介『ブラック・クランズマン』などのポール ・ウォルター・ハウザー。他にサム・ロックウェル、キャシ ー・ベイツ。さらにジョン・ハム、オリビア・ワイルドらが 脇を固めている。権力の怖さを的確に描いた作品だ。公開は 2020年1月17日より、全国ロードショウ。)
『劇場版 おいしい給食 Final Battle』 (2018年8月紹介『あいあい傘』などの市原隼人の主演で、 給食に絶対愛を捧げる教師と給食に変革を求める生徒との対 決を描いた2019年10月‐12月にローカルネットで全10話が放 送されたテレビシリーズの映画版。放送では各話ごとに出さ れた給食を如何にベストにして食べるかが競われたが、映画 版ではそんな彼らの根底を揺るがす大事件が発生する。共演 は2015年12月紹介『鉄の子』で見事な演技を見せた子役の佐 藤大志。他に武田玲奈、豊嶋花、辻本達規、いとうまい子、 酒向芳らがテレビ版から登場、さらに水野勝、直江喜一、ド ロンズ石本らが映画版の脇を固める。脚本と監督はテレビ版 でも7話を手掛けた綾部真弥。時代背景は1984年だそうで、 最近の若者にもノスタルジーを感じさせる給食が描かれてい る。僕は一応テレビ版も観ていたので細かいところにも感激 したが、そうでない人にも面白いという感想だったようだ。 公開は2020年3月6日より、全国ロードショウ。)
『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』 “The Death and Life of John F. Donovan” (2015年3月紹介『Mommy マミー』などのグザヴィエ・ドラ ン監督が、カナダのケベック州で子役として活動していた頃 に、実際にレオナルド・ディカプリオと文通していたという 思い出に基づき、子役で活動している少年と文通相手の人気 スターとの葛藤を描いた作品。少年は母親にも内緒で文通を しており、ある日それを学校で発表するが、それがとんでも ない事件を引き起こしてしまう。大人の無理解などが子供に 及ぼす影響を丁寧に描いた作品になっている。出演は2018年 3月紹介『ワンダー君は太陽』などのジェイコブ・トレンブ レイと、2013年4月紹介『サイレントヒル・リベレーション 3D』などのキット・ハリントン。他にナタリー・ポートマ ン、スーザン・サランドン、キャシー・ベイツ、タンディ・ ニュートン、マイクル・ガンボンらが脇を固めている。映画 界の舞台裏などもいろいろ描かれるが、何か物足りない感じ がした。公開は2020年3月13日より、全国ロードショウ。)
『ナイブズ・アウト名探偵と刃の館の秘密』“Knives Out” (2012年10月紹介『LOOPER』などのライアン・ジョンスン脚 本・監督で、007のダニエル・クレイグとCaptain Americaの クリス・エバンスを主演に迎えたアガサ・クリスティに捧げ るとされたオリジナルの密室殺人劇。世界的ミステリー作家 の誕生日パーティが自宅で開かれ、作家の家族らが集まった 翌朝、作家が遺体で発見される。しかしそれは自殺と見做さ れて葬儀の準備が進むが、そこに依頼を受けたという名探偵 が登場する。そして集まった全員を殺人の容疑者として再捜 査が始まるが…。共演は2017年10月紹介『ブレードランナー 2049』などのアナ・デ・アルマス。他にジェイミー・リー・ カーティス、マイクル・シャノン、ドン・ジョンスン、トニ ・コレット。さらにクリストファー・プラマー、フランク・ オズらが脇を固めている。正にクリスティが書きそうな「名 探偵、皆を集めてさてと言い」の謎解き劇が展開される。公 開は2020年1月31日より、全国ロードショウ。) を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
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